200平成17  1026曜日

新市建設向け政策アピール/伊志嶺氏・下地氏が持論展開

/市長選立候補予定者討論会

 十一月十三日投票の宮古島市長選まで二週間余に迫り、宮古毎日新聞社は二十五日、市長選立候補予定者の討論会を開いた。旧平良市長の伊志嶺亮氏(72)=社民、社大、共産、民主推薦=と、元宮古支庁長で旧城辺町助役の下地敏彦氏(59)=自民、公明推薦=の二氏が出席し、新市建設に向けたそれぞれの基本姿勢や政策などをアピール。伊志嶺氏は平良市長として三期十一年の実績を踏まえ、「観光とリンクした第一次産業の振興策に力を入れる」と明言し、下地氏は宮古支庁長と城辺町助役の経験を生かし、「経済活性化を十分推し進め、若者の雇用の場をつくる」と強調した。
 立候補の理由を伊志嶺氏は「私は市町村合併を宮古全体の新しい島づくりに向けた大きなチャンスととらえて、市町村合併推進協議会の会長として五市町村の合併をとりまとめた。その宮古島市誕生の責任と使命感がある。新市建設計画を着実に実現して宮古圏域の発展につなげていきたいとの思いで立候補を決意した」と述べた。
 下地氏は「宮古支庁長として圏域全体の課題に具体的に取り組み、城辺では市町村の抱える問題を肌身で感じた。今回宮古島市が誕生するこの歴史的節目に、圏域全体の問題を解決するため、私が提示している基本的政策を実行できれば本当に豊かな宮古島ができる、またそういうふうにしたい、との強い決意で立候補している」と話した。
 今選挙の争点について、下地氏は「何のために合併するかとの原点に帰って考えれば、行財政の改革を進めなければ、十分やっていけないということ。宮古の自立を考えた場合、経済活性化を十分推し進めていかねばならない。若者に仕事がない、経済を活性化しなければ生活が豊かにならない。争点は経済の活性化をどうするか、だ」と指摘。
 伊志嶺氏は「市町村の財政状況の悪化が原因で合併した。合併しても財政状況がすぐに好転するわけではない。その中で、宮古島市の経済発展をどう進めていくかが重要と思う。私は平和、経済活性化、教育や健康を軸に行政を進めていきたい。争点としては平和問題だ。安心して安全に生活できる生活環境が大事」と述べた。
 新市における行財政改革について、下地氏は「いま圏域全体で必要な生活基盤の整備はきっちりやらないとならない。具体的にはごみ処理施設や葬祭場、県立病院移転、伊良部架橋、天然ガス利用など、生活していくためにどうしても必要な事業を積極的にやる。そのために、予算の配分の仕方を大幅に変えないとならない。どうしても必要なものに重点的にシフトし、予算のめりはりを付けることによって全体的にそれほど予算をかけずできていくと思う」との考えを示した。
 伊志嶺氏は「職員数は、新市は千四十四人でスタートした。定員適正化計画を策定して、職員数の適正化を図っていく。消耗費、物件費などの歳出は、十年目で十一億五千万円の削減が目標。公共工事は、十年間で九百四十八億円の建設事業債が見込まれ、そのうちの二百八億円はリーディングプロジェクト事業に当てられるので、葬祭場、図書館など急を要する施設の建設に充てていく。普通建設事業では、グリーンベルト構想を実施し、防潮・防風林を島全体に植林する」と示した。
 島の自立について、伊志嶺氏は「宮古で大きな産業である観光産業と第一次産業をリンクした振興策が図られるべき」と強調。下地氏は「宮古島は基本的に農業、水産業が基盤。その支援が必要。若者の雇用の場をつくる必要がある」とした。
 そのほか、環境問題、下地島空港の将来展望、自衛隊のイラク派兵問題、稲嶺県政への評価などについてそれぞれの見解を示したほか、クロス討論では雇用対策や北部振興策などを議論した。

 写真説明・宮古島市長選へ立候補予定者の伊志嶺氏(右)と下地氏が討論会の前に握手=25日、宮古毎日新聞社

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広島・尾道工高がドイツ村に植樹/最後の修学旅行を記念

 広島県立尾道工業高校(中山正幸校長、生徒数二百二十六人)の二年生百十五人が二十五日午前、宮古島市のうえのドイツ文化村で修学旅行記念植樹を行った。フクギの苗木五本を丁寧に植え付け、思い出を残した。同校は、二○○七年三月三十一日付で廃校が決定し、四十五年の歴史に幕を閉じる。県の厳しい財政や少子化などが要因という。現在は一年生がおらず、今回の修学旅行が最後となる。県内に総合技術高校が開校する予定。
 記念植樹前に、同校の槙尾幸治教頭は「宮古島の思い出として記念植樹を行う。十年後、二十年後にこの地に訪れ、思い出のフクギを確認してください」とあいさつ。同文化村の博愛国際交流センターの古賀哲馬専務理事は、「昔、ドイツ商船がこの先の海で難破。地域の住民らが難破した人々を助けたことから、ドイツとの文化交流が始まり、ドイツ文化村は建設された」などと説明。その上で「フクギは台風にも強い樹木。毎年訪れて成長を楽しんでください」と歓迎の言葉を述べた。
 生徒代表の十人がそれぞれペアを組んで、高さ五十aほどのフクギの苗木五本を植えた。
 記念植樹した久保さやかさんは「植え付けには少し緊張した。いつかこの地に訪れてフクギの成長を見たい」と笑顔で話した。

 写真説明・フクギを記念植樹した生徒ら=25日、宮古島市のうえのドイツ文化村
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普及啓発月間でパネル展/シルバー人材センター

 県シルバー人材センター連合(嘉陽榮憲会長)と宮古島市シルバー人材センター(棚原恵照理事長)が実施主体となり、「事業普及啓発パネル展」が二十五日、宮古島市役所一階ロビーで始まった。十月の「シルバー人材センター事業普及啓発促進月間」の一環。二十八日まで。シルバー人材センターの事業について、市民の理解を広め、事業の発展・拡充を図るのが目的。会場には、同センターの活動内容を紹介する写真や、同センターの事業、高齢者を取り巻く雇用情勢などを紹介するパネル約六十点が展示されている。
 開会セレモニーで県連合の嘉陽会長は「活動を広く市民の皆さんに理解してもらい、今後の事業発展を願いたい」とあいさつ。宮古島市シルバー人材センターの棚原理事長は「今まで以上に会員が増え、高齢者の就業機会が増えるための窓口として、当事務局は努力を積み重ねたい」と事業拡充に意気込みを示した。
 川田正一・宮古島市長職務執行者は「シルバー人材センターは地域活性化に大きな役割を担っている。行政としてもその拡大、発展に協力したい」と述べた。引き続き、嘉陽会長、棚原理事長、川田市長職務執行者の三人でテープカットを行い、パネル展が開幕した。
 シルバー人材センターは、定年退職後も何らかの形で働き続けたいと希望する高年齢者が、自主的に参加して組織する公益法人で、経験を生かして働くことで生きがいを得ながら地域社会に貢献することを目的としている。六十歳以上の健康で働く意欲のある人なら誰でも会員になれる。
 宮古島市シルバー人材センターは今月十五日の臨時総会で、市町村合併に伴い「平良市シルバー人材センター」を改称して誕生した。現在の会員数は二百二十六人。対象範囲がこれまでの旧平良市から宮古島市全域に広がったことにより、さらなる会員数の増大と組織の拡充を目指している。

 写真説明・パネル展のテープカットをする(左から)棚原理事長、嘉陽会長、川田市長職務執行者=25日、宮古島市役所
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サシバ 1万9千羽余カウント/宮古野鳥の会調査

 宮古野鳥の会(岡徹会長)は二十五日、二○○五年サシバ飛来数調査の結果をまとめ発表した。それによると、飛来総数計一万九千七百三十三羽をカウント。同会では、「調査期間で天候の影響以外でピークが大きく二つに分かれなかったのが、今年の飛来パターンの特徴と言える」と分析した。
 調査は、同会と県自然保護課が実施。調査期間は今月八日(寒露)―二十一日までの十四日間。宮古本島の平良久松地区と伊良部島(伊良部総合支所屋上)の二ポイントでカウントした。
 サシバが最も多く飛来した時間帯は、午後四時―同五時までで計七千三百七十六羽。次いで午後五時―同六時までの計五千二百七十五羽。
 同会では「一九九四年から二○○三年までの平均飛来数は約二万二千羽で、今年もほぼ平均的な数字だった。サシバは岩手県から九州まで繁殖地とするが、今年の繁殖期はその地域の環境の大幅な劣化・悪天候による繁殖への影響は少なかったと推測される」と話す。
 サシバの飛来期間中、宮古島警察署は伊良部でサシバ密猟用のさお一本を押収するとともに、五人に指導・警告した。

 写真説明・秋空で乱舞するサシバ=20日、伊良部島

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健康増進と深まる親睦/狩俣老クラブ運動会

 「安全第一に あせらず あわてず なごやかに」をスローガンに平良地区狩俣老人クラブ(根間昌明会長)の二〇〇五年度第二十回運動会が二十三日、狩俣小学校グラウンドで行われ、会員が一堂に会し六十b走やボール投げ、スプーンリレーなどでさわやかな汗を流した。珍場面も随所で見られにぎやかな運動会を繰り広げた。
 運動会は毎年恒例となっており、健康増進を図るとともに交流と親睦を深めることが目的。同クラブではこのほかグラウンドゴルフや地域の清掃などを行っている。根間会長は「これからも多くの会員が参加できるような雰囲気づくりに取り組んでいきたい」と話し意欲を見せた。
 運動会は西、東、中の三分会対抗で実施。このうちボール投げでは分会を代表して参加した会員たちが力いっぱいボールを投げ距離を競った。中には思わぬ方向へボールが飛ぶなど珍場面も見られ、会場を沸かせた。

 写真説明・1位を目指し力いっぱいボールを投げ距離を競う参加者=23日、狩俣小学校グランド


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   読書の秋を満喫/砂川幼園児らがお話し会

 宮古島市立城辺図書館(下地利幸館長)では「読書月間」の活動で、図書館に親しみと読書への興味をもってもらおうと、二十五日、砂川幼稚園の園児らを招待してお話し会を開いた。
 園児らは、城辺の「おはなしサークルおっぱい」の絵本の読み聞かせや、人形劇を夢中になって聞いていた。
 下地館長は「図書館には本がたくさんあり、皆さんのお父さん、お母さん、お友達がたくさん来て読みます。皆さんも本を好きになってください」と話した。
 同館では、毎週第一日曜日、午後三時から同四時まで、「おはなしサークルおっぱい」によるお話し会が開かれている。

 写真説明・人形劇の人形で遊ぶ子供たち=25日、宮古島市立城辺図書館


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