200平成1  826曜日


ごみ減量で歳出抑制/宮古清掃施設組合

 04年度決算 実質収支4400万円の黒字

 宮古清掃施設組合(管理者・伊志嶺亮平良市長)の二〇〇四年度決算で、ごみの減量によって同年度当初予算よりも約二千五百万円の歳出抑制につながったことが分かった。二十五日に開かれた同組合議会(松川寿雄議長)の〇五年度第二回臨時議会で認定された、〇四年度一般会計歳出歳入決算の中で示された。実質収支で約四千四百万円の黒字。黒字分は繰越金として〇五年度一般会計補正予算に組まれ、同組合に負担金を計上している五市町村に返還されることとなった。
 〇四年度は可燃ごみで四・一%、不燃ごみで一・七%それぞれ減少。これに伴い作業時間が減り、職員の時間外手当や、時間外のごみ焼却の委託料なども減少した。このため「清掃費」の項目で約二千五百万円の「不用額」が出た。このほか〇三年の台風被害を受け復興費用などとして多めに計上していた予備費なども合わせて、「不用額」は約三千万円となった。
 ごみの減少要因について同組合では、詳細な分析はこれからとしながらも、▽各市町村でごみ分別の指導を徹底し、住民に浸透した▽住民の中でもごみを減らそうという意識が高まっている―などとみている。その上で、「ごみを減らすことで処理費用は減り、歳出抑制につながることが数字としても表れたということ。住民の皆さんには引き続き協力をお願いしたい」とした。
 一方、歳入ではアルミ缶の単価上昇に伴う売却価格の上昇や、事業系ごみ手数料などで、予算現額を約千四百万円上回る収入済額となった。
 これにより実質収支は、歳入総額五億七千七百九十八万八千四百七十一円に対し、歳出総額五億三千三百五十一万七千八百二十二円で、差引額四千四百四十七万六百四十九円の黒字となった。
 今議会ではこのほか、五市町村合併に伴い、県市町村総合事務組合から脱退する議案も全会一致で可決された。
 同組合議会としては今議会が市町村合併による解散前の最後の議会となった。同組合が管理していた清掃工場は合併後、宮古島市の福祉部が管理することになる。

 写真説明・04年度一般会計歳入歳出決算が認定された臨時議会=25日、宮古清掃施設組合

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国政復帰に協力求める/下地幹郎氏・衆院選沖縄1区

 衆議院議員選挙で沖縄1区から立候補を予定している宮古出身で元衆議院議員の下地幹郎氏(44)=民主推薦、社大支持=の宮古後援会(中尾英筰会長)主催の「緊急活動者大会」が二十五日、平良市内のホテルで行われた。下地氏はふるさとの支持者らに対して「沖縄のためにはっきりものを言い責任を持つ政治が必要で、私はそのような政治をやりたい。政治の自立がないと地域の活性化もない。下地幹郎を国会議員にして良かったと感じてもらえるためにもぜひ国政の場へ送ってほしい」と述べ、国政復帰に協力を求めた。
 今回選挙で下地氏は、民主党推薦、社大党支持、社民党の事実上の協力を得ていることから会場には友利恵一氏、与那覇タズ子氏、前川尚誼氏、下里茂博氏ら平良市議会の革新系議員らも駆け付け、下地氏当選に協力していく姿勢を示した。
 中尾会長は「前回選挙で敗れた後も下地氏は沖縄の課題解決のために頑張ってきた。宮古島から出た偉大な政治家を国政の場に送るために那覇市に住んでいる知人、友人らに協力を求めて支持拡大を図ってほしい」と支援と協力を求めた。
 自民党を離党して戦う今回の選挙戦ついて下地氏は「今回、無所属で立候補するが、保守とか革新、与党だとか野党とかのレベルではなく、下地幹郎に対してたくさんの人たちが期待をし協力してくれていることに感謝している。その人たちの期待にぜひ応えたい」と述べた。
 そのほか、来賓あいさつでは上野村の川田正一村長が「衆議院が解散し、下地氏が国政の場に復帰する千載一遇のチャンスが訪れた。三度下地氏を国政の場に送るために頑張ろう」と激励し、宮古郷友同志会の宮国義夫会長、宮古ミキの会の真壁カツ会長も下地氏当選に向けた支援と協力を呼び掛けた。
 会場にはたくさんの支持者が詰め掛け、衆院沖縄1区で下地氏の当選に向け協力体制を構築していくことを確認し合い、最後は豊見山恵栄伊良部町議のガンバロー三唱で国政復帰に向け気勢を上げた。
 衆議院選挙は今月三十日に公示、来月十一日に投開票となっている。

 写真説明・会場に詰め掛けた多くの支持者らと国政復帰に向けガンバロー三唱で気勢を上げた=25日、ホテルアトールエメラルド宮古島

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城辺町、景観乱すと撤去/吉野海岸に大量のごみ

 城辺町(仲間克町長)は二十五日、吉野海岸の海浜でボランティアの男性が集めた大量のごみの撤去を開始した。ごみは漁で使用するブイや、流木などの漂着物がほとんど。そのほか空き缶や空き瓶、ペットボトルなどありとあらゆるごみが砂の中からも出てきた。この日の作業だけで二dトラック三台、十dトラック一台分のごみを撤去。作業はきょう二十六日も行い、この男性が建てた「準工作物」も撤去する。町側は町有地内に準工作物を建てていることや大量のごみが景観を乱すとして今回の撤去作業を実施しているが、男性は「私が六年間やってきたことに対する評価はないのか」などと落胆している。
 撤去作業は町役場職員や海岸の指定管理者、ボランティアなど約二十人で行った。午後五時三十分ごろから重機を入れて作業を開始。大量のブイを次々と重機に積み込んで搬出した後、しっかりとごみ袋に分別されたごみを運んだ。当初は男性が流木をつなぎ合わせて建てた準工作物の撤去も予定していたが、あまりのごみの量に作業が遅れ、流木などの撤去はきょう二十六日に持ち越した。
 作業に参加した人の中には「これだけごみがあると完全撤去に三日はかかるのでは」と困惑。同町企画振興課の下地達男課長は「準工作物の裏側にどれだけの流木が積まれているのかが心配。撤去には時間がかかるだろう」と話した。
 町はごみを拾い集めた男性に対し、今後ごみを集めないことや営業行為を行わないとする確約を求めたが、男性は「ごみ拾いのボランティアは続ける」としている。
 男性は六年前から吉野海岸のごみ拾いを行っているほか、訪れる観光客にサンゴ礁を踏まないよう注意を促したり、同海岸のサンゴ礁群の貴重さや生態について説明したりしてきた。ただ、男性によると、今年三月から集めたごみを搬出することができず、海浜にたまっていったという。
 男性がごみ拾いをしていたことを知っている人で、撤去作業を見ていたある男性は「確かに景観は悪くなっていたとは思うが、やっていたことは素晴らしいので何とも言えない」と複雑な心境を明かした。
 町も男性が海浜のごみ拾いをしていたことを把握しているが、「集めた場所が汚い」などの苦情を受けて今回の撤去に踏み切っている。
 同海岸は現在、町が管理業者を指定して管理運営している。今回の撤去作業については事前に男性に伝えていた。

 写真説明・ありとあらゆるごみを集める役場職員ら=25日、吉野海岸

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生誕100周年で演奏会/作曲家・金井喜久子さん(宮古出身)

 宮古出身の作曲家・金井喜久子さん(旧姓・川平、一九〇六―八六年)の生誕百周年を記念した演奏会が来年、出身地である宮古で行われることになった。平良市役所で二十五日、実行委員会が開かれ、伊志嶺亮市長が実行委員長に決まった。実行委員会が主催し、地元の音楽関係者を中心とした演奏会とする方針。また金井さんの息子・弘志さん(東京在住)の協力で島外からゲストを招くことも視野に入れる。
 実行委員は、金井さんに師事した新城悦子さん、平良市文化協会長の立津精一さんらが務める。
 演奏会は同実行委員会が主催する。二〇〇六年三月が金井さんの生誕百周年に当たるため、それから一年以内の開催を予定。開催が市町村合併後になることから、宮古島市との共催とするかも今後、検討される。
 金井さんは日本の女性作曲家の先駆け的な存在。一九〇六年三月、宮古に生まれ、県立第一高等女学校を卒業後、日本音楽学校、東京音楽学校(現・東京芸術大学)で学び、作曲家への道を歩んだ。作曲家として東京を中心に幅広い分野での活動を精力的に行った。沖縄音楽を基礎に、交響曲、オペラ、室内楽、歌曲などを発表。日本人女性で初めて交響曲を作曲した。

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水土里ネット新規制度など説明/農村整備事業で研修会

 二〇〇五年度農村総合整備推進事業研修会(主催・水土里ネットおきなわ)が二十五日午後、平良市内のホテルで行われた。農村整備事業を展開する県内担当課職員が一堂に会し、「バイオマスの環づくり交付金」(新規)など〇五年度の国の主な事業内容について理解を深めた。きょう二十六日は大和井や東平安名崎、ドイツ文化村などの現地研修を行う。
 研修会では沖縄総合事務局土地改良課農村整備係長の外間昇さんが〇五年度農村整備課所管事業制度の新規・拡充について説明した。
 効率的な汚水処理施設の普及促進を図るための「汚水処理施設整備交付金」(仮称)の創設や、農業の持続的発展のための活動支援を行う農地基盤整備対策「元気な地域づくり交付金」、バイオマスを利活用する活動を全般に支援する「バイオマスの環づくり交付金」など新規の事業を説明し、理解を求めた。
 この後、東原土地改良区理事長の辺土名豊一さんが「パーントゥの里づくり」と題して話し「里づくりは里の良さを地域の方々に見てもらいながら交流を行い、相互の繁栄、発展につなげていくことが目的」と述べ、伝統行事を継承していくことの大切さを訴えた。
 続いて、宮古農業改良普及センターの本村隆信所長が「グリーン・ツーリズムの推進について」、県宮古支庁の兼城克夫支庁長が「宮古アヤグを唄い楽しむ」と題して講演し、それぞれが持つ特徴と可能性について語った。
 研修会に参加した担当課職員らは各講師の話に耳を傾け、宮古島における農村整備の充実と今後の可能性について理解を深めていた。

 写真説明・県内農村整備担当課の職員が一堂に会し研さんを積んだ=25日、ホテル共和

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   自然を彩る/宮古・石垣固有種ミヤコジマツルマメ

 ミヤコジマツルマメ(マメ科)が紫紅色の花を咲かせる季節を迎え、自然を彩っている。国内では宮古島と石垣島にだけに自生する固有種。
 過去に本土から宮古を訪れていた植物学者の小泉源一氏がツル性植物を発見、採取。一九四三年に固有種「ミヤコジマツルマメ」として日本植物目録などに初めて記載された。今年は初記載から六十二年目。 
 海岸近くの原野などに自生する。茎は長さ二十―三十aあり細くて長い。小花は直径一aほど。豆果は平たくて長さが二a前後、種子は多くて五個。
 植物に詳しい川上勲さんは「一部の自生地では近年、ミヤコジマツルマメは多く見られる」と話し喜んでいた。
 外国では台湾、南中国、オーストラリアなどに分布する。

 写真説明・自然を彩るミヤコジマツルマメ=25日、平良市(撮影・伊良波彌記者)

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