200平成17  1110曜日

有権者8割強が高い関心/宮古島市長選・本紙世論調査

大半が支持候補者決定・浮動票の動きにも注目

 今月六日に告示され十三日に投開票される宮古島市長選で、宮古毎日新聞社は有権者の動向を探るため八日、世論調査を実施した。その結果、今回市長選について市民の関心は「ある」が全体の八五・四%となり、これまでの選挙に比べ全体的に盛り上がりに欠けるとの指摘はあるものの今回の結果を見ても最終的な投票率は八〇%を超えそうだ。関心があると答えた有権者のうち、投票する候補者を決めている割合は八一・五%となり、残り一八・五%の動向が選挙結果に影響しそうだ。
 今回の市長選には、伊志嶺亮氏(72)=社民、社大、共産、民主、自由連合推薦=と下地敏彦氏(59)=自民、公明推薦=が立候補している。
 両氏は三年前の市長選でも戦った経緯があり、本来ならば「保革一騎打ち」の構図だが合併による選挙区拡大により、新たな選挙構図が生まれ、これまでの保革の枠組みも薄れつつある。さらに県内政局の「自公」「反自公」の構図も有権者意識にはいまひとつ浸透しきれていないのが現状だ。
 今回の世論調査で「市長選挙に関心があるか」の質問に対して「非常にある」と「ある」の回答が八五・四%となっている。
 選挙区が拡大した初めての選挙ということもあり、立候補者たちが戦術の模索や新しい構図への対応に苦慮していることから盛り上がりに欠けているとの声も聞かれているが、実際の有権者意識は高く、今回選挙を注目しているようだ。
 調査実施日の八日現在で「投票する候補者を決めている」との回答は八一・五%。「決めていない」は一八・五%となっている。
 投票する候補者を「決めていない」と答えた割合を地区別に見ると、下地が最も多く三三・三%、次いで平良が二一・二%となり、城辺と上野は一二%、伊良部は八・三%となっていることから、平良と下地の浮動票の動きも注目となっている。
 また、「何を基準に候補者を決めるか」については「政策」が最も多く二九・四%、次いで「人柄」が二六・一%となり「これまでの実績」は一六・一%となった。男女別では男性が最も重要視するのが「政策」で女性は「人柄」となっている。
 きょう十日で投開票まであと三日と迫り、市長、市議選への立候補者たちの動きはさらに激しさを増す見込みとなっている。

 調査方法 
 調査は今月八日に宮古島市民の有権者を対象にRDD(ランダム・デジット・ダイアリング)方式で実施し、四百三十四人から回答を得た。コンピューターで無作為に抽出した番号に電話をかけることで、電話帳非掲載者もカバーできる。人口比や年齢構成比、男女比が旧五市町村の縮図となるように配慮した。
 

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緑の環境 情操教育に生かす/翔南高が九州緑化協議会長賞

 【那覇支局】二〇〇五年度(第五十六回)九州地区緑化推進大会が九日、那覇市の自治会館で開かれ、県立翔南高校(新崎直昌校長)が学校の部で九州地区緑化推進協議会会長賞を受賞した。長年の緑化活動の功績が認められた。
 同校は緑の持つ環境や情操教育に着目し、学校緑化計画を作成し、緑化を進めてきた。
 前身の宮古水産高校のときの一九八九年には県緑化コンクールに入選。現校名に改称後、同コンクールの準特選(九七年)、同特選(〇三年)に選ばれている。
 緑化活動は卒業記念や同窓生による創立記念事業など、さまざまな形で行われ、今では緑陰も多くなった。
 樹木の管理は、六月十日のクリーン作戦の日などに、生徒、職員が総出で実施。樹木に与える肥料は食品加工実習の際に出る魚の内臓などと枝葉を材料に作っており、活動の中でも特にユニーク。
 同肥料作りはリサイクルの意識を高め、環境教育を進める上で、効果を発揮している。
 新崎校長に代わって賞状を受け取った四方俊晴教諭は「受賞は生徒や先生たちが、長年取り組んできた結果。特に、本校の生徒は緑化に対する意識が高い。これからも、緑と花いっぱいの学校づくりに取り組んでいきたい」と喜びと抱負を語った。
 九州地区緑化推進協会会長賞は九州各県から四人の個人、三団体、五校が受賞した。
 式典で主催者の高江洲重一県緑化推進委員会理事長(代読)は「皆さんは長年の緑化推進活動が認められ受賞となった。今後も、地球環境を守る緑づくりに率先して取り組み、次代に引き継いでほしい」と祝福の言葉を述べた。

 写真説明・学校の部で九州地区緑化推進協議会会長賞を受賞した翔南高

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税滞納および納期限未到来分20億5800万円

/宮古島市納税向上へ指導員配置

 宮古島市(川田正一市長職務執行者)は、旧町村で町村税を各区長や班長が預かり納付していた地域があったことを受け、十一月一日付で城辺、下地、上野の三地区に宮古島市税指導員を配置した。法律により区長や班長の預かり納付はできないため、同市ではこれまでの旧町村での取り組みを廃止。指導員が滞納者や未納者を戸別訪問し督励や税金の預かり納付を行い、納税の向上を図る。二〇〇五年度九月末現在の五市町村合わせた旧市町村税徴収率は五六・七%で、収入済額は二十六億九千五百六万二千円。納付されなければならない全体の税額は四十七億五千三百二十一万三千円で、二十億五千八百十五万一千円 税滞納よび納期限未到来分となっている。
 旧平良市ではこれまで四人の指導員が配置されており、年間で約七千二百万円の預かり納付を行うなど実績を上げているという。宮古島市では市町村合併により城辺地区に二人、下地地区に一人、上野地区に一人の計四人を新しく配置。十一月一日付で川田市長職務執行者が委嘱状を交付した。伊良部では担当職員が対応に当たる。指導員は身分証明書を所有しているため、提示を求めれば提示を行う。宮古島市税務課の下地実課長は「財政が厳しい中、市税の徴収向上は課題。指導員により徴収を図ることができ、活躍が期待できる。納税に対する市民の理解と協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
 〇五年度九月末現在の旧市町村税の徴収率は五市町村全体で五六・七%。徴収率が高い順に下地が七七・二%(収入済額一億九千六百四十一万九千円、未納額五千八百二万四千円)、上野が六四・三%(同二億二千五百六十六万四千円、同一億二千五百四十八万二千円)、城辺が五五・三%(同一億九千百七十八万三千円、同一億五千五百十一万一千円)、平良が五四・九%(同十八億八千八百九十五万五千円、同十五億五千三百六十五万円)、伊良部が五三・七%(同一億九千二百二十四万一千円、同一億六千五百八十八万四千円)―となっている。
 十一月一日付で宮古島市税指導員として委嘱を受けたのは次の皆さん。(敬称略)
 ▽城辺地区=石垣清美、友利百美子▽下地地区=垣花タカ子▽上野地区=勝連秀一

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「火災のない宮古島市に」/秋季予防運動がスタート

 二〇〇五年度秋季火災予防運動が九日からスタートした。宮古島市消防本部では署員や出張所員ら五十一人が参加し特別点検や車両点検、予防広報パレードを実施した。伊舎堂勇消防長は「防火思想を啓発し火災のない宮古島市にしましょう」と訓示。十五日までの期間中に幼年少年防火パレードや防災フェア、火災防御訓練などを実施する。
 この日は特別点検が行われ、伊舎堂消防長が署員の服装や手帳をチェックした。また、車両点検では、機関員と点検員に分かれ各機器などの点検を実施した。
 点検後は消防車両で宮古島市一円をパレードし、地域住民らにさらなる防災意識の高揚を図った。
 この運動は火災が発生しやすい気候となる時季にあたり、火災予防思想のいっそうの普及と火災発生の防止、高齢者らを中心とする死者の発生を減少させることが目的。「あなたです 火のあるくらしの 見はり役」を全国統一標語に、九日から十五日までの七日間で各行事を実施し防火予防をPRする。
 重点目標は▽住宅防火対策の推進▽放火火災・連続放火火災予防対策の推進▽震災時における出火防止対策などの推進―となっている。
 特別点検を行った伊舎堂消防長は「宮古島市が誕生して初めての火災予防運動。期間中の行事が最終日までスムーズに実施できるように頑張ろう」と士気を高めた。

 写真説明・伊舎堂消防長(左)が服装や手帳など特別点検を実施した=9日、宮古島市消防本部

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2千`超え遠隔講義/宮古福祉保健所

 宮古福祉保健所の高江洲均所長らは九日、福島県立医科大学とISDN回線で結び、テレビ会議システムを使った遠隔講義を同大看護学部四年次生を対象に行った。高江洲所長らがトライアスロン宮古島大会での医療救護班の取り組みが災害時の医療体制につながった事例や、宮古の健康課題などを解説。学生からは福島県南会津地域の高齢者の健康に関する課題や具体的対策に関する研究内容が報告された。順調な通信状況により画像、音声とも鮮明で、二千`の距離を超えて互いに情報を交換し合った。
 高江洲所長は、トライアスロン宮古島大会で構築された、県立病院、地区医師会、保健所による医療救護班の体制が、二〇〇三年九月の台風14号襲来時の災害対応態勢に大きな役割を果たしたことを説明。「普段の診療を維持することが災害対策につながる」と強調した。
 松野朝之健康推進課長は、宮古島の健康課題について講義。宮古地区では中高年の男性で肥満の割合が高く、糖尿病や糖尿病予備軍につながっていることを指摘した。また久貝松江主任保健師が宮古島の高齢者の暮らしを、外間章一主事が災害対策時の情報システムを、それぞれ紹介した。
 引き続き学生が、南会津地方の高齢者に関して報告。高齢化が進んでいる上、豪雪が影響して高齢者の閉じこもりや運動不足が増えることを懸念し、具体策として送迎バスなど交通手段を確保して地域活動に参加してもらうことや小学校訪問による交流などを挙げた。
 今回の遠隔講義について高江洲所長は「宮古は島であるため、情報を受けるのも発信するのも難渋するが、こういう機会があると私たちのパワーアップにつながる。われわれの視点も変わってくる。できれば来年も継続してほしい」と話した。

 写真説明・福島県立医大看護部の学生に遠隔講義する宮古福祉保健所の高江洲所長ら=9日、宮古福祉保健所

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   陸上3種目で入賞果たす/全国障害者スポーツ大会県代表


 第五回全国障害者スポーツ大会に県代表として出場し、陸上競技三種目で入賞を果たした県立宮古養護学校の宮良成健君(高等部二年)が八日夜帰島し、宮古空港で同校の教職員らの出迎えを受けた。宮良君は「百bでは自己ベストを出すことができてうれしかった。応援ありがとうございました」と笑顔を見せた。
 宮良君は陸上競技の五十b、百bと四百bリレーの三種目に出場。百bでは表彰台はならなかったものの14秒8と、自己記録を更新し七位。五十bは7秒45で六位、四百bリレーは五位に入った。
 初めての全国大会について宮良君は「とても緊張した。大変だったけど、走れて楽しかった」と感想。今後の目標として、今月二十七日に行われる県養護学校体育大会を挙げ、「メダルを取りたい」と話した。県大会では二年百b、代表百b、代表四百bリレーに出場する予定。
 引率した古堅秀樹教諭は「初日の五十bは大舞台で緊張していたが、二日目の百bはリラックスして自己記録を出すことができたので大きな自信になったと思う。ほかの県代表選手と仲良くなり、他県の選手とも交流できたので、良い経験になったのではないか」と振り返った。

 写真説明・全国障害者スポーツ大会から帰島した宮良君(前列左から3人目)を宮古養護学校の教職員らが迎えた=8日、宮古空港

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