200平成18  120 金曜日

肉用牛初競り、高値スタート/販売額2億7000万円の大商い

 肉用牛の二〇〇六年宮古本島と多良間村の競り市開きが十九日、JAおきなわ宮古家畜市場などで開かれた。畜産関係者が多数来場し、生産農家とともに〇六年の高値取引を祈願した。〇五年は年間を通して高値の取引が成立し、全体の販売額が二十八億四千三百四十四万八千三百円の過去最高額を達成。集まった畜産関係者は目標とする年間三十億円達成に向けて結束を強めた。宮古本島初競りにおける子牛(生後十二カ月以内)一頭平均価格は四十六万七千百十五円、平均キロ単価は千七百八十六円といずれも高値取引が成立。成牛を含めた販売額は二億七千五十万五千二百円の大商いで、〇六年競りは好調なスタートを切った。
 宮古本島の〇六年市場開きは午前八時五十分から行われ、はじめにJAおきなわ宮古地区事業本部の下地隆弘本部長が「昨年は好調な一年で活発な取引ができた」と会場の購買者に感謝。その上で「今年も良い素牛(子牛)づくりに取り組んでいきたい」とあいさつした。
 JAおきなわの赤嶺勇代表理事理事長は「肉用牛はサトウキビと並ぶ大きな産業の柱。販売額が三十億円に達するよう優良な母牛をしっかりと確保し、購買者の皆さんが安心できる素牛づくりに生産農家とともに励みたい」と話し、JAとして優良県産牛の生産に取り組む決意を示した。
 続いて県農林水産部の国吉秀治部長(代読)が「市場性の高い肉用牛の生産や経営体質を強化し、信頼される肉用牛産地としての地位を確立してほしい」と述べ、生産者の飼養技術の向上に期待を込めていた。宮古地区農業振興会の伊志嶺亮会長(宮古島市長)は「販売額三十億円突破が現実味を帯びてきた。生産者の皆さんには、目標達成に向けてより良い宮古産和牛の育成に取り組んでほしい」と激励した。
 関係者による鏡開きの後、砂川佳一県議と奥平一夫県議が乾杯の音頭を取り高値取引を祈願。最後は参加者全員で万歳三唱を行い、産地化の促進を誓い合った。
 この後、JAの赤嶺理事長が今年一番目の子牛を市場内に引っ張ってきて初競りがスタート。祝儀相場もあるが、この牛が六十五万二千円の高値で競り落とされると会場には拍手や歓声、指笛が響き、初競りならではの活気づいた雰囲気に包まれていた。

 写真説明・初競りスタートに伴い万歳三唱で高値取引を祈願する畜産関係者ら=19日、JAおきなわ宮古家畜市場
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保険料月基準額・4500円―4800円で/介保事業計画策定委

 第二回宮古島市介護保険事業計画等策定委員会(下地徹委員長)が十九日、市役所で開かれた。冒頭、伊志嶺亮市長が二〇〇六年度から向こう三年間の介護保険料を月基準額四千五百円から四千八百円の幅で設定する当局方針を示した。協議では、介護保険法の改正に基づき、事業の中核施設となる「地域包括支援センター」を今年四月に設置し、介護予防マネジメントや総合相談・支援などを展開することなどを確認。次回の最終委員会で保険料を含めた事業計画をまとめた後、伊志嶺市長に答申する。
 同委員会では、来年度からの第三期介護保険事業運営期間の開始に向け、見直し作業を実施。国の大幅な制度改正や宮古五市町村の合併による新市発足で、事業計画の大幅な見直しを迫られている。
 この日の会議では、冒頭に伊志嶺市長が▽介護予防の啓発は全庁体制で行う▽地域包括支援センターの設置▽日常生活圏域での小規模多機能施設の設置▽保険料設定は四千五百円から四千八百円の範囲内―の四本柱とする当局方針を示した。委員会ではこの柱を機軸に事業計画を策定することになる。
 事業展開の核となる「地域包括支援センター」は、保健福祉部がある市役所城辺庁舎に設置し、改正法のポイントとなっている「新予防給付」に関するマネジメントを行うほか、高齢者の実態把握や虐待への対応を含む権利擁護事務などを行う。
 また、同センターを補完する施設として平良二カ所、城辺、上野・下地、伊良部の五つの生活圏域に総合相談窓口を設置し、これまで旧五市町村に合計で九カ所設置されていた地域型在宅介護支援センターの機能を生かしながら相談業務を展開することを申し合わせた。実施主体は、宮古島市社会福祉協議会に委託する方針。
 地域密着型サービスの実施については、訪問と宿泊を組み合わせた「小規模多機能型居宅介護」を各生活圏域に配置。市が指定・指導監督を行う事業所が役割を担う。
 現行の介護保険料は、▽旧平良市が基準額四千五十円▽旧城辺町が同三千七百円▽旧下地町が同三千八百円▽旧上野村が同四千円▽旧伊良部町が同三千六百円―となっている。

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宮古島市助役「2人制」は先延ばし/市長が与党議員に方針示す

 昨年の宮古島市議会十二月定例会で否決された「助役二人制」の条例案を今月中に再提案する意思を示していた伊志嶺亮市長は、十八日夜に行われた与党議員との会合で、同案の再提案はしばらく見送り、来月三日に行われる宮古島市発足記念式典前までに前平良市助役の下地学氏(68)を提案する方針を示した。
 十八日の昼には市内のレストランで市議会の与党議員会(仲間明典会長)が会合を持ち、助役二人制の成立は厳しい状況であることから仲間会長が「まずは現状のまま助役一人を提案して業務を行いその後、必要に応じて二人制を考える」との見解を伊志嶺市長に伝えていた。
 助役の人選については、各方面で下地氏と前県議会議員の坂井民二氏とで水面下の激しい攻防戦がこれまでも展開されてきた。現在は、助役二人制が厳しい状況となったことで現状の助役一人のまま「誰が先に提案されるか」が焦点となっている。
 助役二人制の条例案を先延ばしにし、現状のまま下地氏が提案されても与党議員だけでは過半数に及ばない。伊志嶺市長を支えるとしている最大会派の「そうぞう」が加われば過半数を上回るが、坂井氏寄りの「そうぞう」の理解を得られるかは難しい状況となっている。
 与党議員の一部は「下地氏が提案された場合、野党は賛成するだろうとのうわさもあるが、『そうぞう』との関係に影響を与える可能性もある」「今、名前の挙がってる二人では難しいかもしれない。下地氏が助役になると市長、議長、助役すべてが伊良部出身になるとの声もある。また、坂井氏については与党の一部で拒否反応が強く、今後も説得は難しいだろう」などの声が聞かれている。
 助役二人制の条例案再提案が先延ばしとなり、下地氏の人選案が先に提案される公算が大きくなっているが、助役二人制がもめた原因は実質「人選案」が背後にあったことが影響していた。
 伊志嶺市長はきょう二十日にも会派「そうぞう」との話し合いを持つ予定だが、下地氏提案に対する理解を得ることができるかは難しい状況となっている。
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イワサキクサゼミ鳴く/きょう「大寒」

 きょう二十日は、二十四節気の一つ「大寒」。一年のうちで最も寒い時期だが、近くに春の足音が迫り「春遠からじ」の意を含んだ時期でもある。二十四節気の最後の節。
 宮古島地方気象台は十九日午後二時四十一分平良で、今年に入ってからの最高気温二六・三度を観測。平年同日比より六・一度高く、四月下旬並みの夏日(二五度以上)となった。
 ぽかぽか陽気となった十九日、平良地区の西平安名崎では早くもイワサキクサゼミが出現。雄は「ジージー」と鳴いた後、雌と交尾。今の時期に交尾するのは生態的に非常に珍しい。このセミが本格的に現れるのは三月から。日本最小のセミで、体長一五_前後。
 暖かい陽気が続く中、同地区の下崎では、寒緋桜が淡い紅色の花を咲かせ、道行く人の目を楽しませている。バラ科で別名ヒカンザクラ。花は下向きに咲くのが多い。十九日午後の青空をバックに、鮮やかに映えていた。
 同気象台によると、二十日は前線の影響で「曇り、昼前には一時雨」「最高気温は二四度」を予測している。

 写真説明(左)・今の時期では珍しいイワサキクサゼミの交尾=19日、平良地区の西平安名崎(撮影・伊良波彌記者)
 写真説明(右)・淡い紅色の花を咲かせたカンヒザクラ=19日、平良地区の下崎

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「んみゃーち宮古へ」/那覇で観光キャラバン

 【那覇支局】沖縄本島から宮古島への観光促進を図ろうと、J・TAP協力会宮古支部(豊見山健児支部長)と宮古観光協会(藤村明憲会長)は十九日、那覇市のパレットくもじ前広場でキャラバンを実施した。ミス宮古や同協力会宮古支部、宮古観光協会のメンバーら十九人が、宮古島市観光ロゴステッカーやツアーパンフレットなどを配布し観光地宮古島をPRした。
 ミス宮古の竹井穂香さんと塩川江莉香さんは「もっと多くの県民や観光客に宮古島を知ってもらいたい」と話し、道行く人々に「んみゃーち宮古島」と呼び掛けた。
 J・TAP協力会宮古支部長の豊見山宮古協栄バス社長は「このような大きな場所で宣伝を行うのは初めて。観光ロゴの周知活動を通じて多くの人に宮古島をPRしたい」と述べ誘客活動に力を入れた。

 写真説明・ミス宮古らは、道行く人々に観光ロゴステッカーなどを配布し宮古島をPRした=19日、那覇市のパレットくもじ前広場

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   「オヤジ」がトライに挑戦/映画「太陽」・宮古島ロケ前に制作発表

 離婚やリストラ、息子のひきこもりなどの悩みを抱える四十―六十代の「オヤジ」たち五人が、宮古島のトライアスロン大会に挑み希望を見いだしていく映画「太陽」の制作発表記者会見が十九日、宮古島市役所で行われ、小田大河監督、全日本トライアスロン宮古島大会に五度出場している俳優の峰岸徹さん、天宮良さんらが意気込みを語った。二十三日まで宮古島でロケを行う。エキストラ百―百五十人を動員し、前浜ビーチや西里大通り、東平安名崎を使ってレースシーンなどを撮影する。
 主演の峰岸さんは、「中年のおじさんたちへの応援歌という部分を前面に出したい。期待してほしい」と力強く語った。小田監督は「誰でも苦しく生きにくい時代だが、その中でも力を合わせて頑張れる気持ちになれる映画にしたい」と述べた。
 東京のシーンの撮影はほぼ終了。三月末―四月初旬ごろにマティダ市民劇場で先行公開し、その後、劇場公開を予定。第二十二回全日本トライアスロン宮古島大会前日の二十二日、宮古テレビでも放送される。
 会見に同席した伊志嶺亮宮古島市長は「熱い思いを抱く皆さんで、宮古島市のPR、誕生記念になるよう、良い映画にして」と期待した。
 制作・プロデュースの西初恵さんによると、二十二日午前八時から前浜ビーチ(東急リゾート側)で予定されているスイムシーンの応援エキストラが不足しているため、多数の協力を求めている。

 写真説明・制作発表を行った(前列左から)女優の桂亜紗美さん、伊志嶺市長、小田監督(後列左から)カメラマンのさのてつろうさん、俳優の松澤仁晶さん、峰岸さん、俵木藤汰さん、天宮さん、柴田義之さん、プロデュースの西さん=19日、宮古島市役所
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