200平成17  1122曜日

宮古島市議会・与野党とも過半数困難/カギ握る中間派の意向

 今月十三日に宮古島市長選挙と同時に行われた市議会議員選挙で当選した二十八人の与野党構成が山場を迎えている。きょう二十二日の午後三時までが会派届けの締め切りとなっているが二十一日には、中間派として会派「そうぞう」が届け出を済ませた。結成した「そうぞう」が六人のメンバーで構成されたことから、与野党の構図では与党も野党も単独過半数は困難な状況となり、今後の焦点となる議長、副議長人選と三役案件についても「そうぞう」の意向が大きく影響しそうだ。
 発足した「そうぞう」は「伊志嶺市政を支えつつも新たな政策を提案していく」との見解を示したことから、議案など各案件については与党との調整を図っていくこととなった。
 「そうぞう」が六人となったことで二十一日現在の与野党構図は、選挙前の姿勢から判断して与党が十人、野党が公明を含めて十二人になる見込みだ。
 与野党とも単独過半数には達せず、議会議決事項については「そうぞう」の意向取り付けが与野党とも絶対条件となったことで、今後の焦点である議長、副議長人選と三役案件についてもこの六人の見解が大きく影響しそうだ。
 また、「そうぞう」の会長に就任した豊見山恵栄氏は会見で「あと二、三人は増える可能性がある」との見解を示しており、この中間会派の勢力がさらに強くなれば伊志嶺市政にさらに大きな影響を及ぼしそうだ。
 「そうぞう」の会派発足理由が「従来の保革の概念や与野党の枠から脱却して政策を中心に諸般の活動に専念する」としているが、今後の議会における実際の動きは伊志嶺市政与党との調整が基本となる。
 与党を十人と想定した場合、「そうぞう」を加えると十六人となって過半数を上回ることから、伊志嶺市政にとって「そうぞう」の意向は無視できないものとなった。
 注目される人事案件をめぐる今後のせめぎ合いは「そうぞう」の意向を見極めながらの調整が水面下で活発に展開されそうだ。

中間会派「そうぞう」発足/会長に豊見山氏
 宮古島市議会の議会内会派構成をめぐり与野党で水面下の攻防が展開されている中で、与党寄りの中間会派「そうぞう」が宮城英文、豊見山恵栄、池間豊、新里聡、池間健榮、下地智の六氏のメンバーで二十一日に発足し、会長には豊見山氏が就任した。
 同日中に同議会事務局に届け出を済また。会派「そうぞう」のメンバーは市内のホテルで会見を開き豊見山氏は「議会運営にあたっては従来の保革の概念や与野党の枠から脱却して政策を中心に諸般の活動に専念する。あと二、三人は増えると思う」との見解を示した。
 また、伊志嶺市政への対応については「市長を支えながらも新しい政策を積極的に提案していきたい」と述べ、与野党の構図においては与党寄りのスタンスで各種議案に対応するとの見解を示した。
 メンバーの役職は会長代行(副会長)に下地氏、幹事長に池間豊氏、政調会長に新里氏、総務会長に宮城氏、幹事長代理に池間健榮氏となっている。
 構成メンバーの市議会議員選挙前の意向では、伊志嶺亮支持が豊見山氏と池間健榮氏、下地敏彦氏支持が池間豊氏と宮城氏で、下地、新里の両氏は中立の立場となっていた。
 構成メンバーの六人は平良が二人、城辺と伊良部、下地、上野がそれぞれ一人ずつとなっている。
 下地敏彦氏を支持していた宮城氏は今回の会派入りについて「伊志嶺市政を支持と言うよりも政策を中心にとらえて対応する。しかし、これまでの野党との立場とでは意味合いは違う」との見解を示した。
 そのほか、下地幹郎衆院議員が立ち上げた政策集団「そうぞう」との関連性について豊見山会長は「新しい宮古島市を創造していこうと意図であえてひらがなの『そうぞう』としてある。関連性はない」と否定した。

 写真説明・宮古島市議会において中間会派として発足した「そうぞう」のメンバーが会見を開き発足理由などを説明した=21日、ホテルアトールエメラルド宮古島

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風雨の中280人が完走/たらま島一周マラソン

 「楽しく走ろう 歴史が見える島 多良間島」をテーマに、第八回たらま島一周マラソン大会(主催・多良間村)が二十日、役場前スタート、多良間小学校をゴールで行われた。島を一周するAコース(二三・三`)など計四コースに島内外から二百八十二人が出場。強い風雨の中、秋の多良間路を走り抜けた。Aコースでは、砂川政文さん(53)=宮古島市=がこれまでの最年長で男性一位に輝き、古謝喜美子さん(40)=宮古島市=が昨年に続き女性一位を飾った。(7面に完走者名簿)
 沿道では多数の住民らが大きな声援を送り、選手たちを後押しした。二百八十人が完走し、完走率は99・3%。
 この日は早朝から強い風雨に見舞われたため、スタートは三十分繰り下げて午前十一時となった。
 今大会には、Aコースに六十九人、Bコース(一〇`)に二十八人、C(三`)に百十一人、Dコース(五`)に七十四人が参加した。
 各コースとも号砲一発でスタート。フクギ並木やサトウキビ畑が広がる農道などを元気いっぱいに快走。海岸沿いの一部コースでは、激しい風雨や波しぶきがたたき付け、ランナーたちはパワーを上げて難関コースを突破した。
 次々とゴールする中、会場は歓声と健闘をたたえる声に包まれた。大勢のボランティアらが、完走者らにヤギ汁や牛汁など振る舞った。午後五時からふれあいパーティーが中央公民館で開かれ、参加者らは互いに健闘をたたえ、来年の参加を誓い合っていた。
 同大会実行委員長の下地昌明村長は「ボランティアの親切なもてなしはとても良かった」と評価した。

 写真説明・号砲一発で元気いっぱいに快走した参加者ら=20日、多良間村役場前

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宮古島市 名称問題の配慮にも感謝

岩手県宮古市長が伊志嶺市長表敬

 岩手県宮古市の熊坂義裕市長と同市議会の三上敏議長が二十一日、宮古島市役所に伊志嶺亮市長を表敬訪問し、当選のお祝いと今後のさらなる親睦、交流を呼び掛けた。
 表敬を受けた伊志嶺市長は「新市の名称問題では岩手県宮古市に心配を掛けたがこちらの市民の声も『宮古島市』を求めていた。これからも宮古市、宮古島市の交流を深めるために近いうちに宮古市を訪れたい」と述べた。熊坂市長は「新市名称問題では宮古市民からも問い合わせがあり、公開質問状を出させてもらった。配慮してもらい感謝している。宮古市は多良間村とも姉妹市村を提携しており、宮古島市ともさらに友好関係を築きたい」と述べた。
 宮古島市役所を訪れた熊坂市長と三上議長は、かりゆしウエアで訪れ宮古島市、宮古市とも合併に取り組んでいることから、伊志嶺市長と合併談議に花を咲かせながらさらなる友好関係を誓い合っていた。
 熊坂市長らは、この後、下地昌明多良間村長を表敬訪問し、夕方から村民との交流会に参加するために多良間村に出発した。
 宮古地区の五市町村合併協議の中で、新市の名称が一時「宮古市」と決定し、岩手県の宮古市と同一名称となったことから、岩手県の宮古市側から再考を求める声などもあった。
 島内外からの再考の声を受けて、新市の名称を再協議することとなり住民アンケートを踏まえて新市の名称が「宮古島市」となった経緯もあり、今回は姉妹市村締結が来年で十周年を迎える多良間村と宮古島市とさらなる友好関係構築のための訪問となった。

 写真説明・伊志嶺市長(中央)と熊坂市長(左)、三上議長(右)が握手でさらなる友好関係構築を誓い合った=21日、宮古島市役所
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家族の絆の大切さ訴え/全国家庭教育フォーラム

 地域や社会全体で家庭教育を支える機運を盛り上げようと二十日、全国家庭教育フォーラムinおきなわ宮古(主催・文部科学省、全国家庭教育フォーラムinみやこ実行委員会)が開かれた。宮古島市中央公民館で行われた宮古会場では「家庭や地域社会の教育力をどう高めるか」をテーマにフォーラムが開かれ、家庭でのしつけの大切さや地域のかかわりの重要性などを再確認した。パネリストの一人は「祖父母の家は宇宙ステーション」だと話し、家族の絆の大切さを訴えた。
 フォーラムには四人のパネリストが、子育てや地域社会とのつながりなどをそれぞれの立場から持論を交えて意見や提言を行った。
 大浜勝彦さん(浦添市立中央公民館長)は、家庭と学校、地域の連携の大切さを主張。「子供の教育力を高めるには、それぞれが持っている機能を最大限生かすことが求められる」と話した。
 大浜さんはまた、祖父母の「知恵」は子育てに必要だと強調し、祖父母の家は宇宙ステーション、子や孫が住んでいる所を衛星に例えて、核家族が進展する中での家族のつながりの重要性を示した。
 下地正子さん(宮古島婦人会長)は、子供のころ母親や祖母からいろいろな事を教えられたことを紹介。「考える力を育てれば自立の土台ができる」と話し、親の教育力の向上を促した。
 「子供は家庭と社会にとって宝物」という奈良俊一郎さん(宮古地区PTA連合会長)は、以前は近所の人たちが区別なく子供の成長の見守っていたことを挙げ、「地域の持つ力こそが教育に必要」だと話した。
 親子の会話の大切さを強調した喜納章さん(宮古地区高等学校PTA連合会長)は、「子供たちとの触れ合いを通して、今子供たちが何を考えているのか引き出しながら、共通な話題をつくることが大切」だと述べた。
 コーディネーターを務めた稲垣純一さん(国際電子ビジネス専門学校長)は、家庭や地域教育に求められるものとして@しつけA才能・個性を伸ばすB仕事と経済への理解C考える習慣をつけさせる―の四つをあげ、家庭や地域が学校との接点を増やすよう促した。
 宮古会場では「キナイワゴーヤ ミャークヌサカイ(家庭円満は宮古の繁栄)」と銘打ち、劇団びっくり箱の子ども演劇や、読み聞かせグループによる読み聞かせなどが開かれ、親子連れでにぎわった。

 写真説明・4人のパネリストが出席し家庭教育や地域教育の大切さを訴えたフォーラム=20日、宮古島市中央公民館

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経営者6人を振興賞表彰/宮古の産業発展に尽力

 第二十八回宮古の産業まつりの産業振興賞表彰式が二十日、うえのドイツ文化村で行われた。模範的な実績を挙げた農林水産部門と商工観光部門の計六人の経営者一人ひとりに、県宮古支庁の兼城克夫支庁長から表彰状が手渡された。
 受賞者を代表して下地盛一さんは「名誉な賞を頂き感謝している。これからも、宮古の産業の発展に力を尽くしていく」と決意を述べた。
 また、Tシャツデザインコンテストの表彰式も行われ、宮古内外から応募のあった五十七点の作品の中からグランプリに田村知子さんが輝いた。
 表彰式には優秀賞の仲本奈美子さんと特別賞の横田由佳さんら宮古在住の二人が出席した。
 受賞者は次の通り。(敬称略)
 ◎産業振興賞表彰
 【農林水産部門】▽下地盛一=下地字嘉手苅▽奥原初枝=奥原鰹節工場=伊良部字前里添▽上地良淳=農業法人(有)大海=上野字宮国【商工観光部門】▽友利真海=友利鰹節工場=伊良部字前里添▽古謝慎一=古謝そば本店=平良字西里▽粟国忠=琉球おみやげ屋粟國商店=平良字下里
 ◎Tシャツデザインコンテスト表彰
 【グランプリ】▽田村知子=グラフィックデザイナー=埼玉県さいたま市浦和【優秀賞】▽仲本奈美子=介護職=平良字久貝【奨励賞】▽高宮城純=印刷業=那覇市坪川▽名城順子=会社員=那覇市安里【特別賞】▽高橋伸年=無職=千葉県市川市▽横田由佳=空港観光案内所=平良字下里

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   中学生の力が結集/宮古地区中学校総合文化祭

 「若さが放つエネルギー ウチナー文化 今 発信」をテーマに第十一回宮古地区中学校総合文化祭(主催・宮古地区中学校文化連盟)が二十日、宮古島市のマティダ市民劇場で開かれた。宮古地区の各校から展示部門に約二千人、舞台発表の部門に二百九十九人の力が結集し、学校や部活動の仲間、地域などで取り組んだ日ごろの活動の成果を伸び伸びと発表した。
 舞台発表部門では、各地域に伝わる郷土芸能や琉球舞踊、日本舞踊などを発表。演劇や創作ダンス、三線、吹奏楽演奏もあり幅広い活動状況を披露した。
 中学生の立場から意見を主張する意見発表では、宮古地区童話・お話・意見発表大会で、中学校の部で最優秀賞を獲得した下里真之君(上野中三年)と松岡愛美さん(北中三年)が、それぞれ「『正義』について」、「今、準備期間」との演題で熱弁し、聴衆の感動を得た。
 一方、展示会場となった宮古島マリンターミナルビル二階では宮古地区の全十九校約二千人の作品が所狭しと並べられた。
 色鮮やかに描いた絵画や、感性豊かに表現した俳句、短歌、アイデアいっぱいの技術作品などが展示され、訪れた父母らの目を楽しませた。

 写真説明・中学生の学習や文化活動の取り組みなどを発表した総合文化祭(写真は下地中によるリコーダーアンサンブル)=20日、マティダ市民劇場
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