200平成1  10曜日

台風15号接近 33人投票 住民に混乱なく/

衆院選・大神島で繰り上げ投票

 第四十四回衆院選は十一日、投開票が行われるが、台風15号の接近で平良市大神島投票区(有権者数四十一人)では九日、繰り上げ投票が行われた。大神島での繰り上げ投票は初めて。住民には前日の八日に繰り上げ投票の連絡があり、混乱はなく投票は午後四時に終了。三十三人が投票を済ませた。台風15号の接近により宮古地区での十一日の投開票は微妙な状況だが、県選挙管理委員会は「台風の動きは刻々と変化している。それを見極め、各市町村の情報をつかみながら対応したい」との考えを示し、九日現在では当初の予定通り、十一日に投・開票を実施するとした。
 大神島(平良市第十二投票区)の投票は九日午前九時から、大神島離島振興コミュニティーセンターで行われた。担当する市選管職員らは午前八時二十分ごろに島に入り、同八時三十五分ごろまでに準備作業に当たった。
 大神自治会長で選挙管理者を務める島尻彦吉さん(73)が同九時に投票開始を宣言。同九時二十分ごろ、最初の二人が訪れて投票箱に何も入っていないことを確認した後、投票が始まった。
 投票を済ませた三十代の男性は「国政選挙のことはあまりよく分からないが、(議員には)国民全員が健康でいられるようにしてほしい」と話した。
 島尻さんは「投票が繰り上がったのは初めてだ。台風が近づいているから、投票日が早くなってしまったのは仕方がない。島のみんなも仕方がないと思っている」と語った。
 市の担当職員らは「前日からバタバタしたが、何とか投票に間に合わせることができた」とほっとした様子だった。
 一方、県選管は台風15号の動きの動向に頭を抱えている。県選管によると、台風の影響で投票が不可能な場合、繰り延べとなるが、繰り延べのない地域は通常通り開票される。このため、宮古・八重山の離島を抱える沖縄4区や九州比例区で当選が確定しないことも予想される。
 繰り延べ投票は繰延投票日の五日前に告示しなければならないため、繰り延べになった場合、投票日は来週末になる可能性もある。
 県選管では、台風の動きをきょう十日まで見極める方針で、九日現在では当初の予定通り十一日に投・開票を実施することを強調した。

 写真説明・小選挙区の1票を投じる女性99日午前9時20分ごろ、大神島離島振興コミュニティーセンター
 

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衆院選あす投開票/沖縄4区 4候補者ラストスパート



金城 浩氏



宮国 忠広氏



西銘 恒三郎氏



真栄里 保氏

 【那覇支局】第四十四回衆院総選挙の投開票まで、残り二日と迫った九日、沖縄本島南部や宮古、八重山を含む沖縄4区の立候補者は、最大票田の南部地区を回り、有権者に手を差し伸べスキンシップ。所々ではマイクを手に政策と支持を訴えた。
 4区の立候補者は金城浩氏(57)=国民新党・新、自由連合推薦=、宮国忠広氏(43)=民主・新、社大推薦=、西銘恒三郎氏(51)=自民・前、公明推薦=、真栄里保氏(49)=共産・新=の四人。体を休める間もなく、支持拡大のラストスパートに入った。
 金城氏は夕方、豊見城市内の沿道に立った。小泉首相の強権的な政治手法に強く反対し、「国民新党は国民の声を聞いて、国民のための政治を実現する」とアピールした。今回解散のきっかけとなった郵政民営化法案について「国民の郵便サービスの低下を招く法案に対しては徹底的に反対する」と強調。医療と福祉に全力投球し弱い人でも自分の意見を堂々と言える社会づくりを約束した。
 宮国氏は正午すぎ、激戦地となった糸満市の摩文仁集落を訪れ「戦争の悲惨さは、皆さんがよくご存じ。小泉政権はあの時と同じような道を歩もうとしており許せない。郵政民営化にも絶対反対。今、国政で優先されるべきは年金改革であり、郵政民営化ではない」と沖縄や国政に懸ける思いを強調。今回の選挙では政権交代を目指しているとし、強い支援を呼び掛けた。
 西銘氏は夕刻、強固な支持基盤の知念村内を遊説した。同地域では良く知られるとあって、駆け寄ると、ほとんどの人が笑顔で握手。遊説カーからは「今回の選挙、皆さんに支えられ、最後まで全力で闘う。尊き一票を自民党公認の私によろしく」と、支持を訴えた。西銘候補は▽地域・離島に適合した農林水産業の生産基盤の整備▽中小企業の支援強化―などを、基本政策に掲げている。
 真栄里氏は本島南部を勢力的に回り、十カ所以上でポイント演説を行った。「今度の選挙は私たちの暮らしを守り、日本の将来を決める大事な選挙」と訴え、道行く人に支持を求めた。また、郵便局の民営化、消費税の増税、憲法改正に反対を表明し、そのためには、「確かな野党である共産党を躍進させてほしい」と呼び掛けた。 

台風接近、延期の恐れも/沖縄4区投開票 宮古含む離島地域
 石垣島や宮古島など離島を抱える衆院沖縄4区で、選挙結果の確定がずれ込む恐れが出ている。十日から十一日にかけ、台風15号が直撃する見通しが強まっているためだ。台風の動き次第では投票自体が数日後に延期され、結果の確定が大幅に遅れる可能性も否定できない。
 沖縄気象台によると、石垣島などを含む先島諸島が暴風域に入る恐れがあるのは、十日午後から十一日午前にかけて。県選管は「選挙が終わらないかも」と困惑気味だが、「相手は自然。状況を見ながら対応するしかない」としている。
 九日現在、最も懸念されるのは、複数の離島に投票所が散らばる竹富町のケース。当初は十日に繰り上げ投票を行い、十一日までに定期船で石垣島まで投票箱を運び開票する予定だった。だが、近海は当分大しけが続く見込みで、船は欠航の見通しが強まっている。
 このため、県選管は海上保安庁や自衛隊にヘリコプターの出動を要請することなども検討。代替の運搬手段を確保できなければ、竹富町選管は開票を十二日以降に延期するという。
 一方、平良市の大神島では九日、予定を二日繰り上げて早くも投票を実施。与那国町選管も十日への繰り上げを決め、防災無線で町民に変更を知らせている。
 石垣市選管は投票時間の短縮で対応することを決めたが、「台風の動向次第では投票延期もやむを得ない」としている。この場合は最短でも五日間の告示期間が必要となるため、仮に十一日告示の場合でも投開票日は十六日以降となる。

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自作ロボットで競う/宮工高工夫凝らし熱戦

 「第十五回校内アイディアロボットコンテスト」(主催・県立宮古工業高校)が九日、同校体育館で開かれた。十チームが参加し、アイデアを詰め込んだ手作りのロボットで熱戦を繰り広げた。対戦の結果、川満広哉君、漢那公紀君(ともに二年)の「MKR」号が優勝した。上位五チームが十五日に開催される県大会に派遣される。
 競技は規定時間の三分間以内に、ロボットが輪投げをしてそろったビンゴの数を競うもの。
 「夢をつむぐ、小さな工夫を最高の夢に!」をテーマに製作されたロボットはどれも個性豊か。ローラーを使って輪を勢いよく飛ばしたり、ポールに近づいて落とすように輪を投じたりと、さまざまな方法で輪投げを成功させ観客を沸かせた。
 優勝した「MKR」号は素早くポール手前まで移動し、アームで輪を投じた。機敏な動きと正確な輪投げで他を圧倒し、優勝を勝ち取った。
 操縦した川満君は「決勝では操縦ミスをしたが、あきらめずに頑張ったことが優勝につながった」と笑顔。また、漢那君は「デザイン賞が目的だったので優勝するとは思ってなかった」と無欲の優勝を喜んだ。
 このコンテストは、生徒がアイデアを出し合い、「もの」を完成させていくことを通して、創造や仲間と協力し合う喜びを体験し、主体的に自ら学ぶ能力や態度を育てることが目的。
 開会式で兼島信雄校長は「この大会で体験した成果をこれからの学習活動に生かし、高度な技術の習得に努めてください」と激励した。
 結果は次の通り。
▽優勝=川満広哉・漢那公紀「MKR」号▽準優勝=池間隆暁・新城辰樹「アームストロング将軍」号▽三位=「R33」号、「森野ベアー3」号▽アイデア賞=「R33」号▽デザイン賞=「守鎮之尾33―0」号▽努力賞=「ラグナロク」号

 写真説明・真剣な表情でロボットを操縦する生徒たち。多くの生徒も見守った=9日、宮古工業高校体育館

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「救急の日」チラシでPR/ミス宮古が1日救急隊長

 「見えない所で支えています救急医療」をスローガンに全国で展開されている救急医療週間(五―十一日)にちなみ、宮古広域消防組合(管理者・伊志嶺亮平良市長)は「救急の日」の九日、ミス宮古の竹井穂香さんを一日救急隊長に任命し、チラシ配布などで正しい救急車の呼び方について周知を図った。十一日には午前九時から上級救命講習会を同組合で実施する計画で、よりレベルの高い救命手当や応急手当法を指導する。
 一日救急隊長として任命を受けた竹井さんは職員へ訓辞を行い、「日ごろから人命の救護という重要な業務に携わる救急隊員の活躍に心から敬意を表します。これまで培ってきた知識と技術を基礎として今後も使命を認識し、住民の期待に応えられるよういっそうの活躍を期待します」と激励した。
 その後平良市街地で正しい救急車の呼び方を記したチラシなどを配布し、地域住民に救急医療週間の周知と理解を呼び掛けた。

 写真説明・一日救急隊長の任命を受けたミス宮古の竹井さんがチラシ配布で周知を呼び掛けた=9日、琉球銀行宮古支店前

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「ミャークヅツ」で講話と視察/県博物館協会研修会

 二〇〇五年度県博物館協会秋期研修会(主催・同協会)が八日、平良市総合博物館で開かれた。県内の博物館職員や関係者ら約四十人が集まり、池間島などに伝わる伝統行事「ミャークヅツ」について講話と現地視察を行い、理解を深めた。
 この研修会は、県内にある博物館ならびにその関係者が、研修会を通して相互に連携し、博物館のつながりや活動を学びそれぞれの博物館事業の振興、地域文化の向上発展に寄与することが目的。
 平良市総合博物館協議会委員の岡本恵昭さんが「宮古の節祭りと池間島のミャークヅツ」について講話した。
 岡本さんはミャークヅツの由来や決まり事について説明し「池間島の老若男女はいずれかのムトゥに属している。ムトゥでは年功序列の規律が厳しく社会的地位や名誉も全く力を持たない」と述べた。
 研修会の冒頭、平良市教育委員会の久貝勝盛教育長は「いろいろな知識を得て文化の大切さをアピールしてほしい。実りの多い研修にしてください」と激励した。

 写真説明・県内の博物館職員や関係者らが集まりミャークヅツについて理解を深めた=8日、平良市総合博物館

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