200平成17  1214曜日

役2人制で市長・財政再建逆行批判に対抗案

/市議会12月定例会

 開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)十二月定例会は十三日、上程議案に対する質疑が行われ、野党が財政負担増となり財政再建に逆行すると批判している助役二人制に関連して、伊志嶺亮市長は「給与を収入役並みにすることを考えている」と述べ、批判をかわした。この日は助役二人制について質疑が集中。撤回を求める野党に対し、伊志嶺市長は「機動性と効率性を兼ね備えた執行体制を整えるため」と批判を突っぱねた。前日、議場入りを拒否していた野党は開会前に友利議長に前日の議事進行について釈明を求めた上で本会議に出席した。
 開会前、野党議員十一人は議長室で、「議長は公正中立であるべきであり、調整役を務め、議員が全員出席して会議が進められるよう努力すべきだ。与党単独の議事進行はあってはならない」と議事運営を批判。これに対し、友利議長は「私は六回も控え室に行き、皆さんに対し、議場に入るよう促した。努力していないとの批判は当たらない」などと応酬。議事運営の正当性を主張しながらも「今後はこのようなことのないよう努力したい」と述べ、事態を収拾した。このやりとりでこの日の開会も三十分以上遅れた。
 質疑で収入役廃止、助役二人制の条例改正案を取り上げた野党の上地博通氏、池間雅昭氏の二人は「助役二人制の構想はいつから考えていたのか」「助役が二人となれば、財政再建を推進するという合併の本旨にもとる。時流にも反する」などと見解を求めた。伊志嶺市長は「助役二人制は選挙前から考えていた」「二人になれば財政負担が増えると指摘しているが、審議会等に諮り、給与を収入役並みにしたいと考えており、財政負担にならないようにしたい」と述べ、「二案とも通してほしい」と繰り返した。
 午後からの質疑で真栄城徳彦氏が「市長の説明が自信なさそうに聞こえる。給与を下げると返答したりして、どうしても助役二人制が必要だという強い意志が感じられない」と追及。これに対し伊志嶺市長は「新市の発足には助役二人制が必要。私自身(市長)の給与カットも考えており、これらを示しながら市民の理解を得ていきたい」と答えた。また助役について意中の人はいるのかと聞かれ、「具体的にある」と返答し、「選挙功労的な人事か」と再度突っ込まれると「選挙功労ではない。(その人物の)力を考えてのことだ」と述べた。

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伊架橋建設に伴い伊良部漁協/宮古支庁が進ちょく状況を報告

 県宮古支庁(兼城克夫支庁長)は十三日、同庁で伊良部架橋建設に伴う伊良部漁業協同組合からの要望事項に対する進ちょく状況を報告した。同漁協関係者に対して、ダイビング業者と漁協との海面利用ガイドラインや基本協定の作成、佐良浜漁港の船揚場改良および防暑設備の整備が来年度着工することなどが説明された。同漁協の奥原隆治組合長は「ダイビング業者との協定の対応が遅過ぎる。来年三月ではなくもっと早くやってほしい」と要望。兼城支庁長は「今後も早急に振興策に取り組むようしたい」と理解を求めた。
 この日報告されたのは同漁協が要望している二十四の水産振興策のうち県が対応している@ダイビング問題解決についてA中層パヤオ増設B船揚場の修復について―の三項目。
 ダイビング問題については、海面利用協議会の話し合いで来年三月までに「宮古地域における海面の調和的利用ルール」をまとめることが報告され、海面利用のガイドラインの内容が示された。
 また、船揚場の改良と防暑設備の整備は今年度設計し、来年度着工・完成する予定で、中層パヤオの増設は今年度中に中層浮魚礁を三基設置することも報告された。
 同席した砂川佳一県議は「県には漁民の皆さんや宮古圏域の振興のため施策を取り上げ真摯に受け止めてほしい。伊良部架橋実現のために配慮してください」と述べた。
 またこの日は、伊良部水産振興会(友利義文会長)から、確約書および要望書に基づいた振興策の早急な取り組みを求める要請も行われた。

 写真説明・県側が伊良部漁協の要望に対する振興策の進ちょく状況を説明した=13日、県宮古支庁

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3氏登壇、村政ただす/多良間村議会12月定例会一般質問

 【多良間】多良間村議会(西平幹議長)の十二月定例会が十三日開会した。一般質問も行われ、西筋米吉、本村健次、豊見城玄淳の三氏が登壇し当局をただした。きょう十四日には当局が二〇〇五年度一般会計補正予算案など四議案、報告三件、人権擁護委員候補者推薦などを提案。議案審議と採決が行われ閉会する。
 本村氏は誘殺灯の管理と稼働について質問。運天宏和経済課長が答弁に立ち、アオドウガネの駆除として村内に設置された九十七カ所の誘殺灯のうち十三基しか稼働していない状況を挙げ、「台風などの影響があったと考えられる。今後一基一基を点検し修理していく」と答えた。
 豊見城氏は多良間村が購入した土地の登記移転について取り上げた。これに対し伊良皆光夫助役は「一万八千七百二十平方bの土地があるが、まだ登記されていない部分がある。どういったいきさつで登記されなかったかは定かでないが、ほとんどが不在地主。登記には予算もかかるので十分に調査検討し処分していく」とした。
 西筋氏は村内の幼・小・中学校校舎のアスベスト建材使用について当局の調査状況と結果を求めた。長崎正幸教育課長補佐、波平敏一民生課長、羽地直樹建設課長が答弁し、村内の公共施設でアスベスト使用の問題がないことを説明した。

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売り方の工夫など強調/個店と商店街の活性化対策講演会

 県中小企業団体中央会主催の「個店と商店街の同時活性化対策」講演会が十二日夜、市内のホテルで行われた。コンサルタント会社「ジャイロ流通研究所」の大木ヒロシ所長が講話し「商売は売り上げがすべて。消費者は買う気も金もある」と述べ「売り上げ増進のためにはニーズを見極めた商品や組み合わせ、売り方の工夫など、店側が変わる努力を」と呼び掛けた。しかし、受講者数は四人と極端に少なく、商店街再生に対する地元の関心の低さをうかがわせた。
 大木さんは「今、全国的に個店は大型店に包囲されている状態。しかし、街、店、人の力を集中すれば必ず勝てる。宮古は再生に向けたぎりぎりの時期」と商店街組合や店主の奮起を促した。
 「売れない原因を把握し対策を練ることが大事だが、その際に手段と目的を混同すると街全体がさらに悪くなる」と、本土商店街の失敗例などを挙げながら指摘。消費者見極めの公式として「意図(買う意欲)」と「能力(消費者の財布)」の掛け算を紹介した上で「宮古の商店街も、団塊世代の中高年層など、金と買う意欲のある客層をターゲットに」とアドバイスした。
 また「一昔前の宮古は公共事業で島に入る金が回っていたが、現在はそうではない」と話し、都会に宮古の物産のチラシを出すなど、島内部だけでなく外部に向けて売る努力の必要性も強調した。さらに、「客へのエチケットを保った上でDM発送などのアプローチを」と、積極的な情報発信を提示。地域消費者が選ぶ店は「トク・ラク・ベンリ・オモシロイ」の要素を持ち合わせている店、と持論を展開した。
 しかし、参加者の少なさを大木さん自ら残念がる一幕も。地元に肩透かしを食らった格好の県中小企業団体中央会の比嘉秀光課長は「商店街組合事務所や商工会議所に文書を送ったほか、百店舗近くの商店にファクスで案内文を出した」と周知経過を説明。「年度内にもう一度開催予定だったが、地元の関心が低いようなので開催は見合わせることも検討する」と話した

 写真説明・講演会を行った大木ヒロシさん=12日、ホテル共和

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荷川取雅樹さん(平良)初挑戦で賞射止める

/琉球新報短編小説賞

 宮古島市平良の荷川取雅樹さん(39)はこのほど、第三十三回琉球新報短編小説賞を受賞した。受賞作は、短編小説としては自身初の「前、あり」。「信じられないような気持ち。今後の(創作活動への)励みになる」と喜びをかみしめた。
 受賞作は、宮古島を舞台にしたハードボイルドタッチのミステリー作品。未成年時代に殺人事件を起こした主人公が、二十年後、新たな事件に巻き込まれ追い詰められていく物語。昨年、初執筆した長編小説のエピソードの一つを土台に、四百字詰め原稿用紙四十枚の規定の中で仕上げ、初挑戦で賞を射止めた。
 応募のきっかけは、高校時代に教師として勤めていたもりおみずきさんが昨年同賞を受賞し、「身近な賞」として感じたことだ。
 「前例の受賞作品に倣って文学色を押し出すことも考えたが、やはり持ち味である娯楽性を強調したことが結果的に良かったと思う。大満足の完成度ではないが、自分なりの課題を次につなげたい」と冷静に分析し、さらに創作意欲を高める。「読者に『あれっ』という驚きを感じてもらえたらうれしい」と話した。
 当面の目標は、現在執筆中の小説を完成させること。「チャンスがあってタイミングが合えば、今後も何らかの賞に応募してみたい」と語った。

 写真説明・初の短編小説「前、あり」で琉球新報短編小説賞を受賞した荷川取雅樹さん=13日、宮古島市平良字東仲宗根の自宅で

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   ヒルギダマシの苗植樹/伊良部小児童

 第一回宮古エコガイドの会・NPO法人おきなわ環境クラブ(OEC)・宮古島市立伊良部小学校ワークショップ「環境学習・伊良部島マングローブの植樹と観察会」が十三日、同島の入り江と伊良部小学校で行われた。児童七十八人らが、日本では宮古が北限分布となっているヒルギダマシの苗三十本を丁寧に植樹した。マングローブは他の植物より二酸化炭素の吸収量が多く、人間に必要な酸素をたくさん供給。子供たちは、足元から地球環境の貢献にひと役買った。
 同学習は、同校で行われた。対象は三、五、六年生の七十八人。
 同会の平良寛明会長は「マングローブの植樹を通して、思いやりの心、優しい心、育てる心を学んでほしい。中途半端ではなく、夢は最後まであきらめないでほしい」とあいさつ。次いで同会の菅原利幸さんと川満きよみさんの二人が、マングローブの生態などについて説明した。
 菅原さんは「マングローブとは、真水と海水が入り交じった海に成育する植物群の総称。マングローブという木の名称はない」と話した。
 菅原さんは、子供たちにマングローブ林の役割などについて質問。子供たちは「水をきれいにする魚のすみか」などと解答し、菅原さんらを喜ばせた。
 この後、児童や関係者らは、伊良部島と下地島を結ぶたいこ橋へ移動。伊良部島側の入り江で、各グループごとにヒルギダマシ三十本を植え付けた。
 同会のメンバーらは、オヒルギとメヒルギの違いなどについて、各グループごとに説明した。
 入り江前には、大勢の父母らが訪れ、子供たちの植樹や観察を見守っていた。
 参加した譜久島薫君(五年)と国仲翔平君(六年)は、「ヒルギダマシを植える時は『早く大きく育ってね』と声を掛けた」と口をそろえて話した。

 写真説明・ヒルギダマシの苗を丁寧に植樹した子供たち=13日、伊良部の入江

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