200平成17  1029曜日

反自公の「風」を強調/下地幹郎氏伊志嶺氏支持を明言

 十一月十三日に投開票が行われる宮古島市長選で、その意向が注目されていた宮古出身で衆議院議員の下地幹郎氏が二十八日、宮古入りし、立候補を予定している元平良市長の伊志嶺亮氏(72)=社民、社大、共産、民主推薦=を支持することを初めて明言した。取材陣の質問に対して下地氏は「今度の市長選では『自公』と『反自公』という形の中で伊志嶺亮さんを支持するということを明確に後援会の方々とも話し、多くの理解をいただいたのでその方向で進めていきたい」と述べ、今後、日程の調整が合えば十一月六日の告示日に応援に訪れることについても「可能」との見解を示した。
 宮古島市長選には伊志嶺氏と下地敏彦氏(59)=自民、公明推薦=が立候補を予定し、一騎打ちの様相となっている。
 今回の下地幹郎氏の来島は、支持者や同氏を支持する市議選立候補予定者の後援会事務所を訪れて激励することなどが目的で、宮古島市内のホテルで行われた支持者たちとの会合の後で、集まった取材陣に対して伊志嶺氏支持を明言した。
 伊志嶺氏を支持することに対して下地幹郎氏は「この選挙は一人しか勝てない。誰を選択するかは決めなければならない。私の政治手法は中途半端にはしないということであり、両方を推すようなこともするつもりはない。そういう意味でも明確にすることが大事だと思う」と述べた。
 また、宮古でも「反自公」の風が吹くかについては「吹かなければ伊志嶺さんは厳しいし、吹けば勝てると思う」と述べた。
 今年九月の衆議院選挙で国会議員に返り咲いた下地幹郎氏は、一九九六年十月に衆議院議員選で比例区九州ブロックで初当選するも自公路線の成立していた沖縄1区だったことから選挙区での出馬が困難な状況となっていた。三期目を目指した二〇〇三年の衆院選では無所属で選挙区から出馬するも公明党公認、自民党推薦の白保台一氏に敗れた。
 その後は「反自公」を掲げた動きを激しく展開し、今年七月にはこれまでの動きに対して自民党県連が下地幹郎氏の除名を求めた。これを受けて党紀委員会は離党勧告処分の判断を下し、下地幹郎氏は自民党を離党している。
 県内政局としては、沖縄1区の下地幹郎氏の勝利で「反自公」の社民、社大、民主とも来年秋の県知事選に向けた動きを展開しており、宮古島市長選は県知事選に向けた最初の攻防戦との判断となっている。また、稲嶺県政、自民党県連側も「自公」立て直し選挙のスタートとして位置付けている。
 県内政局の「自公」対「反自公」の構図が実際に宮古の有権者意識にも生まれるのかが今後の注目となっている。

 写真説明・記者団に対して伊志嶺氏支持を明言する下地幹郎氏=28日、市内のホテル

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エコデン県大会2部門制覇に喜び/宮工高・母校に笑顔の報告

 高校生が自作の電気自動車で走行距離を競う第七回県高等学校エコデンレース大会(主催・県工業教育研究会、県高等学校文化連盟)に出場し、ワイパーモーター、一般モーターの両部門で優勝を果たした県立宮古工業高校の生徒らが二十八日、同校で報告会を行い、笑顔で大会を振り返った。大会は二十五日、沖縄市で行われ、「BassiLine(バッシライン)2005」号がワイパーモーター部門で、「マクガン」号が一般モーター部門で、それぞれ優勝。来月二十三日に大阪府で開催される全国大会「’05気エコデンレース」に県代表として派遣される。ワイパーモーター部門は昨年、全国制覇を果たしており今年も快挙に期待がかかる。
 ワイパーモーター部門は自動車のワイパーに使用するモーター、一般モーターはそれ以外の一般モーターを動力に使い、各車ともバッテリーからの電力で走行。一周約二百五十bのコースを四十分間走り、その周回数で競う。同校はワイパーモーター部門で二年連続三度目の優勝、一般モーター部門は初優勝。
 今年のメンバーで唯一、昨年の全国制覇のメンバーでもある友利康浩君(三年)は「空気抵抗を減らすことに力を入れた結果、去年の車よりスピードが上がった。全国大会でも二連覇を目指して頑張りたい」と話した。
 バッシライン2005号は三年生の課題研究で製作された。昨年全国を制したバッシライン2004号をベースに空気抵抗をより減らすなどの改良を加え、見事優勝。ドライバーの平良元君(三年)は「去年、全国優勝しているのでプレッシャーもあったが、優勝できて良かった。車の完成度を上げ、今年も全国制覇したい」と笑顔を見せた。
 マクガン号は、「エコデン同好会」の生徒が製作。ワイパーモーターよりパワーのある一般モーター部門には同校から初出場で初優勝となった。ドライバーの根間達也君(二年)は「初めての大会はとても楽しかった」と振り返り、全国優勝に意気込みを示した。
 指導に当たった玉城厚司教諭は「うまくバッテリーを使いこなすよう練習したが、思い通りにいかなかった。全国大会まで練習を重ね、バッテリーの力をすべて出せるようにしたい」と話した。
 メンバーは次の通り。
 【BassiLine2005号】▽ドライバー=平良元(自動車機械システム科自動車コース三年)▽ピットマン=友利康浩(同)、松本元気(同)▽カウント係=上里誠(同)
 【マクガン号】▽ドライバー=根間達也(同二年)▽ピットマン=友利康浩(同三年)、佐久田和也(同科機械システムコース二年)▽カウント係=新里大地(同科自動車コース二年)

 写真説明・県エコデンレース大会を制したBassiLine2005号(左)とマクガン号。生徒と教諭らが2部門優勝を喜んだ=28日、宮古工業高校

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30・3度を観測/宮古島地方暑い1日

 宮古島地方は二十八日、南からの温かい風の影響で暑い一日となり、午後零時三分に三〇・三度を観測した。平年値(二六・六度)より三・七度高く、九月中旬並みの天気だった。
 宮古島地方気象台によると、きょう二十九日は、東シナ海から前線が南下することから曇り空となり、夜には雨が予想される。ただ、農家が望むようなまとまった雨は期待できないという。
 宮古島地方は、十月に入ってから雨の少ない日が続き、二十八日までに平年値(一七四・二_)の約二三%の四一_の雨しか観測されていない。

 写真説明・南からの温かい風の影響で暑い1日となった宮古島地方=28日午後

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芸術の秋彩る38作品/二季展

 二季会(下地明増会長)の第三十三回二季展が二十八日、西里通りにある花ギャラリーTOMOEで始まった。三十日まで。時間は午前九時半から午後五時。宮古島の風景や人々などを描いた十五人の作品三十八点を展示し、芸術の秋を彩っている。
 二季会の展示会は毎年春(五月)と秋(十月)の二回開催しており、会員たちがそれぞれ展示会へ向けた新しい作品を出展。今回は新しく入会した島袋正弘さんの作品二点も展示している。
 作品は宮古島の海やサトウキビなどの風景を描いた作品のほか、静物画、島の人々の姿を描いた作品など、作者個人個人の感性でとらえた風景が展示されている。

 写真説明・個性と感性が光る38点の作品を展示している二季展=28日、花ギャラリーTOMOE

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手打ちうどんに挑戦/園児の祖母招きクッキング

 宮古島市立福嶺幼稚園(新里二男園長)は二十八日、園児の祖母、松川スミ子さん)72)を講師に招き、「おばあさんのクッキング」を開いた。同園PTA(松川美幸会長)の母親らも参加し、手打ちうどんとヒラヤーチー作りを楽しんだ。
 松川スミ子さんは、同園の松川竜二君の祖母。食糧の乏しい松川さんの子供時代に、食卓に載る機会が多かったというめりけん粉の手打ちうどんに、野菜や肉などの具を混ぜて栄養価を高め、園児たちと会食した。
 松川さんは「子供たちは思ったより上手に手伝っていてうれしかった。これからもお呼びが掛かれば、いつでも駆け付けて孫たちの園生活に協力したい」と話した。
 PTA会長の松川美幸さんは「普段は、なかなか子供と一緒に料理をしないので子供にとっても良い機会になった。初めて作ったがおいしくできた」と喜んでいた。

 写真説明・出来上がった料理を前に会食を楽しむ親子と講師の松川さん(左)=28日、福嶺幼稚園

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   未然防止を万全に/下地島空港 初の不法侵入者対処訓練

 今年四月に発生した羽田空港への制限区域出入ゲート侵入事案など空港を狙った不法侵入が相次いでいるのを受け、宮古島市伊良部の下地島空港管理事務所(洲鎌忠司所長)は二十七日午後、同空港で初の不法侵入事案緊急対処訓練を実施した。総勢四十人が参加。本番さながらの迫真の訓練を展開し、不審者侵入の未然防止に万全な態勢を敷いた。
 この訓練は、同空港において、同種事案の発生を想定し、空港関係機関相互の緊密な連携・協力の下に実践的な不審者侵入防止対策訓練を行い、空港に対する脅威に迅速・的確に対応し、空港の安全性、定時性および効率性に寄与することを目的に行われた。
 訓練は、二○○五年十月二十七日午後四時ごろ、伊良部字佐和田において、男が普通乗用車を強奪して空港付近向け逃走したことを想定して行われた。逃走車両は、第四ゲートの鍵を壊して、エプロン内に侵入。通報を受けたパトカー二台が逃走車を追跡し、逃走車両を挟み込んで七番スポット付近で停車させた。犯人は車から降りると、警察官に激しく抵抗。警察官三人が犯人をねじ伏せて逮捕した。
 訓練終了後、大阪航空局下地島空港事務所の南川敏之空港長は「初めての訓練だったが、今回の訓練は成功裏に終わった」と評価し激励した。
 洲鎌所長は「きょうの訓練が、万が一に発生した時に生かされると思う」などと講評した。

 写真説明・本番さながらに訓練を行う警察官ら=27日、宮古島市伊良部の下地島空港


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