200平成17  1019曜日

市民会館、解体始まる/33年の歴史に幕

 沖縄県の本土復帰の一九七二年から市民の活動の場として活用されてきた平良市民会館が解体され、三十三年の歴史に幕を下ろすこととなった。旧平良市と宮古神社との間で市有地と社有地の等価交換がなされ、同神社が最初に建設された地である市民会館敷地に遷座移転されることに伴うもの。解体工事の安全を祈願する清めの儀式が十八日、工事関係者と行政関係者、地域住民が出席し、市民会館前で行われた。宮古神社の宮司代務者と神主による神事や工事関係者らによるくわ入れの儀が執り行われ、工事の無事故を願った。解体工事は来週にも開始、十二月中旬ごろまでに終了する予定。新たな神社の着工時期は未定。
 解体工事は第一建設工業(砂川盛一社長)が請け負っている。解体工事を前に宮古島市が、アスベストの使用の存否を調べる検査を専門機関に依頼しており、解体作業の開始はその結果が出てからの来週末から再来週ごろに見通し。市財政課は「簡易の検査でアスベストの使用の可能性は低いが、念のためきちんと調べることが必要」と検査の理由を説明した。
 宮古神社はもともと、一九四三年に現在の市民会館敷地に建てられたが戦後の混乱の中、社有地が市有地として登記された。その後、裁判を経て、六八年に調停が成立し、現在地や植物園内の土地が社有地として登記された。八〇年には現在の社殿が建設された。
 等価交換されるのは、平良市熱帯植物園内の土地を含む宮古神社の社有地約二千四百坪と、市民会館敷地となっている市有地約九百五十坪。宮古神社は、社殿の老朽化などを理由に〇四年四月、社有地と市民会館敷地の等価交換を旧平良市に求めた。一方の市民会館は七二年に建設され、市民の活動の場として利用されてきたが老朽化が進み、九六年にはマティダ市民劇場がオープンしたため大ホールが利用されなくなった。
 旧平良市は、同神社が現在の宮古神社敷地に加え、平良市熱帯植物園内に社有地を所有していて、植物園の社有地を水源涵養林地帯と位置付けることもできるとして、この要望に応じた。

 写真説明・解体されることとなった旧市民会館の前で解体工事の安全祈願が行われた=18日、旧市民会館前

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市民会館 解体に寂しさ/宮古神社移転に期待感

 平良市民会館が解体され、跡地に宮古神社が移転することとなり、十八日に行われた解体作業の安全祈願祭の出席者や周辺住民からは、市民会館の解体を寂しがる声や、新しい宮古神社への期待の声が聞かれた。
 同神社の道向かいに住む糸数喜一郎さん(71)は「市民会館には行事ごとにたくさんの人が来ていた。すぐ隣だから、よく地域の芸能祭を見に行ったり、本土の歌手のコンサートにも行った。なくなるのは寂しいが古くなっているので仕方ない」と懐かしんだ。糸数さんは神社時代の同地も覚えていて、「子供のころはよく遊んだ。また宮古神社が戻るということで落ち着ける場所になれば良い」と話した。
 安全祈願祭に出席した宮古島商工会議所の砂川恵助副会頭は「神社だったころは幼稚園ぐらいだったが、よく遊んだ思い出がある。市内でも一番の高台で景色が良かった」と振り返り、「新しい神社が完成した暁には、宮古を守る神社として素晴らしいものになるだろう」と期待を込めた。
 同じく出席者の平良隆さん(73)は「神社だった小学生のころは遊び場だった。剣道の試合もここでやった覚えがある。市民会館になって、市の行事や集会などのほとんどがここで行われるようになりにぎわった。会館がなくなるのは少し寂しいが、解体され、神社ができたら懐かしい景色がよみがえる」と語った。
 宮古島市の糸数健総務部参事は「市民会館で毎晩のように当番勤務をしたのが思い出される。たくさんの島の子供たちがここで育ち、婦人会などいろいろな団体の芸事もここで行われた。なくなるのはすごく寂しい」と話した。
 解体作業の安全を祈願した宮古神社の伊野波哲夫・宮司代務者は「素晴らしい眺めの場所に宮古神社が造営されることが郡民の一人としてうれしいし、神々も大変喜ぶと思う」と話していた。

 写真説明・1982(昭和57)年12月に行われたNHKのど自慢の収録の様子=平良市民会館

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宮古島市・女性相談室を設置/ネットワーク構築課題

 宮古島市発足後に開始された女性相談業務については同市の暫定予算で計上されており相談の個室がすでに用意されている。平良課長によると、業務開始は十一月下旬から十二月ごろを見込んでおり、それまでの期間は家庭児童相談員が女性問題についても対応するという。県女性相談所宮古駐在のまとめによると、同駐在の相談件数は年々右肩上がりに増加しており、中でもDV関係の相談は二〇〇四年度で延べ五十一件と総相談件数延べ百十五件のうち、約半数を占めている。DV法施行以来、DVや家庭内の悩みを声に出す女性が急増している一方で、合併前旧市町村では専属の女性相談員は配置されておらず、旧平良市においてのみ、市民からの相談があった場合に関連相談機関を紹介するという手薄な状況だった。
 池村直記福祉保健部長は「DVなど緊急かつ深刻な問題も多い。各ケースに真剣に耳を傾け、生活に密着した困りごとの解決を目指したい」と福祉施策の一環としての意義を強調。その上で「保健師や関係各部課の担当者らとの連携体制を整えるとともに、特にDV問題に関しては県の指導を受けながらよりベターな支援策を探りたい」と今後の課題を示した。
 県女性相談所の宮古駐在員は「住民にとって相談窓口が増えるのは心強いこと」と歓迎。「相談者の生活支援につなげる際に、かかわる人々が温かい気持ちで対応することを含め、良いネットワークを構築することが大事」と提言した。

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シルバーコーラス交歓会参加/ひらら女性コーラス「きらきら」

 【東京で菊地優子記者】第二十回シルバーコーラス交歓会が十六日、東京都荒川区のサンパール荒川で開催され、宮古からひらら女性コーラス「きらきら」が出場した。
 今回は二十回記念ということもあり、全国から二十八団体約七百五十人が参加した。同コーラスグループは五十人という最多出場人数と平均年齢六十七・七歳という事もあり注目が集まった。
 合唱前は指導の砂川京子さんが「来年十周年沖縄の力強さ、宮古島の心を届けたい」と意欲十分。曲目は「琉球木遣歌」「とうがにあやぐ」の二曲。聴衆らはメンバーの独特の合唱に耳を澄ませた。
 合唱後、会長の照屋ヨシさんは「皆で健康に注意しながらきょうの日を迎えた。自分たちの実力のピークを披露できたと思う」と満面の笑み。初めて東京の大舞台を踏んだ垣花道子さんは「体調を崩し気味だったが、舞台に立ったら忘れてしまった。大感激だった」と興奮冷めやらぬ様子だった。
 また関東在住の家族、親せきをはじめ友人らが詰め掛け、メンバーらにエールを送った。

 写真説明・コバルトブルーのコスチュームに身を包んだメンバーら=16日、東京都荒川区のサンパール荒川

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「環境保全に役立てて」/D―51が「美ぎ島募金」に寄付

 「NO MORE CRY」などのヒット曲で人気の県出身デュオ、D―51(ディー・ゴー・イチ)は十六日夜、「宮古の環境保全に役立てて」と、宮古島環境自然保護募金推進協議会(長濱政治会長)が実施している「美ぎ島募金」に五十万円を寄付した。マリンフェスティバルイン宮古島(主催・同実行委員会)の一環で行われたコンサートの最後に贈呈式があり、D―51のYu(ユウ)とYasu(ヤス)の二人が、長濱会長に寄付金の目録を手渡した。
 マリンフェスティバルイン宮古島は、宮古島の環境保全に取り組み、目の前の美しい海を保つことを目的としており、D―51がこの趣旨に賛同。今回の寄付となった。
 寄付金を受け取った長濱会長は「D―51の二人から今回、『美ぎ島募金』に募金を頂けるということでうれしく思う。われわれも美ぎ島宮古づくりに頑張りたいと思うので、皆さんもぜひ立ち上がって、一緒に美ぎ島づくりに取り組んでほしい」と呼び掛けた。
 二人は「宮古の人はいつ来ても温かい。またライブをしに来たい」と笑顔で話していた。

 写真説明・長濱会長に募金を手渡すD―51のYu(左)、Yasu(中央)=16日、マティダ市民劇場

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   「大会運営に役立てて」/タートルマラソンに寄付

 第二十九回東平安名崎タートルマラソン(主催・宮古島市など)に役立ててと、沖縄銀行、琉球銀行、沖縄海邦銀行は十八日、宮古島市にそれぞれ金一封を寄付した。沖縄銀行宮古支店の玉城篤支店長、琉球銀行宮古支店の幸地均支店長、沖縄海邦銀行宮古支店の東江正己支店長が川田正一市長職務執行者に寄付金を手渡した。同大会は今月三十日、東平安名崎公園をゴールとする四コースで行われる。
 三行を代表して、沖銀の玉城支店長が「宮古が元気でいるには、地域住民が健康でなければならない。スポーツアイランドを目指す宮古の、地域住民のための大会運営に協力できることをうれしく思う」とあいさつした。
 寄付金を受け取った川田市長職務執行者は「おそろいでの贈呈に感謝したい。大会の趣旨を理解され、浄財を贈っていただいたことに感謝している。有効に活用したい。今後ともこの大会の参加者が増えるよう頑張っていきたい」と謝辞を述べた。
 同大会は東平安名崎公園をゴール地点に、宮古島市陸上競技場をスタートする二二・五`のAコース、宮古島市城辺陸上競技場をスタートする十`のBコース、宮古島市立福嶺中学校グラウンドをスタートする七`のCコースと、東平安名崎入り口をスタートする二`のDコースで行われる。各コースとも午前九時三十分スタート。四コース合わせて二千百二十四人がエントリーしている。

 写真説明・川田市長職務執行者(左から2人目)に寄付金を手渡す沖銀の玉城支店長(左)、海銀の東江支店長(右から2人目)、琉銀の幸地支店長(右)=18日、宮古島市役所

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