200平成17  1020曜日

次長廃止に強く反発/「時期尚早」と不安の声

 県が二〇〇六年度から実施する、出先機関の組織改編についての説明会が十九日、宮古島市役所で開かれた。県の上原昭総務部長は、宮古支庁の次長を廃止するが、農業関係行政を統括する次長級の調整監を配置するとし、「宮古の農業振興を図る強化策。弱体化ではない」と理解を求めた。しかし、川田正一宮古島市長職務執行者ら地元側は、「宮古島市が誕生して間もない状況で、県が主体とならなければならない課題も山積しており、時期尚早だ」と新市、宮古島市に対する県の積極的な支援体制を求めた。
 〇六年度は次長のほか、農林水産振興課を廃止し、その業務を▽宮古農政・農業改良センター▽農林水産整備課▽宮古家畜保健衛生所―の再編後の三組織に統合する。また、この三組織の統括として、新たにこれまでの次長級に当たる「農林水産調整監」を配置する。多良間村の家畜保健衛生所は現行体制を維持する。
 支庁長ポストは〇六年度は継続する方針だが、次年度以降は今年度で策定する県行財政改革プラン(仮称)の中で決定する。
 説明会では、上原部長がこれらの見直し内容を出席した川田市長職務執行者、多良間村の下地昌明村長、経済団体の代表らに説明。
 上原部長は、「組織をフラット化することで意思決定の迅速化が図れる」とメリットを強調した。
 その上で、「本庁ではすでに次長職を廃止している。次長や課長補佐、副所長などといった中間職を廃止することで、最前線で働く職員増にもつながる」と述べた。
 しかし、川田市長職務執行者は「宮古島市は産声を上げたばかりで、新しい島づくりに向け動き出した矢先。県が主体となってやらなければならない課題も山積している。県政の柱でもある離島振興に逆行している。受け入れられない」と離島と県を結ぶ県宮古支庁の組織見直しについては縮小感が強いと反論した。
 下地村長は多良間村の家畜保健衛生所の現行維持に感謝しつつも「今後、地域の切り捨てにならないか不安な部分がある」と述べた。
 県の示している県宮古支庁の組織改編は現在の▽総務・観光振興課▽県税課▽農林水産振興課▽農業水産整備課▽土木建築課▽宮古福祉保健所▽宮古農業改良普及センター▽宮古家畜保健衛生所―の八組織を、〇六年度に▽総務・観光振興課▽県税課▽土木建築課▽宮古福祉保健所▽宮古農政・農業改良センター(農林水産振興課の一部を統合)▽農林水産整備課(同)▽宮古家畜保健衛生所―の七組織とする。
 今回の組織改編は県全体で七十四の出先機関が対象。県財政が厳しい中、簡素で効率的な組織・機構の確立が目的。

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下地さんらに農水大臣感謝状/長年の調査協力たたえる

 長年にわたって農林水産統計調査に協力した農林漁家らを対象にした、二〇〇五年度農林水産大臣感謝状伝達式が十九日、平良地方合同庁舎で行われ、宮古島市平良字荷川取の下地恵良さんら五人に農林水産大臣感謝状が伝達された。農林水産業関係者が集まり五人の功績をたたえ、施策立案に欠かせない統計調査への協力を求めた。同市城辺字西里添の勝連清さんら八人には沖縄総合事務局長感謝状が贈られた。
 感謝状の贈呈は「統計の日(十月十八日)」の記念行事として行われており、農林水産統計の普及・利用の拡大を図ることが目的。
 伝達式には沖縄総合事務局など関係機関の代表が出席。県宮古支庁の兼城克夫支庁長、宮古島市の川田正一市長職務執行者らが祝辞を述べた。
 同事務局の竹林義久局長(代読・秋本佳則農林水産部長)は「皆さんの果たす役割はとても重要。データを生かし効果的な施策の実現につなげたい」と激励した。
 下地さんは二十年にわたり調査に協力。受賞者を代表して「栄えある賞に心から喜んでいる。必要性を改めて認識し今後も協力したい」と決意を新たにした。受賞者は次の皆さん。(敬称略)
 【農林水産大臣感謝状】▽下地恵良(農業経営統計調査・二十年)=平良字荷川取▽天久栄雄(同)=城辺字下里添▽上地一郎(漁業経営調査・十年)=平良字久貝▽富盛玄次(農業経営統計調査・五年)=上野字宮国▽佐渡山清英(漁業経営調査・五年)=平良字前里
 【沖縄総合事務局長感謝状】▽勝連清(農業経営統計調査・一年)=城辺字西里添▽平安山繁(同)=城辺字福里▽羽地朝次(同)=下地字川満▽根間清志(同)=平良字狩俣▽勝連栄一(同)=上野字新里▽長浜一夫(同)=城辺字福里▽平良義雄(同)=下地字与那覇▽狩俣文夫(漁業経営調査・二年)=平良字東仲宗根添

 写真説明・農林水産大臣感謝状が伝達された(前列左から)佐渡山さん、下地さん、富盛さん、上地さん=19日、平良地方合同庁舎

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洗練された芸術堪能/日露交歓コンサート

 宮古島市誕生を記念したチャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院の「日露交歓コンサート2005」(主催・社団法人国際音楽交流協会、宮古島市)が十八日、マティダ市民劇場で行われ、六人の演奏者たちがピアノやバイオリンで数々の曲を奏で会場いっぱいに響かせた。
 会場を埋めた多くの聴衆は演奏される曲に静かに耳を傾け、芸術の秋を堪能していた。
 ロシアとは宮古方言など言語研究でゆかりのあるニコライ・A・ネフスキー氏がロシア出身であることからかかわりがあり、今回のコンサートを通してさらなる日露交流を深め、芸術の香り豊かな地域をつくっていこうと公演を開催した。
 公演は二部構成で行われ、エフゲーニー・クレパロフさん、ユーリー・クレパロフさん、フランシス・デュロイさん、ヴラディーミル・スヴェルドロフさん、ドミトリーテテリンさん、エレーナ・アシュケナージさんがそれぞれピアノやギター、バイオリンなどで曲を演奏。クレパロフ編曲「イマジネーション」やフォーレの「夢の後に」「川のほとりにて」、シューベルトの「4手のための幻想曲」などを表情豊かに演奏し、聴衆を魅了した。

 写真説明・ピアノとバイオリンで優雅に曲を披露する演奏者たち=18日、マティダ市民劇場
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太鼓演舞で完走決意/トライアスロン挑戦で来島

 毎年卒業旅行として来島し三日間にわたりトライアスロンに挑む光の村養護学校の土佐自然学園(西谷壽子校長)と秩父自然学園(小峯淳校長)の生徒たちが宮古入りし、十九日、宮古島市役所を訪れた。生徒たちは完走の決意を込め勇壮な太鼓演舞を披露。これまで重ねてきた練習の成果を発揮し、力いっぱい競技に挑むことを誓った。競技は全日本トライアスロン宮古島大会と同じコースと距離で行われ、二十二日にスイム(三`)、二十三日にバイク(一五五`)、二十四日ラン(四二・一九五`)に挑みゴールを目指す。
 同学園では、生徒たちの気力と体力を養おうと毎朝のマラソンや競歩、遠泳などに取り組んでおり、卒業旅行を兼ね、トライアスロンに挑むのは今回で十六年目。毎年高等部三年の生徒たちが訪れ、三種目の競技に挑戦する。今回は土佐自然学園から八人、秩父自然学園から四人が参加。十八日から二十八日までの間滞在し、それぞれ三日間にわたってスイム、バイク、ランを行う。
 宮古島市役所を訪れた生徒たちは大小さまざまな太鼓を使い「雨風」や「黒潮」など自然の美しさとたくましさ、人々の様子を表現した演舞を演奏。「豊年の歌」「さとうきび畑」も歌い、宮古島への思いを伝えた。
 土佐自然学園の北野光子教頭は「長年続けることができたのは宮古島の温かいサポートがあったから。トライアスロンへの挑戦を通して、どんな困難にも我慢強く耐える力を育てたい。この三日間を通し子供たちの成長ぶりを確かめたい」とあいさつ。生徒たちは「一年間の練習の成果を思う存分発揮します。全力で頑張ります。応援をよろしくお願いします」と声をそろえ力強く決意を示した。
 川田正一市長職務執行者は「これまで頑張ってきた力を発揮し素晴らしい成績で完走してほしい」とエールを送った。

 写真説明・勇壮な太鼓演舞でトライアスロンでの完走に決意を示す生徒たち=19日、宮古島市役所
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2カ月連続で45万円超/高値取引に市場沸く

 宮古本島の十月肉用牛競りが十九日、JAおきなわ宮古家畜市場で開かれ、子牛(生後十二カ月以内)の一頭平均価格は四十五万八千九百四十円と高値を記録。前月競りに比べ二千四百五十五円下げたが、二カ月連続で四十五万円を超える高値に市場は沸いた。平均キロ単価は前月比四円安の千七百四十一円だった。成牛を含めた全体の販売額は一億八千六百九十九万三百円。
 今月競りには子牛三百九十七頭(去勢二百四十九頭、雌百四十八頭)が上場され、三百九十五頭の取引が成立。平均体重は二百六十三`で、去勢の一頭平均価格は四十八万二千四百二十八円と高値を記録、雌も四十一万九千三百十四円と高い価格で売れた。子牛のみの販売金額は一億八千百二十八万一千四百五十円。
 成牛を含めた全体上場頭数は四百二十六頭(去勢二百四十九頭、雌百七十七頭)。このうち四百二十三頭が競り落とされた。平均体重は二百七十四`で一頭平均価格は四十四万二千五十七円(去勢四十八万二千四百二十八円、雌三十八万四千八百四十六円)。平均キロ単価は千六百十一円と前月に引き続き高値を記録している。
 子牛価格を旧市町村別にみると、去勢の一頭平均価格は▽平良四十六万八千二十五円▽城辺四十八万六千百六十八円▽上野四十九万二千七百十二円▽下地四十九万二千三百九十七円▽伊良部四十六万八千三百円▽多良間四十六万九千九百八十円―。雌は▽平良四十一万一千六百二十二円▽城辺四十一万九千二百九十四円▽上野四十三万三千五百九十四円▽下地四十三万四千四百二十円▽伊良部三十八万六千四百円▽多良間三十一万七千百円―となった。


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   福祉功労者を表彰/宮古から友利さんら13人

 【那覇支局】「ひとりの尊厳 みんなの福祉 ともに築く共生のまち」をスローガンに第四十八回県社会福祉大会(主催・県、県社会福祉協議会、県共同募金会、後援・宮古毎日新聞社など)が十九日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれ、長年社会福祉の発展に尽くした約二百七十人の個人と二十七団体を表彰した。宮古からは宮古島市社会福祉協議会副会長の友利清栄氏ら十三人が受賞した。大会には関係者約千五百人が参加し「共生型福祉社会の実現」をうたった宣言も採択した。
 大会の冒頭、呉屋秀信大会長と稲嶺恵一知事(代読・嘉数昇明副知事)があいさつし、誰もが安心して住める地域一体となった社会福祉づくりに決意を新たにした。
 表彰を受けた個人・団体の内訳は県知事表彰・感謝状贈呈が五十三人・三団体、大会長表彰・感謝状贈呈が二百四人・二夫妻・二十四団体、九社連会長表彰伝達が九人。
 表彰式後、受賞者を代表して平良民生委員・児童委員の川満美代子さんが「私たちの受賞は活動した仲間、地域の支援のおかげ。栄誉に応えるべく、今後とも努力してまいりたい」とあいさつした。
 宮古から表彰を受けた皆さんは次の通り。(敬称略)
 【職員二十五年以上特別永年勤続功労者】▽砂川ヒロ(身体障害者更生援護施設・青潮園)▽西里マサ子(同)▽仲里行正(同)▽西里博吉(宮古福祉保健所)▽平良マサエ(同)
 【民生委員・児童委員十五年以上永年勤続功労者】▽下地和子(下地民生委員・児童委員)▽川満美代子(平良民生委員・児童委員)
 【役員十五年以上永年勤続功労者】▽友利清栄(宮古島市社会福祉協議会副会長)
 【職員十五年以上永年勤続功労者】▽平良吉昭(県立宮古厚生園)▽荷川取悦子(同)▽下地達也(宮古島市社会福祉協議会下地支所)▽下地智子(宮古島市社会福祉協議会)▽小禄雅夫(宮古福祉保健所)

 写真説明・受賞した宮古関係の皆さん(左から)下地達也さん、川満美代子さん、下地和子さん、友利清栄さん=19日、沖縄コンベンションセンター

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