200平成17  12曜日

歴史研究の成果発表/宮古郷土史研
設立30周年でシンポ

 宮古郷土史研究会(仲宗根將二会長)の設立三十周年記念シンポジウムが三日、「宮古の『旧記』編さんから三百年」をテーマに県立図書館宮古分館で開催された。仲宗根会長を含め四人の会員がそれぞれのテーマを報告。宮古の歴史に関心を寄せる多数の市民が参加、報告の聴取と質疑討論などで内容を深め合った。今年は、最も古い宮古旧記類「御嶽由来記」(一七〇五年)が編さんされてから三百年の節目の年でもある。

 シンポジウムでは、会員の報告形式で行われた。下地和宏さんは「与那覇勢頭豊見親と目黒盛豊見親について」、下地利幸さんは「漲水御嶽の由来伝承『蛇聟』入(苧環型)説話』について」、砂川幸夫さんが「波平恵教と落書事件」、仲宗根將二さんが「近世宮古の民衆の暮らし」の各テーマで発表。文献や伝承を基にそれぞれの推考や論考を展開し、歴史上の人々や社会の姿を示した。
 このうち仲宗根さんは、史料が残されていない近世宮古の民衆の暮らしに焦点を当て、近代史料を活用して衣食住を中心に考察。「住宅建築にあたっては、役所以外は瓦の使用が認められず、かやぶきに限定されていた。このことから、宮古では瓦が不足していたことが考えられ、(瓦製造の)産業が発達していなかったことが分かる」と推し量った。
 宮古郷土史研究会は、県立図書館宮古分館主催の郷土史講座を経て受講者らの要望を受け、宮古の歴史や民俗・文化一般の総合的研究を目的に、一九七五年四月に結成された。毎月の研究会や会報発行などの活動のほか、二、三年ごとに研究誌「宮古研究」の発行を通して会員の論文発表、史料紹介などを行い、宮古や先島についての史学分野をリードしている。

写真説明=宮古郷土史研究会の30周年を記念しシンポジウムが行われた=3日、県立図書館宮古分館

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24チームで熱戦/宮古毎日新聞社主催
全宮古少年サッカーが開幕

 第十三回宮古毎日新聞杯全宮古少年サッカー大会(主催・宮古毎日新聞社、主管・宮古サッカー協会)が三日、宮古島市陸上競技場で開幕した。今大会には高学年九チーム、中学年九チーム、低学年六チームの計二十四チームが参加。選手を代表して前年度優勝チームのマティダ東FCから友利皓君(六年)が「日ごろの練習の成果を十分に発揮し、正々堂々戦うことを誓う」と選手宣誓を行い、大会が始まった。同日は予選リーグが行われ、きょう四日に行われる各部門の準決勝進出チームが決まった。
 開会式で、宮古毎日新聞社の松原清吉編集局顧問が「選手の皆さんには、サッカーを通してチームプレーやマナーを学び、楽しみながら二日間頑張ってほしい」とあいさつ。宮古サッカー協会の松川英世会長は「二〇一〇年には全国高校総体が沖縄県で開催される。五年後の大きな目標に向かって頑張って。サッカーをもっと好きになって、友達を大事にしてプレーして」と呼び掛けた。
 開会式後、各部門の試合が一斉にスタート。各チームの選手らが勝利を目指して所狭しとグラウンドを駆け回った。


写真説明=24チームの選手らが熱戦を繰り広げた=3日、宮古島市陸上競技場


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団体戦宮古が12連覇/第33回先島親善囲碁
個人戦も宮古独占

 第三十三回先島親善囲碁大会(主催・宮古毎日新聞社、日本棋院平良支部)が三日、こすみ囲碁教室で開催され、宮古・八重山地区から二十八人が参加し、頭脳戦を展開した。対局の結果、団体戦は宮古勢が四十勝二十敗で十二年連続優勝を果たした。個人戦のA組では仲間勝之6段(宮古)が、B組では平良博彦6段(宮古)がそれぞれ全勝し優勝。後日、先島本因坊のタイトルを懸けて決勝戦を行う。C組でも田場平教5段(宮古)が全勝し、各組ともに宮古勢が制した。対局後は親睦(しんぼく)会も開かれ、囲碁愛好者たちが年に一度の大会で再会を喜び交流を深めた。

 同大会は宮古、八重山地区の囲碁愛好者たちが一堂に会し、交流を深めながら互いのレベルアップを図り機運を高めようと開催。開催地区は持ち回りとなっており、今回で三十三回を迎えた。参加者たちは一年ぶりの再会を喜び、近況を報告するなどして和気あいあいと対局を行った。
 八重山勢団長の慶田城章6段は「宮古は囲碁愛好者の層が厚く強い人が多いので、勉強になる。年に一度の交流なのでみんな毎年楽しみにしている。親善大会を通して技術を磨き、気力の向上を目指したい」と話し交流を喜んだ。
 今回の大会には宮古地区から十四人、八重山地区から十四人が出場。A、B組では先島本因坊を懸け互先で対局が行われ、C組では団体戦のみを行った。
 C組で六試合全勝した田場5段は「八重山の皆さんに勝たせてもらっての優勝。来年は八重山で対局を楽しみたい」と笑顔を見せた。
 

写真説明=宮古、八重山から囲碁愛好者が集い、対局を楽しんだ先島親善大会=3日、こすみ囲碁教室


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「読書通し心豊かに」/小中学校読書感想文・画コンクール
入賞した児童生徒を表彰

 宮古地区学校図書館協議会(宮國芳美会長)は三日、久松中学校体育館で第二十四回全宮古小中学校読書感想文・感想画コンクールの表彰式を行い、最優秀賞や優秀賞などに輝いた多数の児童生徒を表彰した。宮國会長は「本を読み、感動したことを文章や画に表現することで、心豊かになったことと思う」と話し、さらに読書に励むよう呼び掛けた。

 今回のコンクールは「本を読んでいる 君が好き!」をテーマに実施された。今年度は感想文、感想画合わせて八百六十六点の応募があり、このうち小学校の部では感想文八十四点、感想画百五十三点、中学校の部では感想文二十八点、感想画五十九点の計三百二十四点が最優秀賞や優秀賞などに入賞した。
 表彰式は午後一時三十分から行われ、同協議会の宮國会長や宮古教育事務所の新崎治所長があいさつし、入賞した児童生徒の力作をたたえた。宮國会長は同コンクールに向けた各校の取り組みに感謝するとともに、児童生徒の健やかな成長に期待を込めていた。
 立津和代審査委員長は講評を述べ、入賞した児童生徒の作品を高く評価した。一方で本をしっかりと読むことの大切さを強調し「本の内容を正しく理解しなければ中身がぼやけて作品が生き生きしない。感想文や感想画に取り組むときは、少なくとも二、三回は本を読んでほしい」と注意を促した。
 この後、小学校の部読書感想文自由読書で最優秀賞を受賞した宮国龍之介君(南小一年)と中学校の部課題読書で最優秀賞の浜川和音さん(平良中二年)が作品を朗読し、会場の父母らから大きな拍手を浴びた。
 引き続き宮國会長らが入賞者一人ひとりを表彰した。児童生徒は少し緊張した様子で賞状を受け取り、宮國会長の「おめでとうございます」の言葉に「ありがとうございます」などと照れた笑顔で答えていた。

写真説明=入賞した児童生徒一人ひとりに賞状と賞品が贈られた=3日、久松中学校体育館

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地域に文化の風吹かす/
砂川さん、州鎌さんを県文化協会が表彰

 元音楽教諭で地域の合唱団指導に当たる洲鎌律子さん(61)と、宮古上布制作作家の砂川美恵子さん(55)はこのほど、地域における伝統文化および芸術文化の発展に貢献したとして県文化協会(星雅彦会長)から個人功労賞、個人奨励賞をそれぞれ受賞した。平良市文化協会(立津精一会長)は二日夜、市内のホテルで祝賀会を催し、二人の受賞を祝福した。

 祝賀会で立津会長は「洲鎌さん、砂川さんがそれぞれの分野で文化向上に尽くされていることは誰もが認めるところ。お二人の受賞を心から喜ぶ」と祝辞を述べた。
 洲鎌さんは、教職四十年を通し児童の音楽教育に励み、音楽コンクールなどで児童らを優秀な成績に導いてきたほか、平良少年少女合唱団を八年にわたり指導、ひらら女声コーラスきらきらの結成、指導に当たるなど地域においても合唱愛好家の底辺拡大、レベルアップに努めている。
 また、砂川さんは一九八二年に「工房相思樹」を開設。宮古上布の絣(かすり)括り、染め、織りまでの全行程を一人でこなし、藍染の十字絣が主流の宮古上布を初めて草木染めで織った。琉球藍だけでなく、多様な藍染めを行い、後継者の育成にも力を入れている。
 今回の受賞に洲鎌さんは「合唱に携わる大勢の人たちを代表しての受賞。大勢で歌うのは大変だが感動も大きい。今後も歌の輪を広げたい」と喜びを語った。砂川さんは「皆さんに祝福していただき感謝の気持ちでいっぱい。自然の素材からは、さまざまな色が取れる。これからも自然を大切にしたい」とあいさつを述べた。

写真説明=県文化協会の個人功労賞を受賞した洲鎌さん(右)と、個人奨励賞を受賞した砂川さん(左)=2日、ホテル共和



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