2005年(平成17年) 9月8日 木曜日
城辺町福東に建設された地下ダム資料館の落成式典と祝賀会が八日、同館前で行われ、大勢の関係者が出席し、落成を祝った。施設内には地下ダムの模型や建築技術、宮古の農業などについてのデータを展示しており、町は「観光、地下水保全の目玉に」と大きな期待を寄せている。同館の入館料を含む管理・運営方法については、同町議会九月定例会で提案されるため、早ければ今月中にも供用開始となる。 地下ダム資料館を柱とするコミュニティー施設は、世界に誇る地下ダムを観光に活用し、地域の活性化を図ることや、地下ダムの水を利用した先進的農業の啓発を目的に建設。隣接する緑地公園と合わせた総事業費は三億三千四百六十三万五千円。 式典に先立ち、仲間克町長、伊志嶺幹夫同町議会議長、県宮古支庁の兼城克夫支庁長、沖縄総合事務局の山内勝彦土地改良課長らがテープカットを行った。 落成記念式典で仲間町長は「宮古島の地下ダム開発は世界でも類を見ない水源開発で、その先進的技術の確立は世界各国から注目されている。施設は地下ダムの構造や地下水のメカニズムを広く一般に公開することで、環境、水質保全の発信拠点としての役割を担う。未来の子供たちへのメッセージの礎となる資料館として活用してほしい」とあいさつした。 来賓を代表して山内課長、兼城支庁長、伊志嶺議長が「観光面や子供たちの教育へ向け発信する素晴らしい施設」などとたたえ、同資料館の完成を祝った。 城辺町の児童を代表し、町立砂川小学校五年の川満厚実さんは「地下水はとっても大事なものだと思った。早く、宮古の全部の畑にスプリンクラーが整備され、品質の良い野菜やサトウキビが栽培されるようになってほしい」と感想文を発表した。 同資料館の主な展示内容は、▽地下ダムの模型▽宮古の水と自然▽宮古の農業▽大型地下ダム建設技術▽水の成分▽宮古島のエコエネルギー開発▽石灰岩の謎▽石灰岩と化石▽地層に触れる▽地下ダム見学―などとなっている。 同館入り口正面に設置される地下ダムの模型は断面構造や雨水の地下浸透、スプリンクラーが畑で稼働する様子が一目で分かるもので、地下ダムの概要が理解できる。 「宮古の農業」のエリアにはかんがい用水で栽培されるようになった亜熱帯作物を展示し、地下ダム完成前と後の農業変化や可能性を展望。「地下ダム見学」のスペースには、水が流れ、その音が響き渡る落ち着いた空間を演出した。世界随一の地下ダム完成までの過程や宮古の生活、観光などの映像を上映するコーナーもある。 写真説明・仲間克町長(左から3人目)らがテープカットを行い、落成を祝った=7日、城辺町福東の地下ダム資料館 |
☆ 豊作、大漁を祈願 ミャークヅツ始まる/池間・西原・佐良浜3地区
平良市池間島と同市西原、伊良部町佐良浜の三地区で、旧暦八月四日の「甲午」に当たる七日、伝統行事「ミャークヅツ(宮古節)」が始まった。旧年中の大漁豊作に感謝し、向こう一年間の五穀豊穣と大漁などを祈願。池間島と佐良浜では輪を作った大勢の男性がダイナミックな踊りを、女性は華麗な舞いを演じた。二地区は輪舞で歓喜一色に包まれた。 |
☆ 宮古馬の赤ちゃん誕生/保存・活用に明るい展望
☆ ヤーマスプナカ始まる/来間島 子孫繁栄と豊作願う
島の豊作と子孫繁栄を祈願する下地町来間島の伝統行事「ヤーマスプナカ」が甲午の日に当たる七日、二日間の日程で始まった。初日は、三家のヤームトゥでこの一年間に生まれた子供をお披露目する「マスムィ」と呼ばれる儀礼が行われ、各ヤームトゥに集まった住民たちが子宝に恵まれたことを祝うとともに健やかな成長を願った。きょう八日は各ヤームトゥの男たちが集落内を棒踊りで練り歩くほか、雨ごい座と呼ばれる祭場では各団体による余興が披露される。 |
☆ 最高齢者は松原カマドガマさん/松原自治会敬老会