200平成18  119 木曜日

地元関係者、早期支払い求める/キビ新価格制度

 市場原理を導入するため二〇〇七年産から適用されるサトウキビの新価格制度で、国が経営安定対策として農家に直接支払う支援分代金の支払い時期が、現行の制度より遅くなる可能性が出てきた。十八日午後、県宮古支庁で開かれたサトウキビ増産プロジェクト現地説明会の中で、農水省職員が明らかにしたもので、支払い時期は検討課題としながらも、「現状より遅くなると思う」と述べた。説明会に出席した地元関係者は国の早期支払いを求めた。ほ場整備負担金の支払いなど、キビ代を頼りにする農家がいるだけに、今後の国の動向によっては生産農家の資金繰りに与える影響も懸念される。
 新価格制度は現行の最低生産者価格制度廃止に伴って適用される。現行の価格はトン当たり最低生産者価格の二万百十円に政策支援の対策費三百六十円を上乗せし二万四百七十円としている。支払いは国の政策支援を受けている製糖工場が一括で行うため、農家はキビ搬出後、数日のうちに現金を受け取れる。
 しかし新制度は市場原理の導入で農家がキビ代を受け取る流れが変わる。現行とほぼ同額の価格が保証されるが、これまで工場から一括で支払われた二万四百七十円が工場分と国の直接支払い分に分けられる。工場は市場価格とされるトン当たり三千九百八十三円で農家のキビを買うだけで、残りは国が標準的な生産コストから市場の販売額を差し引いた差額分を支援水準として補てん。この支援水準を農水省が一万六千四百九十円と試算しているため、農家は現行の制度とほぼ同額の手取り額を確保できるという仕組みだ。関係者が懸念しているのはこの国の支援分がいつ、どのように支払われるかだ。
 現行制度でも国は政策支援として工場に交付金を出しているが、交付されるのは製糖操業の数カ月後。このような実例があることから関係者は農家への支払いが遅れることを懸念している。
八日の説明会で農水省職員は「(交付は)大変遅いと思っている」としながらも、「(農家への支払いが)年度をまたぐようなことはない。一回で支払うのか、分けて支払うのかなど、農家の資金繰りなどを考えながら検討したい」と説明した。
 新価格制度に向けての動きは今秋にも活発化するが、農家へのキビ代支払い時期が具体的に示されないために地元農業関係者は困惑。説明会でも早期の支払いを求める声が相次いだ。農家の資金繰りに影響を与えかねない国の支払い方法が今後も注目される。
 キビ新価格制度 市場原理を導入し工場が農家のキビを市場の価格で買い取る制度。現行の制度と同様に、国の支援があるため農家の手取り額は現行とほぼ同じ。ただし助成の基準があり、個人の対象は栽培面積一f以上が一定要件。〇七年度から三年間は小規模農家の救済策として、地域の生産者組織に加入した農家も助成対象とする経過措置がある。
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助役2人制「まずは1人で」

仲間会長(与党議員会)が市長に提案

 昨年の宮古島市議会十二月定例会において賛成少数で否決された「助役二人制」の条例案について、市議会与党議員会(仲間明典会長)は十八日、市内レストランで会合を開き同案について協議した。その結果、現状では再提案しても可決は困難として「まずは現状のまま助役一人を提案して業務を行いその後、必要に応じて二人制を考える」との見解でまとまり、仲間会長がこの結果を伊志嶺亮市長に伝えた。
 これまで、伊志嶺市長は今月中に臨時会を招集し、再提案する意思を示していたが与党内調整が難航しており、今回の与党議員会の意向を受けて今後、伊志嶺市長がどのような判断を下すか注目されている。
 協議を終えた一部の与党議員からは「これまでの反対姿勢は変わらないし、賛成した議員もとりあえず助役一人でやってみるべきとの考えになってる人もいる」や「現状では再提案してもまた否決となる。しばらく助役一人で様子を見てもいいと思うが、一人の場合もその人選は難しい」との声が聞かれた。
 同案は、友利恵一議長を除く与党議員九人のうち五人が反対となり否決。現在も伊志嶺市長の説得作業は難航している。
 同案の成立に向けて、会派「そうぞう」は伊志嶺市長に対し与党議員の説得を求めているが、反対与党議員の意志も固いことから再提案は難しい状況となっている。

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アーサ採り始まる/冬の味覚で人気

 冬の味覚として人気のアーサ(ヒトエグサ)採りが始まっている。大浦湾や狩俣地域の西浜、与那覇湾などでは、岩肌に生えるアーサをかごいっぱいに採取する人々の姿が見られる。現在は比較的小さいため、採取ピークは二月上旬ごろとなりそうだ。
 アーサは、たんぱく質や繊維質、カルシウムなど栄養価が高く、吸い物や味噌汁、てんぷらなどの具材として人気。十八日、干潮の大浦湾でアーサを採取していた女性は「新鮮な海の幸を食べるのが楽しみ。冷凍庫に入れておくと日持ちがいいので、一食分ずつ小分けにして使うと便利」と話し、指でつまんで抜き取ってはかごに入れていた。
 採取したアーサは、水で洗った後、乾燥させて使っている。
 採取する際に金属類などで根ごとはぎ取ってしまうと次期に不作となるため、海岸ではアーサ採りのマナーも求められているという。

 写真説明・干上がった磯ではアーサを採取する人の姿が見られた=18日、大浦湾

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釣りのだいご味満喫/広島県の崇徳高校

 修学旅行で宮古島を訪れた広島県の私立崇徳高校(鳴川則弘校長、生徒数約千八百人)の二年生男子らが十八日、ビッグフィッシング釣り体験を行い、釣りのだいご味を満喫した。 
 今回の修学旅行には、二年生男子百七十七人が参加。前日に沖縄本島で戦跡地を巡って平和学習を実施した後、生徒らは久米島、宮古島、石垣島の三島に分かれて移動した。宮古島には八十七人が来島し、同釣り体験とダイビング体験の二つのコースに分かれて行われた。
 このうち、同釣り体験では、生徒たちは漁船六隻に分乗。各漁船は、宮古島市上野の博愛漁港を出港。宮古島南方の浮魚礁周辺でキハダマグマグロ、シイラ、カツオを釣り上げた。全員の釣果を合わせた総重量は約百`。生徒たちは、仕留めたマグロなどを、宅配便を使って両親の元へ送った。 
 同釣り体験に参加した川崎一成君は、「一匹の重さが十三`もあるキハダマグロが釣れたので、とてもびっくりした。両親の元に届いたら、二人ともびっくりするだろう」と目を丸くして話した。
 生徒たちを案内した船長の砂川有造さんは「生徒たちが喜んでいたのでとてもうれしい。これからも釣り観光に力を入れたい」と語った。
 宮古での体験学習の仲立ちをした宮古島海宝館の幸地和夫館長は「『学んで遊ぶ』で企画した」と話し、「観光と釣りがリンクすれば、体験者のリピーターが増えるのでは」と期待を込めた。

 写真説明・魚を手に記念撮影を行った生徒たち=18日、上野地区の博愛漁港

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高校・大学野球キャンプ第1陣

韓国の仁昌高校野球部が初来島

 韓国の仁昌高校野球部の部員ら三十四人が十八日、春季キャンプのため初来島した。宮古空港には宿泊ホテルや宮古島市観光商工課など観光関係者らが出迎え、歓迎セレモニーを開いてキャンプの成功と今後の活躍を期待した。同部は来月十五日まで下地球場などでキャンプを行う。高校・大学野球キャンプは同校を皮切りに十二校が来島する。
 歓迎セレモニーではミス宮古の塩川江莉香さんが主将の文龍植さんに花束を贈呈。宮古観光協会の平良勝之理事が韓国語で「韓国とは気温差があるので体調に気を付けて。練習の成果が出て、皆さんの念願が達成できることを祈願する」と歓迎した。
 同部を代表して李常勳監督は「宮古は暖かくて野球の練習には良い環境だと思った。雪でできなかった屋外での練習をしっかりやりたい」と意気込みを語った。
 同校は十二月末から二月末まで冬休み期間中。温暖な気候なため、屋外で練習が可能な宮古でキャンプを行い、全国大会に備える。
 同校を皮切りに、今後、阪南大、京都大などが来島し春季キャンプを実施する予定。

 写真説明・初来島した仁昌高校野球部のメンバーら=18日、宮古空港

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   「朝食は手軽にしっかり」/小中生向けメニュー実習

 宮古島市平良地区食生活改善推進協議会(外間千枝子地区長)の推進員らが考案した料理を一般に紹介する「小中学生向け朝食メニュー調理実習」が十八日、平良保健センターで行われた。八人の推進員らは、元気な子供たちが増えるよう願いを込めて自慢の手料理を広めた。
 この日紹介したメニューは「鮭チラシ」「タコライスピザ」「納豆卵焼き」「ポテトスープ」の四品。いずれも忙しい朝に短時間で作ることができるとあって、子供だけでなく母親にもうれしいメニューとして紹介された。
 実習では、推進員らが作り方のデモンストレーションを行った後、参加者らが実際に調理。日ごろから料理に手慣れている人が多く、手際よく進めていた。外間地区長は「最近は朝食を抜いて登校する子供たちが増えていると聞く。朝ご飯はしっかり食べて元気に頑張り、休日にはお母さんと一緒に台所に立ってほしい」と話していた。

 写真説明・手軽にできる朝食メニューを調理実習=18日、平良保健センター

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