200平成17  1125曜日

宮農環境班を視察/駐日スウェーデン大使

 宮古島の地下水を守ろうと、有機肥料「Bio―P(バイオ・リン)」を研究、開発し、昨年八月に「ストックホルム青少年水大賞」を受賞した県立宮古農林高校(下地恵吉校長)の環境班(與那覇祐貴班長)の取り組みを視察するため、同コンテストが開催されるスウェーデンのミカエル・リンドストロム駐日大使が二十四日、シャスティン令夫人、大使館書記官とともに来島した。九年目に入った環境班の地下水保全の取り組みについて生徒からの説明を受けたリンドストロム大使は「持続可能な社会の実現に向け、非常に大きな役割を果たしている」と述べ、環境問題への同校のさらなる活躍に期待を込めた。
 ストックホルム青少年水大賞は、スウェーデンのストックホルム国際水協会(SIWI)が主催する世界水コンテストの最高賞で、「水のノーベル賞」と称される「ストックホルム水大賞」のジュニア版。昨年八月に同班が同賞を受賞したことから、今回の駐日大使の来島となった。
 環境班の島尻拓弥君(二年)、小林孝太郎君(一年)、砂川勝莉華さん(同)の三人が研究内容を報告。飲料水を地下水に頼る宮古島の地下水汚染の現状やその原因が化学肥料にあることを突き止め、その解決策として製糖工場から出るバガスや糖蜜などから作る「バイオ・リン」を開発、農家に普及するなど地域での実践活動に至る過程を説明した。昨年のストックホルム青少年水大賞のコンテストと表彰式の模様も併せて紹介された。
 また報告に引き続いて実験室に移動し、地下水を汚染する硝酸性窒素の量が各地で異なることや、バイオ・リンを使った場合にどのくらい硝酸性窒素の量が減少するかなどを、バイオ・リンの現物を示しながら説明した。
 班長の與那覇君は「大使にわざわざ来ていただき、光栄に思う。研究内容を説明するのはとても緊張したし、難しかったが、取り組みは伝えることができたと思う」とほっとした様子で話した。
 リンドストロム大使は「環境問題は地方の共同体から考えるのが良いと私は思う。日本、スウェーデンとも環境問題では先進的に取り組んでおり、これからも共に頑張りたい」と感想を述べた。
 学校入りした大使一行は下地校長や兼城克夫県宮古支庁長、伊志嶺亮宮古島市長らの歓迎を受けた後、校庭に宮古在来種のイスノキを記念植樹した。
 下地校長は「大使ご夫妻の来島は学校の歴史に新たな一ページを刻むことになる。宮古島とスウェーデンの友好の絆が長く続くことを願う」と歓迎の言葉を述べた。

 写真説明・環境班の研究内容について生徒らから説明を受けるリンドストロム大使夫妻=24日、宮古農林高校

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きょうから初議会/宮古島市議会 議長、副議長選挙も

 宮古島市議会の初議会となる二〇〇五年第一回議会(臨時会)がきょう二十五日に開会する。会期は休会を二日挟んだ二十八日までとなっている。
 今議会では▽議長選挙▽議席指定▽副議長選挙▽議会運営委員会委員の選任―と報告五件、議案四件、同意案件十一件が提案される。
 今議会には、暫定予算など報告案件が五件、市議会議員の議員報酬および費用弁償等に関する条例の一部改正案など議案四件のほか、五人の教育委員会委員の任命や六人の固定資産評価審査委員会委員の選任案など同意案件十一件が提案される。

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島ごとに増産計画作成へ/サトウキビ 国がプロジェクトの方針案

 【那覇支局】サトウキビ増産プロジェクト現地意見交換会(主催・農林水産省)が二十四日、JAおきなわ東風平支店で開かれた。同会では島ごとに増産計画を作成し取り組んでいく方針案が示された。
 サトウキビの増産に向けては、今年の価格決定の際に、プロジェクト基金二億四千万円を創設し、諸課題に国、自治体、生産者が一丸となって取り組む方針を確認。同プロジェクトを推進する国は十月に宮腰光寛農林水産副大臣を主査とする「さとうきび増産プロジェクト会議」を立ち上げ、今回、現地の声を基本方針に反映させるため、意見交換会を開いた。経営基盤や生産基盤の強化、技術対策を柱にする基本方針は今年十二月中に決定する予定。
 プロジェクトのイメージ(案)は、経営基盤の強化に向け@生産法人、集落営農の育成A農地利用集積B災害への対応―を課題に挙げている。生産基盤の強化では@気象災害に強い生産基盤の整備A機械化一貫体系の確立B地力の増進―を掲げる。技術対策では@産地の課題を踏まえた技術実証A単収の向上B優良品種の開発C主要病害虫の防除―を示している。
 島ごとの増産計画は「生産目標を立て、島の実情に応じた対策を講じる」としている。 
 宮古島の課題として▽高齢化による作業の遅れ▽土壌害虫による株出し困難など。伊良部島はハリガネムシによる発芽不良▽暴風、防潮林が少ないため潮害を受けやすい▽水源の絶対的不足―など、多良間島は▽台風、干ばつ等に生産量が左右されやすい▽土壌害虫が多く株出しが困難―などを挙げている。
 宮腰副大臣はあいさつで、「沖縄県は、百万dの生産を目指しているが、〇四年産は六十八万dと目標にほど遠い。島ごとの生産目標を立て課題に一丸となって取り組んでほしい。計画推進では成果の検証も重要」と指摘した。
 意見交換会で参加した農家らは、かんがい施設の充実や小型ハーベスターの導入支援などを要望した。

 写真説明・あいさつで宮腰大臣は関係者一体となってサトウキビ増産に取り組んでいく決意を話した=24日、JAおきなわ東風平支店


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安全・安心なまちづくりへ/宮古島市交通安協を結成

 旧五市町村の各交通安全推進協議会が合併に伴い解散したのを受け、宮古島市交通安全推進協議会の結成総会が二十四日、同市役所平良庁舎で行われた。役員選出で会長に伊志嶺亮市長が就任し「これから各支部と連携しながら交通安全活動を総合的かつ効果的に推進していきたい」と決意を新たにした。今後平良、城辺、上野、下地、伊良部の各支部が設置され、安全・安心なまちづくりが本格化する。
 来月二十五日に「みんなではじめよう! 交通安全 宮古島」をテーマに、クリスマス・チャリティーイベント「走りだそう宮古島! 第一回 宮古島市交通安全フェスト05」を開催する。
 この日は伊志嶺市長をはじめ、関係者ら多数が出席。▽宮古島市交通安全推進協議会会則▽宮古島市交通安全指導員設置要綱▽宮古島市交通安全推進協議会交通安全功労者表彰要綱▽二○○五年度事業計画▽○五年度収支予算▽役員選出―の六議案を全会一致で承認した。
 同協議会は、交通安全関係行政機関および民間団体などと相互の密接な連携の下に、交通安全活動を総合的かつ効果的に推進することが目的。役員の任期は二年。
 伊志嶺会長が同市交通安全指導員を委嘱する。同指導員は、市民の交通事故の防止と交通安全思想の普及高揚を図るなど、交通安全活動を積極的に推進することを目的に設置され、任期は二年。
 また伊志嶺会長は、同市地域において、交通安全活動などを実践し、地域における交通事故防止に多大な成果を上げ、他の模範と認められる個人・団体などに対して、交通安全功労者表彰を行う。
 ○五年度事業計画では▽交通安全運動▽街頭指導▽広報活動▽安全教育―をそれぞれ推進していく。本年度予算は、歳入歳出とも八十万四千円とした。旧市町村の各交通安全推進協議会の補助残高を充てた。
 役員と理事は次の皆さん。(敬称略) 
 【役員】▽会長=伊志嶺亮(宮古島市長)▽副会長=前川尚諠(市議)、饒平名建次(城辺支所長)▽監事=与那覇清(市民生活班長)、下地信男(地域振興班長)
 【平良支部】▽支部長=前川尚諠(市議)▽副支部長=宮川耕次(総務部長)、長浜幸男(教育部長
 【城辺支部】▽支部長=饒平名建次(城辺支所長)▽副支部長=平良宗栄(交安城辺支部長)、松川幸吉(同)
 【上野支部】▽支部長=砂川正吉(上野支所長)▽副支部長=与那覇清(市民生活班長)、愛澤直樹(教育委員会)
 【下地支部】▽支部長=上地廣敏(下地支所長)▽副支部長=池村廣光(市民生活班長)、下地信男(地域振興班長)
 【伊良部支部】▽支部長=長浜光雄(伊良部総合支所長)▽副支部長=譜久村基嗣(参事監)、国仲続男(総務課長)


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バイオトイレの利点など学ぶ/学校での取り組み強化求める声も

 「かぎすまみゃーく・ゼロエミッション社会形成推進委員会」(中西康博委員長)の第四回委員会が二十四日、県宮古支庁で行われ、委員たちが水を使用しないバイオトイレについて学んだほか、飲料水などの容器再利用を図るデポジット制度導入や地下水保全などについてそれぞれ意見を述べた。委員からは住民の環境へ対する意識向上のほか学校教育での積極的な取り組みなどを求める声が上がった。今後も協議を重ね、宮古における産業界からの廃棄物をゼロにし、循環型産業システムの確立を目指していく。
 提案事項例学習会には早稲田大学客員教授の石崎勝義さんが招かれ、バイオトイレについて説明。石崎さんは、水を使用せずに、し尿や生ごみをおがくずと混ぜ土壌分解の原理を生かして処理できるバイオトイレのシステムを紹介し、水の節減や地下水保全などの利点を挙げた。バイオトイレは二年前から旧城辺町で実証実験が行われており、その結果として窒素やリンが削減されるなどの効果が出たことも説明した。
 また宮古の水保全のため、▽プロジェクト研究チームの設置▽自治体への展開―など研究実施体制の運用などを提言した。

 写真説明・宮古におけるゼロエミッションの構築を目指し協議した委員たち=24日、県宮古支庁

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   「エコデン来年もぜひ優勝を」/県代表の宮工V2手に喜びの帰島

 二十三日に大阪府で開催された「05エコデンレース」全国大会に県代表として出場し、ワイパーモータ部門で二年連続の優勝、初出場の一般モーター部門でも九位と全国自動車教育研究会長賞となった県立宮古工業高校(兼島信雄校長)の生徒らが二十四日帰島し、宮古空港で教職員や父母らの出迎えを受けた。生徒を代表して、唯一昨年の優勝も経験している友利康浩君(三年)は「応援してくれた皆さん、ありがとうございました。来年もぜひ優勝してほしい」と喜びを語った。
 全国大会に出場したのは、ワイパーモーター部門が「BassiLine(バッシライン)2005」号、一般モーター部門が「マクガン」号。ともに先月の県大会を制し、県代表に選ばれた。生徒らは約一カ月の間に改良を重ね今大会に臨んだ。
 ボディーに手を加えて空気抵抗を減らしたバッシライン号は、四台出場のワイパーモーター部門で他車を寄せ付けず、二位に十二周差を付けての圧勝で連覇を達成した。
 宮工から一般モーター部門に初出場したマクガン号は、エントリーした八十三台中九位に入る健闘。その走りとデザイン性などが評価され、全国自動車教育研究会長賞にも輝いた。
 両部門での好成績に、出迎えた池村暁男教頭は「皆さんが成し遂げた大きな成果は、宮古工業高校の歴史に大きな足跡を残すもの」と述べ、その活躍ぶりをたたえた。
 引率した玉城厚司教諭は「生徒たちは普段と変わりなく協力し合ってレースができていた。その結果が、好成績に結び付いたと思う」と述べ、それを支えた父母や教職員らに感謝を込めた。

 写真説明・エコデンレース全国大会で活躍を見せ、帰島した宮工の生徒ら=24日、宮古空港

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