2006年(平成18年) 1月12日 木曜日
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製糖操業がスタート/宮古本島2工場
平均糖度14.31-15度で基準超
沖縄製糖宮古工場と宮古製糖城辺工場の二〇〇五―〇六年産サトウキビの製糖操業が十一日、スタートした。初日の原料搬入量は沖糖が千三百二十d、宮糖が九百十d。平均糖度は沖糖が一五度、宮糖が一四・三一度となり、両工場とも基準糖度帯(一三・一―一四・三度)を上回る最高の滑り出しとなった。今期の生産見込み量は沖糖が十一万三千d、宮糖が九万七百五十dを予想。伊良部、多良間を合わせた宮古全体の生産見込み量は二十八万三千三百八十三dとなっており、前期の成績を大幅に上回る豊作が期待される。両工場の今期製糖操業期間は六十―六十五日を予定。
今期サトウキビは生育初期から旺盛期にかけて発生した台風の被害を受けたが、風向きが同一方向であったため大きな打撃はなかった。夏場は降雨に恵まれ順調に生育したが、生育後期に当たる九月から十一月にかけては少雨傾向が続いたため生育が鈍化。その後は降雨などで持ち直した。品質面は好調に推移。最も好影響を与えたのが年末年始の冷え込みで、宮古全域で品質が向上、両工場ともに平均糖度は一四度台を予想しており、豊作が期待されている。 ■沖糖
写真説明(下)・新里社長(中央)をはじめ県、市町村、農業関係機関の代表がキビの束を投げ入れ操業開始を告げた=11日、宮糖城辺工場 |
☆ 現段階で約36億円不足/市新年度予算編成
宮古島市(伊志嶺亮市長)が進めている二〇〇六年度の新年度当初予算の編成作業において、現段階で約三十六億円が不足していることが本紙の取材で分かった。同市では不足分に充当する基金も約八千万円の残高しかなく、今月中の一時内示に向けて、さらなる歳出抑制を図っていくことになっている。財政課では「二年前に平良市が歳入不足のまま内示した当初予算編成時よりも厳しい状況だ」との見解を示している。
同市における来年度当初予算の歳入は三百十億―三百二十億円程度になる見込みだ。そのうち財源の使途が特定されず自治体が自由に使用できる一般財源は百七十二億円程度を見込んでいるが、各部局の要求ベースは二百二十六億円となった。当初、五十四億円の開きがあったが査定を行い現在は三十六億円余の不足となっているようだ。
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伊良部漁協、損害補償求め「待った」/
不発弾海中処理計画が白紙に
伊良部架橋建設に向けた海中ボーリング調査に伴う磁気探査で見つかった不発弾について、宮古島市は週明けに海上自衛隊による海中爆破処理を予定していたが、十一日に開かれた事前会議で、伊良部漁協の奥原隆治組合長から、爆破で魚が死ぬなど損害を受ける漁民に対する補償を求める声が上がり、結局、奥原組合長の同意を得られずに処理計画を白紙に戻した。架橋建設を進める県側は奥原組合長の姿勢を強く批判。会議に出席した海上自衛隊側は「こんなこと初めて」と当惑し、「地元で調整してから処理を要請してほしい」と話した。
今回処理が予定されている不発弾は、昨年十二月二日と三日に伊良部架橋建設に向けて県が実施しているボーリング調査中に発見された八十一_追撃法一発、六十一_追撃法一発、三a砲弾三発の計五発。架橋建設予定の伊良部島側から四十b付近で三発、百b付近で二発が見つかった。現在は百b付近の海底にまとめて留置している。 計画では今月十六日午前、さらに百bほど沖側へ移動し、海中で爆破処理。その際、半径二千b以内を入水禁止とし、対策本部を伊良部島に置くことなどを事前対策会議で確認していた。会議途中で、奥原組合長が爆破処理する海上自衛隊沖縄基地隊の小松徹・一等海尉に対して、「どういう法令に基づいて海中で不発弾処理するのか。損害を受ける漁民への補償はどうなるのか」などと、事前に補償の話し合いをすべきだと主張し、今回の処理計画に同意できないとした。 これに対し小松一等海尉は「不発弾処理は自衛隊法九九条に基づいて行っている。補償については答える立場にない」と述べた。また県宮古支庁総務・観光振興課の上里隆盛副参事は「個々の損害について協議していくのは無理があるのではないか。お互いの地域の危険を取り除くという大きな見地から考えていくべきだ。漁民にとっても危険を取り除くというメリットがある」と再考を求めた。 しかし互いの意見はかみ合わず、小松一等海尉は「(海自としては)ぜひ処理をさせてくださいとお願いしている立場ではない。自治体の要請を受けて、真摯(しんし)に対応し、速やかに危険を取り除くという立場だ。地元で十分に協議してから、今回の処理要請は白紙に戻し、改めて要請してほしい」と当惑した表情を隠さなかった。 結局、結論を出すことができず会議を招集した宮古島市の宮川耕次総務部長が、週明けの爆破処理を取りやめると判断した。処理要請が白紙に戻されることで、海底に留置されたままの不発弾管理は、宮古島市になるという。 写真説明・海中爆破処理に伴う損害の補償を求める奥原組合長(右)=11日、宮古島市役所 |
☆ 農水省・金子政務官が来島/バイオ・エコ研究を視察
農林水産省の金子恭之(やすし)大臣政務官(44)=自民党=が十一日来島し、サトウキビからの製糖過程で発生するバガスや糖蜜、畜産のふん尿などを、炭化や堆肥(たいひ)化するなどして農業で利用し、循環型社会の構築に向けた研究を行っている上野の宮古島バイオ・エコシステム研究センターを視察した。金子政務官は「バガスやふん尿を有効に利用するため、非常に良い研究がなされている」と評価した。
金子政務官はきょう十二日まで滞在し、キビの製糖過程で出る廃糖蜜を利用したバイオマスエタノール製造施設や、それを石油に混合するエタノール混合ガソリン(E3)製造施設、地下ダム資料館などを視察する予定。 同センターは同省の「農林水産バイオリサイクル研究事業」で二〇〇四年度から三年間の予定で、サトウキビ由来のバガスを炭化・ガス化して農業に利用したり、ふん尿や生ごみを堆肥化したり、メタン発酵させてエネルギーに変えるなどの施設で循環型社会構築に向けた研究を進めている。金子政務官は「農水省としてもキビの増産プロジェクトで振興に力を入れており、バイオマス技術がますます進むよう、力を入れていきたい」と述べた。 金子政務官は熊本県出身で当選三回。衆院農林水産委員会所属。 写真説明・多くの質問も交えながら、熱心に視察した金子政務官=11日、上野の宮古島バイオ・エコシステム研究センター |
☆素敵な生の演奏に感激/ともだちコンサート
二〇〇五年度県こども青少年芸術劇場「国際音楽の日」記念ともだちコンサート(主催・県教育委員会など)が十一日、平良地区にある西原公民館で行われた。宮古島市立西辺小、中学校の児童生徒を観客に迎え、県出身の三人の演奏家たちがピアノやフルート、クラリネットを使って曲を披露。参加した児童らは、フロアに響き渡る生の演奏を楽しんでいた。
コンサートには、県出身者の▽石垣円(まどか)さん(フルート)▽根間安代さん(クラリネット)▽阿波連佳恵子さん(ピアノ)―の演奏家三人が参加し、クラシックを中心に数曲を演奏。曲の合間に、楽器や曲の説明、音楽に関する知識をクイズ形式で紹介するなど、分かりやすいコンサートの内容に、児童らは質問に答えながらフロア全体に響き渡るメロディーに興味深く聞き入っていた。 これは、芸術鑑賞の機会の少ないへき地や離島などの児童生徒に、優れた舞台芸術を提供して生の芸術に触れる喜びを与えるとともに、表現活動の機会を確保することにより、児童生徒の芸術活動の機運の醸成と健全育成を図ることが目的。文化庁の主催する「国際音楽の日記念フェスティバル」と、県教育委員会が主催する「ともだちコンサート」がジョイントして行われた。 |