200平成17  1211曜日

共通文化で交流深める/真太陽国際書道展表彰式・交流会

 第二回真太陽(まてぃだ)国際書道展(主催・同展実行委員会)の入賞者表彰式が十日、城辺にある海宝館で行われ、グランプリ受賞者六人をはじめとする各賞受賞者に賞状が贈られた。式には韓国や中国、台湾の海外からの受賞者のほか埼玉、熊本など県外の受賞者も出席。共通の文化である書道を通し、国と年代を超えて交流を深めた。交流会ではグランプリ受賞者六人による席上揮毫(きごう)も行われ、それぞれの書の腕前が披露された。

 表彰式では実行委員会の奥浜善弘副委員長がグランプリのほか団体賞、真太陽賞、優秀賞、佳作、入選、努力賞に祝福の言葉とともに賞状と副賞を贈り受賞をたたえた。あいさつで奥浜副委員長は「この小さな宮古島で開催できることを誇りに思う。皆で盛り上げ、来年、再来年と発展させていただきたい」と述べ今後いっそうの発展を願った。審査講評を行った加藤東陽審査委員長(前文部科学省教科調査官)は「甲乙付けがたい素晴らしい作品ばかりだった。受賞は大きな励みになる。自信を持ってまた来年も参加してほしい」と激励した。
 初の韓国からの参加でグランプリに選ばれた李民姫さんは受賞を喜び「展示会で見た作品はどれも素晴らしいものばかりだった。書道に取り組む同年代のみんなと交流したい」と笑顔。台湾から駆け付けた鄭文雄さんは「光栄の至り。私の人生の原動力となる。倍旧の努力で一生懸命頑張ってまいりたい」と話した。中国からの参加で受賞した解小青さんは「まさか受賞するとは思わなかった。美しい景色の島でグランプリに選ばれ感激している。チャンスがあればまた来年も来たい」と意気込み。博士号を持つ大学の書道指導者でもあり「小・中・高校生の作品が素晴らしい。地元での書道教育の盛んさを感じた」と話した。
 熊本市立必由館高校二年の田中佐保里さんは「大きな賞を頂いたのも周りのみんなのおかげ。温かく迎えていただいてとてもうれしい。受賞を機に継続は力なりという言葉を胸に、頑張っていきたい」と笑顔を見せた。
 表彰式後には交流会も行われ、琉球舞踊や太鼓演舞が披露されるなどして沖縄や宮古の文化が披露された。
 同展には国内外から千五百十五展の作品が寄せられ、七日から十日までの期間、宮古島市総合体育館で作品展が行われた。


写真説明=実行委員会の奥浜善弘副委員長がグランプリ受賞者らに賞状と副賞を贈った=10日、城辺にある海宝館


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下地にマガンふわり/宮古では23年ぶりの飛来

 国指定の天然記念物のマガン(カモ科)が九日、宮古島市下地の人工ため池で観察された。宮古では一九八二年に池間湿原で初めて確認以来、二十三年ぶりの飛来。環境省のレッドデータリストでは準絶滅危惧(きぐ)種に指定されている。
 シベリアなどの北極圏で繁殖し、日本には冬鳥として北日本に飛来するのが多い。沖縄にはまれに飛来する。
 飛来したのは成鳥二羽。頭部から上面が暗褐色で、尾にかけて黒っぽい。くちばしはだいだい色。額の白色部が目立つ。全長六五―七八a。翼を広げた大きさは三九―四四a。重さは一・八―二・五`。
 本土では今月初めに寒波が続いたことから、二羽は渡りのルートを間違って迷い込んだらしい。
 ため池で休んでいた二羽は、寄り添うように並んでいた。時折「グワッ、グワッ」と鳴いていた。

写真説明=寄り添って行動していたマガン=9日、下地の人工ため池(撮影・伊良波彌記者)

 
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モー海はこりごり/平良海上保安署/
転落した子牛を救助

 「モーこりごり、ゴメンナサイ」―。十日午後一時四十分ごろ、平良海上保安署に「平良港内の第二ふ頭岸壁で、子牛が誤って海に転落したので救助願いたい」と通報があった。直ちに署員らが出動し港内を泳ぐ子牛を救助。JAおきなわ職員六人、海保署員十二人、作業船員三人の計二十一人が、総力を挙げて無事に救助した。救助した海保署員は「まさか海で牛を助けることになるとは」と苦笑いしていた。
 子牛は前日の競りで約四十万円の値が付いていた。カーフェリーに積み込むため、コンテナ内へ子牛を追い込む作業中にコンテナから飛び出し逃走。誤って第二ふ頭岸壁から転落した。子牛はいったん第三ふ頭へ向かい、その後、第一ふ頭へ。港内を約一`も「周遊」した。
 通報を受け同署は、直ちに巡視艇「のばる」を現場に向かわせ、まもなく第一ふ頭近くを泳ぐ子牛を発見。署員らがゴムボートで子牛に接近し助けた。
 同署から救助要請を受けた港湾工事会社の作業船に、鼻輪にロープを掛けて子牛を横付け。おぼれないよう途中何度も首を上げ呼吸をさせながら、荷川取漁港までゆっくりと引っ張った。
 子牛は午後二時五十分ごろ同漁港内のスロープから引き揚げられた。約一`を泳いだ子牛は体力を消耗し足をふらつかせたが、すぐに元気になり、駆け付けたJAおきなわ職員に引き渡された。
 海保署員によると、発見時、子牛は必死の形相で四本の足を海中でばたつかせ泳いでおり、署員らは「人間の平泳ぎ程度の速さで泳いでいた。牛の泳ぎは初めて見たが、意外と速かった」と驚いていた。
 現場近くに居合わせた釣り人らも、子牛の救出劇を見守っていた。

写真説明=作業船に横付けし荷川取漁港へ引っ張った=10日、平良港
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「DVは氷山の一角」/涌谷さん(宮古病院)ら語る

  第五十七回人権週間(四―十日)の一環で十日、人権講演会(主催・宮古島人権擁護委員協議会、那覇地方法務局宮古島支局)がゆいみなぁ(宮古島市働く女性の家)で行われ、宮古病院女性相談室の涌谷桐子さんの講演の中で、二〇〇一年十月―〇五年十月の四年間の受診者で、ドメスティック・バイオレンス(DV)被害者と分かった女性が六十六人に上ることが明らかになった。涌谷さんは「DVは犯罪。数字は実態とかけ離れている可能性があり氷山の一角で、たとえ見えなくとも身近に起こっていることを認識すべき」と強調した。また宮古へ移住して五年になる脳神経外科医の竹井太さんも講演し、島に住みつき気づいたことを述べた。
 「DV(ドメスティック・バイオレンス)被害の実態―宮古病院の救急室より―」と題し講演した涌谷さんは、六十六人中三十六人(五五%)が深夜帯に受診したことを挙げ、「DVは病院のマンパワーが少ない時間帯に起きる傾向で、個別対応ができないことが多い」と、支援が得にくい時間帯に発生している現状を説明した。
 一方で警察に通報したのは六十六人中二十五人(三七%)で、「届けたいけど届けられないと考える人が多い」と指摘しながら、「『殴られるのが当たり前の人などいない』『つらいことを話してくれてありがとう』など、被害女性にはあなたの言葉で接して」と呼び掛けた。
 竹井さんは「みんなで守るみんなの命―島に住みつき気づくこと―」と題し講演。「宮古に住んで、自然が近く、地球の息吹が感じられる」と述べた上で、人間が世界中で引き起こしている環境破壊などの行為に言及。「人間はわがまま。人間が人間であり続けるには(他の生物など)仲間に認めてもらわないといけない。自分に何ができるかを考えることが人権を考える出発点になる」と述べ、環境問題を考えることが人権問題にもつながるとの持論を展開した。

写真説明=2人の講師が人権に関して講演を」行った=10日ゆいみなぁ
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下地さん(伊高3年)が5連覇/伊良部町商工会珠算大会

 伊良部町商工会(奥浜幸雄会長)主催の第二十一回珠算競技大会が十日午前、伊良部中央公民館で開かれた。個人総合競技で、下地美穂さん(伊良部高三年、千三百四十点)五段が五連覇のチャンピオンに輝いた。下地さんはチャンピオントロフィーと賞状を手に「とてもうれしい」と会心の笑みを見せた。
 同大会は、わが国の伝統技能の継承、青少年の健全育成並びに地域商工業の後継者育成を図ることが目的で実施された。原則で伊良部在住の佐良浜小・中学生、伊良部小・中学生、伊良部高校生で、珠算検定七級以上が対象。
 出場は▽小学校低学年の部▽同高学年の部▽中学校の部▽高校の部―の四部門。競技は、個人競技、団体競技、読上暗算競技、読上算競技で、高校生の部は個人競技のみ。個人競技は、乗算、除算、見取算、見取暗算の四種目。出場者は小・中・高校生を合わせた計八十人余。
 会場は競技開始同時にそろばんを「パチパチ」と弾く音が響いていた。参加者らは日ごろの腕前を披露し、真剣な表情で競い合っていた。
 競技の結果は次の通り。(敬称略)
 【団体競技・小学校低学年の部】▽一位・佐良浜小(総合得点二千七百五十点)=山原知賀子、川満伊織、新里千佳
 【同・小学校高学年の部】▽一位・同小(同三千百十点)=善平大樹、池村未奈美、池間康智
 【同・中学校の部】▽一位・伊良部中(同三千二百五十点)=鹿川妃、宮国真希、池間美咲
 【個人総合競技】▽チャンピオン・下地美穂(伊良部高、千三百四十点)
 【同・小学校低学年の部】▽一位・山原知賀子(佐小、千百六十点)▽二位・川満伊織(同、八百十点)▽三位・新里千佳(同、七百八十点)
 【同・同高学年の部】▽一位・善平大樹(同、千二百点)▽二位・佐和田万由美(伊小、千 二十点)▽三位・池村未奈美(佐小、千点)
 【同・中学校の部】▽一位・鹿川妃(伊中、千二百十点)▽二位・宮国真希(同、千百点)▽三位・池間美咲(同、九百四十点)
 【同・高校の部】▽一位・下地美穂(伊高、千三百四十点)
 【読上暗算競技・小学校低学年の部】▽一位・山原千賀子(佐小)▽二位・佐和田貴志(伊小)▽三位・奥浜倖統(同)
 【同・同高学年の部】▽一位・善平大樹(佐小)▽二位・池村未奈美(同)▽佐和田万由美(伊小) 【同・中学校の部】▽一位・宮国真希(伊中)▽二位・佐和田敦子(同)▽三位・友利陽香(佐中) 【同・高校の部】▽一位・下地美穂(伊高)
 【読上算競技・小学校低学年の部】▽一位・山原知賀子(佐小)▽二位・新里千佳(同)三位・源河留美(同)
 【同・同高学年の部】▽一位・佐和田万由美(伊小)▽二位・善平大樹(佐小)▽三位・池間康智(同)
 【同・中学校の部】▽一位・友利陽香(佐中)▽二位・池間美咲(伊中)▽三位・宮国真希(同)
 【同・高校の部】▽一位・下地美穂(伊高)

写真説明=優勝した下地美穂さん

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