200平成18  117 火曜日

前組合長の仮払金で紛糾/300万円余を無断使用

 宮古島市平良地区の池間漁業協同組合(勝連智組合長)の二○○五年度通常総会が十六日、池間島離島振興総合センターで開かれた。開会と同時に、前組合長が無断で使った「仮払金」の三百十三万円を返済しない問題をめぐって紛糾した。仮払金について勝連組合長は「前組合長が理事会に諮らず勝手に使った」などと無断使用を指摘した。同組合では今後、刑事告訴への法的手続きを視野に入れ、前組合長に全額返済するよう強く求めていく方針。
 前組合長は、今年一月初めに理事会に辞表を提出し、受理された。組合長が不在になったことから、同会は県の指導を受け、理事の勝連智氏を組合長に認めた。
 前組合長は、この日の通常総会に欠席した。同総会の成立宣言の後、出席した組合員から仮払金問題について怒りが噴出した。
 正組合員の一人は「仮払金三百十三万円はどうなっているのか」と執行部側を追及。
 これに対し、勝連組合長は「前組合長に清算を明記した確約書の提出を求めているが、いまだに提出されていない」と答えた。その上で「前組合長が理事会に諮らず勝手に使った金は三百七十四万円だった。前組合長が使った金の一部の領収証を持って来たので、三百七十四万円から領収証の額を差し引くと三百十三万円を使い込んだことになる」と説明した。
 納得のいかない組合員は再び追及。「前組合長は、組合の通帳と印鑑を使って金融機関から金を下ろしている。組合長が通帳と印鑑を持つのは違法ではないか」と語気を荒げた。
 勝連組合長は「組合長には、通帳と印鑑を持つ権限がある。しかし、金を下ろす場合は理事会に諮らなければならない」と述べた。
 総会開会前に、本紙取材に応じた勝連組合長は、前組合長への仮払金について「担保を取ってでも清算させなければならない。清算しなければ、法的手段に出る」と強調した。
 同組合の昨年八月に開かれた通常総会で、前組合長は「過去六年間、朝早くから魚競り市に立ち合ったり、漁船への氷を供給してきた。仮払金は、六年間の手当として相殺してほしい」と理解を求めていた。この総会は、途中から流会した。

累積赤字5000万円超/池間漁協通常総会
 宮古島市平良の池間漁業協同組合(勝連智組合長、正組合員五十四人)の二○○五年度通常総会が十六日、池間島離島振興総合センターで開かれた。組合員多数が出席。○四年度貸借対照表など五議案を原案通り承認した。当期損失金は四百九十四万円で、累積赤字は五千八十四万円に膨らんだ。同組合の台所は火の車。全組合員が一丸となって、再建に取り組んでいくことを誓い合った。
 同組合は、昨年七月に通常総会を開いたが、途中から流会。再び八月に通常総会を開催したが、再び流会。当時の組合長の運営や対応、貸借対照表などに不満を持った組合員らが、次々と退席したのが流会の要因。今回の通常総会は三回目。
 冒頭、勝連組合長は「組合の再建ができるかどうか。組合の課題に向けて取り組んでいきたい。みんなが知恵を出し合い、継続して存続できるようご協力をお願いします」とあいさつし、貸借対照表などを説明した。
 砂辺達男代表監事は、監事の意見書を読み上げた後「この組合はつぶれており、再生を図らなければならない」と述べ、再建に向けた組合員の一層の奮起を促した。
 ○四年度事業状況によると、底魚一本釣り漁業は海洋資源の悪化、海外輸入魚の増加、漁業者の高齢化、出漁日数の減少、〇三年の台風14号襲来後の施設整備ができず水揚げ高、金額ともに過去最低となった。
 議案のうち、定款変更では、これまでの役員理事九人を五人、監事三人を二人にそれぞれ決定した。
 また現行の役員選挙規定を役員選任規定へ変更。これからの役員改選では、選挙ではなく、推薦会議が役員推薦委員との協議で、理事の候補者や監事の候補者を決定する。
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ミャークフツでまちおこし/特産品、観光案内、イベントなど

 「ミャークフツでまちおこしを」―。市経済部観光商工課が宮古方言を活用したユニークなまちおこし計画を立案した。特産品の商品名、観光地の案内、交通標識、方言オンリーののど自慢大会、各学校での方言講座開催など盛りだくさんの内容となっており、あらゆる分野で方言を多用し「宮古島」を全面に打ち出す計画だ。同課は「宮古方言をいろんな分野で積極的に使い、島全体のイメージアップを図りたい」とアピール。今後、各方面に理解と協力を呼び掛けながら計画を具体化していく方針だ。
 この計画は「んなまぁーみゃーくずまぬどぅうむっし」(今、宮古島がおもしろい)をテーマに実施していく考え。宮古島の各地区、観光地、特産品などあらゆるものを方言で表現し、宮古島を全国にアピールすることが狙いだ。また、方言を知らない、方言を聞けても使えない若者や子供たちに、郷土の文化を再認識させるということも目的の一つにしている。
 現段階では▽宮古島市の各地区入り口に方言名の看板を設置する▽観光ガイドブックに方言を入れる▽観光地を方言で明記する▽農産物や特産品を方言で記す▽飲食店のメニューを可能な限り方言で記す▽宮古島市の各種イベントを方言名で開催する▽体験型滞在交流のプログラムに方言講座を設ける▽各学校での方言講座開催▽カラオケ方言のど自慢大会の開催―など、その内容は盛りだくさん。すべて実現できるかは今後の取り組みによるが、同課では一つでも多くの計画を実現させて島の活性化を図りたいとしている。
 同課は「今は三十代にも方言をしゃべれない人がいると思う。今のままだと方言はいずれ失われていく。この素晴らしい宮古の文化を若者、子供たちに伝えていくためにも宮古方言を積極的に活用していきたい」と意気込む。
 今後、さらに計画の内容を充実させ、失われつつある宮古方言の継承と方言活用によるまちおこしを積極的に推進していく考えだ。

 写真説明・商品名を方言で記している「んまむぬ」(右)。方言名の下には共通語で「美味しい」と書き込まれている。左は方言を使った観光ロゴステッカー(資料写真)

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生徒とワイドーマラソンの台湾選手/下地中ゲームや給食で交流

 台湾の漢口國民中学校と姉妹校締結するなど台湾と交流のある宮古島市立下地中学校(川上哲也校長)は十六日、つむかぎ集会を開き、第十六回宮古島100`ワイドーマラソンに出場した台湾の選手たちとゲームや給食で交流を深めた。100`の部女子二位の廬邱淑容選手ら十一人とその家族計十五人が訪れ、温かい歓迎を受けた。生徒たちは片言の中国語や英語で選手と会話し、自己紹介したりレースの感想を聞くなどして言葉や国境を超えコミュニケーションを深めた。
 上地一馬生徒会長は「たくさん交流し、疲れを癒やしてほしい」と中国語で一行を歓迎。選手たちは自己紹介しながら宮古島や同校の生徒たちの印象について話し歓迎を喜んだ。交流会では台湾にかかわるクイズゲームや記念撮影を行い、生徒たちは照れながらも選手に話し掛け交流を楽しんでいた。昼食時間には選手たちも共に学校給食を食べ、日本の中学校生活のひとこまを体験した。
 川上校長は「短い時間だったが思い出のページをつくることができた。下地中の生徒百二十九人は台湾が大好き。今回をきっかけに長い交流をお願いします」と今後いっそうの親睦を願った。

 写真説明・片言の中国語や英語で台湾の選手と会話を楽しむ生徒たち=16日、下地中学校

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きょうから番号発券機を設置/沖銀宮古支店

 沖縄銀行宮古支店(玉城篤支店長)はきょう十七日から、番号券で利用客の窓口整理を行う発券機を設置する。利用客は、来店時に券を受け取って機械音声で番号を呼ばれるまでロビーで待つシステムで、同支店では窓口の混雑解消をアピールしている。
 同行県内六十二店舗のうち、同システムの導入は宮古支店が五店舗目。同支店では二台の発券機を設置。利用客はタッチパネルを利用目的別に指定して発行された券を受け取った後、番号を呼ばれるまでロビーで待機し、音声に従って窓口へ進むシステム。
 利用客のメリットとして同行では▽窓口の混雑解消、割り込み防止▽待ち時間が分からないことによる不快感の解消▽利用客のプライバシー保護―を挙げている。
 同支店の本永尚支店長代理は「待ち時間の短縮に努め、これまで以上に地域に浸透した銀行づくりに励みたい」と語った。

 写真説明・利用客の窓口整理を行う発券機=16日、沖縄銀行宮古支店

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初のスキー体験に感動/新潟県板倉区で交流

 宮古島市城辺地区と新潟県上越市板倉区の交流事業(主催・宮古島市教育委員会)で、板倉区を訪ねていた城辺地区四小学校の児童ら十二人が、交流を通して深めた友情を胸に十六日、帰島した。宮古空港で行われた解散式で子供たちは、初めてのスキー体験や学校紹介などを振り返りながら満足げな表情を見せていた。
 城辺地区と板倉区の児童交流は今年で十二年目。板倉区の中村十作が人頭税廃止運動の指導者として住民の先頭に立ち、悪税を廃止に導いたことが縁となり、旧城辺町で児童交換交流が事業化された。毎年夏には、板倉区の子供たちが宮古を訪れて海水浴などを楽しみ、冬に城辺地区の子供たちが板倉区を訪ねてスキーを体験するなど北と南の特性を生かした交流が続けられている。
 今回は、昨年の夏休みに板倉区から来島した子供たちをホームステイで受け入れた十二人が板倉に向かい、約半年ぶりの再会を喜ぶとともに、板倉区内四小学校で自校の紹介などを行い、派遣団の務めを果たした。
 解散式で砂川琴野さん(城辺小六年)は「スキーが印象深い。友達に自慢したい」と思い出を語った。
 城辺地区からの派遣児童は次の通り。(敬称略)
 ▽平田海斗(城辺小六年)▽砂川琴野(同)▽下地泰熙(西城小六年)▽友利涼二郎(福嶺小五年)▽松川彩音(城辺小六年)▽友利嵩道(福嶺小五年)▽砂川宗一朗(砂川小六年)▽荷川取瞳(西城小六年)▽砂川信一(砂川小六年)▽石原静(西城小六年)▽佐次田萌恵(福嶺小五年)▽源河和佳奈(砂川小六年)

 写真説明(上)・12人の小学生が帰島し解散式を行った=16日、宮古空港
 写真説明(下)・初めてのスキーを体験する城辺地区の子供たち=14日、新潟県妙高スキーパーク(宮古島市教委提供)

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   高齢者に無料パソコン講習/県シルバー人材センター連合

 高齢者の雇用や就業を促進するシニアワークプログラム事業・技能講習の一環として、無料のパソコン講習会(初級課程)が十六日から来月三日までの日程で平良のズミコムパソコン教室で始まった。同教室には雇用や就業を希望する六十代前半の高齢者二十人が参加。計六十時間の講習を受けパソコンの基本的な操作を学び、今後の就業につなげていく。
 シニアワークプログラム事業は、業種に応じた基礎知識や技能を習得してもらうことで高齢者の就業促進を図ることが目的。厚生労働省からの委託を受け県シルバー人材センター連合が実施しており、パソコン教室のほか、普通二種免許取得、施設管理・警備業務、介護などの講習も実施している。パソコン教室初日は開講式が行われ、同連合の名嘉山兼一事務局長がパソコン操作の技能習得の必要性を強調。「少子高齢化で五人に一人が六十五歳以上となる中、高齢者の手を借りないと日本経済は成り立たない。頑張ってほしい」とエールを送った。
 ズミコムパソコン教室のチーフインストラクターの下地弘二さんが講師を務め、パソコンの性能を説明したほか、種類、各名称と役割など「パソコンとは何か」について細かく説明した。今後は文字入力やエクセルを使った表計算、インターネット、電子メールなどを計六十時間にわたって学び技能を習得していく。

 写真説明・就業につなげるためパソコンの基礎的な操作法を学ぶパソコン講習=16日、ズミコムパソコン教室

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