200平成17  12曜日

良部架橋県のボーリング調査始まる/来年度予算で工事発注へ

 宮古地区の大プロジェクトである伊良部架橋の着工に向け、県のボーリング調査が先月二十三日からスタートしている。現在、一般部橋梁の平良側で三十六カ所の掘削調査を行い地盤の状況などの確認作業が進められている。宮古島と伊良部島の間の海上には、ボーリング調査用の「やぐら」が数カ所設置されて、伊良部架橋の本格着工が間近に迫ってきた様子だ。
 今回のボーリング調査は、実施設計を固める上で必要な地盤調査が目的で、先月二十三日から県が「やぐら」を設置して掘削の調査を始めており、全体で七十四カ所の調査を年内に終了する予定となっている。
 調査を実施している県宮古支庁では「今回の調査では地盤に設置する『くい』の数やその場所に応じた長さなどが決まる。冬場は海が荒れるので年内には調査を終了させたい」と述べた。
 架橋が設置される場所の水深は、最も深い所で十五b。浅い所では五b未満となっている。
 ボーリング調査は四区間に分けられ、現在は一般部橋梁平良側の三十六カ所で実施している。今後は、主航路部橋梁(五カ所)、一般部橋梁伊良部側(二十五カ所)、海中道路部橋梁(八カ所)で、同様のボーリング調査が実施される。 
 伊良部架橋については、国土交通省が本年度予算で、建設事業費六億八千万円を計上している。今回のボーリング調査の結果で実施計画が固まることから、来年度予算で工事発注となる。
 伊良部架橋は、平良字久貝と伊良部字池間添をつなぐ県道で、四`の長さは瀬戸内海を横断する明石架橋にほぼ匹敵し、離島架橋としては国内最長となる。
 伊良部架橋の全体事業費は約三百二十億円を見込み、二〇一二年度の完成を目指す。

 写真説明・伊良部架橋が設置される予定の海上には「やぐら」が設置され、県のボーリング調査が行われている=1日

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正・副議長が就任あいさつ/本社 新市発展向け抱負

 宮古島市議会の初代議長に就任した友利恵一氏と副議長の下地智氏が一日、宮古毎日新聞社を訪れ、就任の報告を行うとともに新市発展へ向けての抱負を語った。
 友利氏は、五市町村が合併して行政範囲が広がったことを挙げ「地域が抱える課題を調査し、地域性を生かした効率良い予算執行に努めていきたい」と決意を示した。
 下地氏は「合併しても地域格差がないよう、あらゆる面から行政をチェックしていきたい」と述べるとともに、議長を支えながらスムーズな議会運営を目指していくとした。
 両氏は、十一月二十五日に開かれた初の宮古島市議会で、議員選挙により選ばれた。
 友利 恵一(ともり・けいいち)1938(昭和13)年4月28日生まれ。67歳。伊良部字伊良部出身。国士舘大卒。平良市議2期、宮古島市議1期。
 下地 智(しもじ・さとし)1958(昭和33)年2月3日生まれ。47歳。城辺字比嘉(加治道)出身。国立台湾大卒。城辺町議5期、宮古島市議1期。

 写真説明・就任のあいさつを行った友利議長(右)と下地副議長=1日、本社

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新物流拠点への第一歩/埋め立て作業開始へ

 沖縄総合事務局平良港湾事務所(前原弘海所長)が急ピッチで進めている平良港湾の下崎地区岸壁護岸工事現場で一日、コンクリートブロック(重さ三十d)が二個設置され、外側から海水が入らないように岸壁全周は完全に締め切られた。今後内側はしゅんせつ土で埋め立てられ、二○〇七年度に完成。外国からの砂・砂利の物流拠点として機能を発揮する。
 締め切り完成を記念した祝賀セレモニーが、同工事現場近くの特設会場で行われた。工事関係者ら多数が出席した。
 前原所長は「岸壁全周が締め切られたことを契機に、次の工事がスムーズに進められることを期待する」とあいさつした。
 同工事現場は、伊計造船所そばに位置する。
 岸壁の長さが百七十b、幅が百b。整備面積は一・七fで、テニスコート八十七面に相当する大きさ。事業期間は〇三―○七年度までの五年間。総事業費約三十六億三千万円。岸壁の前面海域を水深十bまでしゅんせつし、引き揚げたしゅんせつ土で埋め立てる。
 しゅんせつされた海域は、同港湾では最も深い水深となり、一万二千d級の船舶が接岸可能となる。
 外国から砂・砂利を運んできた船舶は現在、平良港第一ふ頭に接岸。水深が七・五bのため、船舶の砂・砂利積載量は増えないという。
 同ふ頭と第二ふ頭は物流が集中し過密化状態。
 同ヤードが供用開始したときは、砂・砂利運搬船は、同ヤードにシフト。第二ふ頭の物流を第一ふ頭に移動するなどして、第二ふ頭の集中貨物を解消する方針。

 写真説明・コンクリートブロックが設置され、岸壁外周は完全に締め切られた=1日、平良港湾の下崎地区岸壁護岸工事現場

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「ポンピロパン!」/劇団四季「魔法をすてたマジョリン」

 劇団四季のファミリーミュージカル「魔法をすてたマジョリン」(主催・宮古島市、同市教育委員会)の公演が十一月三十日夕、宮古島市内のマティダ市民劇場で行われた。会場は親子連れらで満員に膨れ上がった。主人公マジョリンの心の成長を歌や踊りで表現し、観衆をファンタジーの世界に引き込んだ。
 主人公マジョリンは、いつも元気で明るい小学生の魔女。子供が行ってはいけない夜祭りに参加し、魔女の検定試験を受けることに。魔法で人間を困らせることができるように猛勉強するが、人間の村で青年「ダビッド」に一目ぼれし、交流を深めることで人を思いやり、信じ合うことの素晴らしさについて学んでいくストーリー。
 マジョリンが「ポンピロパン」とおまじないをかけると雪男が現れたり、空を飛んだり。ハラハラ、ドキドキするシーンの連続で、子供たちを大いに楽しませた。

 写真説明・主人公マジョリンの心の成長を歌や踊りで表現した=11月30日、マティダ市民劇場

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訪問介護 事業所いけまが開所/島のサービス充実に期待

 保健・医療・福祉サービスを提供する宮古島市社会福祉協議会(奥平玄孝会長)指定訪問介護事業所いけまが一日、池間漁港近くに開所した。同日午後には同所で開所式が行われ、関係者が池間島のサービス充実に期待を込めた。奥平会長は「これから地域の方々が安心できるサービスを提供していきたい」などと決意を話した。
 同所の代表は、社会福祉法人である宮古島市社協の奥平会長が務める。上原キワ子さんが管理者となり、非常勤を含め計五人で島内の訪問介護を実施する。サービスの内容は入浴、排せつ、食事の介助など。生活援助としては掃除や洗濯、ベッドメイク、調理のサービスを行う。
 開所式は午後四時から同所で行われ、はじめに市社協の奥平会長、宮古福祉保健所の下地常雄副所長、平良の老人クラブ連合会の前泊達雄副会長、事業所管理者の上原さんがテープカットし、事業所の開所を告げた。
 奥平会長は「高齢化が進む池間島で、安心のサービスを提供する」と話した。宮古福祉保健所の下地副所長は「この事業所が高齢者介護の中核として、その機能を十分発揮できることを期待している」などと来賓祝辞を述べた。管理者の上原さんは「地域をしっかりと守っていきたい」と決意を話していた。
 事業所いけまの基本理念は「誰もが安心して自分らしく暮らせる地域社会をつくりだす」など。

 写真説明・開所のテープカットを行う左から前泊・老人クラブ連合会副会長、下地・宮古福祉保健所副所長、奥平・市社協会長、管理者の上原さん=1日、池間島


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   花いちもんめ踊ったよ/園児とお年寄りが遊びで交流

 宮古島市立城辺幼稚園(仲宗根直子園長)は十一月三十日、地域のおじいちゃん・おばあちゃんとの交流会を福北公民館で行った。園児二十人がおじいちゃん、おばあちゃんから昔の遊びを教わり一緒に遊んだり、昔話を聞くなどして楽しいひとときを過ごした。
 交流会には地域から園児の祖父の伊良部寛さん、祖母の伊良部米子さんや平良利秀さん、伊良部フミさん四人が参加。缶けりやこま回し、花いちもんめなど昔ながらの遊びを園児たちに伝えた。こま回しでは、この日のためにヤラウギを削って作成したこまを持ち寄り、園児たちに手ほどき。童心に帰り、昔懐かしい遊びを楽しんだ。また、靴や服がなかった昔の生活の様子についても話し、子供たちに今と昔の違いを語り伝えた。
 同園では地域の高齢者と触れ合うことで自分たちが住む地域の文化を知ろうと、周辺部落で交流会を行っている。

 写真説明・花いちもんめを一緒に楽しむ園児と地域のおじいちゃん、おばあちゃんたち=11月30日、城辺地区福北公民館

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