200平成1  816曜日


10月1日に新市誕生/「宮古島市」きょう告示

 総務省は十五日、平良市、城辺町、伊良部町、下地町、上野村の五市町村が合併する新市「宮古島市」など、全国で計十六件の市町村合併決定を発表した。「宮古島市」はきょう十六日付の官報で告示され、宮古地区の合併はこれですべての手続きが終了し、十月一日には新市「宮古島市」が誕生することとなった。
 宮古地区の市町村合併は、二〇〇二年四月に多良間村を含んだ六市町村で法定協議会を発足させて合併を目指した。協議途中で多良間村は離脱となったものの五市町村の合併で今年の三月三十一日に県への申請にこぎ着け、県議会六月議会の議決を受け今回、最後の手続きとなる国の官報告示を迎えることとなった。
 そのほか、宮古地区の合併協議で激しい論戦が展開されたのは議員身分と新市名称だ。特に議員身分については協議会の議員代表が「在任特例」を求めたのに対して住民代表側は「特例なし」の姿勢を堅持したことから互いの意見は衝突。結局、無記名投票の結果「在任特例なし」「議員定数二十八人」が合併協議会で決定した。
 在任特例なしの判断で新市発足から五十日以内には新市の市長選と市議選が同時選挙となる。
 また、新市名称については「宮古市」で昨年末にすでに決定していたが、岩手県宮古市からの苦情や「宮古島市」を求める住民らの活発な動きにより住民アンケート調査を行うこととなり、五市町村とも「宮古島市」が「宮古市」を上回り、新市の名称は「宮古市」から「宮古島市」へと変更された。
 現在、宮古地区では合併する五市町村に合併までの残暦板が設置されてカウントダウンが始まっている。政治面では新市長選、市議選に向けた動きも活発に展開され、行政面では各市町村が十月からの予算統合に向けた取り組みや人事などについても詰めの作業を行うなど、合併に向け各方面とも急ピッチの作業が展開されている。
 今日付の官報で告示される県内の合併自治体は次の通り。
▽宮古島市=十月一日(平良市、城辺町、下地町、上野村、伊良部町)▽八重瀬町=〇六年一月一日(東風平町、具志頭村)▽南城市=同(玉城村、知念村、佐敷町、大里村)

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坂井氏が出馬を断念/宮古島市長選 保守系市議団と合同会見

 十月一日に発足する新市「宮古島市」の市長選に向け、分裂回避が急務となっている宮古地区保守系だが前県議の坂井民二氏(55)が十五日、平良市内のホテルで平良市議会保守系市議団(下地秀一会長)と合同の会見を開き市長選への立候補を断念し、選考委の全会一致で擁立が決定している城辺町助役の下地敏彦氏(59)に協力することを発表した。
 坂井氏は「これまでの保守分裂選挙で市民、郡民には迷惑をかけてきたことをまずはおわびしたい。選考委員会の比嘉米三委員長やメンバーの方々にも敬意を表したい。今後は政治日程を見極めながら政治活動を展開していきたい」と述べた。
 今回の会見に至るまでには十三日に那覇市内で行われた下地敏彦氏、坂井氏、元衆議院議員で宮古出身の下地幹郎氏(44)らのとの会談で坂井氏が下地敏彦氏への選挙協力に柔軟な姿勢を示し、さらに十四日には坂井氏と保守系市議団が会合を持ち坂井氏の出馬断念と下地敏彦氏への選挙協力を確認した。
 保守系市議団の下地会長は「坂井氏の決断に感謝したい。十四日の坂井氏との話し合いでお互いに反省するところは反省し、理解し合えることができた。これから坂井氏を中心に一丸となって下地敏彦氏当選に向けて取り組みたい」と述べた。
 また、坂井氏同様に最終選考まで残り、選挙に向けた協力体制が構築できていない城辺町長の仲間克氏(66)との調整について坂井氏は、「これは敏彦氏側が調整していくと思う。私も必要とされれば協力したい」と述べた。
 坂井氏と市議団の会見後、本紙の取材に対して下地敏彦氏は「坂井氏が協力してくれることを喜んでいる。後は選挙戦に向けて体制を構築してきたい」と、坂井氏の決断に感謝した。
 そのほか、新市市長戦を前に行われる衆院選については坂井氏、下地会長とも市長選とはリンクしないとの見解を示しながらも、今後の保守系内部の状況を左右しそうな下地幹郎氏が立候補する沖縄1区については市議も自主的な行動とすることでまとまったようだ。
 しかし、民主党からの推薦を受けて立候補する下地幹郎氏を支持することを坂井氏は会見の場で明言し、池間青昌議長も同様の考えを示した。
 衆院選が市長選の前に行われることから1区の動向が宮古地区の保守系に及ぼす影響は必至な状況で、下地幹郎氏支持をめぐる今後の保守系内部の動きも注目となっている。

 写真説明・坂井氏(手前中央右)と市議会保守系議員団の下地会長(同左)が握手し、新市市長選を協力して戦うことを確認した=15日、ホテル共和

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宮古体育大会が開幕

 第三十二回宮古体育大会(主催・宮古体育協会ほか)は十四日、上野村営体育館で開会式を行い、市町村対抗の熱戦の火ぶたが切って落とされた。陸上競技が行われる十月十五、十六の両日まで二カ月にわたり、各市町村の代表選手が十五競技で練習の成果を競う。十月一日に市町村合併を迎え「宮古島市」が誕生することから、市町村対抗では最後の大会。合併後に行われる陸上競技は学区対抗で実施される。(6面に競技結果)
 宮古体育大会は、▽郡民の間に広くスポーツを普及する▽健康増進と体力の向上を図る▽宮古スポーツの振興と文化の発展に寄与する▽郡民生活を明るく豊かにする―ことを趣旨に、一九七四年、第一回大会が開催された。当初は学区対抗だったが、第六回大会から市町村対抗方式を採用し、現在に至っている。今大会が市町村合併を控え、市町村対抗方式では最後となり、来年大会以降の開催方式は今後、同協会で検討されるという。開会式で宮古体育協会の安谷屋豪一会長は「市町村合併で選手の皆さんも、例年とは違う格別な気持ちを心に秘めていると思う。日ごろ鍛えた練習の成果を遺憾なく発揮し、各市町村の名誉と自己の名誉のため、正々堂々、最善を尽くし、悔いのない試合を展開してほしい」とエールを送った。
 開会式開催地の同村を代表して、バレーボール競技の砂川晃也選手が「選手一同は日ごろの練習の成果を発揮し、各市町村の代表選手として出場できる、この最後の大会の舞台に立てることを誇りに思い、最後まであきらめることなく、正々堂々、全力でプレーすることを誓う」と選手宣誓した。
 式中は宮古市町村会長の伊志嶺亮平良市長、兼城克夫県宮古支庁長、開催地・上野村の川田正一村長がそれぞれあいさつに立ち、選手らの活躍に期待を込めた。
 式では表彰も行われ、バレーボールの城辺中央クリニックチームに優良スポーツ団体賞が、同協会前会長の川満恵元氏と同協会事務所の空調機器を寄贈・設置した大和電工社長の宮里敏男氏に感謝状が、それぞれ贈られた。
 今大会は、十一月二十六、二十七の両日に開催される県民体育大会の選手選抜を兼ねる。

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農家打撃、収量大きく落ち込む

05年産葉タバコ販売額は20億1000万円

 宮古地区の二〇〇五年産葉タバコの買い入れが十五日午後、終了した。県たばこ耕作組合によると、販売重量は前年より約二百四十七d少ない千六十九d、販売金額は前年比約四億四千万円減の二十億九百二十二万八千六百五円となり、生産農家にとっては二年連続で厳しい実績となった。販売金額は〇三年の豊作時に比べて約十億円も減少している。今期明るみに出た生産農家の水増し栽培と収量減との関連性について同組合は「まったくない」と否定した。

 今期葉タバコは植え付け当初からの低温と曇天による日照不足で生育を阻害された。さらに五月初旬の集中豪雨により疫病が発生、宮古地区全体にまん延し、反収が前年の二百三`から百六十九`に落ち込むなど収量の減少に影響した。
 ただ、キロ単価は前年より十四円高い千八百七十九円となり、買い取り価格の低下を考えると品質面は向上。同組合では「来期につながる」と評価している。
 全体の販売金額から割り出した農家一人当たりの平均手取額は約千百六十八万円。
 県たばこ耕作組合宮古地区連合会の新里猛会長は「低温と曇天、さらには疫病の発生が収量減に拍車を掛けた」と落胆の表情を見せながらも「これから互いの栽培技術を向上させていく」などと強調し、さらなる品質向上に向けて決意を示した。
 今期葉タバコの生産農家は百七十二戸。計六万三千三百e(前年比千四百五十一e減)で栽培された。四月下旬には生産農家が契約面積以上の葉タバコを栽培していることが分かり、葉タバコを引き抜く作業を行う農家もいた。この水増し栽培と収量減の関連性について同組合は否定しているが、いずれにしても天候不良と疫病が重なり、収量、販売金額ともに減少したことは農家にとって厳しい実績となった。
 今期葉タバコの買い入れは先月十二日に下地町の農家を皮切りにスタートした。今月十五日まで上野村、伊良部町、平良市、多良間村、城辺町の順に二十四日間買い入れが続いた。

 写真説明・城辺町の農家の葉タバコ買い入れが行われた最終日=15日、平良市のJT宮古葉たばこ取扱所

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募金50万円達成に自信/高校生「チャリティー10RUN」

 高校生がすべて企画・運営し、周回数に応じて賛同者から募金を募る「チャリティーフェスタ2005〜=RUN(ワン・オー・ラン)」(主催・同フェスタ実行委員会)が十四日、平良市陸上競技場で行われ、三チーム計四十五人の選手が十時間にわたって走り続けた。最も周回数の多かった「チャレンジャーチーム」は五百十九周で昨年の記録(五百十四周)を更新。実行委員長の上地崇史君(宮高三年)は「目標の五十万円の募金を達成できると思う」と自信をのぞかせた。
 今年で二年目を迎えた同フェスタには、宮古、宮古工業、宮古農林、翔南の四高校から、ランナーと「サポーター」と呼ばれる裏方を含め総勢約百二十人が参加した。生徒らは大会を前に、個人・企業を回り賛同者を募った。賛同者は一周当たりの募金額を決め、周回数に応じて募金する仕組みで、集まった募金は県立宮古養護学校と同漲水学園、琉球放送盲導犬募金に寄付される予定。
 当日は午前九時にスタートし、はじめは笑顔でバトンをつないでいた選手たちも日が高くなるにつれて表情は険しくなった。終了時刻の午後七時に近づくと、選手たちは最後の力をふりしぼってスパート。午後七時の終了の合図で競技場に大きな拍手が響いた。上地君は「けが人もなく完走で終えられて安心した。活動を通して地域の人の温かさを感じた。後輩たちには、今年よりもさらに大きいイベントにしてほしい」と安堵した。
 ランナーのリーダーを務めた松川慎吾君(宮高三年)は「目標の六百周には届かなかったので悔しいが、去年の記録(五百十四周)を抜けたのはうれしい」とほっとした表情。放送席で選手らにエールを送り続けた平良邦子さん、与那覇奈緒さん(ともに宮高三年)は「大会を盛り上げることはできたと思う。昼間は暑くて熱中症の心配もあったので、無事完走してくれて本当に良かった」と口をそろえた。
 下地智子さん(宮高三年)は、飲み物や冷たいタオルを準備するなどして走りを支えた。「選手の頑張りが十分伝わってきた。一人ではつくれない感動を一致団結してつくれた」と、思い出深い一日を振り返った。
 女子チームのリーダー、垣花アンリさん(宮高三年)は「人間の力はすごいと思った。支えてくれたサポーターがいなかったら走り切れなかった」と感謝を込めた。会場に訪れた、上地実行委員長の父・秀栄さんは「成功に終わって感激している。子供たちがやり遂げたことを誇りに思う」と感極まった様子だった。

 写真説明・10時間を走り切り、笑顔でゴールテープを切る高校生ら=14日、平良市陸上競技場

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   グランプリに花城さん(下地中1年)

民謡コンクールに46人合格

 第七回宮古民謡コンクール(主催・宮古民謡協会)が十四日、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホールで開かれ、下地中学校一年の花城麻彩さん(課題曲・伊良部とぅがに)がグランプリに合格した。
 同コンクールは、宮古民謡の正しい伝承と伝統芸能の発展を図るとともに、優れた芸能家を育てようと開催。今回は八歳から六十五歳までの六十三人が出場し、表現の豊かさや声量、調弦、リズム感などが審査され計四十六人が合格した。新人賞部門には、三十人中二十八人が合格、優秀賞部門には二十二人中十三人が合格、最高賞部門には七人中四人が合格、グランプリ部門には四人中一人が合格を果たした。
 各部門の合格者は次の皆さん。(敬称略)
 【新人賞】▽平良晃嗣▽吉村康司▽下地米子▽平良ヒロミ▽池間祐希子▽伊佐由紀佳▽松本美紀子▽上地高司▽官崎ひろ子▽前泊安子▽池間八重▽中曽根海夢▽松原雅▽西脇実穂▽上里加代子▽坂本英昭▽平良亜由美▽友利京子▽上里和美▽下里勝江▽渡久山和希▽砂川由貴▽池田知恵▽長間幸枝▽池間節子▽友利猛二郎▽工藤直美▽仲立かな江
 【優秀賞】▽新里都夏紗▽新里さつき▽西筋博子▽下地光男▽嘉手苅知華▽中曽根紫都▽多良間弘宣▽木場勝之▽上地大▽下地美紗▽新城なな子▽愛澤直樹▽川鍋明
 【最高賞】▽渡久山吉彦▽中曽根美星▽板橋智恵子▽堺屋よしこ
 【グランプリ】▽花城麻彩

 写真説明・練習の成果を発表する新人賞部門の出場者=14日、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホール

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