200平成1  823曜日


港湾事業会計補正を否決/平良市議会臨時議会

 平良市議会(池間青昌議長)の二〇〇五年第四回臨時会が二十二日行われ、宮古広域圏事務組合など一部事務組合の解散と解散に伴う財産処分についての議案を全会一致で可決した。しかし、トゥリバー地区の早期売却に向け土地売却媒介業務委託料として四千万円を計上した港湾事業特別会計補正予算については野党議員の反対多数で否決された。
 港湾特会の業務委託料について、当局側は同地区の早期売却に向け、不動産業界に広く情報を公開してもらうためにも業務委託料を予算化する必要性を示した上で、業務委託料は売買契約が成立し売買代金が支払われた段階で支払われることを説明した。
 しかし、野党議員側は同委託料の四千万円について同地区の一部を売れたものと仮定し「財産売り払い収入」を歳入として計上している予算編成のあり方や、「委託料は売買のめどがついてから議会に諮るべき」などの意見が相次ぎ、採決で否決の判断を下した。
 否決について保守系市議団の下地秀一会長は「架空の土地を売却した予算を計上してまでの緊急性はない。合併後でもいいと思う。予算計上しなくても規約や覚書でも対応できる」と説明した。
 これに対して当局側は「覚書にしても予算がないままでは意味がない。不動産売買の法的な手続き上も予算化が必要」との見解を示し、伊志嶺亮市長も「今後、早期売却に向け理解を求めていきたい」と述べた。
 そのほか、市有地の処分についての案件や一般会計補正予算の三千八百二十六万七千円は全会一致で可決された。
 一部事務組合については、広域圏事務組合のほか、広域消防、清掃施設組合、宮古島上水道企業団の解散と解散に伴う財産処分についてが全会一致で可決となった。

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企画政策部長に久貝智子氏/宮古島市人事

 平良市、城辺町、伊良部町、下地町、上野村の五市町村が合併して十月一日に発足する「宮古島市」の人事異動が二十二日、内示された。市長部局では企画政策部長には部長級で唯一の女性となる現平良市教育委員会参事の久貝智子氏(57)を起用。福祉保健部長には城辺町保健課長の池村直記氏(43)が昇任となる。現平良市の部長職で、総務部長の宮川耕次氏(54)、経済部長の宮国泰男氏(55)、建設部長の平良富男氏(56)がそれぞれ、宮古島市の総務部長、経済部長、建設部長に。教育委員会では教育部長に現平良市教育委員会教育部長の長濱幸男氏(58)、生涯学習部長に宮古広域圏事務組合事務局長の二木哲氏(56)が就く。また、各部の役割を併せ持つ伊良部総合支所長には伊良部町企画室長の長浜光雄氏(55)が就任する。
 今回の内示は宮古五市町村合併協議会(会長・伊志嶺亮市長)が二十日に行った市町村長会議で確認された。
 五市町村と宮古島上水道企業団を含む一部事務組合などの職員、計千四十四人が対象。今後、若干の調整が加えられる可能性があるものの、各部局の配置はほぼ固まった。これにより合併までの一カ月余りで、合併に向けた準備作業が加速することになる。
 部長級で、各庁舎の支所機能を統括する支所長には平良市福祉部長の狩俣公一氏(58)が就くほかは、各町村の総務課長らを起用。城辺支所長は城辺町総務課長の饒平名建次氏(54)、上野支所長は上野村総務課長の砂川正吉氏(55)、下地支所長は下地町総務課長の上地廣敏氏(52)に決まった。伊良部総合支所には参事監のポストも置かれ、伊良部町総務課長の譜久村基嗣氏(50)が就任する。
 部長とともに各部に配置される参事には、総務部参事に宮古五市町村合併協議会事務局長の糸数健氏(57)、経済部参事に上野村農業委員会事務局長の砂川永太郎氏(48)、建設部参事に下地町建設課長の平良哲則氏(50)、企画政策部参事に平良市土地等対策局長の狩俣照雄氏(54)、福祉保健部参事に宮古清掃施設組合事務局長の狩俣博三氏(59)の起用が決まった。
 議会事務局長には平良市議会事務局長の下地嘉春氏(58)が就く。消防本部では宮古広域消防組合消防長の伊舎堂勇氏(57)が消防長に、水道局は宮古島上水道企業団次長の砂川定之氏(57)、同参事の下地祥充氏(54)がそれぞれ同局次長、同局参事となる。
 今回の内示を部局別で見ると、市長部局が総務部七十五人、企画政策部五十七人、福祉保健部百七十五人、経済部七十七人、建設部六十九人の計四百五十三人。教育委員会が教育部九十五人、生涯学習部四十四人の計百三十九人。
 各部の役割なども含まれる伊良部総合支所は百二十七人で、これを合わせた各支所に二百七十一人が配置される。議会事務局などの「行政委員会等」は二十九人、水道局五十六人、消防本部九十六人となっている。

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総事業2億2000万円、来年完成/下地町保健福祉センターが着工

 下地町では初めてとなる保健福祉の総合機能を備えた「下地保健福祉センター」が建設される。二十二日、建設現場の旧役場跡地で起工式が行われ、川満省三町長や工事関係者らが工期中の安全無事故を祈願した。総事業費は約二億一千八百万円。リハビリを行う日常生活訓練室や研修室、栄養実習室などを設置し乳幼児や高齢者の保健事業を実施していく。来年一月の完成、二〇〇六年度供用開始を予定している。
 これまで同町には保健事業を実施する特定の施設がなく、乳幼児検診や予防接種、老人保健事業は中央公民館や農村環境改善センターを利用して行っていた。老人福祉センターも老朽化が進み、母親たちや高齢者からも施設の要望があったことなどから、総合機能を備えた保健福祉センターを建設する運びとなった。
 同施設の延べ床面積は八三六・二五平方bで、一階平屋建て。日常生活訓練室や食事の栄養指導を行う栄養実習室、健康相談室、研修室、作業室などを設置する。保健師二人を含むスタッフを配置する予定で、市町村合併後は新市に引き継いでいく。
 起工式では金剛禅寺の住職が読経し、工事の安全を祈願。川満町長、工事を請け負う大成土建の砂川昌則代表取締役、勝設計事務所の下地勝義代表がくわ入れを行い、無事故・無災害を願った。
 川満町長は「保健福祉センターが町民の健康を管理する拠点となる施設になれば。合併後も住民の保健福祉が充実することは大切。町民の健康がこの施設から守られていくよう、行政としてもしっかり取り組んでいきたい。安全第一で災害のない仕事をしてほしい」とあいさつし、町内の福祉向上に期待した。

 写真説明・くわ入れを行い、工事の安全を祈願する(左から)勝設計事務所の下地代表、川満町長、大成土建の砂川代表取締役=22日、下地町役場旧庁舎跡地

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先人の手業を学ぼう/アンディラワークショップ開講

 宮古に古くから伝わる民具「アンディラ」の制作を学ぶ「アンディラ・ワークショップ」(主催・県教育委員会)の開講式が二十二日、城辺町の宮古島美術研究所で行われた。先人の手業を学ぼうと二十三人の受講者が参加。小川京子さんと渡久山千代子さんの指導の下、二十六日までの期間にオリジナル作品を制作し、二十七、二十八の両日に平良市の花ギャラリーTOMOEで展示する。二〇〇七年度十一月に開館する県立現代美術館(仮称)教育普及プレイベントの一環で、離島開催は初めて。
 同ワークショップは、〇七年度に開館する県立美術館が離島を含む県民全体に親しまれるため、館外活動の充実を図ろうと実施。今年十月には城辺町立福嶺中学校、下地町立下地中学校に収蔵品の絵画を運び、出張鑑賞会も開かれる。
 開講式で仲宗根用英県教育長(池田克紀文化施設建設室主幹代読)は「宮古の文化をしっかり学び、ご自身の大切なものを思いながら、個性的な工夫を加えた新しい表現を生み出すことを期待する」と受講者らを激励した。
 アンディラは本来、アダンの繊維で作った縄を編んで制作するが、今回はこん包用の紙テープを使って編み方を学習。個人の作品の他、受講者全員による共同作品も制作する予定。講師を務めるバスケットアーティストの小川さんは「昔の人が植物の特徴を見つけ、美しく便利な工芸品に進化させて現在のかごが存在する。今回の講習は、古きに学びて新しきを作る精神で臨んでほしい」と呼び掛けた。
 参加した渡真利キクさん(60)は「子供のころ、おばあの部屋に掛かっていたたくさんのアンディラは宝物入れに見えた。おばあのアンディラに一歩でも近づけるよう頑張りたい」と決意を話した。

 写真説明・アンディラワークショップが始まり開講式が行われた=22日、宮古島美術研究所

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「海水浴が楽しみ」/新潟県上越市 板倉区から児童12人来島

 城辺町(仲間克町長)と新潟県上越市板倉区の児童交流事業で二十二日午後、板倉区から十二人の児童が来島した。十二人は城辺町の民家でホームステイし、宮古島の文化や風習を学ぶ。同町農村環境改善センターで行われた歓迎会で自己紹介した板倉区の児童たちは「宮古島の料理を教えてほしい」「きれいな海での海水浴が楽しみ」などと目を輝かせていた。
 板倉区の児童たちは二十五日までの日程でホームステイする。きょう二十三日は各自ホームステイ先で自由行動、二十四日は砂川小学校で城辺町の児童たちと交流を深める。二十四日は新城海岸で海水浴、二十五日に帰路に就く。
 歓迎会で城辺町の仲間町長は「宮古島がどういう島なのか、その島の人がどういう生活をしているのかを学習してください」と歓迎。砂川恵良教育長は「城辺町の普通の生活を体験し、文化の違いを学んでほしい」と呼び掛けた。
 これに対し板倉区の児童たちは「宮古島の文化を学びたい」「クイチャーを踊りたい」などと話し、これから始まる交流に胸を膨らませていた。
 この交流事業は旧板倉町の故中村十作が宮古の人頭税廃止運動における功績を後世に引き継ごうと、城辺町と旧板倉町がスタートさせたもので今年十二回目を迎える。

 写真説明・「宮古島のことを教えて」と元気よく自己紹介した板倉区の児童たち=22日、城辺町農村環境改善センター

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