広島県立尾道工業高校(中山正幸校長、生徒数二百二十六人)の二年生百十五人が二十五日午前、宮古島市のうえのドイツ文化村で修学旅行記念植樹を行った。フクギの苗木五本を丁寧に植え付け、思い出を残した。同校は、二○○七年三月三十一日付で廃校が決定し、四十五年の歴史に幕を閉じる。県の厳しい財政や少子化などが要因という。現在は一年生がおらず、今回の修学旅行が最後となる。県内に総合技術高校が開校する予定。
記念植樹前に、同校の槙尾幸治教頭は「宮古島の思い出として記念植樹を行う。十年後、二十年後にこの地に訪れ、思い出のフクギを確認してください」とあいさつ。同文化村の博愛国際交流センターの古賀哲馬専務理事は、「昔、ドイツ商船がこの先の海で難破。地域の住民らが難破した人々を助けたことから、ドイツとの文化交流が始まり、ドイツ文化村は建設された」などと説明。その上で「フクギは台風にも強い樹木。毎年訪れて成長を楽しんでください」と歓迎の言葉を述べた。
生徒代表の十人がそれぞれペアを組んで、高さ五十aほどのフクギの苗木五本を植えた。
記念植樹した久保さやかさんは「植え付けには少し緊張した。いつかこの地に訪れてフクギの成長を見たい」と笑顔で話した。
写真説明・フクギを記念植樹した生徒ら=25日、宮古島市のうえのドイツ文化村
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