200平成17  1213曜日

助役2人制提案に反発

市議会12月定例会・野党が議場入り拒否

 宮古島市議会(友利恵一議長)の十二月定例会が十二日開会したが、伊志嶺亮市長が提案する助役二人制条例案に対して野党議員十一人が反発。開会時間になっても議場入りせず、与党と一部野党議員で初日の議事を進行した。合併後、初めての定例会は野党議員欠席のまま異例のスタートを切った。野党保守系議員団の池間雅昭会長は「助役二人制は合併の趣旨からしても納得できない」とこの日の欠席理由を説明した。しかし十三日以降の審議については応じる考えを表明した。
 今定例会に提案されたのは収入役を廃止、助役を二人制にするという条例案や一般会計予算案など二十六件と議員提案の意見書二件。
 このうち助役二人制に対して、野党は強く反発。今月八日に伊志嶺市長に条例案を提案しないよう求め、この日も開会時間前の午前九時すぎに同様の申し入れを行い、撤回されなければ出席拒否の姿勢を示した。友利議長が再三、議員控え室に出向き出席を促したが、最後まで譲らなかった。この間、議場で待つ与党議員や職員らには、出席拒否の理由説明はなく、だらだらと時間が経過した。
 正午前に一旦開会したものの、即休憩に入った。午後の開会も遅れ結局、午後二時半すぎになって友利議長が与党議員と野党真栄城徳彦氏の十六人の出席のみで議事を進行。伊志嶺市長から予算案や条例改正案の提案理由が説明され、初日の日程を終えた。議事日程終了間際に出席議員から、野党欠席のままの議事進行についての見解を求められた友利議長は「議員全員協議会でも議案の説明がなされ、議会運営委員会でも議案の説明はあった。今後は(本会議での)質疑、一般質問、採決と意思表明の機会があるので出席してほしいと、促したが聞き入れてもらえなかった。残念だ。今後、このようなことにならないよう対処していきたい」と述べた。
 一方、出席を拒否した野党議員十一人は議員控え室で会見し、池間会長は「財政再建が急務という合併の本旨からしても到底納得できるものではない。助役二人制導入の見送りを申し入れてきた。八日の申し入れの時点では、与党調整もまだできていないと発言していたのに、その日のうちに提案を決めた。議会に議案を丸投げしている。市長は議案が可決されるよう十分努力すべきであってその誠意が感じられない」などと述べた。議員として議場内で議案審議すべきではないか、との指摘に対しては「助役二人制についてこの十一人は断固として反対という強い姿勢を強調し、市長に抗議するため」と説明したが、このような議場外での行動が市民の理解を得られるかは微妙だ。今後の行動については「議案が提案された以上、審議には応じる」と話し、十三日以降は正常化する見通しだ。

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ハンディ乗り越え交流/障がい者フェスティバル

 「共に築こう友情の輪」をテーマに、第二十一回宮古地区障がい者フェスティバル(主催・宮古地区社協連絡協議会)が十一日、下地勤労者体育センターで開催され、障がい者やその家族、ボランティア、地域住民などが一堂に会しゲームや余興で交流を深めた。参加者たちは手話で会話し合ったり、手に手を取ってゲームに参加するなどして、ハンディを乗り越えて共に各種催しを楽しんだ。
 同フェスティバルはイベントを通して障がい者と健常者が互いを認め合い、地域社会のノーマライゼーションの実現を目指す目的で開催。中学生や各団体など約二百人のボランティアがフェスティバルを支えた。
 同協議会の奥平玄孝会長は「障がい者が幸せに暮らせる社会状況には問題が山積しており、社協では誰もが安心・安全に暮らせる街づくりを目指し取り組んでいる。この機会に多くの方と触れ合い、交流を深めてほしい」と呼び掛けた。伊志嶺亮宮古島市長、宮古福祉保健所の高江洲均所長、県社会福祉協議会の呉屋秀信会長(代読)もあいさつを述べ、すべての人が安心して暮らせる社会づくりに尽力することを誓った。
 会場内に設けられた手作りの魚釣りや輪投げ、宝探しなど各種ゲームコーナーは行列ができるほどの人気ぶり。参加者たちは失敗しながらも何度も挑戦し、景品をもらうと笑顔を見せていた。舞台ではオープニングで伊良部の新風太鼓が勇壮な演舞を披露したほか、下地保育所の園児たちが踊りで観客を楽しませた。
 また宮古地区視聴覚障害者福祉協会など各団体による三線演奏、カラオケ大会なども行われフェスティバルを盛り上げた。

 写真説明・会場内に設けられた各種ゲームを楽しむ参加者たち=11日、下地勤労者体育センター

 
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実習生、たくましく成長/「海邦丸五世」が無事帰港

 県立翔南高校(新崎直昌校長)二年生の生徒十六人が海洋実習のため、乗船していた県の実習船「海邦丸五世」(仲村正船長)が十二日午前、宮古島市平良港に五十五日ぶりに帰港した。二年生としては県内初の長期間の実習を終えた生徒らは、たくましく成長した表情で、接岸バースを踏みしめていた。
 「海邦丸五世」は、今年十月十九日に同港を出港。乗船したのは、二年生で機関コース八人と海洋技術コース七人、三年生で同技術コース一人の計十六人。中部太平洋のマーシャル諸島東方海域で、マグロはえ縄漁などを体験した。
 下船式で、新崎校長は「皆さんの元気な姿を見て安心した、将来を見据えての実習だったと思う」などと述べ、仲村船長や船員らに感謝の意を表した。
 仲村船長は「順調に実習できて何よりも良かった。普通の社会生活の基礎はできたと思う。長い航海を乗り越えてきた喜びは、各自にあると思う」と述べ、生徒たちの頑張りをたたえた。
 実習生を代表して勝連翔太君は「初めての体験だったが、船の楽しさや厳しさを実感した。学んだことは将来に役立つよう、これからも頑張りたい」と決意を新たにした。
 実習に参加した山原大生君と川満吉幸君は「きつかったが、楽しかった。今になっていい思い出になった」と感想を話した。

 写真説明・下船式に臨んだ実習生ら=12日、宮古島市平良港

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西辺学区が2年ぶりV/第55回全宮古駅伝競走大会

 第五十五回全宮古駅伝競走大会(主催・宮古陸上競技協会)が十一日、宮古島市陸上競技場を発着点とする同競技場公認マラソンコースで開催され、西辺学区が連覇を狙う東学区を抑え、二年ぶりの優勝を飾った。
 大会は十四学区が出場。城辺字保良を折り返す七区間四十二・一九五`で競われた。宮古高校からも二チームがオブザーバーとして出場した。
 レースは強豪の西辺学区、東学区に加え、西城学区の三つどもえで展開されたが、県内トップクラスのランナー仲間正彦を一区に配置し、先行逃げ切りを図った西辺学区の作戦が的中。中盤、差を縮められ苦しむ場面もあったものの、総合力で勝った西辺学区がトップでテープを切った。

 写真説明・ゴールに飛び込む西辺学区のアンカー仲間玄真=11日、宮古島市陸上競技場

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川満君(平一6年)ら13人表彰/宮古教育振興会

 宮古教育振興会(川上哲也理事長)は十一日、文化活動や生活態度が優れ他の模範になるとして川満一盛君(平良第一小六年)ら十三人の児童生徒を表彰した。川上理事長は祝福の言葉を贈り「皆さんは他の模範であり、それぞれの地域や家庭でかけがえのない宝でもある。我々も心を一つにして皆さんのために頑張る所存」と述べ受賞をたたえた。
 同会は人材育成などを目的に二〇〇三年に発足。小・中学校の現役校長や教頭、有識者、OBなど十一人の理事で組織しており、毎年学校や家庭生活で態度の優秀な生徒を表彰している。この取り組みは三年目となり、今回を含めこれまでに四十四人の児童生徒を表彰した。
 受賞者を代表してあいさつした本村愛莉さん(砂川小六年)、宮川真理子さん(鏡原中三年)は毎朝の清掃活動や人との出会い、学校生活を通して「継続は力なり」であることを学んだことを話しいっそうの意気込みを見せた。
 受賞者は次の通り。(敬称略)
 【小学生】▽川満一盛(平良第一小六年、文化・スポーツ活動)▽本村愛莉(砂川小六年、成績優秀かつ生活態度が他の模範)▽西里樹李(上野小六年、文化活動に優れている。成績優秀かつ生活態度)▽根間勇輔(大神小六年、家庭および地域で優れた活動)
 【中学生】▽松岡愛美(北中三年、文化活動に優れている)▽宮川真理子(鏡原中三年、成績優秀かつ生活態度。文化・スポーツ活動)▽浜川和樹(池間中三年、同)▽神野利奈(福嶺中三年、成績優秀かつ生活態度が他の模範)▽根間小春(下地中三年、同)▽我如古博斗(上野中三年、家庭および地域で優れた活動)▽愛澤優(上野中三年、家庭および地域で優れた活動。文化活動に優れている。成績優秀かつ生活態度)▽下地百合香(伊良部中三年、スポーツ活動に優れている)▽池城駿(多良間中三年、家庭及び地域で優れた活動)

 写真説明・宮古教育振興会の川上理事長(後列左)から表彰された児童生徒たち=11日、ホテル共和

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   峰岸さん、古代さんら来島/トライ映画撮影へ

 「全日本トライアスロン宮古島大会」の出場者としておなじみとなった俳優の峰岸徹さんや歌手の古代真琴さんらがこのほど宮古入りし、今月下旬にもクランクインする映画「太陽」の準備に取り掛かった。この映画は五人の男を中心に進むストーリーで、トライアスロンを通して自らの人生を問う笑いあり、涙ありの映画だ。監督は小田大河さんが務める。十一日午前、取材に応じた峰岸さんは「宮古島市誕生の記念にもなるし、良い映画をつくり宮古島に恩返しがしたい」と話した。
 今回来島したのは峰岸さん、古代さん、小田さんをはじめ、小田さんとともに映画を制作する西初恵さんの四人。四人は滞在中、関係各所を回り協力を求めた。
 太陽の宮古島での撮影は来年一月二十―二十三日までの四日間。小田監督は「トライアスロンを再現したい。そのために選手と応援の人たちが必要になる」と話し、宮古島市民にボランティアでの出演を呼び掛け。その上で「笑って泣ける映画になると思う。観客の皆さんが見終わって、いい気持ちで帰れるような映画にしたい」と話した。
 この映画について峰岸さんは「宮古島にはトライアスロンを通していろんなことを教わった。その恩返しがしたい。トライアスロンを通じて知り合った仲間で作る映画なので、きっと良いものができる」と話し、宮古島市民の協力にも期待を込めた。
 古代さんは「トライアスロンで素晴らしい仲間ができた。そして島の仲間にも巡り合えた。そんな幸せな気持ち、等身大の思いをぶつけたい」と意気込みを話した。
 西さんは「ここ(宮古島)に来ると、奇跡の島という思いを抱く。この島にいる幸せを感じられる映画を作りたい」と抱負を話していた。
 映画には少なくとも三百人のボランティア出演が必要という。関心のある方はファーストピック(電話044・822・1173)の西初恵さんまで。

 写真説明・映画準備のため来島した左から小田さん、峰岸さん、古代さん、西さん=11日、宮古島東急リゾート

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