2005年(平成17年) 10月15日 土曜日
☆ 静かな選挙 投票率下落を懸念/各陣営 80%台前半を予測
十一月十三日に宮古島市の市長選と市議選の同時選挙が行われる。合併により選挙区と有権者数の拡大に加え初の同時選ということもあり、立候補予定者や支持者らも手探りの選挙戦を強いられている。投開票まで一カ月を切った中、選挙ムードは盛り上がりを見せつつあるが、従来の選挙前の状況に比べると、静かに推移。各陣営では、当落に影響を与える投票率の下落を懸念する声も出始めている。過去のデータを基に、今回選挙の行方を展望する。 <過去のデータで選挙展望> ◇一騎打ち 旧五市町村の前回首長選挙で投票率は有権者数の最も多い平良市が八〇%台前半なのに対して、その他の旧四町村は伊良部を除いて九〇%を上回る高い投票率となっている。二〇〇二年の平良市長選には今回、立候補を予定している伊志嶺亮氏(72)と下地敏彦氏(59)が出馬。市議の松原信勝氏も出馬し、保守分裂の三つどもえ選挙となったことも影響して伊志嶺氏が次点の下地氏に二千票以上の差をつけて三期目の当選を果たしている。しかし、この結果は保守分裂による影響もあり、今回は一騎打ちの様相であることから選挙戦がどのような形で展開するか注目となっている。 ◇投票率 立候補予定者の関心事の一つが投票率だ。合併により関係者も旧五市町村の票の動きを注目している。 旧五市町村別の前回首長選挙の投票率は、平良市長選(〇二年七月)が八二・七六%。城辺町長選(同年八月)が九四・三三%。伊良部町長選(〇三年四月)が八九・五三%。下地町長選(〇二年八月)が九四・八七%。無投票が続いた上野村は最も新しい村長選が一九九四年十一月に実施され、そのときは九六・五六%となっている。 実施時期は異なるが五カ所の首長選における当時の総投票数は三万五千四十九票で、当時の有権者総数は四万四百五人。それをまとめた投票率は八六・七四%となり、初めて行われる宮古島市長選の投票率もこの八六・七四%が基準となりそうだ。 ◇投票率の展望 宮古島市長選の投票率について各方面から聞かれる声は基準となっている八六・七四%を「下回るのでは」との見方が強い。 特に郡部の投票率の高さは、「地縁血縁」による影響が高く、合併により候補者が遠い存在となって関心が薄まるとの判断が働いているようだ。これは、旧平良市の場合、特に市街地では候補者と有権者との距離が郡部に比べて近くないこともあって郡部の投票率に比べて低い状況だった。 一方で、「合併」「新市」「同時選挙」というキーワードで、有権者意識が高くなるとの判断もある。浦添市は二〇〇一年に初めて市長、市議選を同時に実施したところ一九九七年の単独選挙に比べ一〇ポイント以上も上昇した。 しかし、浦添市の場合、今回の宮古島市長選のように選挙区の拡大もなく、現職議員もいたことから選挙構図はそのままでの同時選となっていたのであり、宮古島市の状況とは違う。 投票率の上昇要因、下降要因それぞれある中で旧五市町村の首長選における投票率八六・七四%から若干下回り八〇―八五%となるのが大方の予想だ。 ◇選挙戦 民主、社民、共産、社大が伊志嶺氏を推薦。下地氏を自民党県連が推薦するなど宮古島市長選の現状は保革一騎打ちの様相だ。 この二人は三年前の平良市長選に立候補している。そのときは伊志嶺氏が九千三百十五票を獲得し当選した。次点となった下地氏は七千四十五票で二千票差をつけられた。 しかし、このときの選挙は保守分裂の三つどもえで保守からは下地氏の他に市議の松原信勝氏も出馬した。松原氏の獲得票は四千九十八票で、保守分裂選挙でなければ保守票は伊志嶺氏の票を上回っている。 しかし、その後に行われた城辺町長選や下地町長選などは、保守分裂での選挙となり当時の現職(保守系)が激戦の末勝利を収めたものの、保守の分裂に拍車をかけ、現在は保守地盤といわれ続けた旧四町村でもその色合いは薄れつつある。 ◇展開 分裂解消に時間を要した保守系の下地陣営に対して、出足の良かった伊志嶺陣営は平良の革新票固めと保守地盤といわれていた旧四町村での支持拡大の動きを精力的に行うなど、これまで着実な活動を展開してきた。 出遅れた下地陣営は平良の保守票を固めながら、これまでの旧四町村の保守支持層に浸透を図っている。 選挙区の拡大で「地縁血縁」職が強かった旧四町村の有権者意識が薄まる可能性もある一方で、旧平良市は浮動票を多く抱え「合併」「同時選」のキーワードで有権者の意識が上がる可能性も秘めている。 宮古島市の有権者は四万二千二百九十七人(九月二日現在)。宮古島の将来をどちらのリーダーに託すのか、その判断は十一月十三日に決まる。 |
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