200平成17  1229曜日

新年の財政健全化へ決意/宮古島市・歴史的一年ねぎらう

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は二十八日、市町村合併後初めてとなる仕事納めを迎えた。職員は通常業務を行いながら、その合間に机の上を片付けたりして身の回りを整理し、新年に備えた。伊志嶺市長は「苦しい財政の中、頑張ってもらい感謝している。来年はもっと明るい展望が開けると思う。健全な財政運営ができるよう、職員の皆さんには頑張ってもらいたい」と述べた。このほか多良間村や県宮古支庁、国の出先機関など官公庁は一斉に仕事納めとなり、きょう二十九日から正月三が日までは年末年始の休みとなる。
 宮古島市役所本庁舎では、職員が掃除機をかけたり窓ガラスをふいたりする光景が見られたものの、十月一日の市町村合併に伴う引っ越し作業を前に、各部署で書類の整理などが行われていたことから例年のような慌ただしい雰囲気はなく、ほとんど通常通りの業務となった。
 市役所を訪れていた自営業の四十代の男性=下里=は「子供を安心してすこやかに育てられる雰囲気づくりに全力投球してほしい」と話し、新年の業務に期待を込めた。
 終業時刻の午後五時以降は各部署ごとに小宴となり、市町村合併という歴史的一年となった〇五年の労をねぎらい合った。
 伊志嶺市長は各部署を回って職員にあいさつ。「百年に一度の大きな転換期となる市町村合併から三カ月が過ぎたが、職員の皆さんの頑張りで大きな混乱もなくここまで来た」と振り返り、「来年も市民福祉がどうあるべきかを考え、みんなで力を合わせて輝かしい一年にしよう」と呼び掛けた。
 一方、スーパーや商店街では歳末商戦が追い込みとなり、市民が新年の準備に追われている。銀行や郵便局、JAなどの金融機関の窓口業務はあす三十日までで、年明けの営業は四日から。現金自動預払機(ATM)は各銀行、郵便局、JA、労働金庫とも三十一日までは稼働する。正月三が日は沖縄海邦銀行と労働金庫のATMのみ稼働する。

 写真説明・伊志嶺市長(左)の音頭で乾杯する企画政策部の職員ら=28日、宮古島市役所本庁舎

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お正月はふるさとで/帰省ラッシュ始まる

 大みそかや正月を故郷で過ごそうという帰省客のラッシュが始まった。二十八日、宮古空港ロビーでは家族や孫、友人、知人などを出迎える人々でごった返し、「ただいま」「おかえり」などの会話と笑顔が広がっていた。
 また、冬休みを暖かい宮古島で過ごそうという観光客も多く訪れるなど、到着ロビーはにぎわいを見せている。
 東京から帰省する二人の子供と四人の孫を迎えに来た国吉健さん(73)は「いつもは妻と二人だが、子や孫に囲まれ、にぎやかに正月を迎えることができる」と笑顔。孫の喜屋武麗さん(12)=神奈川県横浜市=は「宮古に行くのをずっと楽しみにしていた。大好きなおじいちゃん、おばあちゃんと一緒にお正月を過ごせることが楽しみ」と話した。
 東京都から観光に訪れた六十代の女性は、四十五年来の友達六人で来島。「島の豊かな自然、きれいな空気、白い砂浜を楽しみにきました」と暖かい宮古島での観光を待ち切れない様子で話した。
 日本トランスオーシャン航空とエアーニッポンによると、下りのピークは二十九、三十、三十一日。上りは一月二、三日がピークとなっている。

 写真説明・帰省客のピークが始まり、にぎわいを見せる=28日、宮古空港

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市章形取った花1500本/宮古島市役所上野庁舎

 宮古島市役所上野庁舎の中庭に、「宮古島市」の市章を形取った色とりどりの花文字がお目見えし、訪れる市民らの目を引いている。制作に当たった同市経済部観光商工課の根間正三郎課長は「宮古島市のPRになれば」と話している。
 同課では、合併を記念して、新支所をきれいな花でいっぱいにしようと、職員十五人で今月七日から取り組み始めたという。マリーゴールドとベゴニアの二種類の花を使って、合計約千五百本を市章の形に並べ、職員が交代で水をやったり、肥料をあげたりして管理している。
 根間課長は「観光商工課として、公共施設などを花で彩り、各庁舎でもこのような取り組みをしていきたい。たくさんの市民や観光客にも見ていただきたい」と述べた。
 花は正月ごろが見ごろだという。

 写真説明・宮古島市の市章である「み」を1500本の花で表している=28日、宮古島市役所上野庁舎

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正月準備で大にぎわい/歳末商戦がピーク迎える

 今年もあとわずか―。大手スーパーなどでは歳暮や年の市のコーナーが設けられ、歳末商戦のピークを迎えている。売り場は世話になった人々への贈り物を吟味する客やしめ縄、鏡もちなど正月用品を購入する人々の姿で大にぎわい。各店とも豊富な品ぞろえと戦術で客の購買意欲を刺激している。しめ縄は派手めなデザインが人気。これから大みそかの三十一日にかけて、正月料理用の生鮮食品などに客足が移行すると見られる。
 市内のあるスーパーでは、千円から五千円ほどの値幅で約三百種類の歳暮を用意。中間価格帯の商品の売れ行きが好調で、県外向けとしてはスモークハムが特に人気。健康ブームの流れを受け、昨期に続き黒酢やもろみ酢なども売れ筋だという。
 このほか、正月用のしめ縄は、リース型などデザイン重視の商品に人気が集中しているほか、掃除用具も良く売れており、年内のうちに一年のほこりを払う家庭が多いと見られる。
 また、電球、はしなどの生活雑貨の売れ行きも好調。店長は「清々しい気分で新年を迎えたいとの気持ちの表れでは」と話す。
 別のスーパーでは、今月二十日と二十六日の「大安」をアピールした結果、「両日の正月用品の売上げが例年の一・五倍程度伸びた」とほくほく顔。「暮れのあいさつではなく、年始の贈り物用に歳暮商品を活用する人も増えており、元旦を迎えても(商品は)動きそうだ」と長期戦の構えだ。
 さらに別のスーパーでは「歳暮のピークは越した」とし、今後はてんぷら用の魚や豚肉など正月料理用食材の売れ行きに期待を寄せる。
 平良地区に住む五十代の女性は「何カ所か店舗を見て回り、安くて良さそうな物を買います」と話していた。

 写真説明・スーパーでは、しめ縄など正月用品が並ぶ=28日、市内のスーパー

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美しい海いつまでも/売上げ一部をオニヒトデ駆除へ寄付

 美しい海を残そうと、宮古島市平良に住む山田隆司さんは二十八日、「活動費に役立ててほしい」と宮古圏域海洋危険生物対策協議会オニヒトデ部会に金一封を寄付した。山田さんはオリジナルステッカーを制作、販売し売り上げの一部を寄付した。
 山田さんは今後もステッカーを販売し、売り上げを同部会に寄付する。
 県宮古支庁での贈呈式で山田さんは「オニヒトデの被害からサンゴを守るために役立ててほしい」と述べた。
 受け取った同部会の長間孝部会長は「オニヒトデの駆除はボランティアで行っており、資金に限りがある。有効に活用したい」と感謝した。
 山田さんが制作したステッカーは今後、山田さんの経営する店や土産品店で販売される予定。希望小売価格は一枚三百五十円。このうち、百円が同部会へオニヒトデ駆除のため寄付される。
 ステッカーについての詳細は山田隆司さん(電話090・1945・5175)まで。

 写真説明・山田さん(左)から長間部会長に寄付金が贈られた=28日、県宮古支庁 

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   ススキ屋根など環境に配慮/池間湿原野鳥観察小屋完成へ

 宮古島市平良の池間島で、「池間湿原野鳥観察小屋(仮称)」の建設が急ピッチで進められている。屋根と壁は、野鳥に刺激を与えないようにススキを使用。高床なので広い湿原で野鳥が休んだり、飛んだりする姿が容易に観察できる。野鳥愛好者や観光客らの新たな野鳥観察スポットとして、人気を呼びそうだ。
 この小屋は、池間島自治会(玉寄憲作自治会長)の所有物。今月中旬から、地元の村山正成さん(55)ら四人がボランティアで建設に着手した。進ちょく率は約八○%。
 同湿原そばに建つ小屋は、長さ九b、幅二・三b、地表からの高さは、屋根までが三・二b、床までが一・五b。高床へは木製の階段を掛けた。野鳥観察小屋が建設されるのは、今回で二度目。旧野鳥観察小屋は、一昨年の大型台風で倒壊した。
 玉寄会長は「宮古野鳥の会が、池間湿原の野鳥を記録している。宮古野鳥の会に少しでも協力できれば。近年は沖縄本島や本土から、多数の愛鳥家らが訪れて観察している。池間湿原野鳥観察小屋が完成したら、野鳥に脅威を与えず安心して観察できる」と話した。
 建設現場責任者の村山さんは「宮古野鳥の会が、年明けの一月九日に、池間湿原野鳥観察小屋で新春探鳥会を予定しているので、早めに完成させたい」と語った。
 同湿原は、年々水草の成育地が拡大しているため、陸地化が進み、水域は狭小。同自治会は、今年も県の補助事業で、ごく一部の水草を撤去した。玉寄会長は「市や県に、広い水域に復元するよう要請したい」と強調した。

 写真説明・近く完成する池間湿原野鳥観察小屋(仮称)=28日、池間島

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