200平成17  1216曜日

助役2人制 委員会では可決

宮古島市議会・賛否同数で委員長採決

 開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)十二月定例会は十五日、各常任委員会が開かれ、付託された議案を審議した。このうち総務財政委員会(新里聡委員長)では今議会最大の焦点となっている「助役二人制」条例案について審議。同案に反対の野党議員から提案者の伊志嶺亮市長の姿勢に対して、不満の意見が相次ぐ一方で、与党からは必要性を認める意見も出された。採決では、委員九人のうち一人の議員が退席し、賛否は四人が賛成、野党の四人は反対となり、同数となったことから新里委員長の採決で可決した。同案についてはきょう十六日から四日間の日程で行われる一般質問でも激しい論戦が展開される見込みだ。
 同条例案に対する賛否は、賛成が与党の仲間明典、前川尚誼、山里雅彦の三氏と、会派「そうぞう」の池間健栄、新里聡の二氏の計五氏。反対は野党の富浜浩、新城啓世、池間雅昭、嘉手納学の四氏で、野党の真栄城徳彦氏は退席した。
 この日の委員会では、午後から「助役二人制」についての審議がスタートした。今議会の前から伊志嶺市長に対して、同案の提案を取りやめるよう求めていた野党議員から強い反発の意見が相次いだ。
 池間雅昭氏は「収入役廃止は十分に理解できる。しかし、厳しい財政状況の中で助役二人制は理解できない。助役の報酬額は、年間千五百万円で四年で六千万円になる。財政が厳しいとの観点で合併し職員給与、議員報酬も下げている。助役を二人にして年間千五百万円以上のさらなる歳出は合併の趣旨に反している。市長が示す諸課題への対応についても助役は一人で十分」と異論を唱えた。
 これに対して、池間健栄氏は「合併前の新市建設計画における収支計画書で、人件費については三役(助役と収入役)の報酬額は想定されている。これには平成二十七年度までは三役は廃止するとはなっていない。合併で旧自治体が特に懸念したのは、議員数が少なくなって地域の声が届かないとの部分もあった。実際に市長の見解通り諸課題は山積している。合併で議員数が減り、それだけでもすでに二億円歳出が削減され、各種委員の減でも歳出は抑制されている」との見解を示した。
 激しい論戦の結果、採決を行うこととなったが真栄城議員が「賛成の意見も反対の意見も十分に理解できるが、現状では判断できない」との理由で退席した。
 そのほか、「収入役を置かない条例案」については一部文言を修正し、可決となった。
 今回の委員会の結果は、二十二日の最終本会議で委員長報告が行われ、採決となる。可決となれば今議会後に人選案が伊志嶺市長から提案される予定となっている。

 写真説明・「助役二人制」の条例案について審議し、賛成多数で可決した総務財政委員会=15日、総務財政委員会室

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資源循環の自給飼料を/川本さん(琉大教授)らが講演会

 畜産農家の草や稲わらなどの自給飼料を増産しようと、二○○五年度飼料増産推進に関する講演会(主催・日本草地畜産種子協会、沖縄総合事務局)が十五日午後、宮古島市平良のJAおきなわ宮古地区事業本部の農業情報管理センターで開かれた。大勢の肉用牛生産者や畜産関係者らが出席。今後の自給飼料の取り組みや肉用牛経営に向けて知識を深めた。
 畜産関係者らによると、中国産稲わらが家畜伝染病「口蹄疫」の侵入で国内への輸入が禁止となったことから、政府が今年五月に「飼料自給率向上に向けた全国行動計画」を決定。これを受け、県の関係機関らは飼料自給率三五%を達成するため「沖縄地域飼料増産推進協議会」を立ち上げた。
 同会の本年度事業計画では▽飼料増産運動▽耕作放棄地・野草地の放牧利用の推進▽国産稲わらの利用▽サトウキビの梢頭部利用拡大▽飼料生産の外部化―などを施策に掲げている。
 この日は、琉球大学農学部教授の川本康博さんが「沖縄における粗飼料生産の外部化に関わる課題―宮古の畜産環境保全と振興のために―」、九州大学大学院農学研究所助教授の福田晋さんが「飼料増産の視点から見たコントラクターの役割と今後の展望について」と題してそれぞれ講演した。
 川本さんは「畜産の基本は資源循環に根差した自給飼料にあり、また安全・安心・健康な畜産物は自給飼料にある」と述べた上で「地域環境を悪化させない資源循環型飼料と家畜生産を推進すべき」など提言した。
 福田さんは、北海道などの畜産経営などについて説明した。

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「戌」で福を迎えて/みやこ焼・干支にちなんだ置物制作

 来年の干支である「戌」にちなみ、平良字西里にあるみやこ焼(佐渡山正光代表)では犬を形取った置物を作り、販売している。大きさは、大・中・小の三種類で、こげ茶色。佐渡山代表は「縁起物としてお正月には家庭に飾り、福を迎えてほしい」と話していた。
 宮古の土を使って製作されているこの置物は、九月の初旬ごろから作り始め、一個を完成させるのに約二週間が必要。佐渡山代表が窯を開いて以来約二十二年間、干支の置物製作は恒例となっているという。
 佐渡山代表は「温かみを感じられるように一つ一つ心を込めて作っている」と話し、「福を呼ぶ縁起物として、昔から干支の置物を置いて良い正月を迎えるのが習わしだった。正月には、家庭に飾って、福を迎えてほしい」と期待を込めた。
 大サイズは高さが約二十aで親犬に寄り添う子犬と鼓が形取られ、中サイズは高さ約十七aで犬一匹。小サイズは、子犬が二匹寄り添っている姿を焼き物で表現している。
 問い合わせはみやこ焼(電話72・3948)まで。

 写真説明・来年の干支「戌」にちなみ置物が製作されている=15日、平良字西里にあるみやこ焼

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「24日までに投函を」/宮古郵便局年賀状受け付け始まる

 二〇〇六年用年賀状の受け付けが十五日、全国一斉に開始され、宮古郵便局(米村幸雄局長)で受け付けセレモニーが行われた。花園保育所(浅野弘子所長)の園児らが心を込めてしたためた年賀状を投函。同局では、二十四日までの投函を呼び掛けている。
 セレモニーで米村局長は「皆さんが郵便局に預けた年賀状は、来年一月一日には必ず相手に届きます。安心して楽しみにしていてください」と子供たちに話した。
 訪れた五、六歳の園児十六人は、同局ロビーで整列し、かわいらしい歌声を披露。忙しさを増す局内の雰囲気を和らげ、年賀状を専用のボックスに投函した。
 今年、宮古管内では四十一万九千枚の年賀はがきが発売されている。五十枚以上の購入者には抽選で六千人、五十枚以上同時に出した人には抽選で一万人にプレゼントが当たるキャンペーンが展開される。二十四日まで。

 写真説明・専用ボックスに年賀状を投函する子供たち=15日、宮古郵便局

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「市長選無効」異議を棄却

市選管「選挙人名簿への異議」と判断

 宮古島市選挙管理委員会(友利和夫委員長)は十五日、先月十三日に施行された宮古島市長選で落選した下地敏彦氏の後援会幹部ら四人が、「沖縄本島や島外に住む一部の学生に投票が認められなかった」などと主張し同選挙の無効を訴えていた申し出を棄却した。市選管は、今回の申し出を選挙の有効および無効を争うものではなく「選挙人名簿に対する異議申し出」と判断した。決定を受け、異議申し出を行った四人の総代、嵩原弘氏は「まだ(決定書が)届いていないので何とも言えない。届いてからほかのメンバーとも相談し、今後の対応を決めたい」と話した。
 嵩原氏ら四人の幹部は今回の申し出で▽宮古島市に住所を有しながら島外に住む学生に投票所入場券が送付されなかった▽学生を理由に投票できなかった▽学生でない者も投票所入場券を交付されなかった▽旧町村に住民登録しながら旧平良市に住んでいることを理由に投票所入場券が交付されなかった―などとし市長選の無効を訴えた。
 これについて市選管は過去三回の協議を開いて棄却を決定。学生に関する異議については実例判例集などから「当市に住所があるからといって学生、生徒、または職業訓練生の訓練期間が一年以上の者についても、選挙権の要件を具備しているとはいえない」などとした。ただ、衆院選では投票権が認められ、市長選では認められなかったという異議については「学生を百%把握するのは難しい」とした。
 旧町村に住民登録しながら旧平良市に住んでいることを理由に投票できなかった人は「(旧町村選管で)選挙人名簿から抹消された方」とした。
 これらの理由から市選管は今回の申し出が「選挙人名簿に対するもの」と判断。同様の申し出の期間は「縦覧期間内でなければならない」ことも指摘した上で「申出人らの主張する選挙無効は容認することはできない」との決定を下した。
 異議の申し出を行ったのは嵩原氏のほか、真栄城稔氏、下地常政氏、比嘉米三氏の四人。

 写真説明・異議申出棄却の決定を記者会見で報告した市選管委員ら=15日、宮古島市役所

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   5000本の防風林植樹へ/沖縄製糖・台風に備え同社ほ場など

 沖縄製糖宮古工場(砂川玄悠工場長)は十五日、宮古島市平良の同社ほ場で、その周囲を取り囲む防風林千本を植樹した。同工場は、土地改良基盤整備が終了した地域で風の影響を受けやすい狩俣、島尻、大浦、与那覇、来間の各地域でも合わせて四千本、同社ほ場と合わせると計五千本を植樹する計画で、苗木はすでに各地区の農家に手渡された。同社農務課の古謝宏信課長代理は「毎年必ず、四、五個は台風が来る。災害に強くなる対策をきちんと取っていきたい。今回が初めての植樹なので、農家の反響も見ながら継続していきたい」と話し、防風林整備に力を入れていく考えを示した。
 十五日の植樹では、同社の五fのほ場を囲む形で、テリハボク、フクギの苗木計千本を、職員らが丁寧に植え付けた。同社では、手入れが行き届くよう、あまり高くない「垣根」のような形で防風林を整備する方針。今回、同社ほ場と五地域で植樹されるのはテリハボクが四千本、フクギが千本の計五千本。

 写真説明・防風林の苗木を植える職員ら=15日、宮古島市平良にある沖縄製糖のほ場

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