200平成17  1112曜日

最後の集票活動活発化/あす注目の投・開票

宮古島市長・市議選

伊志嶺 亮氏(72)
社民、社大、共産、民主、自由連合推薦
下地 敏彦氏(59)
 自民、公明推薦
 

 十一月十三日投開票の宮古島市長選挙と同市議会議員選挙まで残り二日となった十一日、各陣営は一斉に最後の追い込みに入り、各地区で集票活動を活発化させた。市長選に立候補している旧平良市長の伊志嶺亮氏(72)=社民、社大、共産、民主、自由連合推薦=と元宮古支庁長で旧城辺町助役の下地敏彦氏(59)=自民、公明推薦=はこの日もポイント演説を中心に自らの政策を主張して新生・宮古島市の発展を約束した。今後の県内政局を占う宮古島市長選の候補者はきょう十二日午後、それぞれ打ち上げ式を行い七日間の選挙戦を締めくくる。日増しに盛り上がりを見せる市議選もきょう十二日が選挙戦最終日。四十八人の候補者が各地区を巡り最後の支持を訴える。
 市長選に立候補している伊志嶺氏は十一日、糸数慶子参院議員や宜野湾市の伊波洋一市長、反自公連絡会代表で連合沖縄会長の狩俣吉正氏、平良市区選出の奥平一夫県議らと共にポイント演説を行った。各応援弁士とも伊志嶺氏の平和政策を強調し、最後までの支持を訴えた。前日の十日夜には九月の衆院選沖縄1区で当選した宮古出身の下地幹郎氏の後援会宮古支部が主催する「下地ミキオと語る会」を開催し、保革の枠組みにとらわれない選挙戦を強調した。伊志嶺陣営はきょう十二日午後五時から選対本部で打ち上げ式を行う。
 下地敏彦氏も最後の追い込みに突入。十一日は自民党の山崎拓衆院議員が宮古入りし、建設業界代表らに下地氏の支持を訴え。下地氏とは固い握手を交わして「頑張ってください」と激励、この選挙で自民党が下地氏を全面的に支援していることを強調した。ポイント演説には山際大志郎衆院議員、西銘恒三郎衆院議員、宮古郡区選出の砂川佳一県議らが同行して下地氏の支持を訴え。経済活性化を柱とする政策や人柄を強調し支持を呼び掛けた。下地陣営の打ち上げ式は午後六時三十分から、下里公設市場前で行われる。
 両陣営ともきょう十二日の打ち上げ式に支持者を最大動員し、当選に向けての気勢を上げる。
 一方、二十八議席に対し四十八人が立候補している市議選の行方も注目される。遊説カーなどが宮古全域を走り回っているということもあり、有権者の関心も日増しに高まっているのが現状。市長選同様、各候補者は街頭演説で声をからし最後までの支持を訴えた。
 十三日の宮古島市長・市議選の投票時間は午前七時から午後六時まで。即日午後八時から開票される。

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宮古島市長選 選挙展望/「幹郎氏支持層」がカギ

県知事選前哨戦第一弾

 平良、城辺、伊良部、下地、上野の旧五市町村の合併に伴う宮古島市長選挙が十三日、投開票される。宮古島市の初代市長を選ぶ、歴史的な選挙となる一方で、来年十一月に行われる県内政局の天王山・県知事選挙の前哨戦第一弾と位置付けられ、県内のみならず政府内の注目度も高い。際立った争点のない選挙戦だが、運動は最終盤を迎えており、これまでの動きなどから選挙の行方を展望する。
 今回の選挙には革新系無所属で前平良市長の伊志嶺亮氏(72)=社民、社大、共産、民主、自由連合推薦=と、保守系無所属で前城辺町助役の下地敏彦氏(59)=自民、公明推薦=の二人が立候補している。二人の顔合わせは前回二〇〇二年の平良市長選挙以来、二度目だ。この選挙は別の保守系候補を加え、三つどもえの戦いで、伊志嶺氏が勝利している。今回は一騎打ちとなり、雪辱を果たしたい下地氏と、逆に返り討ちで革新勢力に弾みを付けたい伊志嶺氏ががっぷり四つに組んだ格好だ。
 前回平良市長選挙は、それまで一枚岩だった保守陣営が「自公協力体制」を支持する勢力と、それに反発する勢力とで分裂し、それが革新陣営にとっては好材料となり伊志嶺氏が勝利した。
 今回もこの三勢力は、そのままの構図を引きずっている。反自公勢力の旗頭・下地幹郎氏(衆院議員)が伊志嶺氏支持を打ち出した。一方で今回は圧倒的保守地盤だった郡部の旧四町村(城辺、伊良部、下地、上野)が加わり選挙区が拡大。そのせめぎ合いが勝敗を左右することになりそうだ。
 特に反自公勢力の動向が注目を集めている。宮古ではこれまで保守支持層の中心的立場にあったが、下地幹郎氏が自民党から離れたことによって、幹郎支持層がどの程度動くかが大きなカギとなっている。
  ◇  ◇  ◇
 今月八日に宮古毎日新聞が実施した世論調査によると、有権者の八割強が今回の選挙に関心を示しており、また市議会議員選挙も同時実施されることから、投票率は八五%前後には届きそうだ。
 有権者の関心は地域的に偏りがなく満遍なく関心を集めている。中でも有権者の六割を占める平良地区が最も高い数値を示しており、大票田平良の動向が選挙結果に大きな影響を与えることは明白だ。
 今月七日から始まった期日前投票も好調に推移し、全体の二割に達している。各陣営とも票読みが固い「確実票」として力を注いでおり、十二日の最終日まで続くことになる。投票率を八五%と仮定した場合、当落のボーダーラインは一万八千票となる。
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 また同時実施される市議会議員選挙も影響を与えそうだ。市議選は定数二十八に対し四十八人が立候補し、しのぎを削っている。この中で伊志嶺氏支持を表明しているのが二十人、下地氏支持が十九人と拮抗している。
 市議選も市長選同様に選挙区拡大で、各候補者とも戸惑う部分もあり、明確に市長選とセットで臨めない市議候補も多い。特に郡部だと「地縁」の色合いが濃く、従来の支持者を固めるため、市長選と完全に切り離した運動を展開せざるを得ない部分もある。従って市議候補の支持基盤がそのまま連動することは考えにくいのが現状。加えて中立の立場を取る市議候補が六人おり、その動向も複雑化させている。
   (恩川順治記者)

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「新市に尽くせたことが誇り」/川田市長職務執行者が退任

 宮古島市長が誕生する十三日を前に、川田正一市長職務執行者が十一日、任期を終え退任した。川田市長職務執行者は「短い期間だったが、宮古島市のために少しでも尽くせたことが誇り」と笑顔を見せ、新市長を中心に職員が一丸となって宮古島市の発展に尽くすよう期待した。
 川田市長職務執行者はこの日、城辺、伊良部、下地、上野の各庁舎を訪ね、退任を報告。午後四時五十分から平良庁舎で開かれたセレモニーでは、宮川耕次総務部長、久貝勝盛教育長ら市の幹部らが約四十日間の労をねぎらった。
 また、一階ロビーでは大勢の職員が花道を作り、川田市長職務執行者を拍手で見送った。
 川田市長職務執行者は「職員のおかげで任期を全うすることができた」と感謝。「今後は、新しい市長とともに宮古島市の発展のために頑張ってほしい」と激励した。
 川田市長職務執行者は、宮古島市が発足した十月一日に就任。市長の代理として条例の専決処分など、政策以外の事務手続きなどを行った。

 写真説明・職員に見送られ、宮古島市役所を後にする川田市長職務執行者=11日、宮古島市役所
 

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68農家が出荷希望/JA農産物直売所12月下旬オープン

 十二月下旬にオープンするJAおきなわ直営の農産物直売所「ファーマーズマーケット」に、六十八の農家が農産物出荷の申し込みをしていることが十一日までのJAのまとめで分かった。担当するJAおきなわ宮古地区営農センターは「農家の反応が良く、開店に向けていいスタートが切れた」とし、来週中にも契約者説明会を開いて開店に向けて本格的な準備に入ることを強調した。直売所は週一休の通年開催になる見通しだ。県内で二店目となるファーマーズマーケットは十二月下旬、JAおきなわ宮古地区事業本部農民研修センターで開店する。
 島の生産者が島で収穫した農産物を納品し、価格も自分で決めるファーマーズマーケットは地元生産による「新鮮さ」と生産者の顔が見える「安心感」、「安さ」が売りだ。JA拠点の主な直売所は全国で約二十店舗あるが、県内では糸満市の「ファーマーズいとまん」だけ。同店の売り上げは年間五億円にも上る。
 直売所に出荷を希望する生産者(原則としてJA組合員、準組合員でも可)はJAと契約しなければならない。契約した生産者は農産物を納品し価格も自分で決める(下限は調整)。直売所への手数料は売り上げの一五%で、売れ残った品物は生産者自らが引き取る。納品された農産物は直売所が販売を行い、注文があれば島内だけでなく沖縄本島や県外にも発送するというシステムだ。
 宮古地区営農センターによると、ファーマーズマーケットに関する農家の関心は高く。今後も直売所に出荷する農家は増える見込みだ。十二月は六十八戸の生産者でスタートを切る予定だが、引き続き出荷の申し込みは受け付ける。詳しくはJAおきなわ宮古地区営農センター(電話72・4588)まで。

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文化財保護で下地さん表彰/05年度県文化功労者表彰式

 【那覇支局】二〇〇五年度県文化功労者表彰式(主催・県教育委員会)が十一日、県庁講堂で行われ、宮古からは、文化財保護で下地康夫さん(72)=平良字東仲宗根=が表彰された。
 下地さんは、長年にわたって、旧平良市文化財保護審議会委員および市史編さん委員として文化財保護の促進に寄与するなど、地域の文化行政に尽力し、県の文化振興に貢献した。
 式では、仲宗根用英県教育長が「受賞者の皆さんには、今後も県の文化振興発展に尽力していただくようお願いしたい」と式辞を述べた。
 下地さんは「これまでやってきたことが認められ喜んでいる。『平和』への強い思いを持ち一般の人に対して戦跡ガイドなどを行ってきたことも評価されたと思う。これからも、われわれの足元である宮古島をしっかりと見つめ、大事にしていきたい」と喜びと抱負を語った。
 同表彰式は、芸術文化の振興や文化財保護に尽力するなど沖縄の文化の振興に功績のあった個人の功績をたたえるもの。今年度は、二団体、十三個人へ県教育長から表彰状が贈られた。

 写真説明・表彰状を手に喜ぶ下地康夫さん(左)と妻の美津さん=11日、県庁講堂

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   平和と自然の大切さ訴え/中渓さんが宮古で初植樹

 沖縄戦の犠牲者を悼み、戦没者と同じ二十三万本の木を植えようと活動を続けている中渓宏一さん(34)=神奈川県=は十一日、宮古農業試験場など宮古島市内二カ所で植樹を行った。中渓さんが宮古で活動を展開するのは初めてで「平和と自然の大切さを宮古の皆さんにも訴えたい」と話し、宮古に滞在する今月十五日までの間、苗木や植樹場所の提供を広く呼び掛けている。
 中渓さんは、二十世紀に戦争で亡くなった人たちのために、世界各地で植樹活動を展開している英国人のポール・コールマンさん(50)に賛同し、同様の活動を展開してきた。
 今年六月からは沖縄本島各地を徒歩で回り、一万三千本を植樹。八月二十七日からはコールマンさんの取り組みを支援してきた中渓さんが離島地域まで活動の場を広げ、二巡目となる植樹活動「沖縄ウオーク」を始めた。今回の植樹もその一環。
 この日、中渓さんは宮古農業試験場敷地内にイヌマキ十本、ヤブツバキ六本を、また久松地区にはハイビスカス四本、パキラ二本をそれぞれ植樹した。
 中渓さんは「土地が平らなせいか、他の島より緑が少ない」と宮古島の感想を話し、「苗木だけでなく、家庭から出る野菜や果実の種からも緑化を進めることは可能。平和と自然をもっと考えてほしい」と訴えた。
 中渓さんは苗木や植樹場所の提供を広く呼び掛けている。問い合わせは中渓さんは(電話090・6863・7410)まで。

 写真説明・自然と平和の大切さを訴えながら植樹する中渓さん=11日、宮古島市平良

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