200平成1  曜日

観光、地下水保全の目玉に/城辺町に地下ダム資料館が落成

 城辺町福東に建設された地下ダム資料館の落成式典と祝賀会が八日、同館前で行われ、大勢の関係者が出席し、落成を祝った。施設内には地下ダムの模型や建築技術、宮古の農業などについてのデータを展示しており、町は「観光、地下水保全の目玉に」と大きな期待を寄せている。同館の入館料を含む管理・運営方法については、同町議会九月定例会で提案されるため、早ければ今月中にも供用開始となる。

 地下ダム資料館を柱とするコミュニティー施設は、世界に誇る地下ダムを観光に活用し、地域の活性化を図ることや、地下ダムの水を利用した先進的農業の啓発を目的に建設。隣接する緑地公園と合わせた総事業費は三億三千四百六十三万五千円。
 式典に先立ち、仲間克町長、伊志嶺幹夫同町議会議長、県宮古支庁の兼城克夫支庁長、沖縄総合事務局の山内勝彦土地改良課長らがテープカットを行った。
 落成記念式典で仲間町長は「宮古島の地下ダム開発は世界でも類を見ない水源開発で、その先進的技術の確立は世界各国から注目されている。施設は地下ダムの構造や地下水のメカニズムを広く一般に公開することで、環境、水質保全の発信拠点としての役割を担う。未来の子供たちへのメッセージの礎となる資料館として活用してほしい」とあいさつした。
 来賓を代表して山内課長、兼城支庁長、伊志嶺議長が「観光面や子供たちの教育へ向け発信する素晴らしい施設」などとたたえ、同資料館の完成を祝った。
 城辺町の児童を代表し、町立砂川小学校五年の川満厚実さんは「地下水はとっても大事なものだと思った。早く、宮古の全部の畑にスプリンクラーが整備され、品質の良い野菜やサトウキビが栽培されるようになってほしい」と感想文を発表した。
 同資料館の主な展示内容は、▽地下ダムの模型▽宮古の水と自然▽宮古の農業▽大型地下ダム建設技術▽水の成分▽宮古島のエコエネルギー開発▽石灰岩の謎▽石灰岩と化石▽地層に触れる▽地下ダム見学―などとなっている。
 同館入り口正面に設置される地下ダムの模型は断面構造や雨水の地下浸透、スプリンクラーが畑で稼働する様子が一目で分かるもので、地下ダムの概要が理解できる。
 「宮古の農業」のエリアにはかんがい用水で栽培されるようになった亜熱帯作物を展示し、地下ダム完成前と後の農業変化や可能性を展望。「地下ダム見学」のスペースには、水が流れ、その音が響き渡る落ち着いた空間を演出した。世界随一の地下ダム完成までの過程や宮古の生活、観光などの映像を上映するコーナーもある。

 写真説明・仲間克町長(左から3人目)らがテープカットを行い、落成を祝った=7日、城辺町福東の地下ダム資料館

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豊作、大漁を祈願 ミャークヅツ始まる/池間・西原・佐良浜3地区

 平良市池間島と同市西原、伊良部町佐良浜の三地区で、旧暦八月四日の「甲午」に当たる七日、伝統行事「ミャークヅツ(宮古節)」が始まった。旧年中の大漁豊作に感謝し、向こう一年間の五穀豊穣と大漁などを祈願。池間島と佐良浜では輪を作った大勢の男性がダイナミックな踊りを、女性は華麗な舞いを演じた。二地区は輪舞で歓喜一色に包まれた。
 ミャークヅツの期間は、池間島と西原が九日までの三日間、佐良浜が十日までの四日間。西原はきょう八日、集落内で集団パレードによるクイチャーを踊ってクライマックスを迎える。
 元島と呼ばれる池間島では、水浜広場がクイチャーを踊る特設会場。男性たちは法被姿で参加し、「ヒヤサッサ」の掛け声とともに豪快なクイチャーを披露した。
 一方、佐良浜では旧池間村(現池間添)、旧前里村(現前里添)の聖地でそれぞれ行われた。大勢の参加者らはクイチャーを乱舞。夜遅くまで笑顔と歓喜に包まれていた。

 写真説明・豪快なクイチャーで喜びを分かち合う参加者ら=7日、平良市池間島の水浜広場
 

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宮古馬の赤ちゃん誕生/保存・活用に明るい展望

 伊良部町下地島にあるシャーク牧場(玉元富彦代表)で七日午前五時ごろ、宮古馬で母馬の「ゆうむつ号」が元気な雄の子馬を出産した。子馬は母親に寄り添い、親子のきずなが訪れた人に感動を与えていた。今年に入ってから宮古馬が出産したのは今回で二頭目。宮古馬保存会(会長・伊志嶺亮平良市長)では「増産が続くと、宮古馬の保存・活用に明るい展望が開ける」と喜んでいる。
 在来馬の宮古馬は、今回生まれた子馬を含めると計二十六頭。宮古で二十三頭、北海道で三頭を飼育中。
 子馬の父馬は「大風号」で、父馬に似てたくましい容姿。
 玉元代表は「愛情を込めて育てている母馬と父馬との間で、元気な子馬が生まれてとてもうれしい」と笑顔で話した。同牧場では子馬の誕生で、四頭に増えた。玉元代表は「母馬は今回で三頭目の出産」と語り、母馬の額をなでていた。

 写真説明・母馬に終始、寄り添っていた子馬=7日、伊良部町のシャーク牧場

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ヤーマスプナカ始まる/来間島 子孫繁栄と豊作願う

 島の豊作と子孫繁栄を祈願する下地町来間島の伝統行事「ヤーマスプナカ」が甲午の日に当たる七日、二日間の日程で始まった。初日は、三家のヤームトゥでこの一年間に生まれた子供をお披露目する「マスムィ」と呼ばれる儀礼が行われ、各ヤームトゥに集まった住民たちが子宝に恵まれたことを祝うとともに健やかな成長を願った。きょう八日は各ヤームトゥの男たちが集落内を棒踊りで練り歩くほか、雨ごい座と呼ばれる祭場では各団体による余興が披露される。
 ヤーマスプナカは旧暦八―九月の甲午の日に行われる島最大の伝統行事で、期間中は多くの帰省者などで人口は二倍以上にふくれあがり、島が活気づく。ヤーマスとは、ヤー(家)がマス(増す)という子孫繁栄の意味で、昔、来間島を救い島を繁栄させたと伝えられている三兄妹の長男家をスムリャーブナカ(長間盛史さん宅)、二男家をウプヤーブナカ(砂川輝夫さん宅)、三男家をヤーマスヤーブナカ(上地繁男さん宅)として、その三家を中心に祭祀を執り行っている。
 このうちウプヤーの砂川さんの親族では、この一年で七人の子宝に恵まれた。
 祭りは午前八時半ごろから始まり、男たちが車座になってサラピャースと呼ばれる歌を歌い、島の神々に感謝しながら神酒を回し飲み祭りを祝った。子宝に恵まれた父親らは酒をつぎながら島の神や男性、ツカサたちに子の誕生を報告し温かい祝福を受けた。

 写真説明・神酒を回し飲み子孫繁栄と豊作を願う男性たち=7日、下地町来間島の砂川輝夫さん宅

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最高齢者は松原カマドガマさん/松原自治会敬老会

 松原自治会(高里義市会長)の第九十一回敬老会が七日、久松地区公民館で開催された。多数の地域住民が集い、七十歳以上の高齢者の長寿を祝福した。
 敬老会に招かれたのは、九十七歳の最高齢者、松原カマドガマさんを筆頭に男性八十三人、女性百十八人の計二百一人。今年から敬老会に入会した七十歳の高齢者は松川彦次郎さん(松原一班)、佐久本良一さん(同)、砂川貞雄さん(同六班)、渡真利清昌さん(同七班)、伊良部栄さん(同八班)の五人。
 高里会長は「長年培ってきた貴重な知識と豊富な経験を生かし、老後の長い人生を心豊かに楽しく過ごしてください」とあいさつを述べた。
 また、松川さんが新人代表あいさつに立ち「これまで敬老会で先輩方の姿を拝見してきたが、今日は盛大に歓迎されて古希も良いものだな、と実感している。今後もよろしくお願いします」と力強い口調で語った。
 祝福に訪れた伊志嶺亮平良市長は「敬老の精神が深い松原地区だからこそ、元気なお年寄りが多いと思う。ますます長生きされ、宮古の発展を見守ってほしい」と祝辞を述べた。
 敬老会では、参加者一人ひとりに記念品が手渡されたほか、地域住民らが踊りや乾杯で会場を盛り上げた。

 写真説明・参加者全員に記念品を贈呈し長寿を祝った=7日、久松地区公民館

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