200平成17  11曜日

混迷政局で票読み複雑/「保革」の色合い薄れ

 六日に告示された宮古島市長選挙と市議選は選挙戦本番三日目の八日、十三日の投開票に向けて最後の集票に各陣営とも全力投入している。特に市長選は五市町村合併による選挙区拡大でこれまでの「保革」の色合いが薄れ、県内政局の「自公」「反自公」構図も有権者の間ではいまひとつ。しかし、政局は「自公」「反自公」色が強まりつつあり、有権者意識と実際の動きに差異がある。今後の展望を含め前回の旧五市町村首長選の結果を検証する。
 ◇前回首長選
 前回の旧五市町村の首長選では、三年前の平良市長選で今回の宮古島市長選に立候補している伊志嶺亮氏(72)=社民、社大、共産、民主、自由連合推薦=と下地敏彦氏(59)=自民、公明推薦=が立候補。さらに保守系から松原信勝氏も立候補し「保守分裂」「三つどもえ」の構図で、伊志嶺氏が保守分裂の追い風に乗り当選を果たした。
 城辺町長選は四期目を目指した仲間克氏が保革相乗り候補となった濱川隆氏と激戦を展開し、百五十七票の小差で振り切った。
 伊良部町長選は、保革の枠ではなく「当局派」、「反当局派」に分かれ、当時現職だった浜川健氏と新人の仲間明典氏の一騎打ちとなり、浜川氏が四百三票差で勝利を収めている。
 下地町長選は同町の第三セクター問題などが影響し二十八年ぶりの選挙となり、当時現職だった川満省三氏が新人の根間良雄氏を百八十二票差で退けた。
 また、上野村長選は無投票で川田正一氏が当選している。
 ◇支持状況
 旧自治体の前回選挙の状況と今回の宮古島市長選の構図を照らし合わせると、伊志嶺氏には城辺で濱川隆氏、下地で根間良雄氏、伊良部では前回町長選を戦った浜川健、仲間明典の両氏が支持を打ち出している。
 一方の下地氏には前回選挙で勝利を収めた城辺の仲間克氏、下地の川満省三氏、無投票当選となった上野の川田正一氏が支持している。
 平良に関しては、保守分裂となった前回選挙で下地幹郎衆議院議員や坂井民二前県議が松原氏を支持した背景があり、今回の宮古島市長選で下地幹郎氏、坂井氏とも伊志嶺氏支持を打ち出していることから松原氏が獲得した票の動きが注目となっている。
 ◇票の動き
 城辺と下地は前回首長選を戦った二人が今回選挙では別候補者を支持、伊良部は両氏とも伊志嶺氏支持、無投票の川田氏は下地氏支持となっているが、「市議選との同時選」「選挙区の拡大」など新たな条件もあり、その構図と獲得票がそのまま今回市長選挙に反映されるとは考えにくい。
 また、平良に関しても前回選挙で伊志嶺氏が獲得したのは革新票を基本に九千三百十五票。一方の下地氏は七千四十五票だが保守票全体でみると松原氏の四千九十八票を加え一万一千票を超える。しかし当時、松原氏を支持した下地幹郎氏と坂井民二氏の伊志嶺氏支持で、松原氏が獲得した票がどのような動きとなるのかも今後の焦点となっている。
 ◇焦点
 旧五市町村ともこれまで全体的に保守票が革新票を上回っているが、今回の市長選では合併による選挙区拡大と県内政局の「自公」「反自公」の動きも重なり、一部の保守票が流動的な状況となっている。今後の焦点としては従来の革新票を手堅くまとめた上で伊志嶺陣営が「反自公」の保守票をどの程度獲得するのか、下地陣営が多数を占めたこれまでの保守票をどれだけ堅守できるかがカギとなっている。
 

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出品代表7人を激励/県畜産共進会向け壮行会

 十、十一の両日に、東風平町の南部家畜セリ市場で開催される第三十一回県畜産共進会(肉用牛の部)に宮古地区代表として出場する根間貞勝さんら七人の壮行会(主催・宮古地区農業振興会)が八日、平良港で行われた。関係者らが参加し、七人を激励。宮古牛の上位入賞を祈願し送り出した。共進会では十日に牛の出品と測定が行われ、十一日に審査結果が発表される。
 壮行会であいさつした宮古地区農業振興会副会長を務めるJAおきなわ宮古地区事業本部の下地隆弘本部長は「宮古島産銘柄の牛をPRできる。個人と団体の上位入賞を目指してほしい」と激励。川田正一宮古島市長職務執行者は「努力した成果が発揮できると期待している」とエールを送った。
 出品者を代表して古謝誠栄さんは、「牛とともどもに共進会に挑み、良い成績を上げて帰ってきたい」と意気込みを見せた。
 宮古島市、JAおきなわ宮古地区事業本部、宮古和牛改良組合からそれぞれ報奨金が贈られたほか、全員で万歳三唱を行い共進会での好成績に期待を寄せた。
 宮古地区代表として出場、出品するのは次の通り。
 ▽若雌の部第一類=根間貞勝「みずき号」(平良字大浦)、伊山和吉「ふくみ号」(平良字島尻)▽同第二類=古謝誠栄「だいばん号」(城辺字長南)、荷川取繁「あやの号」(下地字高千穂)▽成雌の部第一類=伊良部平三「やすしげ号」(城辺字吉田)▽同第二類=喜屋武隆「たろう号」(平良字東仲宗根)、砂川勇「かずよ号」(城辺字吉田)

 写真説明・万歳三唱で上位入賞を祈願する出品者たち=8日、平良港

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宮古民謡の夕べ/宮古民謡保存協会

 宮古民謡保存協会(喜屋武稔会長)主催の第十回宮古民謡の夕べが六日午後、マティダ市民劇場で行われ、大勢の民謡愛好家が集い、自慢の三線を弾きながら宮古民謡の数々を披露した。会場には民謡ファンをはじめ出演者の家族らが多数詰め掛け、出演者らが弾く三線の音と情感たっぷりの歌声を堪能した。
 民謡の夕べには宮古民謡保存協会の会員をはじめ、多数の民謡研究所で民謡を学ぶ大勢の人たちが出演。八重山からの出演者もいた。
 また、賛助団体として舞踊研究所や琉舞練場、太鼓研究所のメンバーが出演。第十三回宮古民謡コンクールの入賞者たちも出演し、三線を弾きながら宮古民謡を歌い上げていた。獅子舞保存会のメンバーも勇壮な獅子舞で会場の雰囲気を盛り上げていた。
 出演者たちは日ごろの練習の成果を発揮しながら舞台に集中。一つ一つの音を丁寧に弾く演奏は会場の聴衆の歓声や拍手を誘っていた。
 宮古民謡保存協会の喜屋武会長は民謡の夕べ開催に当たり「会員は宮古島の文化遺産である宮古民謡を愛し、保存、継承して後世に伝えるべく研究を重ねて民謡の普及発展に努める」とし、今後も宮古民謡の魅力を内外に伝えていく決意だ。

 写真説明・宮古民謡を情感たっぷりに歌い上げる出演者=6日、マティダ市民劇場

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「平和教育」最終年次で発表会/下地中・平和へ思い新た

 宮古島市立下地中学校(川上哲也校長)は八日、同校体育館で「平和教育」最終年次研究発表会を開いた。生徒たちがこれまでの活動を振り返り、平和や心の教育について発表した。全校生徒、教諭のほか、父母や学校関係者らが大勢訪れ、生徒たちの発表に耳を傾けた。
 同校は二〇〇三年から〇五年度までの三年間、県教育委員会から平和教育研究校の指定を受けており、「思いやりのある生徒の育成」をテーマに「つむかぎ集会」を開き、平和学習会や各種交流会などを実施している。
 発表会で各学年の代表がこれまでの活動を振り返った。三年生は「つむかぎ集会から学んだこと」をテーマに六人が代わる代わる活動を振り返った。平和集会について「みんなで刻んだ『心』の文字。全員の心を一つにした。反戦への思いを新たにした」と感想を述べた。
 川上校長は「子供たちの自主・創造、心の変容を見ることができた。学校いっぱいにつむかぎの花を咲かせてほしい」とあいさつした。
 生徒会長の上地一馬君は「これからも平和について考え、みんながずっと笑顔でいられるように願い続けていきたい」と述べた。

 写真説明・生徒たちがこれまでの活動を振り返り感想を述べた=8日、下地中学校体育館

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新市誕生記念し歩行者天国/12日西里通り

 「見て楽しむ!参加して楽しむ!西里大通り」をキャッチフレーズに、宮古島市誕生祭歩行者天国(主催・まちなかフェスタ実行委員会)が十二日、西里通りで開催される。時間は午後五時から同九時まで。西里通り全体をイベント会場に特産市やショータイム、ちびっこのど自慢など同通りの十カ所で各種イベントを開催する。市社会福祉協議会では希望があれば車いす利用者や高齢者などの送迎も行い、高齢者や障害者もともに参加して楽しめるよう取り組んでいく。主催者では多くの参加を呼び掛けている。八日、宮古島観光情報センターで会見が行われ宮古島商工会議所の砂川久伸振興課長、宮古島市誕生祭実行委員長の下地恒洋さんが「たくさんの人が参加し楽しむイベントにしたい」とPR。市社協の奥平玄孝会長、嵩原史也事務局長は「地域福祉につなげたい」「イベントを通し心のバリアフリーを目指したい」と期待を寄せた。
 同イベントは「宮古島まちなかフェスタ21」実行委員会とタイアップし開催。歩行者天国では県立宮古高校吹奏楽部、花園幼稚園仮装パレードを皮切りに▽特産市(西里通り共同駐車場)▽バスケットボールスローインコンテスト(ジョイ・ジャングル前)▽サッカーリフティング(ファミリーマート前)▽道いっぱいクレヨン落書きコーナー(スパイラルU前)▽花園幼稚園ショータイム(ファッションM前)▽三線体験コーナー(花ギャラリーTOMOE前)▽ちびっこのど自慢(モスバーガー宮古島店前)▽かぎ花バンドライブ(海邦銀行前)▽大道芸人によるパントマイム―などが行われる。
 問い合わせは西里大通り商店街振興組合(電話75・0965)、宮古島商工会議所(電話72・2779)まで。

 写真説明・西里通りを挙げての宮古島誕生祭をPRした=8日、宮古島観光情報センター

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   セッター、サーブ賞受賞/九州大学リーグ男子1部

 九州大学バレーボールの秋季リーグ男子一部がこのほど閉幕し、沖縄国際大学の下地将一郎選手(一年、平良中出身)が、サーブ賞とセッター賞を受賞した。ダブル受賞に下地選手は、「セッターはなかなか得点のできないポジションなので、セッター賞だけでなく、サーブ賞を取れてうれしい」と話した。下地選手は美里工業高校時代からチームの司令塔・セッターとして活躍。また、相手の守備を崩す強烈なジャンピングサーブも武器としている。
 春季リーグでは持ち前のトスワークでセッター賞を受賞したが、サーブ賞は1点差で届かなかった。その悔しさをばねに、秋季リーグでは7試合で37得点をサーブポイントで挙げた。下地選手は「セッターは自分で得点を挙げるポジションではないので、サーブでチームにプラスになればと思っている。前回1点差で逃したサーブ賞は狙っていた」と喜んだ。
九州男子リーグ一部は沖国大を含め八チームが所属。各チーム七試合ずつを戦い、優勝を争う。強豪のひしめく中、沖国大は苦戦を強いられ七位に終わった。下地選手は「セッター賞を頂けたのはうれしく思うが、自分のトスミスで負けた試合もある。もっと練習して、この賞に恥じない力を付けたい」と話し、意気込みを見せた。

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