200平成1  曜日

下地島の軍事利用反対など訴え/衆院選沖縄4区

真栄里保氏が宮古遊説

 十一日投開票の第四十四回衆院選で、宮古、八重山、沖縄本島南部の沖縄4区に立候補している真栄里保氏(49)=共産・新=は二日、宮古入りし、平良市街地を中心に遊説を行った。真栄里氏は郵政民営化反対や消費税など増税の反対、下地島空港軍事利用反対などを主張。小泉内閣を批判し「国民いじめの政治を今回の選挙で変えていこう」と訴え支持を呼び掛けた。きょう三日は城辺町や上野村、下地町などでも遊説を行い、広く支持の浸透を図っていく。
 真栄里氏は二日午後三時前の便で宮古入り。到着後すぐに平良市議で日本共産党沖縄4区宮古選挙事務所の上里樹選対委員長とともに遊説カーで繰り出し、市街地を中心に支持を呼び掛けた。
 このうち宮古郵便局前で行った遊説で真栄里氏は郵政民営化と増税反対の意思を強調。「郵便局が民営化されると赤字が生まれ、小さな郵便局はなくなる。過疎地域の多い沖縄にとって郵便局は大きな役割を果たしている。離島地域、弱者を無視する郵政民営化法案は通してはならない」「消費税など増税されることで国民の暮らしは深刻になる。共産党は増税にストップをかける」などと強く主張した。また、海外への自衛隊派遣についても反対し「二度と戦争を起こしてはならない。下地島空港も軍事利用させてはいけない。平和な利用で発展させるべき。共産党は軍事利用を許さない取り組みを行っていきたい」と述べた。
 この日は西里通りや下里通り、城辺線などでも遊説を行い、宮古郡民の支持・支援を求めた。

 写真説明・郵政民営化反対などで宮古郡民の支持を求める真栄里氏=2日、宮古郵便局前

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島嶼間のネットワークづくりを/世界島嶼会議沖縄プレ大会

 来年七、八月にハワイ・マウイ島で開催される第九回世界島嶼会議の沖縄プレ大会公開シンポジウム(主催・琉球大学、平良市、同シンポジウム実行委員会)が二日、平良市内のホテルで開かれ、太平洋島嶼地域から集まったパネリストらが、それぞれの島の視点で意見を発表、島嶼国、島嶼地域間のネットワークづくりや協調の重要性、持続的発展の重要性を確認した。

 パネリストとして参加した伊志嶺亮市長は「島々の多様性や多くの共通点があることが分かり、宮古にとって大きな示唆になった。自立経済確立、自然環境との共生、循環型社会の構築に向け、地下水を保全しながら、取り組んでいきたい」と述べ、宮古の持続的発展に意気込みを示した。
 今回のプレ大会は、昨年台湾の金門島で開催された第八回世界島嶼会議の中で、マウイ島で来年行われる第九回会議を前に、マウイと姉妹都市関係にある平良市でプレ大会を行ってはどうかとの案があり、実現に至った。一日には那覇市内でシンポジウムがあり、「島嶼社会のグローバルなネットワークと連携協力に向けて」と題し、討議が行われた。
 この日ははじめに、国際島嶼学会会長のグラント・マッコール氏が「生物多様性とシマンチュの暮らし」と題し基調講演。引き続きパネルディスカッションに移り、北マリアナ大学学長のアンソニー・デ・レオン・グエレロ氏、ミクロネシア大学学長のスペンシン・ジェイムス氏、グアム大学学長のハロルド・L・アレン氏、グアムコミュニティー大学学長のヒロミニアノ・デロス・サントス氏、東西文化センター沖縄プログラムディレクターのロバート・ナカソネ氏、南太平洋大学教授のランディ・ターマン氏、石垣市史編集委員の石垣博孝氏、県立宮古農林高校教諭の前里和洋氏と伊志嶺市長の九氏が、それぞれの立場で発表を行った。琉球大学副学長の嘉数啓氏がコーディネーターを務めた。
 このうち北マリアナ大学のグエレロ氏は、同地域も観光を中心にした経済となっていることを説明し、「短期的な利益よりも、長期的に持続可能な利益でなければならない。観光開発計画において、観光資源の質を向上させ、社会そのものの向上につなげる必要がある」と持論を展開。地理的に離れていることによる輸送コストの問題やインフラの未整備などを指摘した。
 南太平洋大学のターマン氏は「作物としての植物も重要だが、それ以上にさまざまな植物が基礎になっていることを忘れてはならない。自然環境があり、食糧があり、文化があり、互いが関係して発展につながる。また、島の発展性は海との関係性でもある。それなしに持続可能な発展はできない」と説いた。
 宮古農林高校の前里氏は同校の地下水保全の取り組みを紹介し、「環境教育によって若い世代に自信と誇りを与えたい。若い世代が頑張ることが、持続的発展にとって重要」と述べた。

 写真説明・島嶼地域のネットワークづくりの必要性などを確認したシンポジウム=2日、ホテルアトールエメラルド宮古島

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平良市 長期滞納者を提訴へ/市営住宅家賃、59人総額4500万円

 平良市(伊志嶺亮市長)は、長期にわたり家賃を滞納している市営住宅入居者五十九人との契約を八月二十六日に解除した。これに伴い、住宅の明け渡しや、未納家賃の支払い、契約解除の翌日から明け渡しの日までの家賃の二倍に当たる損害賠償金の支払いを求める訴えについての議案を、二日に開会した市議会九月定例会に提案した。市営住宅の家賃滞納に関して当局が訴えを起こすのは二度目で、今回の滞納総額は約四千五百万円。
 同市では、議案が可決され次第、那覇地方裁判所平良支部に対する訴訟提起の手続きに入る。ただ、時期が市町村合併を控えていることから、都市計画課は「弁護士とも相談し、訴えの提起は合併後の宮古島市として行うことになるだろう」との見方を示した。
 今回訴訟の対象となっている滞納者は▽馬場団地二十三人▽北団地七人▽上原団地十人▽松原団地三人▽鏡原団地七人▽荷川取団地五人▽西原団地三人▽宮原団地一人―の計五十九人。滞納月数で最も多いのは六十二カ月で、滞納額で最も多いのは、百六十四万一千五百五十六円となっている。
 市営住宅の家賃滞納者の訴えの提起については、昨年の市議会十二月定例会に初めて提案された。その際は十七人で総額約二千三百万円が対象となった。その後、七人が支払いを行ったり、支払いの意思を示したため、このうち十人が訴えの対象となった。
 十人については今年三月に那覇地方裁判所平良支部に訴えが提起され、五月の第一回口頭弁論を経て七月に八人に対して家賃の支払いや住宅の明け渡しなどを命じる判決が言い渡されていた。残る二人についても今月八日に判決が下される見込み。

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子育ての拠点が完成/上野村立保育所と支援センター

 上野村立上野保育所(黒島由美子所長)と同子育て支援センター(砂川隆子センター長)の落成式が二日、同所で行われた。多くの関係者らが詰め掛け、施設の完成を祝いながら、子供たちの成長を願った。園児たちは五日から登園する。
 保育所の定員は百五人。現在の村立二保育所(南、北)合計の九十人に比べ、十五人の定員増となる。支援センターでは、専属の職員が子育てに関する悩み事相談などに応じる。
 上野保育所の総事業費は二億四千十六万七千円。建築面積は九八九・二五五平方bで、安全面に配慮し園庭はさくで囲まれている。
 川田正一村長は「この施設が地域に慕われ、巣立っていく子供たちが、博愛の里・上野を背負って羽ばたき活躍することを祈願する」とあいさつ。工事関係者に対し感謝状を贈呈した。
 上野保育所の完成により、現在の北、南保育所は閉鎖。南保育所は取り壊し宮古島市役所上野庁舎の駐車場として、北保育所はデイサービスなど福祉施設としての利用を計画している。

 写真説明・多くの関係者が集まり施設の完成を祝った=2日、上野村の上野保育所

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女性のランプコーディネーターが誕生/県内初、岡部洋子さん

 日本トランスオーシャン航空(JTA)宮古支社に、県内で女性初のランプコーディネーター(RC)が誕生した。ランプコーディネーターとは、航空機が到着し出発するまでの間、乗客の誘導をはじめ、貨物や整備などすべての部門の状況など情報を集約し、総合的に判断してゴーサインを出す総合調整業務。入社四年目の岡部洋子さん(26)が八月二日からRCとして任務に就き、日々、奮闘している。
 現在、JTAでは宮古空港に十人のRCがおり、岡部さんはその中でも最年少、唯一の女性RC。一人平均六便を担当する。岡部さんは「RCの業務はすべての情報を把握し指示する司令塔。任務に就いたことで視野が広くなった。時間が押すときなどは焦ることもあるが、安全・定時性のためスマートな仕事をしていきたい」と意気込みを話し、「女性初のRCとしていろいろな人に良い刺激があれば。男性に張り合うのではなく、女性が持つ気配りも合わせて日々向上心を持って頑張りたい」と笑顔を見せた。週一回は貨物の積み荷作業に当たり現場の声や状況を体感しているという。
 JTA宮古支社の小浜勝弘支社長は「RCは幅広く知識や技能を兼ね備えた人でなければこなせない任務。安全を前提に、航空機の定時性を図るなど責任重大な要素があるが、てきぱきと仕事をこなし、ミスもない。年内にはもう一人女性RCを誕生させたい」と評価。岡部さんが所属する発着管理課の砂川貴司課長は「不安はあったが、明るさとやる気に驚いている」と話した。

 写真説明
・県内で女性初のRCを務める岡部洋子さん=宮古空港


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   金城瑞希ちゃん、全国最年少/英語検定5つで準2級に合格

 第一回文部科学省認定実用英語技能検定(英検)の準二級に金城瑞希ちゃん(5つ)=平良市久貝=がこのほど合格した。準二級は高校二、三年生という高いレベル。瑞希ちゃんの通う塾の先生によると、五つでの合格は今年度第一回の英検で全国最年少という。「英語は全部好き。むずかしくなかったよ」と瑞希ちゃん。指導者をはじめ、両親たちを喜ばせると同時にびっくりさせている。
 また、三級には小川碧さん(北小三年)と國仲陽良さん(平良第一小五年)の二人が合格。三級は高校一年生のレベル。
 英語の勉強を始めて二年という瑞希ちゃんは「難しくないよ、簡単だよ」と笑顔で合格後の感想。「書くのが好き。今度は二級合格を頑張る」と早くも目標に向かっている。母親の千賀子さんは「自然な形で英語を勉強させたいと思った。本人も楽しく学んでいる様子で、今回の合格も素直にうれしい」と目を細めて喜んだ。
 三級に合格した陽良さんは幼稚園のころから同センターで英語を勉強している。「テストは難しくて自信が無かったけど、合格してうれしい。準二級を目標に頑張りたい」と意気込みを見せた。碧さんも幼稚園のころから英語に触れ「英語は全部楽しい。お母さんが一番喜んでたのがうれしかった。結果にはドキドキしたけど次も頑張る」とうれしそうに賞状に目を落とした。
 子供たちの通うWindowズ留学センターの悦子・長崎・アントリム代表は「子供たちはみんな天才。それをどのように指導するのか、それが指導者の役目。子供たちの持っている能力を存分に引き出したい」と期待を寄せた。
 また、瑞希ちゃんと同じく準二級に合格した玉城太成君(小一)は、三月まで同センタージュニアーアカデミーに通い、英語を二年二カ月学んだ。四月に豊見城市にある上田小学校に転校したが、県内最年少での合格を喜んでいると同センターに報告があったという。
 今年度第一回の英検一次の筆記試験は六月二十日に、二次の面接試験は七月十五日に行われた。

 写真説明・2005年度第1回英検で全国最年少準2級合格者の瑞希ちゃん(中央)を挟んで碧さん、陽良さん(左から)後ろは指導者のミルトン・アントリムさん=2日、Windowズ留学センター

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