200平成18  116 月曜日

西村(高知) 100`で4連覇達成/宮古島100`ワイドーマラソン

 宮古五市町村が合併し、「宮古島市」主催で初開催となる第十六回宮古島100`ワイドーマラソン(主催・同市など)が十五日、うえのドイツ文化村を主会場に、100`、50`、ハーフ(21`)の三部門で行われた。宮古島を一周する100`の部では、西村譲治(39)=高知県=が7時間18分41秒で四連覇を達成。女子は山澤洋子(38)=茨城県=が8時間37分48秒で三連覇を飾った。50`の部は3時間27分21秒で松本博(43)=福岡県=が三連覇。ハーフの部は宮古高校の与那嶺恭兵(18)=宮古島市=が、1時間19分02秒で初優勝を果たした。今大会は三部門に557人が出場。最長の百`の部の完走率は75.4%、全体の完走率は87.8%だった。
 この日は、最高気温が平年より二・四度高い二二・六度(午後一時五分)と、選手たちは暑さを気にしながらの走りとなった。100`の部は午前五時、大会長の伊志嶺亮宮古島市長の号砲でうえのドイツ文化村をスタート。下地、来間大橋、市街地から狩俣を抜け池間島、北海岸の一周道路、東平安名崎を回って宮古島を一周するコースを駆け抜けた。50`の部は午前十一時に狩俣中学校を、ハーフの部は午後二時に東平安名崎入口をそれぞれスタートし、ゴールのドイツ村を目指した。
 100`の部では四連覇を狙う西村の独走かと思われたが、五十`地点で昨年二位の蔵本康孝(37)=大阪府=が追い付き、互いに譲らず。しかし八十`地点で西村が蔵本をかわすと、そのままゴールまで逃げ切り、四年連続優勝を飾った。
 50`の部は連覇中の松本が、二十`すぎでトップに立って一人旅となり、三連覇を果たした。ハーフの部は、宮古高校の与那嶺が二位の下里勝和(28)=宮古島市=に2分44秒の差をつけ初の栄冠となった。
 走るには気温の高い中での大会となったが、選手たちは自らの記録更新を狙ったり、宮古の風景を楽しみながら完走を目指したりと、思い思いの走りを楽しんだ。
 ゴールのうえのドイツ文化村には、選手の家族や友人らが多数訪れ、ボランティアらとともに、次々に戻ってくるランナーを温かく迎えた。
 制限時刻となる午後七時からは、同文化村で表彰式と交流パーティーがあり、参加者同士が達成感をかみしめながら、互いの親睦を深めた。

 写真説明・両手で4連覇を表現してゴールテープを切る西村譲治=15日午後零時18分、うえのドイツ文化村
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高校生8人の伴奏に支えられ

全盲のハンディ乗り越え・ワイドーマラソン100`の部

 高校生とともにゴールテープを切った保科清さん(58)=長野県。ほとんど目が見えないほどの視覚障害を持つが、パラリンピックのマラソン競技に二大会連続出場したランナーが、高校生の力を借りてその実力をいかんなく発揮。総合十八位、9時間ヵェ。秒でフィニッシュした。ハンディを感じさせない力強い走りは、ほかのランナーや地域住民に感動を与えた。また、前日に行われた100`ウルトラ遠足マラソンも完走し、自身初の二日間で二百`を達成。「初挑戦だったが完走できて良かった。伴走してくれた高校生のおかげで自分のペースで安心して走れた」と満面の笑みを浮かべた。
 レースを終えた保科さんは「予想外で良いタイムで帰ってこれた。ボランティアは親切で、畑からの応援も聞こえた。伴走してくれた高校生は、『来年も出場するときは、また一緒に走らせて』と言ってくれた。楽しく走れてうれしかった」と振り返った。
 ワイドーマラソンに出場したいが、この日に伴走する人がいないことを大会関係者に相談。その後、宮古高校男子駅伝部の生徒らを紹介されたという。高校生も視覚障害者の伴走は初めての経験で、戸惑いながらも約一bのロープを握り保科さんをリードした。
 伴走した生徒八人は二人一組になり、二十`交代でロープを握った。自動車が近づくと、伴走者二人で保科さんを挟むように並走。残り一・五`からは八人を全員で保科さんとゴールに向かった。ゴール後は握手を交わし、感動を分かち合った。
 四十`から六十`区間を伴走した野原健太郎君(二年)は「保科さんのペースに合わせることが難しかったが完走でき、とても感動した。二十`走っただけでもきつかったが、百`を走る保科さんはすごい。保科さんのようになりたい」と目を輝かせて話した。
 伴走した生徒は次の皆さん。(敬称略)
 ▽佐久田翔(三年)▽古謝敏己(同)▽黒島拓(二年)▽池城龍吾(同)▽野原健太郎(同)▽下地辰巳(同)▽砂川知晴(一年)▽下地博人(同)

 写真説明・高校生の協力を得てゴールした保科さん(前列左から2人目)と伴走した宮古高校男子駅伝部のメンバー=15日、うえのドイツ文化村

ワイドーマラソン閉会式/ランナーら健闘たたえ合う
 第十六回宮古島100`ワイドーマラソン(主催・同市など)の閉会式が十五日午後七時から、ゴール会場のうえのドイツ文化村で行われた。100`、50`、ハーフ(21`)の各部門の上位入賞者に賞状・副賞が贈られ、宮古島市発足後、第一回となった同大会は盛況のうちに幕を閉じた。交流パーティーでは、ランナーたちが互いの健闘をたたえ合っていた。
 閉会式で大会長の伊志嶺亮宮古島市長は「皆さんの情熱に支えられ、今大会も大成功を収めることができた。交流と友情の輪を広げてください」とあいさつを述べ、ランナーたちをねぎらった。
 東京都から初参加の溝渕たつ子さん(53)は「五年ほど前からダイエットのつもりで走っていたらとうとう宮古島まで来た。沿道の応援がうれしかった」と100`の宮古路を満喫した様子。同じく東京都からハーフの部に参加の崎山淳さん(31)は「島全体が家庭的な雰囲気でとても楽しい。毎年来たい」と大会以外の思い出も胸に刻んだ。
 50`の部に出場した翔南高校教員仲間の徳元博一さん(30)と新垣善永さん(42)もそろって完走。徳元さんは「三十歳の記念になった」と笑顔。新垣さんは「無理せず走ったのが良かった」と的確なペース配分が奏功した。
 八重瀬町から参加した外間清彦さん(41)は、同大会に100`部門が創設されてから九回連続の出場。「仲間も増えたし、何と言ってもゴールの後のビールが最高」と満足そうな口調で語った。

 写真説明・レースを終え、ほっとした表情で交流を楽しむランナーたち=15日、うえのドイツ文化村

ワイドーマラソン)模合仲間で汗/上野の下地さんら
 同窓模合の女性メンバーでハーフの部(21`)に参加したのは、宮古島市上野の下地あきのさん、新里美保子さん、砂川真奈美さん、池間瑞恵さんの四人。
 昭和五十三年生まれの仲間で集う模合グループ「五三(いつみ)会」の女性たちが結束し、励まし合いながら仲良く走り抜いて、全員笑顔でゴールした。
 「十`付近では疲れがピークに達し口数も減ったが、それ以外はずっとおしゃべりをして疲れをごまかした」と軽やかに笑う。途中、池間さんが足をひきずる場面もあったが、ペースダウンにも全員で付き合い、そろって完走。気の置けない仲間同士だからこその爽快感が広がった。

 写真説明・模合グループの女性メンバーで参加した(左から)池間さん、新里さん、砂川さん、下地さん=15日、うえのドイツ文化村

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伝承の宮古女性たち紹介

(砂川幸夫氏)12人の生き様や背景語る

 ゆいみなぁ(宮古島市働く女性の家)講座「宮古・伝承の女性たち」が十五日、同所で行われ、宮古郷土史研究会の砂川幸夫さんが歴史・伝説に登場する宮古女性たちについて説明した。砂川さんは宮古の女性物語集「てぃだぬ花(ぱな)―宮古・伝承の女性たち―」で取り上げた十二人の女性の生き様や当時の時代背景などについて紹介。二十二日にはこの十二人にまつわる御嶽(ウタキ)や史跡をめぐり、当時の女性たちが生きた足跡をたどる。
 砂川さんは歴史資料が残っている神話時代と十四世紀の時代背景について話し、その中で生きた女性たちを取り上げた。「戦乱時代には男性は政治をつかさどり、女性は神事をつかさどっていた。戦争へ行くのにも神事によって日にちを変えることもあった」「宮古上布は人頭税として課せられ住民を苦しめたが、機織りは宮古の経済を支える重要な役割を持っていた」など歴史の背景には女性の存在が欠かせなかったことを説明した。
 このほか宮古の歴史について知ることのできる関連資料として「宮古島記事仕次」「宮古史伝」「宮古島庶民史」「平良市史第一・二巻」を紹介した。
 参加者たちは真剣な表情で講話に聞き入り、当時の女性たちの姿に思いをはせていた。
 「てぃだぬ花―宮古・伝承の女性たち―」で紹介されている女性十二人は次の通り。
 ▽長井の里の真氏(モース)▽ムマの按司(アズ)▽マムヤ▽ザラモイ▽幸地目娥(コウチミガ)▽新腰(アラフ)の女按司(ミドゥンアズ)▽保那恋(ブナコイ)▽宇津免嘉(ウツメガ)▽アフガマ・クイガマ▽鬼虎(ウントラ)の娘▽仲屋マボナリ▽稲石(イナイシ)

 写真説明・歴史や伝説に登場する宮古女性たちについて認識を深めた講座=15日、ゆいみなぁ
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新春ウオークで快汗/市主催新春ウオーキング

 宮古島市主催の新春健康(体力)づくりウオーキングが十五日午前、市内サンセット・トゥリバーコース(六`)で行われ、大勢のウオーキング愛好者が参加して新春の運動でさわやかな汗を流した。
 このウオーキングは市民の健康に対する意識を高めながら、健康増進を図ることが狙い。ウオーキング愛好者をはじめ大勢の一般市民が参加して楽しく歩いた。
 参加者は午前八時三十分に市役所玄関前に集合し、午前九時に一斉スタート。トゥリバーを目指しそれぞれ自分に合ったペースでゆっくりと歩を進めていた。
 コース上は愛好者仲間と会話を楽しむ光景も見られたり、子供たちも参加するなど和気あいあいの雰囲気に。それぞれ笑顔を見せながら新春の運動でさわやかな汗を流していた。

 写真説明・愛好者ら大勢の一般市民が参加して新春のウオーキングを楽しんだ=15日、宮古島市役所前

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男子上野クラブがうれしい初V/小学3・4年生バレー大会

/女子は北クラブに栄冠

 第三回小学生三、四年生バレーボール宮古地区大会(主催・宮古バレーボール協会、主管・宮古地区バレーボール連盟)が十五日、宮古島市立東小学校体育館で行われ、男子は上野クラブが、女子は北クラブがそれぞれ優勝した。
 大会には男子三チーム、女子七チームが参加。六人制で熱戦を展開した。
 男子は第一試合で上野クラブと宮古南クラブが対戦。上野は宮古南に一セット先取を許すものの、二、三セットを連取し、セットカウント2―1(11―15、15―11、15―13)と勝利した。上野は、伊良部クラブにもセットカウント2―1(15―13、13―15、15―10)と接戦をものにして優勝を勝ち取った。
 大嶺弘明監督は「結成して三年目のチームながら、初優勝を飾ることができて大変うれしい。これからまだ実力の伸びる楽しみなチーム」と笑顔で話した。
 一方、女子の決勝では北クラブと下地Aクラブが対戦。北は正確なサーブと鋭いスパイクで下地を圧倒。キャプテンの下地千早さん(四年)のスパイクが次々と決まってセットカウント2―0(15―8、15―7)で快勝した。
 尾崎真司監督は「創部して二年目のチーム。地道に基礎練習を二年間続けてきた結果が実を結んだ形となってうれしい」と大喜びだった。
 結果は次の通り。
 【男子】▽優勝=上野クラブ▽二位=宮古南クラブ▽三位=伊良部クラブ
 【女子】▽優勝=北クラブ▽二位=下地Aクラブ▽三位=平良第一クラブ
 


男子部門で優勝した上野クラブ=15日、東小学校体育館


女子部門で優勝した北クラブ=15日、東小学校体育館


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   トイレ掃除で心磨き/久松中でプレ大会開催

 トイレ掃除で心を磨こう―。「日本を美しくする会 沖縄掃除に学ぶ会 第十三回年次大会 プレ大会in久松中学校」(主催・沖縄掃除に学ぶ会宮古島大会実行委員会)が十五日、同校で行われた。来月十八日に開催される宮古島大会に先立ち開催された今回のプレ大会には、中学生から一般までの約百人が参加し床や便器を磨き上げ、トイレ掃除に汗を流した。
 一九九三(平成五)年に発足した「日本を美しくする会」の推進する「掃除に学ぶ会」の運動の一環として行われ、トイレ掃除を通して参加者らの自己研鑽(けんさん)を高めることが目的。趣旨に▽掃除を通して心を磨く「心磨き」の会▽ボランティアとは違う▽利益追求の会ではない▽宗教には関係ない▽特定の組織や団体に属さない―を掲げて、全国や海外で活動を展開している。九八年に平良中学校で第一回が開催されて以来、宮古島での開催は今回が二回目となる。
 掃除は午前九時から始まった。同校に八カ所あるトイレを、班ごとに分かれて清掃。便器や床、壁などをスポンジやスコッチブライトを使って手作業で丁寧に磨いていた。
 初参加で二階男子トイレの掃除をした佐渡山仁美さん(一年)は「最初は便器掃除だと聞いてとても嫌だったけど、磨いていくうちにきれいになっていく様子を見て、楽しく掃除ができた。次の機会もまた参加したい」と笑顔。
 同実行委員会の砂川次郎会長は「一年前から大会に向けて実行委員が毎月集まり取り組んできた。来月の本大会の成功に向けて頑張っていきたい」と意気込みを話した。
 宮古島大会は二月十八、十九の両日、宮古島市立北中学校で開催される。十八日は「日本を美しくする会」相談役の鍵山秀三郎講演会が、十九日は掃除実習が行われる。参加費はそれぞれ千円だが、掃除実習は、中学生以下無料。今月三十一日までに直接事務局まで申し込みが必要。問い合わせはパラダイスプラン内宮古島大会事務局(電話76・6070)まで。

 写真説明・スコッチブライトを使ってトイレ掃除に汗を流す参加者ら=15日、久松中学校
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