200平成17  1017曜日

活動マニフェストを宣言/沖縄こども環境大臣サミット初開催

 【那覇支局】県内離島に住む二十七人の沖縄こども環境大臣や小池百合子環境大臣、稲嶺恵一知事らの参加による初めての「沖縄こども環境大臣」サミット(主催・環境省、内閣府、共催・沖縄県)が十六日、那覇市首里の末吉公園で開かれた。宮古からは下地真生さん(東小六年)ら六人が参加。こども大臣たちは離島の環境問題に鋭くメスを入れ、全員が環境保全活動の約束事(マニフェスト)を宣言した。

 こども大臣たちは午前中、末吉公園内の自然を探検。午後から四つのグループに分かれ、「私たちの宝物」をテーマにグループ討議をした。宮古の子どもたちが、大事にしたい宝物として挙げたのは地下水や海など。いずれもごみが汚染要因の一つになっているとし、解決策に学校・地域一体の取り組みなどを盛り込んだ。
 午後二時から小池大臣と稲嶺知事も参加し、活動報告と活動宣言が行われた。
 下地真生さんは、地下水を守るために友達を誘ってごみ拾い活動を行っていることを報告。
 報告を受け小池大臣は「(三人の)報告にはごみ問題が共通している。皆さんが率先活動することによって大人もついてくる。それが、こども環境大臣の役割」と、激励した。稲嶺知事は特に、宮古の地下水問題に関心を示し、「地下水は宮古の大事な資源。保全の意識をもって頑張ってください」と話した。
 次いで、こども大臣一人ひとりが今後の活動に向けた約束事を宣言した。
 小池大臣と稲嶺知事は「大臣の誇りと自覚を持って、マニフェストの実践と保全のメッセージを多くの人に届け、運動の輪を広げてほしい」と、今後の活動に期待した。
 子ども全員に小池大臣からエコバック、稲嶺知事から「沖縄こども環境大臣」と書かれたたすきがプレゼントされた。
 こども環境大臣は小池環境大臣が、沖縄離島の環境保全活動の活性化を図るため提唱。これを受け環境省と内閣府が、離島の子どもたちから作文を募集し、今年七月までに決定していた。

写真説明=サミットではこども大臣1人ひとりが環境保全活動に向けた約束事を宣言した=16日、末吉公園の森の家みんみん

前浜ビーチを美しく/60人がクリーンアップ

 宮古青年会議所(宮古JC、宮里敏彦理事長)とマリンフェスティバル宮古島実行委員会(藤村明憲会長)はマリンフェスティバルイン宮古島の一環として十六日、宮古島市下地の前浜ビーチでクリーンアップキャンペーンを実施。約六十人が参加し、砂浜の環境美化に汗を流した。また、今回は素足で歩ける安全な砂浜づくりを目指し、「ビーチクリーナー」も宮古で初めて稼働。人の手では難しい、砂に埋もれた細かいごみを撤去した。二十三日には同様に同市平良のパイナガマビーチで清掃活動を実施する。
 クリーンアップキャンペーンは、宮古JCが展開している「美ぎ島オトーリ2005」と連携して実施。主催者側では、引き続き二十三日に行うパイナガマビーチでの清掃活動にも大勢の参加を呼び掛けている。午前十時から。砂浜だけでなく海中のごみ拾いも行う計画で、ダイバーやシュノーケリングに自信のある参加者も募集している。
 前浜ビーチで行われた清掃で同実行委員会の副会長、長濱政治県宮古支庁次長は「みんなで楽しみながらクリーンアップに努めましょう」と呼び掛けた。
 同会議所の宮里理事長は「『自分たちの島をきれいに』という意識が広がれば」とキャンペーンの意義を説明した。
 参加者らは砂浜にポイ捨てされたペットボトル、空き缶などのゴミを一つ一つ拾い集め、環境美化に努めた。中には、バーベキューで残った食材がそのまま放置され悪臭を放っているごみもあり、参加者らが利用者のモラルの低さを嘆いていた。
 また、砂浜の表面約三―五aをクリーナーですくい、ゴミを除去し、砂をきれいにならす「ビーチクリーナー」も大活躍。所有する沖縄クリーン建機(本社・宜野湾市)の金城民夫代表は「五aは、人が素足で歩いて異物を感じる深さ。これ以上深く砂をすくうと、ヤドカリやカニなど生態系への影響も懸念される。宮古のビーチがきれいになるために役立てば」と話した。


写真説明=参加者らが手分けしてビーチの清掃に当たった=16日、宮古島市下地の前浜ビーチ


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マングローブを植樹/OEC・博物館ワークショップ

 マングローブの希少種であるヒルギダマシの保全・拡大と自然について学ぶ場をつくろうと、NPO法人おきなわ環境クラブ(OEC、上原千賀子代表)と宮古島市総合博物館(砂川玄正館長)は十六日、第二回OEC・博物館ワークショップとして下地地区川満にある川満ウプカーマングローブでマングローブ植樹と観察会を行った。約二十五人が参加し、宮古が北限とされているヒルギダマシの苗六十本を植樹。宮古エコツアーガイドによる観察会も行われ、マングローブを通して環境や自然と人とのかかわりなどについて認識を深めた。
 宮古にはオヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギ、ヒルギダマシの四種のマングローブが自生しており、同クラブでは川満ウプカーマングローブに四種類すべてのマングローブをそろえることで、自然保護とともに観察や教育の場としても活用していきたい考え。
 ヒルギダマシは、宮古が世界の北限とされている生物地理学上重要な植物。以前は下地の池原地区や下地島にも分布していたが開発や埋め立てなどで数が減少し、現在は旧平良市の天然記念物となっている島尻マングローブ林のみに分布しているという。
 植樹したヒルギダマシは、同クラブが宮古に自生するヒルギダマシの種を約一年間育てたもので、移植後二年から三年で種子を付けるほどに成長するという。同クラブの下地邦輝事務局長は「宮古から消えそうな希少種のヒルギダマシを宮古で育った種で増やしたかった。観察や教育の場としても充実させていきたい」と話した。
 観察会では宮古エコツアーガイドの竹井章さん、海宝千代さんが遊歩道を歩きながらマングローブの種類や特徴、生態系などについて紹介。人々との暮らしにも密接にかかわっていることなどを説明した。


写真説明=希少種となっているヒルギダマシの苗を植え付ける参加者たち=16日、下地地区の川満ウプカーマングローブ

 


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植木さん(元沖縄開発庁長官)が来島/きょう宮農高で講演会

 二十年以上にわたり県立八重山農林高校と交流を深めている元沖縄開発庁長官の植木光教さんが十六日、宮古入りし、宮古農林高校の生徒たちから温かい歓迎を受けた。水のノーベル賞「ストックホルム青少年水大賞」を受賞した同校環境班の有機肥料を活用した研究発表も行われ、同校の取り組みについて説明を受けた。きょう十七日には記念植樹と「宮古農林高等学校の生徒たちに期待すること」と題して講演を行う。
 一九七四年から七六年にかけて総理府総務長官兼第五代沖縄開発庁長官を務めた植木さんは、八三年に八重山農林高校からブーゲンビリアを贈られたことをきっかけに同校を訪問。感謝の気持ちを込め、今でも毎年訪れ図書券を贈呈しているという。同校図書室には「植木文庫」が設けられ、二十周年記念セレモニーも開催された。宮古農林高校の下地恵吉校長が宮農赴任前に八重農に在任し交流があったことから今回の宮古来島が決まった。
 宮古空港では下地校長をはじめ生徒会役員や環境班の生徒たちが植木さんを歓迎。植木さんは感謝の意を表し「皆さんに出会えたことをうれしく思う。宮古島市という素晴らしい市ができた。皆さんの力で宮古島市を中心に島が発展することを願っている」と述べた。


写真説明=元沖縄開発庁長官の植木さんを歓迎する宮農の生徒たち=16日、宮古空港


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観光客らが伝統漁法に挑戦/モニターツアー
 

 NPO法人スーパーブレイン(佐藤信一代表)は十六日、城辺の保良泉(ボラガー)ビーチで追い込み漁のモニターツアーを行った。これは、宮古島市の体験滞在交流プログラムの一環として行われたもの。約五十人の地元住民や観光客が参加し、宮古の伝統漁法を通じて自然の大切さを体感した。
 同プログラムは、地域や自然、地元住民との交流が目的。地元保良の漁師である砂川順正さん、平良武市さん、島尻忠幸さんの三人が▽海の危険生物の説明▽追い込み順路説明─などの指導にあたった。この日の早朝、漁師が張ったという網を手に、参加者らは海面をたたきながら沖合に向かって追い込み漁を始めた。開始して約一時間後には網にたくさんの魚がかかり、参加者からは歓声が上がった。
 参加した山根晃さん=兵庫県=は「普段できない体験だから、とても楽しい。思ったより海の中もきれいだった」。家族で参加した富岡真弥ちゃん(5つ)=平良字荷川取=は「青い魚がきれいだった。また参加したい」と笑顔だった。
 スーパーブレイン代表の佐藤さんは「この企画を商品化し、軌道に乗せるためには年間を通して少人数でも楽しめるようにしなければならない。民間指導型でやっていくことを目的に、これからも努力したい」と意気込みを見せた。 追い込み漁終了後には、取った魚を漁師がマース(塩)煮に調理。参加者らは「おいしい」と舌鼓を打ちつつ海の恵みに感謝し、人や自然との交流を楽しんだ。



写真説明=伝統漁法で取った色とりどりの魚に参加者から歓声が上がった=16日、城辺の保良泉ビーチ

 

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