200平成17  1115曜日

重要課題に行財政改革・政策実現へ意欲

宮古島市長選に当選した伊志嶺氏

 市町村合併に併う宮古島市長選挙から一夜明けた十四日、初代市長に当選した伊志嶺亮氏(72)は、晴れ晴れとした表情で朝を迎え、宮古毎日新聞社などのインタビューに応じた。伊志嶺氏は、政策に掲げてきた平和で豊かな宮古島市づくりに全力で臨む姿勢を改めて強調。逼迫する財政状況については「市民と対話しながら進めていきたい」と決意を新たにし、▽職員の適材適所への配置▽ごみ処理施設場、葬祭場の早期建設▽図書館、県立病院の建て替え―にも取り組むとした。
 重要課題とした行財政改革は「市民委員会などを立ち上げ、市民の福祉向上につながるように行っていきたい」と述べた。注目となる三役人事は財政問題などに精通し、対応力のある人材を充てる方針だ。
 新しく選出された議員での臨時議会は十七日に告示され、今月内に開かれる見込み。伊志嶺新市長は、その中で人事案件を提案する。
 旧平良市議会で二度、否決された環境保全条例は、宮古島市議会での早期可決に意欲を示す。同市議会九月定例会で否決された「反戦の誓いの碑」についても「今の現状を見ると、宮古島に造る必要がある」と訴え、早期建設を目指す。
 四百十三票差という小差でもつれた選挙戦については「各地で感触が良かったので、もっと大差がつくかと思っていた」と、予想外との見解を示したが、「もともと、宮古は全体的に保守地盤。その中から私が当選したということは、保革の構図が薄れつつある」と分析した。
 伊志嶺氏は、あす十六日午後二時から、宮古島市役所で行われる当選証書付与式に出席。翌十七日に初登庁し、川田正一宮古島市長職務執行者との引き継ぎを済ませ、市長としての職務に就く。

お礼回りなど多忙な1日
 四百十三票差という小差で激戦を制した伊志嶺亮氏。当選から一夜明けた十四日、前日の疲れも見せず、元気に報道各社のインタビューに応じたほか、支持者へのお礼回りなど、一夜明けても多忙な一日を過ごした。
 伊志嶺氏は十三日午後九時十三分ごろ、「当確」が報じられると支持者らとともに喜んだ。当選の興奮冷めやらぬ十四日午前二時に就寝。同六時に起床し、ゆっくりと風呂に漬かり、コーヒー、ジュース、牛乳、ゆし豆腐といった朝食を取った。
 午前九時からは宮古毎日新聞社など報道各社のインタビュー。「疲れない体を持っているのが私の特技です」と時折冗談を飛ばすも、新生宮古島市のかじ取り役を任されたという責任の重さを感じている様子だった。
 「市民と対話を重ねて取り組みたい」などと市政運営に強い姿勢を示した。

 写真説明・本紙に目を通し、当選の喜びをかみしめる伊志嶺さん=14日、宮古島市平良字西里の自宅

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初の選挙に高い関心/宮古島市長・市議選

 十三日に施行された宮古島市長選挙と同市議会議員選挙の地区別の投票率が十四日までに市選管のまとめで分かった。合併後、初めての選挙ということもあって全体の投票率は八五・八六%を記録し、市民の関心の高さをうかがわせた。地区別の最高は伊良部地区の八九・一%だった。
 市選管のまとめによると各地区別の投票者(期日前投票含む)は▽平良二万二千百八十二人(当日有権者数・二万六千三百七人)▽城辺五千二百五十人(同五千九百六十人)▽伊良部四千四百十八人(同四千九百五十六人)▽下地二千百四十四人(同二千四百四十九人)▽上野二千二百一人(同二千四百八十五人)―だった。投票率は▽平良八四・三%▽城辺八八・一%▽伊良部八九・一%▽下地八七・五%▽上野八八・六%―となり、いずれも八〇%以上の投票率だった。
 十三日の投票は平良地区が十三カ所、城辺地区が四カ所、伊良部地区と下地地区が二カ所、上野地区は一カ所の会場で行われた。どの投票所も朝から多くの市民が投票に訪れ、市長選、市議選の候補者名を書いた投票用紙を次々と投票していた。
 ただ、今回の選挙を当日投票に限ってみた投票率は三〇―七〇%台に落ち着いた。これは七日からスタートした期日前投票を多くの市民が利用したためだ。七日から十二日までの投票者数は一万二千五百八十二人で全有権者の二九・六五%が投票を済ませていた。この状況から、期日前投票は今後の選挙においても注目される選挙制度になりそうだ。
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那覇わしたショップでフェア/宮古自慢の味満載

 【那覇支局】那覇市国際通りの「わしたショップ本店」(前田展野店長)で「宮古島フェア」が開かれている。今月末までの日程。宮古自慢の特産品約三十種類が店の入り口に満載され、人気を集めている。
 同フェアは十月下旬に開催された銀座のわしたショップに続く第二弾。観光客や沖縄本島の人たちに、宮古の物産をPRしようと開かれている。
 陳列台に並ぶ特産品は泡盛や黒糖、カツオの珍味、「雪塩」、多良間の「ぱなぱんびん」など、宮古を代表するものばかり。
 ショップの店員たちによると、泡盛は土産品として観光客から好評という。ミネラル含有種類の多さでギネスブックに載る「雪塩」は美容の目的で買う女性も。カツオの珍味は一度味を占めた県内のリピーターが多い。
 多良間産の黒糖を買った豊見城市に住む平田永喜さんは「母が黒糖を好む。見たところ柔らかく年寄りに食べやすそうなので買った」と話した。
 カツオの塩辛を買った宮古出身の男性は「豆腐に乗せて食べるとうまい。今夜の酒が楽しみ」と笑顔を見せていた。

 写真説明・約30種類の宮古の特産品が取りそろえられ訪れる客の人気を集めている=14日、那覇市のわしたショップ本店

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豪快な笑いが大受け/多良間のヨーンシー披露

 【那覇支局】二〇〇五県芸術文化祭の民俗芸能祭「琉宮伝説〜結いの祭り〜」が十三日、読谷村文化センターで開催された。宮古関係では、在沖多良間郷友会(福嶺勝公会長)の会員二十六人が多良間に古くから伝わる男ヨーンシーを披露。歌の合間に挟む「アハハ」という豪快な笑いの所作が大受けした。
 首里城建築用の木材を切り出した時の様子を歌と踊りにした「国頭サバクイ」は、多良間島に伝わると、「ヨーンシー」と呼ばれ、地域で変容し独特の形になった。字塩川の八月踊りの「総引き」の中で演じられている。
 出演者たちはシュロの幹を覆う繊維で作った円すい形の帽子をかぶり、顔には墨を塗るこっけいないでたち。手にノコやオノ、カマなどの小道具を持ち、「ハイルレー ハララ アーハリガヨンシー アハハ…」などと、はやしや笑いを入れながら、にぎやかに踊った。豪快な笑いは、観客の爆笑も誘っていた。
 福嶺会長は「多良間のヨーンシーは、元の歌がアレンジされ、豊作祈願の内容になっている。いい機会なので、思い切って踊り、島の文化をPRしたい。練習も一月の間に七回もした」と張り切っていた。
 シュロ 中国原産のヤシ科の常緑植物。幹は暗褐色の繊維で覆われている。

 写真説明・好評を博した多良間のヨーンシー=13日、読谷村文化センター

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税の役割を紹介/狩俣小で「租税教室」

 平良税務署(西垣竹志署長)は十四日、税について理解を深めてもらおうと「税を考える週間」(十一―十七日)にちなみ、宮古島市立狩俣小学校五、六年生を対象とした租税教室を同校で開いた。同署の友利浩徳さんが講師を務め、子供たちに分かりやすいよう教材やクイズ形式で税の意味や種類、使われ方などを紹介。身近な生活の中で税がどのように役立っているのかを説明し、納税の大切さを伝えた。
 租税教室では「税金と社会の関わり」をテーマに、▽税とは何か▽なぜ税が必要か▽税の役割―について説明が行われた。友利さんは「税は私たちが生活していくために必要なもの」と強調し、国税庁が制作した税金のアニメなどを使い学校や病院、図書館、消防署、警察署などの施設が税によってつくられていることや、池間大橋や来間大橋も税金によって架けられたことなどを紹介した。また小学生一人当たり一年間で約八十五万円の税金が使われていることも話し、税金によって学校生活も支えられていることを説明した。

 写真説明・税についてクイズ形式やアニメなどで学んだ租税教室=14日、狩俣小学校

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   友利さん、「最後の議席」を獲得/宮古島市議選

 十三日に投開票された宮古島市議会議員選で、最後となる二十八番目に議席を獲得した友利光徳さん(55)。当選の判明は十四日未明までもつれたが、「当確が出た瞬間はうれしかった。二期七年の実績を生かし、伊志嶺市政の下で頑張りたい」と意欲を示した。
 選対事務所では七十人を超す支持者とともに開票作業を放送するテレビを見守り、今か今かと「当確」の報を待った。「最後まで勝利を信じてくれた支持者の皆さんの厚い信頼がうれしかった」と振り返る。
 十四日朝には、新聞などで当選を知った支持者や恩師などから祝福の電話があり、勝利を改めて実感したという。
 城辺地区から立候補した革新系候補と最後の最後まで議席を争ったことについては「喜びも複雑。できれば全員で当選したかった」と話す。
 しかし、「選ばれたからには地域格差の是正や高齢者の福祉向上に取り組んでいきたい」と力を込める。
 また、若者の雇用問題にも積極的に推進したい考えで、「島に若者を定着させ、子供の笑い声が絶えない宮古島市づくりに貢献したい」と決意を表明した。

 写真説明・一夜明け、祝福のため訪れた恩師と固い握手を交わす友利さん(右)=14日、城辺字福里の自宅

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