2005年(平成17年)
11月7日
月曜日
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7日間の選挙戦がスタート/
宮古島市長選 伊志嶺、下地氏が届け出
十一月十三日投開票の宮古島市長選挙と同市議会議員選挙(定数二十八)が六日、告示され市長選には旧平良市長の伊志嶺亮氏(72)=社民、社大、共産、民主、自由連合推薦=と元宮古支庁長で旧城辺町助役の下地敏彦氏(59)=自民、公明推薦=の二人が届け出を済ませた。両陣営の出陣式では選挙戦勝利に向けて支持者らと気勢を上げた。また、市議選には四十八人が出馬。二十八議席をめぐる激しい攻防戦が幕を開けた。五日現在の有権者数は四万二千四百三十四人。
合併により拡大した選挙区と同時選という難しい条件も重なったことから、候補者たちは支持拡大の戦術を模索しながらの動きとなりそうだ。投票は十三日、即日開票される。
伊志嶺陣営の出発式は平良字下里の選挙対策本部事務所で行われ、推薦した党の代表、関係者らが、集まった支持者らにさらなる支援を求めた。また、宮古出身の下地幹郎衆院議員や前県議の坂井民二氏も応援に駆け付けた。
下地陣営の出陣式は平良字西里の選挙対策本部事務所で行われ、稲嶺恵一知事や保守系県選出国会議員、自民党県連、公明党県本部から代表が激励のあいさつを行い下地氏支持を訴え、最後はガンバロー三唱で気勢を上げた。
今回の市長選は、「自公」「反自公」の要素も強まり、実質的に保守分裂選挙となりつつある。県内政局の「自公」「反自公」の対立構図で見れば、来年の県知事選に向けた最初の選挙ということもあり、各方面からも注目されている。
一方の市議選は定数二十八に対して四十八人が出馬。選挙区拡大と市長選との同時選で新しい構図が生まれ、これまでの支持票が分散していることと、全体的に盛り上がりに欠ける現状にほとんどの候補者が不安を抱えたままでのスタートとなった。
市内各地に設置された今回選挙の看板には市長、市議候補のポスターが張られ、圏域全体が選挙ムード一色となった。合併新市「宮古島市」の未来を託すリーダーと二十八人の代表に対する有権者の答えは十三日に下される。
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平和と豊かさ訴え
/伊志嶺 亮氏(社民、社大、共産、民主、自由連合推薦)
合併し新宮古島市が誕生した。市町村合併というものは、国の押し付けによる仕方のないもの。しかし翻って考えてみると、圏域の良さを生かして新しい島づくりに生かす大きなチャンスでもある。
出馬表明してから、八つの基本政策を圏域隅々まで訴えてきた。市民らの握り返す握手は力強く、私の励みになった。残すべきものは平和で豊かで子孫に誇れる宮古島。小泉政権は、戦争できる国へと進めようとしている。沖縄の基地縮小もまったく進んでいない。沖縄は国から見放されていると言ってもいい状況。こういった状況を変えようという大きなうねりが出てきている。われわれは、その大きなうねりを宮古島でさらに大きくし、来る名護市長選、沖縄市長選、知事選でも反自公勢力を拡大し勝ち取っていこう。皆さんと一緒に、汗を流して勝利につなげていく。最後の最後まで協力をお願いしたい。
伊志嶺 亮(いしみね・あきら)1933(昭和8)年1月19日生まれ。伊良部字佐和田出身。57年岡山大学医学部卒。琉球政府立南静園長、宮古保健所長、宮古病院長などを経て、64年に伊志嶺医院開業。94年に第16代平良市長に就任し、3期務める。
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経済の活性化強調
/下地 敏彦氏(自民、公明推薦)
きょうから一週間、宮古島市の市民に私の政策を訴え豊かな新市をつくり上げたい。そのためには各種の事業を導入しなければならない。
私は世界一の観光の島づくりを実行するためにいろんな事業を実行する。観光産業は平和の産業であり総合産業。すべての分野を網羅して事業を進めなければならない。そして若い人たちの職場をたくさんつくる。そうすることでみんなが明日の生活に期待を持ち「新しい宮古島市をつくろう」という情熱に燃えてくる。
予算編成や予算の規模、どのように事業を導入するかについては国、県と十分に話し合わなければ何もできない。私には幸い、県知事、県議会をはじめとする各界各層の方々が最大限の支援を約束してくれている。経済を活性化させるため、多くの事業の導入に全力を尽くす。最後までの支持と皆さんの一票一票を私に投じてくれるようお願いしたい。
下地 敏彦(しもじ・としひこ)1945(昭和20)年12月10日生まれ。平良字下里出身。68年琉球大学理工学部生物学科卒。同年農林局水産部漁政課漁政係に採用され、企画開発部企画調整室副参事、農林水産部次長、県宮古支庁長などを経て02年に退職、同年10月城辺町助役に就任(05年8月退職)した。 |
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宮古島市議選48人が立候補/28議席めぐり攻防戦
十三日に宮古島市長選と同時に投開票となる同市議選挙(定数二十八)には四十八人が立候補を届け出て、候補者乱立選挙となった。合併による選挙区の拡大や同時選に対応する動きを模索しながら四万二千人を超える有権者に支持を求めていく。立候補者は届け出順に富永元順(52)、池間雅昭(55)、砂川明寛(45)、新城啓世(58)、富浜浩(61)、川満俊夫(60)、真榮城徳彦(56)、上地博通(55)、下里茂博(63)、下地博盛(55)、下地明(63)、友利雅巳(45)、与那覇昭雄(60)、与那覇タズ子(68)、宮城英文(63)、福井亮(32)、池間豊(54)、松原信勝(66)、棚原芳樹(42)、亀浜玲子(51)、垣花健志(55)、古波蔵小夜子(53)、與那嶺誓雄(55)、友利盛良(48)、平良隆(55)、仲間明典(52)、下地智(47)、新里聡(53)、洌鎌敏一(41)、池間健榮(50)、豊見山恵栄(55)、友利恵一(67)、佐久本洋介(58)、下地秀一(55)、上里樹(47)、山里雅彦(44)、前川尚誼(52)、松川寿雄(57)、砂川盛栄(54)、友利光徳(55)、東風平恭子(33)、宮国博(60)、新城元吉(64)、嘉手納学(40)、友利隆雄(52)、中村靖(31)、友利武雄(71)、大里進(54)の四十八氏となっている。 候補者の内訳は、旧五市町村の前職は平良が十八人。城辺が七人、伊良部が四人、下地が二人、上野は三人となっている。そのほか、元職は三人。新人は十一人となっている。
そのほか所属別では、無所属が最も多く四十人で自民党が二人、公明党二人、民主党二人、社大党一人、共産党一人となっている。
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「ヒヤサッサ」の掛け声響く/伝統、創作に20団体が競演
第4回クイチャーフェス2005
「第四回クイチャーフェスティバル2005―宮古ぴてぃーつ(宮古はひとつ)―」(主催・同実行委員会、宮古毎日新聞社)が六日午後、宮古島市平良のカママ嶺公園多目的広場で行われた。伝統・創作クイチャーに千二百人が出演。「ヒヤサッサ」の掛け声とともに躍動感あふれる踊りやエネルギッシュな舞などを披露。会場を埋めた観客四千人は感動と興奮に包まれた。全員によるクイチャー大共演では、大きな輪・笑顔が満開となって最高潮に達した。(別刷りで写真特集、8面に関連)
今回は伝統クイチャーの部に十一団体、創作クイチャーの部に九団体が出演。伝統クイチャーの部に出場した団体らは、地域の個性あふれたクイチャーを演じた。そろいの衣装で両手をあげて舞い、大地を踏みしめる勇壮な踊りに、会場は万雷の拍手が響いた。
一方、創作クイチャーの部では、若者たちがエネルギッシュな踊りで競演。趣向を凝らした舞に、惜しみない拍手が送られ指笛が鳴り響いた。
創作クイチャーの部で審査の結果、「アパラギ賞」にフィットネス・ヨナミネ(与那嶺幸子代表)、「パニパニ賞」に太陽っ子隊(徳嶺安子代表)、「プカラス賞」にぶどぅれサンガ!(新垣太作代表)が決まった。
演目の合間には、同実行委員会大会長の川田正一宮古島市長職務執行者、宮古支庁の兼城克夫支庁長、宮古毎日新聞社の真栄城宏社長(代読)があいさつ。「伝統クイチャーは、先祖代々から受け継がれた文化遺産。さらに継承・発展していくことを期待する」などと述べた。城辺の比嘉民俗芸能保存会は比嘉の獅子舞を披露。また仲間精一氏らが「多良間シュンカニ」などを熱唱し華を添えた。
出演団体は次の通り。
【伝統クイチャーの部】▽漲水クイチャー保存会(代表者・下地キミ・平良ヨシ)▽友利郷土芸能保存会(同・友利元誠)▽荷川取クイチャー保存会(同・与那覇秀夫)▽福里クイチャー保存会(同・謝敷正原)▽佐良浜ミヤークヅツクイチャー保存会(同・川満昭吉)▽西原クイチャー保存会(同・長田昭彦)▽池間島クイチャー愛好会(同・仲間安子)▽下地子供会クイチャー愛好会(同・川満武仁)▽新城クイチャー保存会(同・下地徹)▽うるかクイチャー愛好会(同・砂川佳一)▽多良間村文化協会(同・本村恵真)
【創作クイチャーの部】▽みつば幼稚園・保育園みつばアンジェラス(代表者・當間弘子)▽ママーキッズ(同・仲地厚子)▽太陽っ子隊(同・徳嶺安子)▽平良ネーネーズ(同・比嘉真鈴)▽かぎ花(同・砂川朝賢)▽ぶどぅれサンガ!(同・新垣太作)▽宮古高校(同・湧川彩)▽新羅(同・前里昌吾)▽フィットネス・ヨナミネ(同・与那嶺幸子)
写真説明・クイチャー大共演では全員が楽しくクイチャーを踊った=6日、カママ嶺公園多目的広場
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6人が宮古代表で県大会へ/宮古地区童話 お話・意見発表大会
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「おばぁありがとう」展開催/上布の世界広がる
「第六回宮古上布展―おばぁ ありがとう―」が三日、上野字新里にある宮古島苧工房で行われた。同工房の新里玲子代表が地域のお年寄りたちが績んだ苧麻糸を使った着尺や帯を展示。宮古上布として新しく生まれ変わった苧麻の世界を演出した。会場には宮古上布従事者や愛好者ら多数が訪れ、上布の世界を堪能していた。
この展示会は、苧麻績みを行っているお年寄りたちに績んだ糸がどのように使われどういった宮古上布となるのかを実際に見てもらうことで、手績みの技術に自信をもってもらおうと開催。同工房で買い取った苧麻糸で織り上げた着尺六点、帯十点、古布一点を展示・販売した。会場には糸績みを行っているお年寄りや総合学習で宮古上布に取り組んでいる宮古農林高校の生徒たちも訪れ、作品一つ一つに見入っていた。
新里代表は「毎回反響が大きく、糸を績んでいるおばあたちも喜んでくれている。地域に糸績みの技術を持ったお年寄りたちがいかに潜在しているか分かる。これからも開催しておばあたちに自信を持ってもらいたい」と話した。
写真説明・草木染めで仕上げた数々の宮古上布を展示し、宮古上布の世界を紹介=3日、上野字新里にある宮古島苧工房
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竹馬競争などに沸く/多良間村民運動会で交流の輪
【多良間】多良間村村民運動会(主催・同村役場)が三日、同村立多良間小学校グラウンドで開催された。参加した大勢の住民が競技を満喫。交流を深め、楽しいひとときを過ごした。
スポーツを通して村民の健康増進と心の触れ合いを大事に、明るい平和で豊かな地域づくりと活性化を図る目的で開催された。
運動会には子供から大人まで大勢の住民が参加。土原、天川、津川、宮良、嶺間、大道、大木、吉川、水納の各区対抗で行われた。
午前の部では児童・生徒、各区の代表らが竹馬競争で熱戦。午後の部では婦人会の団体演技、年代別リレー、綱引きなど多彩なプログラムで会場を沸かせた。最後には、会場も一体となってクイチャーを踊り、フィナーレを飾った。
写真説明・大勢の住民が参加し、竹馬競争などで交流を深めた村民運動会=3日、多良間小学校グラウンド
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