200平成18  113 金曜日

賠償の有無で平行線/市と奥原組合長が協議

不発弾処理問題

 伊良部架橋建設に向けた海中ボーリング調査に伴う磁気探査で発見された不発弾の処理問題ついて、宮古島市の宮川耕次総務部長と伊良部町漁業協同組合の奥原隆治組合長との話し合いが十二日午後、同組合で行われた。宮川総務部長は「奥原組合長の英断で、不発弾処理のご協力をお願いしたい」と重ねて協力を求めた。これに対し、奥原組合長は「不発弾爆破で魚が殺された場合、そこの海域で漁業を行っている漁師への賠償はあるのかないのか、法令で示してほしい」と繰り返し強調。かみ合わない議論は二時間半に及んだ末、今月十四日に開かれる予定の同組合の理事会で「不発弾の爆破処理は、理事会の同意書が必要かどうか」を審議することになった。今後、理事らの対応が注目される。
 奥浜組合長は「損害賠償を求めているものではない」と強く断った上で「不発弾がある海域は漁業権が設定されている。不発弾が爆破処理されることで、魚が殺され、そこで漁をしている漁師らは被害を被る。法令に基づいて漁師らへ賠償ができるのかできないのか、法律を示してほしい」と法律で明文化された根拠の説明を求めた。
 宮川総務部長はこの日、県知事公室防災危機管理課からファクスで送られてきた「不発弾処理に伴う質疑について」を説明。「市町村が実施する不発弾処理は、地方公共団体が地域および住民の安全を確保する目的から行うものであり、地域住民の利益にかなうものであるという考えなどもあって、不発弾処理に伴う損失について、法令上、補償制度はない」と述べた。
 これに対し、奥原組合長は「納得できない」と語気を荒げた上で「法令上とは、何の法律か」と追及。さらに奥原組合長は「自衛隊の不発弾処理で魚が殺された場合は、国家賠償法で賠償できるのかできないのか」などと質問。しかし、法令上を示す法律は具体的に示されなかった。 
 国家賠償法について、双方とも電話を使ってそれぞれの弁護士と相談。両弁護の解釈に相違があることから、話し合いは平行線をたどった。
 結論が見出せない中、奥原組合長が「理事会で同意書が必要かどうか諮りたい」と提案し、宮川総務部長は、了承した。
 同組合は、宮古島市誕生以降も同じ名称を使っている。新年度の通常総会で、定款改正の議案を上程し、改称する予定。

 
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市長に提案断念求める/野党議員団11人が会見

助役2人制

 野党議員団(池間雅昭会長)十一人は十二日、昨年の市議会十二月定例会で否決された助役二人制の再提案の意向を示している伊志嶺亮市長に対し、同案の断念を求める会見を宮古島市役所で行った。
 会見で池間会長は「十二月定例会で助役を二人にする条例案が提案されたが結果的に反対多数で否決された。その結果に市長は重みを感じてほしい。しかし、報道では市長が臨時会を招集して再提案をする意向のようで、私たち野党議員団としてはこのような市長の姿勢は断じて容認できるものではない。断固として反対し、成立阻止をすることを市民とともに頑張りたい」と述べた。
 会見で野党議員団からは▽基地問題という重荷を背負った嘉手納町は助役や収入役を廃止し、町長一人で県や国と立ち向かい問題解決に取り組んでいる▽十二月定例会で助役人事は新聞報道の通りかとの質問に否定も肯定もしなかったのに、条例案が否決されると「人物が先に見えたことが要因」としている―などが示された。
 そのほか、同条例案に反対の姿勢を示した与党議員との今後の接触について、池間会長は「状況に応じて情報交換したいと思う」と述べた。
 この野党議員団の意向について伊志嶺市長はマスコミの取材に「提案するつもりで与党と調整しているがまだ調整段階」との見解を示した。

写真説明=市議会野党議員団の11人が会見で伊志嶺市長に助役2人制の断念を求めた=12日、宮古島市役所

 

オリックス、若手投手陣11人が来島/25日まで自主トレ
 

 プロ野球パ・リーグ、オリックス・バファローズの若手投手陣十一人が十二日、自主トレーニングのため来島した。二十五日まで基礎体力づくりを中心にトレーニングを行い、来月一日から始まる春季宮古島キャンプに備える。加藤大輔投手は「チームは昨年より一回りも二回りも強くなっている。目標はプレーオフ出場。シーズンで活躍して仰木監督へ良い報告をしたい」と抱負を語った。選手らは早速、宮古島市民球場の室内練習場で汗を流し、新シーズンへスタートを切った。
 この日来島したのは加藤選手をはじめ、山本省吾、松村豊司、宮本大輔、近藤一樹、ユウキ、金子千尋、新入団の平野佳寿、岸田護、中山慎也、軒作(妹尾軒作)の計十一選手。後日三人が合流する。
 宮古空港では宮古島オリックス協力会や宿泊ホテル関係者らが選手たちを出迎えた。早速、多目的屋内運動場へ移動した選手らは、キャッチボールで肩をならすなどじっくりと体を動かしていた。
 加藤投手は「原点となる宮古に帰ってスタートを切りたかった。シーズンにピークを持っていけるようにしっかり調整したい」と述べた。
 オリックス・バファローズの宮古島春季キャンプは来月一日にスタートし、二十三日まで行われる予定。


写真説明=11選手が来島し新シーズンへ向けトレーニングを開始した=12日、多目的屋内運動場

 
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大嶺安男さんが最優秀賞/JAおきなわ家の光大会

 二〇〇五年度「JAおきなわ家の光大会」(主催・県農業協同組合)が十日、南風原町で開催され、宮古代表として出場した大嶺安男さん(48)=JA上野支店=が最優秀賞を受賞した。上野字名加山で、サトウキビやカボチャ、トウガン、オクラを栽培している大嶺さんは「地上・家の光に励まされて」と題して、雑誌を通して得た知識や経験を、特に力を入れていたオクラ栽培に生かし、農業に対する目標や会員としての夢を堂々と主張。十二日、JAおきなわ宮古地区事業本部を訪れ、下地隆弘本部長に受賞を報告した。大嶺さんは来月九日に静岡県で開催される全国大会に、県代表として出場する。
 同大会は、組合員や地域愛読者の記事活用体験発表を通じて、JA組合員の結び付きを強めるとともに仲間同士の楽しい触れ合いと併せて、JA教育文化活動の高揚を図ることが目的。JAおきなわ南風原支店ホールで記事活用体験発表が行われ、約二百人が参加した。
 大嶺さんは、雑誌「家の光」「地上」を通して、再びオクラ栽培を始めようと思ったきっかけや、今まで持っていた偏見を捨て、事業内容や役割、農協との関係に積極的に活動している現在を発表。「農業は生命を維持し、はぐくむ産業である。受け継ぐと同時に子供たちにも、将来は私のように農業を職業にしたいと思えるように、『楽しくもうかる農業』を目指してこれからも自分を磨いていきたい」と呼び掛けた。最優秀賞を受賞して大嶺さんは「記事活用の活動が認められたと思うが、まさかと驚いているだけ。選ばれた以上は一生懸命に練習し、全国大会に臨みたい」と喜びと抱負を話した。
 報告を受けた下地本部長は「本業である農業を通じて、日ごろの体験活動を伝え、見事に最優秀賞を射止めた。その努力や、農業に懸ける熱意がみんなに認められたということは誇りである。農業を振興し、地域の活性化につなげて、全国大会でも頑張ってほしい」と激励した。


写真説明=受賞を喜ぶ(右から)下地本部長、大嶺さん、伊志嶺健良JAおきなわ上野支店長=12日、JAおきなわ宮古地区事業本部

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地元の食材生かす/旧平良市食改推進協

健康レシピ集を発行

   旧平良市食生活改善推進員協議会(外間千枝子会長)はこのほど、生活習慣病予防をテーマに広報ひららへ掲載した料理のレシピ集「平良市健康レシピ集」を発行した。旧平良市の会員活動の総まとめとして行ったもので、一九九九年から毎月掲載した料理の中から三十品を選出。地元の食材を生かしたヘルシーメニューや理想的な朝食メニューの作り方を紹介している。外間会長は「『私たちの健康は私たちで守る』を合言葉に、これからも普及活動を頑張っていきたい」と市民の健康づくりに意欲を見せている。
 健康レシピ集は▽ヘルシーメニュー▽地元の食材を生かしたメニュー▽朝食メニュー(大人用・子供用)―の三項目に分かれており、トウガンのミルク煮、モズク入り七品ジューシー、パルダマのいため物など同会が考案した計三十品を紹介。料理の写真や作り方のほか、その料理の栄養素を示したグラフ、食材の栄養一口メモも付け加えた。このレシピ集は会員と関係機関に配布される。
 旧平良市食生活改善推進員協議会は一九九七年度に発足。男性料理教室やパパママクッキング、食育事業など、百三十人の会員が「食」を通した健康づくりに取り組んできた。市町村合併に伴い、平良市、城辺町、上野村、伊良部町にあった同協議会が統合し「宮古島市食生活改善推進員協議会」として新たに発足した。


写真説明(上)=レシピ集を発行した旧平良市食生活改善推進員協議会=12日、平良保健センター

写真説明(下)=ヘルシー料理などを掲載した平良市健康レシピ集

   製糖工場に興味津々/岩手県宮古市の交流団

多良間

 【多良間】交流のため多良間村を訪れている岩手県宮古市の児童生徒は日程三日目の十二日、宮古製糖多良間工場を見学し黒砂糖ができるまでの工程などを学んだ。当初はサトウキビ収穫体験やサイクリングを行う予定だっが、雨のため日程を変更。昨年十二月二十六日から操業を開始した製糖工場を訪れ、多良間島の特産品である黒砂糖ができる様子を見学した。
 宮古製糖多良間工場では仲間時次工場長が一行を案内。工場の設備について説明したほか、収穫され運ばれてきたサトウキビがどのような工程を経て黒砂糖になるかをそれぞれの工程を追いながら説明した。一行は初めて見る製糖工場の様子に興味津々の様子で、質問を投げ掛けながら見学していた。
 新里中二年の中居瞳さん、花輪中二年の大藤七瀬さんは「黒糖ができるまでの過程が長いのでびっくりした。黒糖がとてもおいしい。キビ刈りができなくで残念だけど、岩手県に帰るまでにはキビをかじってみたい」と感想を話した。
 

写真説明=工場内を見学し黒砂糖ができるまでを学んだ岩手県宮古市の一行=12日、宮古製糖多良間工場

 

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