200平成17  1118曜日

伊志嶺市長が初登庁/宮古島市・職員が紙吹雪で歓迎

 今月十三日に行われた第一回宮古島市長選挙で当選し、宮古島市の初代市長となった伊志嶺亮市長の就任式が十七日、市役所玄関前で行われた。宮古島市長として初登庁となった伊志嶺市長を市の職員が花束と笑顔で歓迎した。
 伊志嶺市長は職員に対して「合併して誕生した自治体は多くの課題を抱えている。新市民の未来のために皆さんと一緒に頑張りたい」と宮古島市長として意気込みを示した。また、お祝いの言葉では久貝勝盛教育長が「伊志嶺市長はリーダーとしての資質を兼ね備えた人物であり、新市の市長として迎えることをうれしく思う。ぜひ、宮古島市のために頑張ってほしい」と述べた。
 そのほか職員を代表して佐久川さやかさんと与那嶺彰成さんが「伊志嶺宮古島市長を心から歓迎したい。合併して宮古島市は五万六千人の市民となった。平良市長として三期十一年間の経験と行政手腕で宮古島市を運営してほしい」と伊志嶺市長を歓迎した。
 午前九時に市役所に訪れた伊志嶺市長をたくさんの職員が笑顔で迎え入れ、歓迎するくす玉も割られたほか、これから新市市民のために一致団結して行政運営に取り組むことを誓い合った。
 式後、市長室に入り、市長席に座った伊志嶺市長は「ここを出るときは再度、戻れるか分からなかった。しかし、今、市長席に座ってみて感触を思い出したよ」と笑顔で当選を再実感していた。さっそく公務に就いた伊志嶺市長は初の庁議で市幹部と顔合わせを行い、午後からは各庁舎を訪れ就任あいさつを行った。

 写真説明・初代市長となった伊志嶺氏を職員が花束と紙吹雪で歓迎した=17日、宮古島市役所玄関前

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友利菜穂さんら6人がグランプリ/真太陽国際書道展

 国を超え世代を超えた書道交流祭「真太陽国際書道展」の伊志嶺亮実行委員長(宮古島市長)らは十七日午後、漢字文化圏の中国、台湾、韓国、日本から募集していた書の審査結果を発表した。真太陽大賞のグランプリンに友利菜穂さん(平良第一小二年)ら六人、団体賞では、国内から埼玉県立越谷南高校など十団体、外国から太原市少年宮(中国)など四団体の計十四団体が選ばれた。ほかに真太陽賞、優秀賞、佳作、入選、努力賞が決まった。表彰式は、十二月十日午後一時から、同市城辺のレストラン海宝で行われる予定。グランプリに輝いた六人は特別招待される。今回韓国から初めての応募があり、一人がグランプリ、団体賞に二団体が選ばれた。
 同展は、太陽の雄大さと恵みを意味する宮古島の古語「真太陽」の島で、ジュニアからシニア世代までの国際的な書道発展の場を提供することにより、書道文化の高揚と国際親善に貢献することが目的。今回で二回目。
 国内外からの応募総数(入賞者数)は、千五百十五点。内訳は、ジュニアの部(幼・小・中・高・大学生)が千三百六十八点、社会人の部が九十六点、シニアの部(六十歳以上)が五十一点。
 記者会見で、伊志嶺実行委員長は「書道は世界中で行われているが、漢字文化圏の日本、台湾、中国、韓国では学校教育でもしっかり取り入れられている。ジュニアの部、社会人の部、シニアの部の書道展は、日本では宮古しかない」と述べた。その上で「展覧会では大勢の市民の参加をお願いしたい」と呼び掛けた。
 展覧会は、十二月七―十日の四日間、同市総合体育館で開かれる。応募作品すべてを展示する。
 真太陽大賞および団体賞の入賞者は次の通り。(敬称略)
 【真太陽大賞(グランプリ)】▽友利菜穂(平良第一小二年、沖縄県)▽新垣志麻子(城辺中三年、同)▽田中佐保里(熊本県立必由高二年、熊本県)▽李民姫(水一女中一年、韓国)▽解小青(社会人、中国北京)▽鄭文雄(シニア、台湾雲林縣)
 【団体賞・国内】▽埼玉県立越谷高校▽佐賀県立佐賀北高校▽熊本県立必由館高校▽広島県立広島観音高校▽私立大分高校▽沖縄県立豊見城南高校▽池田書道塾(沖縄県)▽如真書道塾(同)▽福島書道塾(同)▽華畦書道塾(同)
 【同・外国】▽太原市少年宮(中国)▽首都師範大学(同)▽韓国宗教書藝人協會(韓国)▽平和統一美術協会(同)

 写真説明・記者会見で入賞者を発表する関係者ら=17日、宮古島市平良図書館

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反収アップ目指す/キビ生産性向上推進大会

 【那覇支局】十七日に具志頭村で開かれた二〇〇五年度サトウキビ生産性向上推進大会(主催・JAおきなわなど)で、一節苗の作り方と、同苗の補植実演が行われた。県は簡単に作れて、活着率も高い同苗を宮古にも普及していく考えだ。
 一節苗はキビの茎を一節ごとに五aに切り、トレイに入れて土をかぶせて育てる。同苗は県農業試験場が開発し、三年ほど前から農家への普及を始めたが、親株からの分げつ本数が少なく農家に歓迎されなかった。そこで、今年は親株の根本近くをペンチで挟んでつぶし、子株を多く出す方法を考案。同技術で作った苗は、現在、南風原町内の畑で育てられているが、伸びが良くいい結果が得られそうだという。
 補植の実演に使われた苗の分げつ数は四―五本。県農業試験場の職員によると、一本当たりのコストは七―八円と安い。発芽率は九五%と高く、移植の際に、水をたっぷり掛ければほとんどの株が活着するという。
 先のとがった金属棒の補植用器具も開発され、同器具で穴を開け苗を入れるだけの作業はスピーディーに行われていた。
 サトウキビ生産性向上推進大会は、新植夏植えの茎数確保や適期肥培管理の徹底による生産性向上を目指し開催した。
 大会でJAおきなわの赤嶺勇理事長は「県内のサトウキビ生産は、二年連続七十万トンを切った。今後は、何としてでも生産を上げないとならない。反収が低いのが一番の課題になっている」とあいさつの中で述べた。 

 写真説明・1節苗はサトウキビの茎を1節ごとに切りトレイに入れ土をかぶせて育てる



育った1節苗



1節苗の補植作業の様子

 

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農家の意識高揚図る/沖糖が防風林整備検討

 沖縄製糖宮古工場(砂川玄悠工場長)が防風林整備を検討している。近年の相次ぐ台風被害を防ぐことが目的で、来春から原料区内の農家を対象に防風林の苗木を提供する考えだ。宮古島地区は二〇〇三年の台風14号など大型の台風で沿岸部に立つ木々の防風機能が低下しており、防風林の整備は緊急課題。同工場の砂川工場長は「防風林整備は急務」と強調し、事業化に意欲を示した。ただ、防風林整備は農家の意識の高まりが最も大切であることも指摘。「農家と共に自然災害に強い島づくりを進める」などとしている。
 同工場によると、防風林の樹種はテリハボクとオウギバショウを検討している。テリハボクは台風災害に強いことで知られるが、最大限の防風効果を発揮するまでには長い年月を要すために「息の長い整備」(砂川工場長)になる。在来種のオウギバショウは密植することで優れた防風効果を発揮するという。オウギバショウは二―三年で効果を発揮するとされ、宮古各地で活用している農家も多くいる。どのぐらいの苗木を提供するかは検討中。
 防風林整備について砂川工場長は「農家の意識を高めることが一番大切なことと考えている。農家一人ひとりが防風林に対する意識を持てば、早いうちにしっかりとした防風林ができる」などと強調。その上で「以前は農家が自分でほ場の境界に防風垣を植えたりしていたが現在ではほとんど失われてしまった。そのことで農家も防風対策の必要性は感じている。苗木を提供することで防風林を普及させたい」と話した。
 防風林整備構想としては「潮害を受けやすい地域を優先的に取り組んでいきたい」とし平良の狩俣や島尻、大浦などを中心にポイントを絞りながら整備する方針を説明。「しっかりと継続的に実施していきたい」と話した。
 宮古島地区は近年、台風によるサトウキビの倒状や折損、潮害などの被害が拡大している。昨年相次いだ台風はサトウキビ生産量の大幅な減産を招いており、防風林整備が急務となっている。 

 写真説明・台風災害を防ぐオウキバショウの防風林=17日、下地地区のほ場

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JAファーマーズマーケット/来月23日にオープン

 JAおきなわ直営の農産物直売所「ファーマーズマーケット」が来月二十三日、JAおきなわ宮古地区事業本部農民研修センターでオープンすることが決まった。当初六十八の農家が出荷を希望していたが、日を追うごとに出荷希望者が増えており、開店時には八十人以上の生産者でスタートする見通しだ。出荷農家も決まり準備が整った県内二店目となるファーマーズマーケット。宮古島地区における消費者の反応が注目される。直売所の営業時間は午前九時から午後七時で、毎週水曜日定休を予定。
 島の生産者が島で収穫した農産物を納品し、価格も自分で決めるファーマーズマーケットは地元生産による「新鮮さ」と生産者の顔が見える「安心感」、「安さ」が売りだ。JA拠点の主な直売所は全国で約二十店舗あるが、県内では糸満市の「ファーマーズ・マーケットいとまん」だけ。同店の売り上げは年間五億円にも上る。
 直売所に出荷を希望する生産者(原則としてJA組合員、准組合員でも可)はJAと契約しなければならない。契約した生産者は農産物を納品し価格も自分で決める(下限は調整)。直売所への手数料は売り上げの一五%で、売れ残った品物は生産者自らが引き取る。納品された農産物は直売所が販売を行い、注文があれば島内だけでなく沖縄本島や県外にも発送するというシステムだ。
 宮古地区営農センターによると、ファーマーズマーケットに関する農家の関心は高く。今後も直売所に出荷する農家は増える見込みだ。十二月は八十人以上の生産者でスタートを切る予定。
 詳しくはJAおきなわ宮古地区営農センター(電話72・4588)まで。

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   キビの穂出る/年明けの収穫間近

 サトウキビの穂が、早くも出始めた。これから宮古各地のキビ畑では穂の光景が広がり、美しい銀色の世界に染まっていく。
 キビは宮古の基幹産業の一つ。製糖工場の操業は、年明けの一月から本格化する。
 宮古島地方気象台は、「向こう一週間は、まとまった雨はあまり望めない」と予測している。キビ生産農家の中には「まとまった恵みの雨が降ってほしい」と話す人もいた。
 ドライブ中の女性観光客の二人は、車を止め、キビの穂を珍しそうに見入っていた。


 写真説明・風に揺れるキビの穂=17日、宮古島市平良

 

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