200平成17  1119曜日

柱に「離島振興」据える/06年度県施策中間まとめ

 【那覇支局】県(稲嶺恵一知事)は十八日、二〇〇六年度重点施策の中間とりまとめを発表した。重点事業(候補)数は百九十で、うち新規は二十一。宮古・離島関係では伊良部大橋橋梁整備事業(継続)や平良城辺線共同溝整備事業(同)、離島・へき地医師確保対策検討調査事業(新規)などが盛り込まれた。施策の柱には「離島・過疎地域の振興」など九項目を据えた。
 平良と伊良部を結ぶ伊良部大橋は県道平良下地島空港線整備事業の中に位置付けている。海上部の延長は橋梁が三千五百四十b、海中道路六百七十b。〇六年度から仮桟橋や橋脚建設など海上部工事に入り、本格化する。総事業費は三百二十億円を見込み、二〇一二年度の完成を目指す。
 電線類を地中化する平良城辺線共同溝整備事業は、〇三年九月の台風の際に電力や電話などのライフラインが寸断された教訓を受け行う。延長は宮古病院付近から宮古空港入口までの二・七五`(道路両側の全体延長五・五`)。事業期間は〇五年度から〇九年度。総事業費は十六億五千万円を計画している。
 離島・へき地医師確保対策検討調査事業は、国や大学、医師会などの医師を委員に検討会を設置し、地域勤務の動機付け条件や、対応すべき医師確保策について調査・検討を行う。
 離島の産業振興関係では「離島活性化人材育成事業」、「離島地域資源活用・産業育成事業」、「離島活性化専門家派遣事業」、「離島観光振興地域等整備事業」―などを組んだ。
 県は〇六年度を沖縄振興計画に基づく県づくりの折り返しとなる年度と位置付け。
 重点施策の柱は@自立経済の構築に向けた産業の振興と雇用の創出・確保A科学技術の振興と国際交流・協力拠点の形成B環境共生型社会と高度情報通信社会の形成C健康福祉社会の実現と安全・安心な生活の確保D多様な人材育成と文化の振興E持続的発展を支える基盤づくりF離島・過疎地域などの振興G米軍基地問題の解決促進と駐留軍用地跡地の利用促進H行財政改革の推進―の九つをうち立てている。

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インフルエンザ対策/流行前に予防接種を

 インフルエンザの流行が来年一月から予想されることを受け、宮古福祉保健所(高江洲均所長)は十八日、同所で会見を開き予防接種を受けるよう呼び掛けた。費用は全額自己負担(高齢者を除く)で二千―三千円。同所は十二月中旬までに市内の医療機関で接種することを勧めている。「鳥インフルエンザとの併発による新型インフルエンザ出現を避けるためにも予防接種を受けてもらいたい」と強調した。 予防接種の利点はインフルエンザ発生の可能性が低くなることと、発生しても症状が軽くなること。
 市内の二十一医療機関で接種可能で、料金は医療機関ごとに異なる。また、六十五歳以上の高齢者は居住市町村から予防接種の助成がある。まずは医療機関に問い合わせを。
 同所は特に注意を呼び掛ける対象者として▽医療関係者▽海外旅行者▽高齢者▽乳幼児・学童▽教育関係者▽ホームヘルパー▽養鶏業者―を挙げている。
 接種後、抗体を獲得するまで二週間かかる。そのため同所では、流行する一月に合わせて、十二月中旬までの接種を行うよう呼び掛けている。
 インフルエンザの症状は三八度以上の急な発熱、せき、頭痛のほか、筋肉痛や関節痛を伴うことが特徴。免疫力の低い高齢者や子供は症状が悪化しやすく、肺炎や脳症を引き起こすなど特に注意が必要で、死に至るケースもある。
 昨年、宮古地区では一月から患者数が増加。ピークは三月で、週ごとの一医療機関の患者数が六十八人となり、上野小学校などでは学級閉鎖された。
 発症の予防対策は▽予防接種による準備▽手洗い、うがいなど衛生環境に注意▽栄養と休養を取り免疫力を付ける▽部屋の換気、乾燥に気を付ける▽人込みを避ける▽マスクの着用―を徹底すること。
 インフルエンザとは
 三八度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が強く、併せて普通の風邪と同様の、のどの痛み、鼻汁などの症状が見られる。基本的に流行性疾患でいったん流行が始まると短期間に乳幼児から高齢者まで膨大な数の人を巻き込む。

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琉楽普及賞に最年少合格/野村流古典音楽保存会

 野村流古典音楽保存会(知念清秀会長)琉楽普及賞にこのほど、島袋裕万さん(久松小三年)が最年少で合格した。関係者は「子供たちの興味や意欲が広がれば」と、古典音楽愛好家の底辺拡大に期待を寄せている。
 同賞は、古典音楽普及増進を図ろうと、同保存会が小学生から高校生までの児童・生徒を対象に昨年創設した部門。宮古の子供たちは今年から応募したという。島袋さんは課題曲「安波節」を発表し、最年少合格(銅賞)を果たした。
 島袋さんは、昨年、地域の公民館の三線講座に参加して演奏や民謡の面白さに目覚めた。今年四月からは同保存会に所属して本格的に三線を学び、着実に上達。「試験のときは緊張したが合格できてとてもうれしい。これからも頑張りたい」と、さらなる意欲を見せている。
 指導に当たった砂川幸吉教師は、「一生懸命練習しており、その積み重ねが自信につながったと思う。舞台度胸もある」と評価。
 母親の祐子さんは、「本人が楽しんでいるので、今後も応援したい。同年代の仲間が増えればなおうれしい」と笑顔を見せた。

 写真説明・宮古最年少合格を喜ぶ島袋さん=18日、本社

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宮古島固有亜種ミヤコヒキガエルネットで販売

/生態系の乱れなど懸念

 宮古島固有亜種で宮古島市の「保全種」に指定されているミヤコヒキガエル(ヒキガエル科)がインターネットのオークションサイトで販売されていたことが十七日までに分かった。ミヤコヒキガエルは現在、繁殖期を迎えており、ネット販売による生態系の乱れなども懸念さる。
 保全種であるミヤコヒキガエルは宮古島市自然環境保護条例で捕獲などが禁じられている。ネット販売は十八日現在行われていない。
 ミヤコヒキガエルはインターネット上のオークションサイトで数千円単位で売られていた。ミヤコヒキガエルの体長は八a程度で、飼いやすさなどから両生類マニアの間で人気のペットになっていたようだ。
 宮古島では旧平良市が条例でミヤコヒキガエルを「保全種」に指定し捕獲や殺傷、採取などを禁じた。この条例は合併後新市に引き継がれているため、今回のネット販売は条例違反にあたるとみられる。
 ミヤコヒキガエルは体長が約八a、体中にいぼがあり、目の後ろにある耳腺からガマの油といわれる乳白色の毒を出す。十月ごろから産卵が始まり、池などの水辺に多く集まる。

 ネット販売されていた「保全種」のミヤコヒキガエル(資料写真)

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ストライプ模様のコスモス咲く/ピンク色が鮮やか

 珍コスモス?―宮古島市立久松幼稚園(菅間雅子園長)の花壇で花びらに縦じまの模様が入った珍しいコスモス(キク科)が咲き、園児や教諭たちの話題となっている。一本の株から白い花と、白い花びらにピンクの縦じまが入ったストライプ模様の二種類が開花。毎朝、水をやる園児たちの人気を集めている。
 同園の二木成子教諭によると、コスモスを育てた後にニンジンの種をまいた際、こぼれ種から発芽したコスモスの苗を一本だけ残していたところ、こうした珍しい花が咲いたという。二木教諭は「子供たちも初めて見たといって面白がって大事に育てている。種を残して増やしてみたいです」と話した。
 宮古グリーンセンターによると、こぼれ種が自然交配して違う色の花が咲いたり、色が混ざったりするケースがあるという。

 写真説明・白い花びらにピンク色の縦じま模様が入ったコスモス。子供たちが大事に育てている=18日、久松幼稚園

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   アイヌ民芸に触れて/久松公民館で「展示会」

 アイヌ民芸や工芸品展「あーと・ひろ展示会」(主催・あーと・ひろ)が十八日から、久松地区公民館で開催されている。二十日まで。刺しゅう家の、ひろ・トゥレシーさん、木彫家の豊岡幸則さん、川上裕之さんの三人展となっており、三人の手作りの作品を展示販売。刺しゅうや手芸用品の手作り体験も行っている。要予約。問い合わせ、申込みは久松地区公民館(電話72・7997)まで。
 主催する「あーと・ひろ」は、札幌でアイヌ民芸・工芸品を取り扱っており、各地を巡りアイヌ文化を伝えているという。代表者のひろ・トゥレシーさんは「昔のアイヌの人たちがどういったものを使っていたか見て触れてほしい」と来場を呼び掛けた。最終日の二十日は、午後六時からアイヌの歌と踊りが披露される。

 写真説明・数々の作品が展示されている=18日、久松地区公民館

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