200平成18  1曜日

伊志嶺市長が新年の決意/宮古島市「新春の集い」に500人

 宮古島市二〇〇六年「新春の集い」(主催・宮古島市)が四日午前、宮古島市内のホテルで開かれ、行政関係者や民間企業などから五百人余が出席して、圏域の発展を祈念した。伊志嶺亮市長は「市民の声を市政に生かして、市民と共に考え行動する新市の建設にまい進する」と決意を表した。この日は官公庁と多くの民間企業で「仕事始め」となり、にぎわいが戻った。
 あいさつで伊志嶺市長は「いよいよ今年から宮古島市の本格的なまちづくりが始まる。初代宮古島市長として初めての新年を迎え、豊かで活力に満ちた宮古島市づくりに決意を新たにしている。行財政基盤を確立するための行財政改革を進め、新市建設計画の着実な実行と、選挙で掲げた公約の実現に全力で取り組みたい」と述べた。
 さらに伊志嶺市長は「今年は『選択と集中』をキーワードにした行政を進めたい。今年の重点事業の中からさらに事業を選択し、その実現に向け予算の手当も含めて集中的に取り組んでいく。地方を取り巻く環境は依然として厳しいが、市民が自ら選択して使える市民予算とも言える枠をつくって、市民と共に考え行動する新市の建設にまい進する」と新たな姿勢を強調した。
 友利恵一市議会議長は「五市町村合併して初めて迎える新年。記念すべき年であり、新市発展に向けて力量が問われる年でもある。新しい時代に対応すべく英知を集中して盤石な土台を築く年にしなければならない。課題もあるが、市民と行政が互いに知恵を出し合えば、良い方向に向かっていく。市議会としても責任ある判断をして市民の負託に応えていきたい」と述べた。
 乾杯の音頭を取った中尾英筰宮古島商工会議所会頭は、二月に行われるプロ野球オリックスの春季キャンプを挙げ、「清原和博、中村紀洋の両選手が入団したことにより宮古島が全国に大々的にPRされる」と新年に期待を込めた。
 この後、県議の砂川佳一、奥平一夫の二氏、兼城克夫県宮古支庁長もあいさつに立ち、圏域発展に期待した。新春の集いは、「宮古民謡保存協会」の三味線演奏で幕を開け、舞踊やバイオリン演奏なども披露され、集いを盛り上げた。


top.gif (811 バイト)

れやかに笑みこぼれ/伊良部・多良間で成人式

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は三日、五市町村合併後初めてとなる成人式を伊良部地区で実施した。同市伊良部公民館で行われた成人式には佐良浜、伊良部の両中学校出身の百二十人が着物やスーツに身を包み、大人の仲間入りを果たした。
 また、多良間村(下地昌明村長)は四日、同村中央公民館で成人式を行い、三十四人が晴れやかに門出の日を迎えた。
 このうち伊良部の成人式では伊志嶺市長が「これからは『大人』として自らの判断と責任での行動が求められる。立派な社会人として歩むことを希望する」と呼び掛け、新成人らは緊張した表情を見せた。式典の前後には記念撮影したり、思い出話に花を咲かせたりと、旧友との久しぶりの再会を喜び合った。
 


晴れ晴れとした表情で式典に臨んだ
新成人ら=3日、宮古島市伊良部公民館


晴れやかな表情で記念撮影に収まる新成人
=4日、多良間小学校

top.gif (811 バイト)

今年1年をすばらしい年に/年末年始各地で行事

越年ライブで盛況/声合わせカウントダウン
 うえのドイツ文化村のカウントダウンライブが十二月三十一日から二〇〇六年一月一日にかけて開催され、数組の音楽グループが参加して迫力あるサウンドで会場の雰囲気を盛り上げた。年が変わる瞬間には大勢の市民が声を合わせてカウントダウンを行い、新年を迎えた瞬間に打ち上げられた花火などを楽しんでいた。
 カウントダウンライブの会場はクリスマスに合わせて設置されたイルミネーションに彩られ、大勢の市民が開始前から訪れて幻想的な雰囲気を楽しんでいた。
 この日のカウントライブには下地暁さんやパニパニガールズ、ビートルクラッシャーといった地元のバンドやアーティストなどが出演。ライブが始まると、ステージ前には次々と市民が集まり、各出演者の迫力のサウンドを満喫した。若者は全身でリズムを取りながら大みそかのロックに身を委ねていた。
 新しい年になるまで残り十秒になると参加者全員でカウントダウン。新年を迎えた瞬間に花火が打ち上げられ、会場の来場者全員が夜空の花火を見上げながら新年の決意を新たにしていた。
 ライブを楽しんでいた二十三歳男性は「とても楽しい大みそかだった。ライブは本当に最高。次回も参加してみんなと盛り上がりたい。新年も仕事に頑張ります」と満面の笑みで話していた。

 写真説明・大勢の市民がカウントダウンライブで盛り上がった=12月31日、うえのドイツ文化村

手を合わせ幸せ願う/宮古神社 家族連れで初詣で
 二〇〇六年がスタートした一月一日、宮古神社は初詣での家族連れでにぎわった。参拝者はそれぞれ手を合わせてゆっくりと参拝。今年一年間の幸せなどを願っていた。
 宮古神社には十二月三十一日の深夜から大勢の参拝者が訪れ、長蛇の列を作った。友人同士や家族連れが多く、参拝者の中には眠りに就いた子供を抱きかかえて訪れる市民もいた。
 新年一月一日を迎えると、参拝者らは次々とさい銭を入れて参拝。参拝を終えた人たちはおみくじを引いて今年の運勢を占い、受験生たちは絵馬に合格祈願の文字を書き込むなど、それぞれの思いを託していた。
 おみくじで六年連続大吉を引いた平良中卒で向陽高校二年の国仲奏絵さんは「来年は受験生になるので、大阪芸術大学に合格できるよう願いました。今まで努力してきたことが実る年になればうれしい」と話した。


A組で下地6段V・B組は国吉4段が制す/新春囲碁大会
 宮古島市平良「こすみ囲碁教室」(池間博美主宰)の新春囲碁大会が三日、同教室で開かれた。A組(五段以上)に二十一人、B組(四段以下)に十六人が参加して競った結果、A組で下地恒輝6段、B組で国吉寛信4段がそれぞれ四戦全勝して優勝した。国吉4段と、B組で二位となった宮古島市立北中学校二年の粟国直幸3級はそれぞれ一階級昇格した。
 A組で優勝した下地6段は「今年は幸先の良いスタートを切ったので、一生懸命頑張っていきたい」と満面に笑みをたたえた。B組で優勝した国吉4段は「非常にうれしい。三年ぐらい4段だった」と昇段を喜んだ。
 結果は次の通り。
 【A組】▽優勝=下地恒輝6段(四勝)▽二位=仲間勝之6段(三勝一敗)▽三位=池田友彦7段(同)▽敢闘賞=宮里光雄7段(同)、田場平教5段(同)
 【B組】▽優勝=国吉寛信4段(四勝)5段に昇段▽二位=粟国直幸3級(三勝一敗)2級に昇級▽三位=垣花伸幸3級(同)▽敢闘賞=新城森彦4段(同)

 写真説明・真剣なまなざしで盤面を見つめ熱い対局を繰り広げる参加者=3日、こすみ囲碁教室

top.gif (811 バイト)

成人記念しタイムカプセル開封/北小の卒業生

 宮古島市立北小学校の一九九七年度卒業生らは四日、成人の年を迎えたことを記念し、同校で小学校卒業時に埋めたタイムカプセルを開封した。新成人らは、思い出いっぱいの小学校時代を懐かしむとともに学友たちとの再会を喜んだ。
 同年度の卒業生らは七十五人。この日は、正月やきょう五日の成人式出席のために島外各地から帰省している同窓ら約三十人が集合。父母や恩師の協力を得ながら、くわやスコップで記念碑と覆土を除き、思い出の品々を掘り出した。
 地中のポリバケツからは、日記や学習ノート、図書カード、雑誌など、小学校の思い出が詰まった包みが次々に姿を現し、同窓らは友人らと互いに見せ合いながら思い出話に花を咲かせていた。
 東京都から帰省中の平良千里さんは「みんなに会えたことと、小学校時代の自分に会えたことに感動している。在学中の小学生たちにもぜひ(タイムカプセルを)勧めたい」と話した。
 タイムカプセル埋設時に校長を務めていた安谷屋豪一さんは「活発な学年だったので印象に残っている。他人の不幸を見過ごさない思いやりを持ち、善悪の判断ができる大人になってほしい。小学校の思い出を胸に目標に向かって頑張って」と新成人らにはなむけの言葉を贈った。

 写真説明・小学校時代の思い出を次々に掘り出して懐かしんだ=4日、宮古島市北小学校

top.gif (811 バイト)

正月休暇終え空路満席/親族の見送り光景も多く

 仕事始めを翌日に控えた三日、宮古空港は帰省客や観光客のUターンラッシュがピークを迎え終日、混雑した。那覇行き、本土行きを運航する日本トランスオーシャン航空(JTA)、全日空(ANA)では同日、JTAの東京行きの一便を除いて全便満席。空港は帰省客、観光客に加え、帰省客を見送る親族らでにぎわった。四日も上り便でほぼ満席の状態が続き、空席が出始めるのはきょう五日からだという。
 JTAの職員によると、「二日の搭乗者も多かったため、大きな混雑はない」ものの、予約がほぼ満席とあって、大きな荷物や土産物を抱えた利用客の姿は絶えなかった。また、見送りの親族も多く「またおいでね」「体に気を付けて」などと、名残惜しそうに声を掛け合っていた。
 浦添市から帰省した下地章博さん(38)=平良出身=は「盆と正月ぐらいは帰らないとと思い、毎年二回は帰るようにしている。やはり宮古は落ち着く。とてもリラックスできた」と笑顔を見せた。
 那覇市の砂川亮太さん(27)=同=は「久しぶりに友人たちにも、祖母にも会えて、良いリフレッシュになった」と話した。
 一方、観光で初めて宮古を訪れた秋本大助さん(30)は「知り合いのつてで来たので、オトーリで歓迎してくれた。とても楽しかった。今度はぜひ夏の宮古に来てみたい」と、「リピーター宣言」をしていた。

 写真説明・大きな荷物を持った客で混雑する手荷物検査場=3日、宮古空港

top.gif (811 バイト)

   シャコガイの貝斧出土/城辺・アラフ遺跡

 城辺新城海岸近くのアラフ遺跡でこのほど、二千五百―二千九百年前とみられる地表六番目の層から未完成のシャコガイ製貝斧が出土した。第六層は白砂で、これまで人が住んでいなかったとみられていたが、同層で人工物が出土したため「この時代にも人が住んでいたことが分かる」(同遺跡調査団)としている。また、八重山産である黒色千枚岩も見つかり、宮古と八重山の人的交流を知る手掛かりになるとしている。
 アラフ遺跡の調査は、沖縄国際大学の江上幹幸教授らを中心とする調査団が二〇〇〇年から実施している。これまで第七層まで調査したが、六層で人工物が出土しなかったため同層には人が住んでいなかったと推測されていた。だが、今回の調査で貝斧を発見。江上教授は「第七層に人が住んでいたことは確認していたが、今回の貝斧の出土で六層にも人が住んでいたということが分かる」と強調。これまでの調査を踏まえ「千年間ぐらいは同じ文化を持っていたのではないか」と推測している。
 今回の調査では貝斧のほか、サメ歯製品や八重山産の石も発見。江上教授によると、「八重山産の黒色千枚岩は宮古島にはない石であるため、何らかの石器にしようと八重山から運ばれたものと思われる」とし、当時から宮古と八重山の交流があったことを知る手掛かりの一つになり得ることを説明した。
 アラフ遺跡について江上教授は「この宮古島の歴史を語る上で貴重な遺跡で、文化財として後世に残していくことが大切だと思う」などと話した。
 次回調査は三月に予定している

 写真説明(上)・今回出土した未完成のシャコガイ製貝斧(左)と黒色千枚岩の石材
 写真説明(下)・調査した遺跡の記録を取る調査団のメンバー=城辺・アラフ遺跡

top.gif (811 バイト)