200平成1  828曜日

資料編を来年3月に発行/ハンセン病証言集編集委員会

 県ハンセン病証言集編集委員会(会長・大城貞俊昭和薬科大学附属高校教諭)が編さんするハンセン病隔離政策の被害実態をまとめた証言集の「資料編」が、来年三月に発行される。同委員会の第二回会議が二十七日、宮古南静園で行われ、同園と沖縄愛楽園の編集事務局がそれぞれ編集作業の進ちょく状況を報告。証言集は資料編と両園それぞれの証言編の三部構成で、両園の入所者らから聞き取り調査を行い、生の声を収録した「証言編」は〇七年三月に発行、同問題に関しより踏み込んだ歴史的検証の実現が期待される。
 県ハンセン病証言集編集事業は、元患者らの名誉を回復し、正しい情報の普及に資することが狙い。ボランティアスタッフらが沖縄愛楽園、宮古南静園の入所者らから被害の実態を聞き取って記録し、約一千部を発行する。
 同事業では現在までに、南静園の入所者および退所者七十四人、愛楽園の入所者ら関係者百九十一人の計二百六十五人が証言者として協力。ボランティアを中心とした調査員は両園合わせて百三十二人が参加している。同証言集は資料編と両園それぞれの証言編の計三冊で構成され、B5判で一冊につき三百ページを予定している。
 会議の冒頭、大城会長は「現在の穏やかな園にたどりつくまでの入所者の皆さんのご苦労に敬意を表する」とあいさつ。宮古南静園入園者自治会の宮里光雄会長は「本土とは異なる沖縄のハンセン病の歴史について検証すべきことが多々ある中、多数の有志の支えによって編集作業が進んでいる。自治会としても貴重な教訓として後世に残せるよう努力したい」と述べた。
 会議では、ハンセン病問題の社会背景を表し、話者の証言を裏付けるために作成される「資料編」の構成内容が検討された。

 写真説明・ハンセン病証言集編集作業の進ちょく状況などが確認された会議=27日、宮古南静園入園者自治会会議室

top.gif (811 バイト)

「明るく、元気良く、楽しい野球を」/元ロッテ投手・村田兆治さん

 元ロッテ・オリオンズ(現マリーンズ)投手で野球評論家の村田兆治さんによる野球教室(主催・宮古青年会議所)が二十七日、平良市民球場で行われた。宮古地区の小学生球児らが参加し、プロの手ほどきを受けた。村田さんは走る、投げる、捕る、打つの四つの基本について手取り足取り丁寧に指導。「目標を持って一生懸命努力すると必ず成功する。甲子園にも行ける。明るく、元気良く、楽しく野球をやってください」と球児らにエールを送った。
 午前十時から始まった教室はウォームアップを兼ねた声出しで始まった。村田さんは「大きな声を出すことは自分をアピールすること。チームが一つになるためにも声を出すことは大事」と球児らに求めていた。
 投球では、故障しないためにも正しいフォームで投球することを重点的に指導した。また、村田さんの代名詞でもある「まさかり投法」も披露され、体全体を使ったダイナミックなフォームで力強い速球を投げ、球児らを喜ばせていた。
 打撃練習では村田さんが球児相手に登板し、内角や外角に投げ分けた。シャープな打撃を見せた球児には「甲子園に行けるぞ」と絶賛した。
 直接指導を受けた島尻芙樹君(平一小六年)は「ボールの握り方やフォームなど、たくさん教えてもらったことを身に付けられるようにしたい」とプロの指導に充実した表情を見せた。
 また、池村浩太君(下地小五年)は「指導は厳しかったけど楽しかった。とても勉強になったので一生懸命練習したい」と汗をぬぐった。
 教室を終えた村田さんは「みんな素直な心を持っている。一生懸命さに魅力を感じた。次に来るのが楽しみになった」と笑顔で語った。
 この日は午前中が高学年、午後が低学年と分けて指導した。野球教室はきょう二十八日、伊良部町で開催される。
 村田 兆二(むらた・ちょうじ) 1949(昭和24)年生まれ。広島県出身。67年に東京オリオンズ(現ロッテ)に入団。速球とフォークで最多勝1回、最優秀防御率3回、最多奪三振4回。現役生活23年間で通算215勝。05年に野球殿堂入り。長崎県対馬市に設立された対馬まさかりドリームスの監督兼投手。

 写真説明・小学生球児らに熱心な指導をする村田さん(中央)=27日、平良市民球場

top.gif (811 バイト)

伊志嶺亮氏が事務所開き/宮古島市長選

 五市町村合併で十月一日に発足する宮古島市の市長選に立候補を表明している現職平良市長の伊志嶺亮氏(72)=革新系無所属=の後援会事務所開きが二十七日、平良市下里で行われ、伊志嶺氏が「活力ある宮古島づくりに向け頑張りたい」と述べ、支持者らが初代市長選挙当選へ向け気勢を上げた。
 伊志嶺氏は集まった大勢の支持者に感謝した上で、「合併は新しい宮古島市をつくる百年に一度の大チャンス。これまで培ってきた力で新しい宮古島市をつくっていきたい」と強調。「新しい宮古を子供たちにどう残していくか。今度の選挙は誰がそのかじを取るかを住民が選択するもの。合併推進の長として頑張ってきたので、合併が何たるかは分かっているつもりだ。新市の市長となり、われわれが望む活力ある宮古島市に向けて頑張っていきたい」と述べた。
 比嘉一雄後援会長は「この場所で事務所を開くのは今回が三度目。過去は二度ともここで当選を果たしている。今回もここを拠点に、宮古本島、伊良部の隅々まで伊志嶺予定候補者の政策の浸透を図れるよう運動を繰り広げたい」と意気込みを示した。
 奥平一夫県議は「十一年間市長を務め、市民の目線で公正、公平に、平和問題を基軸に行政の長として頑張ってきた。伊志嶺氏には島を隅々まで豊かにするという高い理念と十一年間の輝かしい実績がある。子供たちの未来のためにも私は全力で応援する」と述べ、支持者らに団結を呼び掛けた。
 九月十一日執行の衆院選に沖縄4区から立候補を予定している真栄里保氏=共産公認=が応援に駆け付けたほか、沖縄社会大衆党と社民党の激励メッセージも紹介された。また、女性や青年代表らも登壇して決意表明した。最後に平良市の下地学助役の音頭でガンバロー三唱して、選挙戦必勝へ気勢を上げた。

 写真説明(上)・あいさつする伊志嶺氏
 写真説明(下)・ガンバロー三唱で気勢を上げる伊志嶺氏(中央)と支持者ら=27日、平良市下里の伊志嶺氏後援会事務所

top.gif (811 バイト)

こんなかりゆし≠「かが

すみれ洋裁学院ファッションショー開催

 「2005かりゆしウェア すみれ洋裁学院ファッションショー」(主催・同学院)が二十六日、平良市下里のペンションスター一階A&W前広場で開催され、同学院の生徒や宮古の洋裁店、同学院講師が受け持つ「県民カレッジ」の受講生らの作品、合わせて六十六点が披露された。道行く多くの人が足を止め、さまざまな個性豊かな「かりゆしウエア」の数々に見入っていた。
 今回のファッションショーは、同学院の生徒や洋裁店からは、宮古織や古い着物をリメイクした作品が出品され、モデルらがあでやかに着こなし、観客の拍手を浴びた。
 また今回は初めて「県民カレッジ」の初級者向けかりゆしウェア制作の受講生の作品三十三点も紹介され、初心者が作ったとは思えない出来栄えの作品が次々に登場した。
 講師の垣花直子さんは「県民カレッジでかりゆしウェア作りに取り組んだことで、宮古織や宮古上布など、地元の織物にも興味を持つ人が増えている。きょうはたくさんの人に見ていただき、非常に良かった」と話していた。

 写真説明・個性豊かな作品が次々と紹介されたファッションショー=27日、平良市下里のペンションスター1階A&W前広場

top.gif (811 バイト)

根間さん親子が金賞/下地町 あさがおコンクール

 下地町子ども育成連絡協議会(川満武仁会長)の二〇〇五年度第十七回親子あさがおコンクールが二十七日、同町中央公民館で行われ、上地子ども会の根間えりみさん(下地小一年)・善子さん親子が金賞に選ばれた。
 表彰式では川満会長が入賞した親子に賞状と図書券を贈呈。「来年は頑張ってもっと多くの作品を出し、きれいな花を咲かせてほしい」と呼び掛けた。賞状を受け取ったえりみさんは「家族みんなで育てたアサガオが金賞で嬉しい。来年も頑張る」と笑ってアサガオをなでた。お父さんの良光さんは「肥料を調整しただけ。家族の愛情で育てた」と目を細めた。
 金賞を受賞した根間さん親子のアサガオは、土作りや手入れの状況などが高く評価された。川満会長は「土作りや茎の太さなど総合的な面で光っていた」と講評を述べた。
 同コンクールは、親子で一つの花を育てることでコミュニケーションを図り会話する機会を増やそうと実施。今年は台風の影響で作品が例年より少なく、十四点の出展となった。前日に行われた審査会では、▽全体のバランス▽花の数▽草丈▽土作り▽支柱のアイデア―などについて審査した。
 入賞した親子は次の皆さん。(敬称略)
 【金賞】根間えりみ・善子(上地子ども会)【銀賞】来間龍一・衣代(同)▽川満理菜・ルミ子(川満子ども会)【銅賞】川満香織・ヒロ子(入江子ども会)▽米田萌人・美香(上地団地)▽友利有花・佐世子(川満団地)【アイデア賞】根間えりみ・良光(上地子ども会)【もっと咲くで賞】川満琉平・邦弘(入江子ども会)【葉っぱ大きいで賞】仲間速布・未子(上地団地)【花いっぱい咲いたで賞】砂川直之・広美(川満団地)

 写真説明・金賞とアイデア賞を受賞した根間さん親子=27日、下地町中央公民館

top.gif (811 バイト)

   「池間民族屋号集」を発刊/池間島出身の伊良波盛男さん

 平良市池間島出身で池間郷土学研究所長の伊良波盛男さん(62)がこのほど、「先祖から子々孫々へ 池間民族屋号集」を発刊した。地元の方言で屋号が紹介され、屋号から一族のつながりを浮き彫りにし文献的に貴重な資料となっている。池間島の屋号が網羅されて紹介されたのは今回の発刊書物が初めて。
 同屋号集には、池間文化協会の石原信一会長が「生活の中の屋号」、文化人類学者で横浜国立大学の笠原政治教授が「屋号の民俗学」、平良市総合博物館の砂川玄正館長が「分村・移住と屋号」について寄稿している。
 伊良波さんは「本村・元島『池間島』の屋号」で、多彩な方言屋号を分かりやすく漢字で表記し、屋号で呼ばれていた人々を紹介。地勢、南北など方位から付けられた屋号などがあり、屋号と生活文化とのかかわりが密接につながっていることを紹介。
 「分村『伊良部島佐良浜』の屋号」、「分村『宮古島西原(西辺)』の屋号」も併せて掲載されている。
 同屋号集は、B5版、全百頁。千部発刊。一部千五百円。
 詳しい問い合わせは、伊良波盛男さん(電話・ファクス047・493・1253)まで。九月からは平良市池間島の連絡先(電話75・2229)。

 写真説明・「先祖から子々孫々へ 池間民族屋号集」

top.gif (811 バイト)