200平成17  1030曜日

宮古島市同時選、告示まで1週間/盛り上がり今ひとつ

 十一月十三日に施行される宮古島市長選、市議選の同時選挙告示(同六日)まできょう三十日で一週間と迫った。すでに市内各地には立候補者のポスターを張る看板も設置されて、選挙ムードを盛り上げている。合併により拡大した選挙区と同時選に加え、ねじれた複雑な政局も影響してか有権者の盛り上がりは今ひとつ。関係者の間では「投票率は予想よりも低くなるかもしれない」との声も聞かれ始めている。なかなか盛り上がらない状況に市議選への立候補予定者も危機感を募らせながらの取り組みとなっているようだ。

 今回の市長選には伊志嶺亮氏(72)=民主、社民、共産、社大推薦と下地敏彦氏(59)=自民、公明推薦が立候補を表明しており、保革一騎打ちの様相となっている。 また、宮古出身で衆議院議員の下地幹郎氏が「反自公」を強調し、二十八日に伊志嶺氏を支持する方針を打ち出したことから、宮古地区の保守支持層の中で実際に「自公」「反自公」の構図が成立するのかも注目が集まっている。
  下地幹郎氏の方針決定は、保守系の候補者選考委員会で最終選考まで残った前県議の坂井民二氏の動向にも影響を与えそうだ。 一方の市議選は定数二十八に対して四十六人が立候補を予定し、激しい支持取り付けの攻防戦を展開している。ほとんどの陣営が立候補予定者全体と自らの状況を照らし合わせての選挙分析や当選ラインを予想した動きとなっている。
  市議選の立候補予定者の多くが盛り上がりに欠けている現状を不安視している。宮古島市選挙管理員会によると九月一日現在の有権者数は四万二千四百三人。これまでの支持票や地縁血縁票だけでは難しいとの判断から、各陣営とも支持拡大に向けての激しい動きとなっており、投票率は市議選の盛り上がりも大きな判断材料となりそうだ。

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看板・印刷業者大忙し/同時選控え「特需」

 宮古島市長選、市議会議員選の告示(十一月六日)まできょう三十日であと一週間と迫った。各候補者は旧五市町村の合併により、拡大した選挙区に戸惑いを隠せない様子ながらも着々と準備を進め、すでに水面下では激しく火花を散らし臨戦態勢に入っている。一方で、候補者にとって必要不可欠な名刺や遊説カーの看板などを製作する業界も「合併により拡大した選挙区」でいつにない活気を見せている。
 宮古島市内のある看板製作業者は「旧町村部ではほとんど必要のなかった遊説カーの看板に加え、複数の事務所を持つ候補者が多くいることで、看板の需要は通常の二倍に高まっている」とうれしい悲鳴を上げる。
 幅広く市民に支持浸透を図る上で、重要な戦略の一つとなるのが街頭での遊説だ。告示後は、候補者らは市内を駆けめぐり、支持拡大のため、政策を訴える。
 これまで旧町村部の議員選挙戦では、ほとんど見られなかった遊説運動も、合併による選挙区の拡大から、その重要性は必然的に高まる。
 旧郡部から議員選に立候補を予定している前職議員は「地元に加え、大票田の平良地区で支持浸透を図らないと苦しいのが現状。しっかりと取り組みたい」と、初めての遊説に意欲を見せる。
 後援会事務所に設置する看板も同様だ。旧市町村長選、議員選ではそれぞれ後援会事務所を複数構えるケースは少なかったが、宮古島市長選予定候補者は各市町村に事務所や連絡所を開き、広域的に選挙体制を築いている。議員選でも地元(旧市町村)に加え、他の大票田の地区に連絡所や事務所を構えるケースもある。市内の不動産業者も「選挙区が拡大したことで、旧郡部から旧平良市に事務所を出すケースなどもあり、アパートの空き部屋など需要はそこそこある」と話す。
 候補者の名刺やポスター、政策を訴えるチラシを作成する印刷業界も今回の選挙で活気づいている。
 今回の議員選挙に立候補を予定している候補者の三割以上から名刺印刷を受注しているという宮古島市内の印刷会社によると、一人につき二万―三万枚の注文があるという。
 同社によると、二〇〇一年の旧平良市議会議員選の立候補者が注文した名刺の枚数は二千―三千枚。選挙区拡大により、注文枚数は平均十倍に膨れ上がった。「今までは部落に配る分を中心に注文していたが、今回はそうもいかない。名前を広く覚えてもらうためにも五十倍以上、注文した」と話す旧郡部の前職もいる。
 同社代表は「名刺は告示前後まで駆け込み需要が増える可能性もある」と話している。

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土地売買契約を解除/池間島保安林伐採問題

 池間島の字有地売買に伴って県指定の海岸保安林の一部が伐採された問題を受け同島の自治会の臨時総会が二十九日、池間公民館で開かれた。この中で、総会に諮らず不動産会社と土地売買契約を結んだ自治会役員が土地売買の経緯について説明し陳謝。土地の売買契約を解除したことや土地代金として受け取った二百万円は個人負担で全額を返済することを強調するとともに「百パーセント私が悪い」と非を認めた。結局、この日は二〇〇四年度決算や自治会費の収支を審査する委員会の設置を確認しただけで、残りの議案審議は行われないまま流会した。
 問題の土地は池間小中学校裏側から西へ約八百b先の字有地の原野。同会は今年八月、市内平良の不動産会社と土地売買契約を結んだが、財産の取得や処分に関することは総会で審議することが会則で定められているにもかかわらず、ある役員が独断で契約を結んだために、会員らには分からないまま土地売買契約が結ばれていた。
 臨時総会ではこの役員を会員らが追及。ある会員は「なぜ総会にも諮らず勝手に土地を売ったのか。保安林も伐採されてしまった」と強調。これに対し同役員は「土地を売ったことに関しては私の勇み足でやったことで心からおわびしたい」と陳謝。保安林伐採については「私が許可したわけではない。業者がやったことだ」と述べ、理解を求めた。
 また「(土地代の)二百万円の返済はどうするのか。返済できなければ自治会が訴えられるのではないか」という懸念の声も。同役員は「五十万円は返した。あと百五十万円残っているが、五十万円は今年中に、残りは来年三月末までに返済する。自治会には絶対に迷惑をかけない」などと強調した。
 結局、話はまとまらずに総会は終了。ツカサ誕生で、神事に必要な資金を集めるという大事な案件も審議できないまま流会した。総会後、本紙取材に応じた同役員は二百万円の使途について、五十万円はフリーマーケットの整備費用、約五十万円は役員給与、残りはツカサたちの着物代や草刈り機、清掃の労賃などに充てたと説明。五十万円は残していたため、契約解除後すぐに返済したという。


写真説明・土地売買契約について激しい議論が交わされた池間島の自治会の臨時総会=29日、池間公民館


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「ダイビングは楽しい」 障害者9人が参加

 第四回宮古島バリアフリー体験ダイビング(主催・宮古島市社会福祉協議会、宮古島マリンリゾート協同組合)が二十九日、県立翔南高校潜水プールと伊良部島近海で行われた。身体に障害を抱える参加者九人が、プールで練習を積んだ後、海の世界へ。海の美しさやダイビングの楽しさを満喫した。ダイバーや高校生、手話サークルのメンバーなど約七十人のボランティアがサポートした。
 この日の午前は翔南高校潜水プールでトレーニングを実施。参加者は器具の扱い方、ボランティアはサポート体制を確認した。午後からは伊良部島近海へ移動。海の世界へ足を踏み入れ、普段の生活では見ることのない、海中の壮大な景色に見とれていた。
 初参加の下地繁さん(47)はプールでの実習を終え、「水の中は動きにくかったが、もう一回泳ぎたいと思った。早く実際に海に潜ってみたい」と息を弾ませた。
 主催者を代表して同組合の清水伸一代表理事は「事故もなくスムーズで快適に過ごせるよう全員の力を合わせ、楽しいダイビングにしましょう」と呼び掛けた。
 この体験ダイビングは障害者の体力増強、交流および障害者スポーツの普及、ノーマライゼーション(等生化)社会の心豊かな環境づくりの実現することが目的。

写真説明=ボランティアに支えられながらプール実習を行う参加者=29日、翔南高校潜水プール



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三島信子さんに最高裁長官表彰/調停委員22年の活動評価

 家庭裁判所の家事調停委員として二十年余にわたって活動を続けた三島信子さん(70)がこのほど、その功績を認められて最高裁判所長官表彰を受けた。三島さんが副会長・会長代行を務める平良調停協会の会員が発起人となった受賞祝賀会が二十八日夜、市内のホテルで開かれ、関係者が三島さんの受賞をたたえ、今後のますますの活躍に期待を込めた。
 三島さんは「多様化する調停制度の中で当事者との対話、話を聞く、相手の痛みを知る、秘密保持という基本を原則とし、紛争解決に努めてきた。研さんに励むことを心構えに多くの方々に支えられ、このような大きな賞を頂き感謝している」と喜びの言葉を述べた。
 三島さんは一九八四年に家事調停委員に任命され、裁判官とともに数々の家事調停に携わってきた。九八年には「名の変更」や「戸籍訂正」などに関与できる参与員にも任命され、二〇〇〇年には日本調停協会連合会の理事長表彰も受けた。
 主催者を代表して発起人の一人、島尻弘さんが「この受賞は三島さんが長年にわたり誠実に活動したたまもの。家事調停は人と人とのかかわりが強く、大変ご苦労されたと思う。また調停協会の副会長としてもリーダーシップを発揮されている」とたたえた。
 那覇地方裁判所平良支部の足立勉支部長は「三島さんは調停委員、参与員として困難な事件を解決に導き、多大な貢献をされ、調停協会の役員として調停制度の充実にも尽力された。今後もますます健康で後進の指導に尽力されることを願う」と祝辞を述べた。
 祝賀会では出席者による歌や踊りが披露され、三島さんの受賞を大いに喜んだ。
 調停 民事調停法に基づき裁判所で行う手続きで、裁判官と調停委員二人の計三人による調停委員会が紛争の当事者を仲介し、当事者双方の互譲による合意に基づいて解決を図る。金銭や土地・建物などに関する民事調停と離婚や認知請求など家庭に関する問題を取り扱う家事調停がある
 家事調停委員 家庭に関する問題についての調停で、調停委員会の一員として裁判官とともに当事者らの言い分を聞いたり紛争の解決案を示すなど、公平で妥当な解決ができるよう調停を進める


写真説明・表彰状を手に受賞を喜ぶ三島さん=29日、ホテルアトールエメラルド宮古島


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   異文化の情緒漂う/ハロウィーンパレード

 花園幼稚園(岡本福子園長)とWindowズ留学センター(長崎悦子代表)は二十九日、午前と午後に分けて異国情緒漂うハロウィーンパレードを西里、市場、下里などの市内平良のメーンストリートで行った。子供たちは奇抜な衣装を身につけかわいらしさをアピールした。
 通りには「トリックオアトリート」(お菓子をくれなきゃいたずらしちゃうぞ)という声が響き、ハロウィーン一色に。子供たちは、街の人たちからお菓子をもらい大満足の様子だった。
 踊りを披露したり、恥ずかしそうにお菓子をねだる子供たちに、商店街の人たちは目を細めながら、お菓子を配っていた。

写真説明・踊りを披露する花園幼稚園の園児たち=29日、下里通り


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