200平成17  127曜日

もちをまき航海安全願う/池間島20数年ぶりの風景よみがえる

 池間島で民宿「勝連荘」を営む勝連浩佳さんの新造船「コーラルウインド」の進水式が六日、池間漁港で行われ、勝連さんらが漁港に詰め掛けた子供たちに船上から硬貨を入れたもちや菓子をまくなどして航海安全を祈願した。池間島で新造船進水式にもちまきが行われるのは二十数年ぶり。祝いに詰め掛けた漁師たちはよみがえったもちまきの風景を懐かしそうに見守っていた。勝連さんはコーラルウインドを観光漁船として活用し、八重干瀬を中心に観光客を案内するなどして池間島の観光産業活性化を図っていく。
 勝連さんは「子供たちにこの風景を見せたかった。夢に見ていた船ができたことに感謝している。若者が戻り、島を活性化させることを願う」と期待を寄せた。一九八二年に進水式で最後のもちまきをしたという伊良波進さんは「もちまきは島の先人たちが守ってきたもの。長年途絶えていたが、二十数年ぶりに行われうれしい」と笑顔を見せた。
 コーラルウインドは約三d。観光シーズンを迎える来年の夏ごろから観光漁船として本格的な活動を開始する。
 進水式に先立ち、伊良波ハツさんが海の神に酒や魚などを供え、航海安全と大漁を祈願。その後もちまきが行われ、勝連さんたちが硬貨を入れたもちや菓子などを船上からまいた。漁港には勝連さんの知人や池間小学校の児童たちも駆け付け、歓声を上げてもちや菓子を受け取っていた。

 写真説明・もちをまき航海安全を願った観光漁船「コーラルウインド」の進水式=6日、池間漁港

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宮古島市・広告事業を導入へ/行革推進本部も年内設置

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が二〇〇五年度中に策定を予定している行政改革プランの中で、市の印刷物等に掲載する広告を民間企業などから募集し、広告収入を新たな歳入源とする広告事業の導入を検討していることが六日までに分かった。また、行革を進めていく上で年内には行政改革推進本部を設置する予定となっている。これについて伊志嶺市長は「行革プランの中で広告掲載は検討している。とりあえずは行政が発行する印刷物などを予定している」と説明した。
 行政が企業の広告を募集掲載して、財源を得る取り組みについては、横浜市などがすでに実施している。同市では職員給与の明細書裏に広告を掲載したり、玄関マットに広告を載せるなど、いろいろな方法で広告収入を得ている。
 横浜市では昨年の四月から広告事業がスタートし、〇四年度で広告収入による歳入が七千百万円。企業とのタイアップ事業などによる経費削減が二千二百二十八万円となり、歳入、歳出面でも効果を生んでいる。
 宮古島市では当面、市の封筒など印刷物を中心に広告掲載を検討しているが、今後、広告用看板などの募集も協議していく方針だ。これについて伊志嶺市長は「看板の広告については今後、行革プランの話し合いの中で協議されていくと思う」と話した。
 本年度内に当局が策定を進めている行革プランの「財政運営の健全化」部分で、市の印刷物等に対する民間会社の広告を載せることで新たな財源の創出となることが示されており今後、庁議などで具体的な話が詰められていく予定となっている。また、行革プランを進めていく上で、行革を推進する組織が必要との観点から、年内には行政改革推進本部を立ち上げて、一般市民も参加して宮古島市における財政の健全化策について、あらゆる面から協議を行うこととなっている。

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市町村に付与検討/県議会一般質問・奥平氏の質問に方針示す

 【那覇支局】県議会(外間盛善議長)十一月定例会は六日一般質問二日目が行われ、社大・結の会連合の奥平一夫氏=旧平良市区選出=が登壇した。大浦産廃処分場問題に関する質問を受け、伊佐嘉一郎文化環境部長は、市町村に対する産廃処分場立ち入り調査権限の付与を、今後検討する考えを明らかにした。市町村の立ち入り権については、同処分場の火災の際、市の現場立ち入り調査が認められなかった経緯から、法律の運用改善が求められていた。 
 白川田地下水流域の塩素イオン濃度問題解決に県の積極的姿勢が見えないとの指摘に、伊佐部長は、温泉施設の独自調査を実施していることや、今後設置される地下水保全連絡会議に協力していく考えを述べ、理解を求めた。
 原因究明については、調査の結果が今後取りまとめられ、同会議で明らかにされる、との見通しを示した。
 奥平氏はほかに、新生・宮古島市の支援策、伊良部架橋建設の日程、県十二福祉施設の有償譲渡問題―などをただした。
 宮古で民間譲渡の対象となる福祉施設は宮古厚生園、漲水学園、あけぼの学園の三施設。県はこれらの施設について、行財政改革の一環で、現在、県の委託を受け運営している県福祉事業団への移譲を提示しているが、土地の有償譲渡(二十一億円で一括譲渡)方針に事業団が難色を示し問題化している。
 奥平氏は、同問題に関し、事業団が譲渡を辞退した場合の県の対応を質問。これに喜友名朝春福祉保健部長は、「利用者が安心できるサービスの提供と、円滑に民営化を図るためには、事業団への移譲が最善との判断から、現在の考えに至った」と述べ、事業団の受け入れに期待した。
 関連質問の中では、県所有福祉施設の有償譲渡が、全国的にも珍しいケースであることが明らかにされた。
 伊良部架橋の工事スケジュールについては、末吉哲土木建築部長が、今年度中に平良、伊良部側の取付道路に着手し、仮設桟橋を含めた海上部の本格工事は、その後に発注する見通しを説明した。
 宮古島市の支援策については、上原良幸企画部長が、県関係事業の重点実施や、五年間で七億円の合併支援交付金があること、財務省が出し渋っている合併補助金の支払いを強く要請していく方針―などを示した。

 写真説明・大浦産廃場の写真を手に質問する奥平氏=6日、県議会

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葉タバコの種まき始まる/3年ぶり豊作に期待

 二〇〇六年産宮古地区の葉タバコの種まきが始まっている。六日午後には城辺地区の播種式が城辺加治道のJAおきなわ城辺支店葉タバコ育苗ハウスで行われ、五十戸の生産農家が三年ぶりの豊作に期待を込めて小さな種をまいた。宮古地区の葉タバコ生産は過去二年連続で厳しい結果となり、昨年の販売額は二十億一千万円まで落ち込んだ。県たばこ耕作組合城辺支部の砂川栄一支部長は「(反収)二百三十五`が目標。互いの経営が良くなるよう頑張っていこう」などと強調、収量、品質面ともに向上させるよう生産農家に呼び掛けた。
 県たばこ耕作組合によると、宮古地区の〇六年産葉タバコの栽培面積は合計六万三千二百十三eで、前期と比べ八十七eの減少。地区別にみると▽平良八千六百四十e▽城辺二万三千二十e▽下地一万四千百三十三e▽上野一万一千四百六十e▽伊良部三千六百五十e▽多良間村二千三百十e―となっている。農家戸数は▽平良二十五戸▽城辺五十戸▽下地三十八戸▽上野三十一戸▽伊良部十五戸▽多良間村十一戸―で計百七十戸。
 〇六年産の種まきは三日の上野と伊良部を皮切りにスタートした。六日に行われた城辺地区の播種式には生産農家や宮古島市城辺支所、JAおきなわ宮古地区事業本部の代表らが出席。はじめに同組合城辺支部の砂川支部長があいさつし「葉タバコは苗の段階で決まるのでしっかりとやってもらいたい」と呼び掛け。さらに「葉タバコ農家には若者が多くいる。彼らが将来、安心してタバコを作れる環境を整えていくことが大切」と足腰の強い産地形成を促した。
 宮古島市城辺支所の饒平名建次支所長は「葉タバコ産業において、市も各種施策の充実に努めていきたい」と強調。JA宮古地区事業本部の下地隆弘本部長は「厳しい条件ではあるが、販売高の増加を目指して栽培してほしい」と述べた。
 この後、一斉に種まきを行った。生産農家らは過去の厳しい実績を巻き返そうと小さな種を丁寧にまき、〇六年産の豊作に期待を込めていた。

 写真説明・06年産葉タバコの豊作に期待を込め種をまく関係者ら=6日、JAおきなわ城辺支店葉タバコ育苗ハウス

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日本有線大賞新人賞を受賞/ヴォーカルは保良出身の下地正晃さん

/ネイビーアンドアイボリー

 城辺字保良出身の下地正晃さんがヴォーカルを務めるnavy&ivory(ネイビー&アイボリー)が日本有線大賞で新人賞を受賞した。さらに有線放送の年間問い合わせランキングでも第一位に輝いている。本紙取材に下地さんは「本当に信じられなかった。ファンの皆さんに支えられたおかげです」と受賞を喜んでいる。下地さんは十七日、TBS系列で全国生放送される「第三十八回日本有線大賞」で新人賞受賞曲「指輪」を披露する。新人賞には計四組が選ばれているが、最優秀新人賞は十七日に発表される。
 ネイビー&アイボリーは下地さんと島根県出身の吾郷三木生さんの男性ディオ。二〇〇〇年に結成され〇一年に全国アマチュアバンドの祭典「オンフェス2001」で約五百バンドの中からグランプリを受賞した。その受賞曲「指輪」が山形のラジオ局でオンエアされたところ問い合わせが殺到。その後、山形のマスコミ関係者の間でも話題となり、今年二月には堂々メジャーデビューを果たしている。
 「指輪」はウエディングソングとして発表された曲。美しいピアノと甘い歌声が印象的なバラードで、歌詞では結婚する恋人を思う男性の気持ちを表現した。だが、「この曲は心の支えになっている」「この曲を聞くと涙が止まらない」「人生を考えさせられる曲」などの問い合わせが相次ぐなど、下地さんにとって指輪は「人生のラブソング。表彰式ではこの素晴らしい曲を一生懸命歌いたい」と話した。
 下地さんの夢は「故郷の宮古島でコンサートを開くこと」、「生まれ育った島に感謝を込めて歌いたい。それがぼくの大きな夢です」と力強く語った。

 写真説明・日本有線大賞で「新人賞」を受賞したネイビー&アイボリーの下地さん(右)と吾郷さん

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   「排水路を守ろう」/住民80人が自主的に清掃活動

 大雨時における畑の冠水を防ぐために県が整備した城辺字比嘉地区の排水路を効率良く使うために、同地区の住民八十人が六日、ボランティアで清掃作業を実施。排水路周辺に無造作に伸びた草木の除去作業で汗を流した。ただ、延長約五`の排水路を住民の手だけで清掃するのは困難。同地区の農家を中心に構成される大川土地改良区の照屋秀雄理事長は「排水路を効率的に使うためには定期的な清掃作業が必要になるが、住民の手だけでは限界がある」などと話し、行政の支援を求めている。
 同排水路は大雨時の排水に大きな効果を発揮するが、イヌマキなどの草木が伸び放題で、排水路が見えない状態になっていた。照屋理事長は「この状態だと水がスムーズに流れない」として、清掃の必要性を各方面に訴えてきた。
 この要望に県も理解を示し、今回は重機の使用料を出した上に、職員も作業に参加させた。さらに宮古島市の職員も駆け付け、総勢百二十人体制で排水路の清掃作業に取り組んだ。

 写真説明・排水路周辺に無造作に伸びた木々を切り倒し運ぶ住民ら=6日、城辺字比嘉地区

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