200平成1  822曜日


町民、「合併」を支持/伊良部町長解職請求住民投票

 伊良部町の浜川健町長の解職(リコール)の賛否を問う住民投票が二十一日行われた。即日開票の結果、解職反対に二千四百三十九票が投じられ、解職賛成の千三百七十六票に千六十三票の大差をつけて解職請求は不成立となった。県内初の首長に対する解職投票は、反対多数で決着。有権者が浜川町長の継続と五市町村合併を選択したことについて、浜川町長は「良識ある審判を下していただき感謝でいっぱい」と喜びをかみしめた。当日有権者数は四千九百三十五人で、投票率は八一・三六%。
 解職阻止を展開していた「伊良部町の未来を考える会」(佐久本洋介会長)陣営は、今月二日から二十日までの十九日間実施された期日前投票では、反対多数の投票を獲得。二十一日の投票では、上積み票で大差をつけた。
 一方、解職を目指していた「伊良部町の自治権を守る会」(会長・川満昭吉解職請求代表)は最後まで逆転を狙って激しく追い上げていたが、予想以上に賛成票が伸びなかった。
 解職請求は、二○○四年一月に実施された市町村合併を問う住民投票に端を発した。投票の結果、合併反対が約七割を示したが、住民投票の結果を尊重するとしていた浜川町長は合併推進を表明。
 川満解職請求代表らは町選管に解職を本請求。未来を考える会と守る会の各陣営は、今月二日から選挙さながらの運動を展開。町民が真っ二つに分かれて対立していた。
 未来を考える会の陣営は、全域から手堅く反対票を集め、解職を阻止した。

 写真説明・リコールが反対多数で不成立となり、万歳で喜ぶ浜川町長(中央)と関係者ら=21日、伊良部町南区の「伊良部町の未来を考える会」事務所前
 
<解 説>
島の未来、合併に託す/対立構図に終止符を
 県内初の首長に対する解職投票は、反対多数で不成立。町民が浜川健町長の継続を支持する結果となった。伊良部町は新しい未来を市町村合併に託した。
 伊良部町最後の町長となる浜川町長は「新市『宮古島市』誕生を翌日に控えた九月三十日までの任期。この日に有終の美を飾りたい」と町民に訴え、それが受け入れられた形となった。
 今回の解職投票は、二○○四年一月に実施した住民投票に端を発した。即日投票の結果、「合併反対」が約七割。浜川町長は住民投票以前に「町民の意思を尊重する」と明言していた。
 その後、国の厳しい財政事情等から地方交付税などが大幅に削減され、町財政は逼迫し一般会計は三年連続の赤字となった。浜川町長は「財政再建は厳しい。伊良部町が発展するには合併しかない」と判断し、合併推進を表明した。
 合併反対グループの「伊良部町の自治権を守る会」(会長・川満昭吉解職請求代表)は、浜川町長は町民の意思を無視したとして、今年七月一日に町選管に解職本請求を提出し、二十一日の解職投票に向け活動を展開。一方の「伊良部町の未来を考える会」(佐久本洋介会長)は解職阻止を繰り広げた。両陣営の対立は泥沼化。し烈な対立も解職投票の結果で決着した。
 だが、しこりが消えたわけではない。町内には当局派対反当局派という構図があり、それぞれの立場から考えは統一されていない。今回の対立でも修復は難しく、尾を引くだろう。しかしこの構図は今、終止符を打つべきである。
 いよいよ新時代の「宮古島市」が幕を開ける。町民は仲良く手を携え、新しい「伊良部」の発展に向けエネルギーを発揮してもらいたい。町民が一つになり、地域の声を新市へ反映させることが伊良部の発展・繁栄につながる。
 (伊良波彌記者)
 

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学童野球平一小が九州制す/投打がっちりかみ合う

 宮崎県西都市で開催されている第八回全九州学童軟式野球西都原大会は二十一日、決勝まで行われ、県代表として出場している平良市立平良第一小学校野球部が見事初優勝を果たした。
 決勝は同じ沖縄県代表の大北オーシャンと対戦。全試合に登板した川満雄大は、この日も落ち着いたピッチングを見せた。緩急を付けた投球で大北打線をほんろう。要所をおさえ打線の援護を待った。
 打線も川満の好投に応え三、四回に計2点を奪い試合を優位に進めた。最終回は大北の粘りを1点で食い止め、うれしい初優勝を手にした。
 準決勝は地元宮崎県代表の都於郡スポーツ少年団と対戦。序盤からリードを奪い、5―2で決勝進出を決めた。
 宮城克典監督は「全力を出し切れば、勝ち負けはどうでもいいと思っていた。選手たちが実力以上のものを出してくれた」とナインの活躍をたたえた。
 多方面から多くの寄付を受け大会に参加した同チームは今回、選手17人の他に、地域で応援する人のために、背番号18のユニホームをベンチに入れて、ともに戦ったという。
 大会講評の中では捕手の島尻が「リード面や守備面などで他の選手より抜き出ていた」と高い評価を受けた。
 結果は次の通り。
 【準決勝】
平一
 2001200━5
 0011000━2
都於郡スポーツ少年団
(平)平田、川満雄―島尻
(宇)横山―春成
▽三塁打=前里(平)
▽二塁打=川満雄、平田(平)平郡(都)
 【決勝】
大北オーシャン
 0000001━1
 001100×━2
平一
(大)比嘉―嶺井
(平)川満雄―島尻
▽三塁打=平良(大)砂川力、平田(平)
▽二塁打=平良(大)砂川力、砂川拓(平)

 写真説明・九州を制した平一小野球部ナイン=21日、宮崎県西都原運動公園野球場(写真提供・前里芳人さん)

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野村流古典音楽保存会/第1回選考会開催

 野村流古典音楽保存会(知花清秀会長)の同保存会賞第一回宮古選考会が二十一日、平良市社会福祉協議会で行われ、野村流古典音楽を学ぶ八歳から六十九歳の十二人が試験に挑んだ。それぞれ課題曲の演奏と歌で審査を受けた結果、十一人が合格した。
 同保存会の選考会は昨年から那覇市で開催されており、離島格差をなくすため宮古・八重山地区では出張選考会が実施されることとなった。宮古選考会には富名腰義春副会長ら三人が選考委員として審査に当たり、音程やリズム、発声法などを基準に審査を行った。
 この日は二部門で選考会が行われた。琉球音楽普及賞は課題曲「安波節」で審査され、二人が挑戦。琉球音楽奨励賞は課題曲「かぎやで風節」に十人が受験した。参加者たちは緊張した面持ちながらも日ごろの練習の成果を発揮し、試験に挑んでいた。
 富名腰選考委員長は「古典音楽に興味を持つ人が増えればうれしい。宮古には師範クラスの指導者がいなくレベルの高い指導が必要だが、那覇の選考会でも合格できるほどの力はついている」と話し、今後の普及と技能向上に期待を寄せた。
 合格者は次の皆さん。(敬称略)
 【琉球音楽保存会普及賞】▽下地梨加▽島袋裕万
 【古典音楽保存会奨励賞】▽下地新子▽友利裕美▽村山哲雄▽友利陽香▽国仲優希江▽狩俣友恵▽下地陽子▽根間ひろ子▽渡久山春英

 写真説明・緊張した面持ちで審査を受ける参加者=21日、平良市社会福祉協議会

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水上での競技?/雨の中、学区陸上

 各地区代表が覇を競う学区陸上競技大会が二十一日、各地で開かれた。この日は、気圧の谷に伴い、午前中から所によっては強い雨が降り、グラウンドコンディションが最悪の大会も。水はけの悪いグラウンドでは、所々に水たまりができて、選手たちが駆け抜けるたびに、さながら水上での競技かと見まがうほど水しぶきが上がった。
 ぬれた靴を脱ぎ捨てて素足で走る選手もおり、記録よりも完走が目的とばかりにゴールを目指していた。
 平良市の北学区と鏡原学区は延期を余儀なくされたが、西辺、久松、城辺、福嶺の四学区では予定通り実施された。

 写真説明・平良市の西辺学区陸上競技大会で水しぶきを上げながらゴールを目指す女子選手=21日、西辺中学校グラウンド
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「あまん」の生態系学ぶ/オカヤドカリ観察会に親子30人

 二〇〇五年度地域子供教室推進事業でオカヤドカリ友の会は二十一日午後、「オカヤドカリ(あまん)観察会」を城辺町の浦底海岸で開いた。親子約三十人が同海岸に生息するオカヤドカリの生態系や種類を学んだ。
 観察会の講師を務めたのは宮古高校教諭の眞榮平康広さん、知念勝美さん、濱川靖さん、宮古工業高校教諭の豊島正憲さん、県立宮古少年自然の家の岡徹さんの五人。
 はじめに宮工の豊島さんがオカヤドカリの種類を説明。オカヤドカリと呼んでいるのは六種類の総称で宮古には@オカヤドカリAナキオカヤドカリBオオナキオカヤドカリCムラサキオカヤドカリDサキシマオカヤドカリEヤシガニ―が生息することを説明した。
 見分け方としてオオナキオカヤドカリは目が棒状になっていて、左側のはさみが大きいことを強調した。また、色の違いで種類を見分けるのは勧められないとし、「色はバラエティーに富んでいるので、この種類がこの色ということは、一概には言えない」などと話していた。
 参加親子はオカヤドカリが国の天然記念物に指定されていることや、ヤシガニもオカヤドカリの仲間(ヤシガニのみ国の天然記念物ではない)であることを知って驚きの様子。子供たちは目を丸くしてオカヤドカリの個体をじっと見つめ、その生態系について詳しく学んでいた。
 説明の後は海岸を観察して回り、親子そろってオカヤドカリ探しに夢中になっていた。

 写真説明・目を丸くして不思議そうにオカヤドカリを見つめる子供たち=21日、城辺町の浦底海岸

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