200平成17  1227曜日

「地域とのパイプ役必要」/宮古島市に行政連絡員存続要請

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が本年度中の策定を目指す行政改革大綱の中で、行政連絡員制度の見直しを検討していることを受け、同市平良行政連絡員一同(代表・与那覇博敏)は二十六日、同制度の見直し撤回と存続を伊志嶺市長に要請した。要請に対し宮川耕次総務部長は「皆さんの意向は伊志嶺市長に伝えて、指示を仰ぎたいと思っている。行革に向けてこれからが本格議論となるので、この問題については皆さんとも話し合いをしていきたい」と答えた。
 当局が同制度の見直しを検討していることについて、連絡員からは「私たちは地域と行政とのパイプ役として活動してきた。これからも存続させてほしい」「市の厳しい財政状況は理解できるが、市税の未納などもある。徴収体制の強化も必要」など、制度の存続を求めた。
 これに対し、宮川総務部長は「行革に向けてはあらゆるものの見直しを検討している。市としては行革推進本部を発足させ、今後、市民の意見を反映させる推進委の発足も予定している。この問題についても市民の声も聞きながら検討し、皆さんとも話し合いを持ちたい」との見解を示した。
 今回の要請は▽行政連絡員の果たしてきた役割と実績を評価し、従来通り制度を存続させてほしい▽制度の見直しは連絡員とも十分に話し合いをもって対処してほしい―の二項目。
 宮古島市では、二十二日に伊志嶺市長を本部長とする「行政改革推進本部」を発足させ、本年度中の行革大綱策定を目指している。
 同大綱は、新年度の二〇〇六年度から一〇年度までの五カ年計画で▽行政運営体制の確立▽財政運営の健全化―を二本柱としている。
 また、具体的な実施項目や数値目標を定めた「実施計画」も策定し、新年度から行政改革に本格着手するとともに、大綱と実施計画を推進するため、市民の代表でつくる「行政改革推進委員会」を年明けに発足させ、市民の意見を反映させることとなっている。
 行革大綱の中では、行政連絡員制度の見直しも検討課題となっており、当局によると現在、百三十五人の行政連絡員がおり、制度廃止となると約一億円の歳出抑制となる。
 行政連絡員は、旧平良市の事務担当者や旧町村の地区区長らで構成され、広報誌の配布、国民年金保険料の督励、各種要請など市民と行政のパイプ役としてさまざまな業務を担っている。
 これまで市当局は、同制度について実際にその役割が機能している地区と機能していない地区とが存在していることから「思い切った見直しを行い、その業務に職員を地域割りで配置するなど、地域に密着した行政サービスの提供により市民と職員との緊密度を高め、職員意識の改革にもつなげたい」との見解を示していた。

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地下水採取認めず/地下水審議会

 宮古島市地下水審議会(会長・中尾英筰宮古島商工会議所会頭)は二十六日、伊志嶺亮宮古島市長から諮問された、市内の総合病院が申請していた事業用水の地下水採取について、「水源に影響がないとはいえない」として不許可とする方針を決めた。近く伊志嶺市長に答申する。これを受け伊志嶺市長は病院に対し不許可を通知する見通し。
 同計画は病院の敷地内で井戸を掘り毎分二百gの地下水をくみ上げ、施設内の事業用水を賄うというもので、今年九月には宮古島上水道企業団が「上水道水源に直接影響を与える」として不許可としていた。病院側は当初、深さを二十bとし白川田水源の「水盆」から採取するとしていたが、十月になって深さを百bとし、「水盆」からさらに掘り下げた地点から採取することで、「水源には影響がない」と宮古島市に再度、申請した。
 審議会では「深度を増したことで、水盆に影響がないとはいえない」「水盆は島尻マージの粘土層の上にあり、その層を砕くとそこに水が流れ込んでしまうのではないか」と慎重意見が相次ぎ、市水道局の砂川定之局長職務代理者は「上水道管理者としては、水道水源流域での地下水採取は遠慮していただきたいというのが管理者の気持ちだ」と述べた。また国が計画している新たなかんがい排水用地下ダムへの影響を懸念する意見やデータ不足を指摘する意見が出され、結局は不許可とすることでまとまった。
 審議会審議を前に委員に対する委嘱状交付が行われ、伊志嶺市長から八人に委嘱状が手渡された。その中から会長に中尾氏を選出した。委員の任期は二年。
 そのほかの委員は次の通り。
 ▽砂川定之(宮古島市水道局長職務代理者)▽座喜味一幸(宮古土地改良区事務局長)▽兼城克夫(県宮古支庁長)▽山内勝彦(沖縄総合事務局農林水産部土地改良課長)▽下地隆弘(JAおきなわ宮古地区事業本部長)▽中西康博(東京農業大学助教授)▽前里和洋(県立宮古農林高校教諭)

 写真説明・申請のあった地下水採取について意見を交換した=26日、宮古島市役所

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交通安全をPR/フェスト開催多彩なイベント

 「みんなではじめよう!交通安全 宮古島」をテーマに第一回宮古島市交通安全フェスト05(主催・同実行委員会)が二十五日、宮古島市平良の下里公設市場前をメーン会場に開催された。救急救命措置法の実演や自転車の正しい乗り方教室など、事故の悲惨さや交通安全意識高揚を図るさまざまなイベントが催されたほか、地元で活躍するバンドのライブなどもあり、訪れた地域住民に広く交通安全をPRした。(別刷りで写真特集)
 メーンステージでは、パニパニガールズやかぎ花バンド、下地暁さんらのライブが行われたほか、バイク事故を想定した救急救命措置法の実演などもあった。
 自転車の正しい乗り方教室では、交通安全子供自転車県大会で優勝、全国大会でも団体、個人の各部で健闘した宮古島市立砂川小学校六年の砂川勇助君、砂川宗一朗君、佐和田千尋さん、狩俣知博君、奥松慶大君が模範的な自転車の乗り方を披露した。そのほか、バイク乗車に適した服装や、バイクの点検の仕方なども紹介され、注目を集めた。
 また、会場では交通遺児育成のための募金活動も行われ、多くの市民から善意が寄せられた。
 実行委員長の伊志嶺亮宮古島市長(宮古島市交通安全推進協議会長)は「事故のない社会を実現するため、関係機関と緊密に連携を取り合い、事故防止につなげていきたい」とあいさつした。
 宮古島警察署の伊波盛春署長は「警察としても、交通事故を一件でも減らすため、ドライバーの意識高揚を図るとともに、徹底した取り締まりを行っていきたい」と述べた。
 宮古島地区交通安全協会の黒島正夫会長は「市民一人ひとりが力を合わせ、事故のない住みよい宮古島市をつくっていこう」と呼び掛けた。
 同フェストは市民の交通安全に対する意識の高揚と、正しい交通マナーの実践を習慣づけることにより、交通事故を未然に防止することが目的。宮古島市、同市交通安全推進協議会、宮古島商工会議所の三団体で実行委員会を組織し、初めて開催された。

 写真説明・自転車の正しい乗り方を披露する砂川小の児童=25日、沖縄銀行宮古支店駐車場

まちなかフェスタ終了/国交省が3通り視察・活気再生につなぐ
 活気ある街中を再生することを目的に国土交通省の社会実験として西里、下里、市場の三通りで実施してきた「宮古島まちなかフェスタ05」(主催・宮古島商工会議所、NPOにぎわいみゃーく)は、二十五日のエンディングフェスティバルで本年度の事業が終了した。最終日には国交省の社会実験懇談委員がイベント会場を視察。現地報告をまとめ国へ提出する。事業主体となっている宮古島商工会議所でも三通りや観光客へのアンケートを実施し、課題や実験結果などをまとめ提出し次回の事業へつなげていく。
 同会議所の中尾英筰会頭は「週によってばらつきはあったが、最初の試みとしては七〇パーセント成功したと思う。今後はどういった取り組みが良いのか試行錯誤しながら進めていきたい」と感想を話した。
 十月からのまちなかフェストを終え西里、下里、市場通りの反応はさまざま。西里通りのある店舗の代表は「歩行者天国には賛成だが中身が充実していなかった。客足が少なく店にとって負担が大きく、売り上げも減った。商店街が全面的に協力できるような時期に開催できるよう調整したかった」とイベント内容に疑問を投げ掛ける。下里通りのある店主は「歩行者天国には反対。わざわざ歩行者天国にしなくてもできたイベントが多く、客足に響いた。車両を入れないと客は減る。歩行者天国をやるのであれば、距離を短くし集中した形でできるようにしてほしい」と厳しい意見。毎週金曜日にストリートイベントを独自に開催してきた市場通りでは、これまでの実績を生かし活性化を図ることを提案する。ある店主は「三通りが一つにまとまることが必要。それぞれが危機感を持ってどうすれば街がにぎやかになるか、皆が喜ぶかを考え予算を有効に使うことが必要」と提言した。
 社会実験懇談会委員として視察を終えた政所利子委員は「通りのそれぞれに性格分けがされている」と評価し「通りの個性化や、買い物だけでなく誰もが立ち寄って休んだりすることのできるつくりが必要」と提案。村木美貴委員は「台風が多いせいか、看板が小さく通り全体がすっきりとしたつくりになっている。観光客だけでなく誰のためのまちづくりなのか、市民はどうしたいのかを考えることが大事」と話した。
 まちなかフェスタは、国土交通省の社会実験「にぎわいといやしのまちなかストリート活用事業」として実施したもので、全国の約三十カ所で展開されている。宮古島市では、中心商店街で歩道や駐車場を活用したオープンカフェ、ストリートマーケットなどを実施。イベントを開催しながら歩行者天国の有無による歩行者数、交通量などを調査した。

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豊作に期待込め/葉タバコの仮植作業始まる

 二〇〇六年産宮古地区葉タバコの仮植作業が始まっている。今後約一カ月間ほどビニールハウスの中で育苗した後、本畑へ移植される。
 上野字宮国のビニールハウス内では、葉タバコ農家が親せき総出で仮植に精を出し、ほ場への植え付けを控えて準備作業に余念がない。今月上旬の種まき後、順調に発芽した苗をガーデン板から抜き取り、一本一本はしでつまんで、根を痛めないよう注意を払いながら仮植ポットに移していた。苗は、ここ二、三日の安定した気温ですくすくと成長しているという。「年明けの天候が気になるところだが、天気に恵まれ品質の良い葉が育つことを願っている」と話し、豊作に期待を込めた。
 宮古地区の今期葉タバコの栽培面積は合計六万三千二百十三eで、前期比八十七eの減少。各ほ場では、一月下旬から二月にかけて移植作業のピークを迎えるとみられ、豊作に向けて気温の上昇が期待されている。

 写真説明・葉タバコの本畑移植に向けてビニールハウスの中で仮植が行われている=26日、上野字宮国

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砂川男子が準優勝/県中学新人バスケ選手権大会

 【那覇支局】第四十回県中学校新人バスケットボール選手権大会は二十六日、男女の準決勝、決勝が南風原町の南星中学校体育館で行われ、宮古島市立砂川中学校が準優勝した。決勝は西崎と戦ったが一歩及ばなかった。女子の狩俣はベスト16だった。同大会には男子の部に九十四、女子の部に九十六チームが参加した。
 砂川はスピードとコンビネーションが持ち味のチーム。準決勝の沖縄東戦では、持ち味の足を生かして相手ディフェンスを崩し、着々と得点を重ね、第四クオーター中盤までには七点差まで差を広げた。対する沖縄東は、その後猛烈に追い上げ残り十六秒の時点では一点差まで詰め寄った。しかし、砂川は終了間際に二点ゴールを決め、辛くも三点差で逃げ切った。
 決勝の西崎戦は第二クオーターまで互角の戦いを見せた。しかし、第三クオーター以降、相手の流れを崩せず惜敗した。
 崎山用彰監督は「小柄なチームでも、大きい相手に通用することが見えた。準優勝は素晴らしい結果。胸を張って帰りたい」と、選手たちの奮闘をたたえた。
 キャプテンの砂川佳輝君は「準優勝はうれしい。しかし、優勝を目指していたので悔しい思いもある」と話した。
 結果は次の通り。
 ▽準決勝=砂川52(11―12、11―9、17―15、13―13)49沖縄東▽決勝=西崎64(13―5、12―17、20―16、19―17)55砂川
 選手は次の通り。(敬称略)
 ▽砂川佳輝(二年)▽津波古幸信(同)▽川満優希(同)▽佐和田大輔(一年)▽高江洲知也(二年)▽川満雄太郎(同)▽狩俣雄介(同)▽砂川亮太(同)▽上里優真(一年)▽久貝文哉(同)▽砂川龍太郎(二年)▽下地弘人(一年)▽久貝仁人(同)▽下地暁登(同)

 写真説明・県中学校新人バスケットボール選手権大会で準優勝した砂川中男子=26日、南風原町の南星中学校体育館

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   県冬季大会で準V/下地小女子ミニバスケ部

 第二十回県ミニバスケットボール冬季選抜大会が二十三日から三日間、宜野座村内で開催され、宮古地区代表として出場した下地小女子ミニバスケットボール部が準優勝の快挙を達成した。二十五日に帰島した同部の児童たちは宮古空港で学校や父母会から盛大な祝福を受けた。キャプテンの新城沙弥加さんは「決勝までいけるとは思っていなかったので本当にうれしい」と喜びを語った。
 二十三日に開幕した大会には女子六十四校が出場した。下地小は同日の一、二回戦を順当に勝ち進み、二十四日の三回戦では馬天に、準々決勝では津嘉山をそれぞれ下し準決勝に駒を進めた。二十五日は準決勝で浜川と対戦、激しい試合展開の末、30―29の1点差で逃げ切った。決勝では中頭地区代表の北美と対戦し優位に試合を進めたが、終盤に追いつかれ、三分間の延長戦の末、37―41のスコアで惜しくも優勝は逃した。
 それでも学校や父母会は小さな学校の快挙に大喜び。二十五日午後に帰島した児童たちを大きな拍手で出迎えた。キャプテンの新城さんは「決勝では疲れが出て、動きが悪くなってしまった」と振り返ったが、「決勝までいけるとは思っていなかったのでうれしい。これからは後輩たちに頑張ってほしい」と話し、優勝の夢を後輩に託した。
 下地忠夫監督は「子供たちは素晴らしい活躍だった」と評価。砂川和子校長は「あれだけ大きな大会で勝ち進めたことがすごい。皆さんそれぞれに心の成長があったと思う」とたたえた。父母会の新城勇人さんは「感動ある三日間だった」と子供たちの活躍を手放しで喜んでいた。

 写真説明・県冬季選抜大会で準優勝の快挙を達成した下地小女子ミニバスケ部の児童たち=25日、宮古空港

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