2005年(平成17年) 9月12日 月曜日
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沖縄4区、西銘恒三郎氏が再選/次点に大差付ける
1区・下地氏、2区・照屋氏、3区・嘉数氏
【那覇支局】第四十四回衆議院議員総選挙は十一日投票、即日開票され県内四小選挙区の当選者が決まった。宮古、八重山、沖縄本島南部を含む4区では西銘恒三郎氏(51)=自民・前、公明推薦=が宮国忠広氏(43)=民主・新、社大推薦=に大差をつけ圧勝し、再選を果たした。1区は下地幹郎氏(44)=無所属・元、民主推薦、社大支持=、2区は照屋寛徳氏(60)=社民・前、社大推薦=、3区は嘉数知賢氏(64)=自民・前、公明推薦=がそれぞれ当選した。県内投票率は六二・三五%で、前回の五九・〇三%を三・三二ポイント上回った。
郵政民営化法案の否決・解散を受けた今回の選挙は、郵政民営化をはじめとする自公改革路線や、年金制度改革、財政改革、憲法改正、増税などが争点となった。沖縄では米軍基地問題や高い失業率、離島過疎化など、山積する問題解決策が問われた。離島を抱える4区は郵政民営化が主な争点となった。
写真説明(上から)=万歳する西銘氏(左から2人目)と支持者ら=11日、南風原町内の選対本部 照屋寛徳氏 嘉数知賢氏 |
☆ 沖縄1区・下地幹郎氏返り咲き/白保氏との大激戦を制す
【那覇支局】「沖縄の夜明けだ」「ミキオよくやった」―。衆院選の県内4選挙区の中で最も注目を集めた沖縄1区は宮古出身で元衆議院議員の下地幹郎氏(44)が民主党の推薦、社大党の支持、社民党の実質的な協力を得て、自民党の推薦を受けた前職で公明党の白保台一氏(63)を激戦の結果退け、初めて選挙区で勝利を収めた。
写真説明=激しい選挙戦を制した下地幹郎氏と支持者らは「当確」の報道が流れると歓喜の声を上げ万歳三唱で喜びを爆発させた=11日午後11時すぎ、那覇市おもろまちの下地幹郎選対事務所 |
☆ 仲村氏、赤嶺氏、安次富氏が当選/比例代表九州ブロック
【那覇支局】衆議院比例代表選出議員選挙の九州ブロックは、沖縄から三人の当選が確定した。自民党比例名簿登載単独一位の仲村正治氏(74)は、前回に引き続き比例から連続当選。重複立候補した共産党単独一位の赤嶺政賢氏(57)と自民新人の安次富修氏(49)が復活当選した。
写真説明(左から)=仲村正治氏、赤嶺政賢氏、安次富修氏 |
☆ 下地氏勝利で新展開へ/宮古の政局、保革の枠にも影響か
05年衆院選・解説
【那覇支局】衆院選沖縄1区で宮古出身で元衆議院議員の下地幹郎氏(44)が自公路線を破り、初めて選挙区からの当選を果たした。今回、自民党を離党し、民主党の推薦と社大党の支持、社民党の事実上の協力を得た選挙戦で勝利を収めたことから来年の県知事選を控えた県内政局は波乱模様となってきた。さらに、十一月に合併新市の市長選、市議選を同時実施する宮古地区の政局も今回の結果を受けて先行きは不透明になっている。下地幹郎派と反下地幹郎派で分裂してきた宮古地区保守系に加え今回、下地氏が革新系の支持を受けて当選したことから宮古地区の革新系も含めた政局は今後枠組み、支持体制などで新たな展開を迎えそうだ。 ■ 下地幹郎氏と政局
自民党を離党し、民主党、社大党、社民党などの推薦、支持、協力を得て選挙戦を勝ち抜いた下地氏の今後の政治姿勢は県内政局に大きな影響を与える見込みで、来年の県知事選に向けて自民党県連も自公路線の立て直しに向けた動きを早急に展開する見込みだ。
■ 宮古への影響
三年前の平良市長選以来、分裂選挙を繰り返してきた宮古地区の保守系は今年に入り修復に向けた動きを展開してきた。分裂の実質的な中身は「下地幹郎派」と「反下地幹郎派」に分かれていたことから、今回の下地氏の当選は新市市長選、市議選に向けた宮古の政局にも大きく影響することは必至となっている。
■ 今後の展開
下地幹郎氏が当選したことで自公支持派は県内における自公路線の立て直し作業を早急に展開する必要に迫られる。その照準は来年の県知事選に向けられるが民主、社民、社大も下地氏を絡めて対抗する構えで今後も激しい攻防戦が展開されそうだ。
(垣花尚記者) |
☆ 八月踊り、華麗に開幕/多良間島/組踊りなど多彩に
【多良間】国の重要無形民俗文化財に指定されている多良間島の「八月踊り」が十一日開幕し、字仲筋の正日(しょうにつ)(初日)が土原(んたばる)御願所で行われた。島を直撃した台風t号の影響をものともせず、住民らが古くから島に伝わる素朴な民俗踊りや、明治時代に伝わったとされる華麗な組踊などを次々と披露、訪れた観光客を魅了した。 二日目となる十二日は字塩川の正日がピトゥマタ御願所で行われる。最終日となる十三日は「ワカレ」といわれ、両字の芸能が同時に行われてクライマックスを迎える。 初日の舞台は、アカギやフクギなどの大木に囲まれた土原御願所。例年は午前十時ごろから始まる踊りも、この日は台風t号の影響で、午後零時三十分ごろからスタートした。 あでやかな衣装をまとった島民たちが女踊や若衆踊、二才踊、コミカルな掛け合いを繰り広げる狂言、勇壮な棒踊りなど多様な演目を相次いで熱演した。 ひときわ観客の目を引いたのが組踊り「忠臣仲宗根豊見親組」。首里王の命に背く与那国の首長、鬼虎を宮古島の首長、仲宗根豊見親が征伐するという内容で、絶世の美女とうたわれたオーガマ、クイガマ姉妹など歴史上の人物が多数登場し、討伐の模様が詳細にわたり演じられた。演者の熱演に会場からは終始、惜しみない拍手がわき起こった。 八月踊り 人頭税の納税が終わる旧暦八月に、納めきった喜びと、翌年の五穀豊穣(ほうじょう)を願ったもの。起源ははっきりしていない。 写真説明=島民があでやかな衣装を身にまとい、島に伝わる伝統芸能を披露した=11日、多良間村仲筋の土原御願所 |
☆ 台風15号/係留中の漁船が沈没/伊良部町