200平成17  1217曜日

「助役2人制」で論戦/市議会一般質問

野党「納得できない」/市長、必要性を強調

 開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)の十二月定例会は十六日、一般質問の初日が行われ、与野党六人の議員が登壇し、当局の姿勢をただした。今回は宮古島市議会における初めての一般質問で、下地明氏が最初の登壇者となった。質疑は今議会最大の焦点となっている「助役二人制」の条例案について集中し、野党は「納得できない」「市民に理解は得られない」など提案者の伊志嶺亮市長を厳しく批判。伊志嶺市長は「合併に伴う対外的な各種諸課題もあり、特命を受けた助役を二人制にして、しっかりと対応したい。今回否決されても再提案する」と述べ、助役二人制の必要性を終始強調した。
 この日は、下地氏のほか、新城啓世、前川尚誼、佐久本洋介、仲間明典、砂川明寛の六氏が登壇し、下地、新城、砂川の野党三氏が助役二人制について市長の姿勢を厳しく追及した。
 下地氏は「県内で最も忙しいと思われる嘉手納町長は一人で行政運営に取り組んでいる。宮古島市には優秀な部長、課長がおり、その協力を得れば助役を二人にしなくてもスムーズな行政運営ができると思う」と述べ、市長の考えをただした。
 伊志嶺市長は「合併し、リーディングプロジェクトなど早急に取り組まないといけない部分がある。優秀な部長もたくさんいるが、行政職では難しい部分もあり、状況によっては政治的な助役の存在は必要。また、合併前に各首長がこなしていた地域とのネットワークも必要で、宮古島市になってからもその質を落としたくないという気持ちもあり、助役は二人必要だと考えている」との見解を示した。
 新城氏の「二人制は選挙功労なのか。助役の内部起用、公募は考えていないか」の質問に伊志嶺市長は「選挙功労のためではなく、助役となる人物については人柄、総合力で考えている。また、内部起用、公募については考えていない」と答え、さらに「二人の助役の報酬は現在の収入役並みにする。また、自分の収入も下げたいと思っているので、コスト削減にもつながることから市民の理解は得られると考えている」との見解を示した。
 そのほか、市立図書館の建設については「早急に取り組みたい。公文書も多く公文書館の機能も兼ね備えたい」との方針を示した。
 この日登壇した議員の中には、前オリックスバファローズ監督で宮古にもゆかりの深い仰木彬氏の急逝に対して、質問の前に哀悼の意をささげる場面も見られた。

 写真説明・「助役2人制」について質疑が集中した市議会の一般質問=16日、宮古島市議会議場

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11月までに37万4000人来島/観光客数 目標の40万人間近

 宮古圏域への入域観光客数は今年十一月末で三十七万四千二百三十七人となっていることが県宮古支庁総務・観光振興課のまとめで分かった。前年同期比で三千九百二十八人の増。目標に掲げる四十万人まで約二万五千人に迫った。
 圏域の入域観光客数は二〇〇四年に過去最高の三十九万二千百四十人を記録。今年も昨年に迫るペースで順調に推移している。
 今年の上半期(一―六月)の入域観光客数は十九万一千八百十四人と、前年同時期の十九万六千九百四十人に比べ五千百二十六人下回っていた。しかし、七月以降は毎月、前年同期を上回り、十一月末現在で増加傾向に転じた。
 入域観光客数を月別で見ると、最多は八月で四万八千四百四十人(前年同期四万四千二百五人)と九・六%の増。次いで七月の四万二千三百七十人(同三万九千四百六十一人)、九月の三万六千三十四人(同三万四千二百八十一人)と続き、夏場の観光人気を裏付ける結果となった。
 月別最低となったのは十一月で二万六千四百二十五人(前年同期二万六千三百六十一人)。十月の二万九千百五十四人(同二万九千六十一人)、五月の二万九千九百九十八人(同二万九千百十九人)となっている。

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宮古の収穫量202d/05年産マンゴー

 【那覇支局】沖縄総合事務局農林水産部は十五日、二〇〇五年産マンゴーの収穫量調査結果を発表した。宮古の収穫量は二百二dで前年より百八d(三五%)減少した。十e当たりの収量も前年より二百三十一`(三七%)少ない三百九十五`。出荷量は百九十二d(同比九十三d、三三%減)となった。花芽分化期(十一―十二月)の高めの気温や開花結実期(二―三月)の低温・日照不足などが影響した。一方、結果樹面積は五十一fと前年より一f増えた。
 県全体の収穫量は前年より五百二十d(三〇%)少ない千二百十d。出荷量は千百五十d(同比二九%減)、十e当たり収量は五百六十九`(同比三一%減)となった。
 地区別の収穫量は北部五百七d(同二三%減)、南部三百五十三d(同二六%減)、宮古二百二d(同三五%減)、中部八十七d(同二七%減)、八重山六十五d(同六〇%減)となっており、全地区で大幅に減少した。

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拳銃持ち「金出せ」/沖銀宮古支店で模擬強盗訓練

 防犯意識向上を図るため、宮古島警察署(伊波盛春署長)は十五日、宮古島市平良にある沖縄銀行宮古支店(玉城篤支店長)で模擬強盗訓練を実施した。金融機関を狙った強盗事件の未然防止が目的で、行員がスムーズに対応できるか検証するために行われた。
 午後二時三十分ごろ、犯人に扮した二人の警察官が拳銃を持って同行に押し入り、発砲した上、客を人質に「金を出せ」などと行員を脅して現金二百万円を奪って逃走。
 行員らは利用客を安全な場所へ誘導したほか、駆けつけた署員に犯人の特徴や逃走に使用した車両のナンバー、車種などを正確に伝えた。
 訓練終了後、同署生活安全課の知念克幸課長は「犯人が押し入り、混乱した状況の中で迅速な対応が良かった。警報装置も正常に稼働していた」と講評。「万が一の場合、被害を最小限に抑えるためにも、今後も銀行と警察の連携を強めていきたい」と述べた。
 玉城支店長は「普段から強盗に入られないような環境づくりを図っている。今後も明るい店内を目指していきたい」と話した。

 写真説明・人質を取り、本番さながらに行われた訓練=15日、宮古島市平良の沖縄銀行宮古支店

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コントラクター充実を/飼料増産推進現地検討会

 畜産自給飼料増産の推進を図るため、関係者による現地検討会が十六日午後、城辺地区の荷川取牧場で行われた。肉用牛の生産者をはじめ、国や県、JA、宮古島市など関係機関の職員が参加して、飼料増産に向けた飼料生産受託組織「コントラクター」の役割や必要性について意見交換した。生産農家らは機械台数増を訴え、行政側はコントラクター充実による生産体制の構築を求めた。
 現地検討会場所の荷川取牧場は荷川取衛さんら三人で経営。検討会参加者は午前九時から同地を訪ね、飼料の給与と飼養管理について現場の状況を確認した。
 生産農家らは飼料に係るコスト面など課題点を挙げた上で機械台数増加の必要性を強調。行政側は「今のままではだめだと思う。他地区に負けない牛を生産するためにも(飼料に関して)どうあるべきかを考える時期。コントラクターの役割をどうするかを考えなければならない」などと飼料生産におけるコントラクターの役割、必要性を強調した。別の参加者からは他地区における飼料生産などの話があり、あらゆる視点から飼料について考え直し、いかに効率の良い生産体制を構築していくかが今後の課題になるとの指摘もあった。
 宮古地区の肉用牛生産は右肩上がりで、二〇〇五年の競り販売額は過去最高の二十八億四千三百四十四万八千三百円を記録しており、今後さらに飼料生産の充実が求められている。

 写真説明・現地検討会で飼料生産についての認識を深めた参加者ら=16日、城辺字西里添

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   「ブランド品をどうぞ」/養護学校・栽培した農産物などを即売

 県立宮古養護学校(玉元江美子校長)の生産物展示即売会「宮養ふれあい夢まつり」が十六日、同校で開かれ、子供たちが日ごろの作業学習の成果が発表した。栽培した野菜や花などの農産物、工芸品などを格安で販売、父母らや地域住民が詰め掛けて飛ぶような売れ行きを見せ、子供たちは上々の手応えに自信に満ちた表情でそれぞれの担当をこなしていた。
 今回で十五回を迎える同即売会は、高等部の行事だったこれまでの開催のあり方を改め、今年から全校児童生徒が参加して開催。開会式では、小学部の児童たちが創作エイサーを披露し、訪れた人々を楽しませた。
 また、今回初の試みとして中学部のPTAが出店。寒い屋外で牛汁などの温かい料理を販売して喜ばれた。各販売コーナーでは、子供たちが値段の計算や袋詰めなどの仕事をこなし、商品が減ると手早く「在庫」を陳列するなどてきぱきとした働きぶりを見せていた。
 玉元校長は「きょう販売する商品はすべて自信を持ってお勧めできる宮古養護学校のブランド品です」と来場者に呼び掛けた。

 写真説明・協力して栽培した野菜を販売する生徒たち=16日、宮古養護学校

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