200平成17  1027曜日

宮古島市議選・立候補予定46人臨戦態勢/28議席めぐり攻防戦

 十一月十三日に宮古島市長選と同時に実施される市議選に向け、立候補予定者四十六人も後援会事務所開きなど準備をほぼ完了し、選挙本番に向け臨戦態勢となっている。合併による選挙区拡大で多くの立候補予定者が戦術を模索し厳しい取り組みを強いられているが、迫る投開票日に向け、支持基盤の堅持と拡大の動きを展開している。一方、宮古島市の議会は旧平良市議会議場で行われるが、これまでの議員席二十四席を四席増やす工事が現在進められて机の設置はすでに終了し、あとはいすとマイクなどの設置のみとなっている。
 市長選が注目される中で、二十八議席を争う市議選も激しい攻防戦が展開されている。市長選とのセット戦術を中心に運動を展開する陣営や支持者の意向が分散し、セット戦術が困難だと判断した陣営は、市長選に対する意向を前面に出さない取り組みで対応している。
 混迷を深める政局で市長選、市議選とも手探り、様子見の観が強く、市議立候補予定者の多くが「手応えがあまり感じられない」「運動員の量が少ない」「票読みが難しい」など初めての構図による選挙に不安を抱いているようだ。
 各陣営とも当確ラインの票読みを行いながらこれまでの支持層、今後の上積み票を計算した動きを展開しているが、約四万二千人の有権者を相手にした選挙は初めてで、これまでの支持基盤を固める動きだけでは足りないとの判断から地縁、血縁をたどり各地区で支持拡大の動きを展開している。
 しかし、立候補予定者が各地区で動きを展開すると、その地区を支持基盤とする立候補予定者にとっては不安要素となり、その立候補予定者も新たな支持拡大に向け各地で運動を展開するという構図が生まれ、それが「不安」につながり全体的に票の動きが見えにくい状況となっているようだ。
 一方、宮古島市議会は旧平良市議会の議場で行われることから平良庁舎の六階議場ではこれまでの二十四席を宮古島市議会の定数に合わせた二十八席にする工事を進め、二十六日までに四つの議員席の机が増設され、今週中にもいすが設置される予定となっている。
 二十六日現在で四十六人が市議選への立候補を予定しており、宮古島市議会の議場に設置された二十八席の一つに名札を立てられるかは十一月十三日に決定する。

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エコデンレースで県V/宮工高、2部門制覇の快挙

 工業高校の生徒らが製作した電気自動車の走行距離を競う第七回県高校エコデンレース大会(主催・県工業教育研究会、県高校文化連盟)が二十五日、沖縄市の県総合運動公園駐車場で行われた。宮古からは宮古工業高校が出場し、一般モーターの部で「マクガン号」、ワイパーモーターの部で「BassiLine2005号」が優勝、二部門制覇の快挙となった。ワイパーモーター部門は昨年に続き二連覇。
 出場した生徒らはきょう二十七日、同校で優勝の報告を行う予定となっている。また同校は十一月二十三日に大阪府で行われる全国大会に出場する。同校は昨年の全国大会でもワイパーモーターの部で優勝を果たしているだけに、二年連続の全国制覇に期待がかかる。

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漁師8人の勇気たたえる/伊良部独商船遭難救助で顕彰碑除幕

 独商船遭難救助佐良浜漁師顕彰碑除幕式・落成式(主催・同顕彰建立期成会)が二十六日、宮古島市伊良部の佐良浜漁港近くで行われた。住民、顕彰碑を寄贈した宮古島リハビリ温泉病院(奥原典一理事長)の関係者や住民らが出席。先人が命懸けで救助した勇気ある功績をたたえるとともに、博愛の史実を子々孫々に伝えていくことを誓い合った。
 今から百三十二年前の一八七三(明治六)年七月、ドイツ商船ロベルトソン号が宮国(現宮古島市上野字宮国)沖で座礁・難破。佐良浜漁師八人と宮国住民らが協力して乗組員らを救助し手厚く介護したとされる。佐良浜漁師は、佐久本宗太郎、濱川孫太郎、仲間善足、嵩原松、伊佐亀太郎、川満福吉、仲間善、仲間梅吉の八人。
 顕彰碑除幕式では、同期成会長の奥原典一氏、同会員の奥原栄次氏、漢那武三氏、久高義次氏、佐久本洋介氏の五人が幕を引いた。出席者らからは大きな拍手が送られた。
 顕彰碑は高さ二・五b、幅一b。重さ四・四d。台座は高さ六十a、横幅二b、奥行き一b。重さ三・三d。いずれも中国産の御影石。
 同碑のそばには石板が設置され、一九三六(昭和十一)年十一月十四日に沖縄県宮古郡教育部(明知延佳会長)が、救助した漁師八人・遺族に贈った感謝状の文面と漁師八人の名前が刻まれている。石板も同じ御影石。
 同除幕式の後、特設会場で落成式が盛大に行われた。
 会場には、仲間善足と伊佐亀太郎のひ孫にあたる仲間忠三さん(80)と妻のヨシさん(同)も出席した。

 写真説明・除幕を行った奥原会長(右)ら=26日、伊良部の佐良浜漁港近くの建立地

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宮古神社で「例大祭」/踊り奉納し繁栄祈る

 宮古島市平良の宮古神社では、創建記念日に当たる二十六日、祭礼の一つである「例大祭」を同神社で執り行った。末安大孝宮司ら関係者が多数列席。優雅な踊りも奉納され、宮古の向こう一年間の平安と子々孫々の繁栄などを祈った。
 同神社の前身は権現堂(宮古熊野三所大権現)で一五九〇年十月二十六日に創建された。熊野三神と併せて、豊見親三神(目黒盛定政命、與那覇恵源命、仲宗根玄雅命)が祭られている。一九四一年に現在の宮古神社に改称された。拝殿で、祝詞奏上が行われた後、久田舞踊研究所の下地朝子さんが宮古民謡「大世栄」の踊りを奉納した。
 下地さんは「このような場で踊らせていただけることを大変ありがたく思う」と話した。列席した浜川綾子さん=平良字久貝=は「祭祀ごとを祈る大事な場所。きょうは感謝しに来た」と、それぞれ話した。

 写真説明・宮古民謡の踊りが奉納された例大祭=26日、宮古神社

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子供たちが野菜の種まき/鏡原小で農業体験

 JAおきなわ宮古地区青壮年部(前川晃賢部長)は二十六日、宮古島市立鏡原小学校(伊計喜和子校長)の児童を対象とした農業体験学習を同校農園で実施。五、六年生計五十八人が慣れない手つきながらも、ジャガイモなどの野菜の種まき、植え付け作業に挑戦した。
 作物を作る苦労と収穫の喜びを体験すること、農作業を通して、地域農業への興味・関心を高めることが目的。同校の体験学習は総合学習の一環で、昨年に引き続き二回目。
 児童らが種まき、植え付けに挑戦したのはジャガイモ、サツマイモ、タマネギ、ニンジンの四種。今後、児童たちが主体となって水掛け、除草作業などを行う。いずれも収穫は来年三月ごろで、同校では取れた農作物を使ったカレーパーティーを予定している。
 砂川恵さん(六年)は「暑くて大変だけど、農作業も慣れれば楽しい。今年も豊作を目指したい」と意欲的。前川部長は「農作物が成長していく過程を観察しながら、農業について勉強してほしい」と呼び掛けた。
 伊計校長は「農業に興味を持ち、子供たちの今後の学習に役立ててほしい」と学習の意義を説明した。

 写真説明・協力して農作業に挑戦する児童ら=26日、鏡原小学校農園

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   シルバーの輝き、さらに/ひらら女声コーラス「きらきら」

 「オタマジャクシも読めない人もいるのよ」と笑顔で話してくれたひらら女声コーラス「きらきら」のメンバーがいた。歌声を聴くと、情熱は知識を超えると思わされる。年配のコーラスグループとしては宮古の草分け的な存在の同グループ。メンバーは七十六人。
 今月十六日に東京で開催された第二十回シルバーコーラス交歓会(主催・東京合唱連盟ほか)で講評者特別賞に輝いた。この賞はコーラスとして実力が認められたという証し。二十八団体中最大の同グループで平均年齢六十七・七歳とは思えない美しいハーモニーが会場中に響きわたった。今回はメンバーの五十人が参加した。「沖縄の力強さ、宮古島の心を届けたい」と「琉球木遣歌」、「とうがにあやぐ」の二曲を選曲した。
 来年で結成十年目を迎え、民謡から歌謡曲までレパートリーは幅広い。「何においても指導者に恵まれたから」とメンバーは語る。
 創設メンバーでもある下地文さんらの情熱にほだされて、指導をすることになった洲鎌律子さんは教職を退職されたばかりである。洲鎌さんは「この人たちにしか歌えない歌がある」と力強く語る。実際、「とうがにあやぐ」は同グループが音楽家の中村透氏に女声コーラス用に編曲を依頼したもの。
 また指導者の「ジャンルはこだわらずに音楽を楽しむ」と言ってコーラスに取り組む姿がメンバーたちのチームワークを盛り上げる。そのほかボイストレーナー平良晴美さんや伴奏を行う砂川千賀子さん、砂川麻美さんなど若いメンバーも加わり、しっかりと縁の下で支えている。
 発表の舞台では、おろし立てのコバルトブルーのコスチュームに凜とした横顔が印象的だった。歌い終わった後の高揚した紅顔や晴れ晴れとした笑顔が忘れられない。彼女たちのその浮き立つような雰囲気は言葉では表現できない。
 メンバーには、教職を退職した者や現役の者、人士などが数多い。どちらかといえば評価する側だろうと思われる。その人たちが評価されることの喜びを、まるで恩師を慕う生徒たちのように和気あいあいと楽しんでいる。まさにシルバーの輝きであった。

  (東京・菊地優子記者)

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