200平成1  810曜日

下地敏彦氏の会見延期/

「一本化」報告持ち越し 宮古島市長選保守系

 十月一日に発足する新市「宮古島市」の市長選に向け保守系選考委で擁立が決まった城辺町助役の下地敏彦氏(59)が九日に郡部首長、議会議長らと同席して保守系一本化を報告する会見が直前になって延期となった。最終の選考作業に残っていた前県議の坂井民二氏(55)と城辺町長の仲間克氏(66)を会見に同席させる予定だったが、両氏との調整ができなかったことが延期の理由のようだ。会見の延期は保守系内部のしこりが現在でも解消されていないことを露呈するものとなり今後、分裂を回避し選挙戦における協力体制の構築についても現状では不透明となっている。
 延期の理由について下地氏は「坂井氏がどうしても出席できないとのことで、延期することとなった」と述べ、仲間氏の出席については前向きであることを強調した。
 予定していた会見で下地氏は、坂井、仲間両氏と郡部首長、議会議長らと一緒に保守系が一本化したことを報告し、一致団結した選挙戦に向け立候補の意思を示す予定だった。
 しかし、坂井氏と仲間氏の出席調整が難航し、両氏不在での会見では説得力がないことから会見は延期となったようだ。
 一方で、八日に郵政民営化関連法案が参議院で否決され、小泉純一郎首相が衆議院を解散して総選挙の判断を下したことも今後、新市市長選を控えた宮古の政局に影響を及ぼしそうだ。
 宮古地区が含まれる沖縄4区の動向に加え、宮古出身で元衆議院議員の下地幹郎氏が沖縄1区で立候補の意思を示していることからその結果も今後に影響を与える見込みとなっている。
 選考委で下地氏の擁立を全会一致で決定するも、関係修復なき決定だったことから、保守系内部は現在でもドタバタ劇を展開している。
 修復作業がなかなか進まない中で衆議院解散による総選挙が新市市長選前に実施されることとなり、衆院選に伴う各方面の動向も注目されている。

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フェア開催特産品アピール/みゃーくの味加工推進協

 宮古地域で生産される農水産物を使用した商品開発に取り組む「みゃーくの味加工推進協議会」(津嘉山千代会長)の「みゃーくの味フェア」が九日、平良市役所一階ロビーで始まった。あす十一日までの三日間。宮古の特産品の贈答用への活用促進を図るのが目的で、津嘉山会長は「全国的にもオリジナルなみゃーくの味をぜひ、お中元に使ってほしい」とアピール。「新鮮、安全、安心、真心」をキャッチフレーズに、会場にはカツオのつくだ煮や味付けナマリ、油みそ、宮古みそ、ウコン菓子、パパイアの漬け物など、百二十六品目に上る多彩な商品がずらり。来庁者は試食をしながら、お気に入りの商品を買い求めていた。

 同協議会では、宮古の特産品を一堂に展示・紹介し、贈答用として活用してもらうことで、消費者ニーズの把握と特産品としての定着を図ることを目的に、中元と歳暮の時期の年に二回、同フェアを開催。
 今回は同協議会に加盟する十六企業・グループのうち、十四団体が参加し、宮古の特産品を来庁者に勧めている。加盟する企業の商品をまとめた中元セットは二千円前後で販売されている。
 午前九時三十分から行われたオープニングセレモニーで、津嘉山会長に続いてあいさつした平良市の下地学助役は「女性の活動が活発化し、宮古の農水産物に付加価値を付けて商品化することは、地域経済、島おこしに大きく貢献する。これからの宮古をつくっていく大きな原動力だ」と、同協議会の活動をたたえ、今後に期待を込めた。
 宮古農業改良普及センターの本村隆信所長もあいさつし、「特産品が土産や贈答用として宮古内外から評価され、消費者とのより良い信頼関係を構築していることは喜ばしい限り。実り多いフェアになることを期待したい」と述べた。
 同協議会は今年で結成十年の節目を迎えた。現在は十六企業・グループ二十八人の会員が加盟している。当初は年間二千万円弱だった売り上げも、今では一億円を超え、成長を続けている。
 今回の参加は次の団体。
 ▽ひらら特産品加工所▽平良市漁協婦人部▽大原商店▽たらま屋▽うるま加工所▽野崎農産加工所▽ぐすくべ寿加工グループ▽下地町女性起業グループ▽楽園の果実▽上野村博愛農産グループ▽かんな食品▽隆一鰹節工場▽奥平鰹節店▽食品つ

 写真説明・オープニングセレモニーでテープカットをする(左から)本村所長、津嘉山会長、下地助役=9日、平良市役所

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小学生の部を新設/きょう全宮古ジュニアゴルフ

 上地安増杯第二回全宮古ジュニアゴルフ選手権大会(主催・宮古ゴルフ協会)がきょう十日、上野村の千代田カントリークラブで開催される。ゴルフを通して青少年の健全育成を図り、ジュニアゴルファーの底辺拡大、競技レベルの向上を図ることを目的とする同大会は、昨年に第一回大会を開催。今年は中学生、高校生の部に加え、小学生の部を新設した。高校生の部六人、中学生の部五人、小学生の部十五人の計二十六人が日ごろの練習の成果を競う。
 大会は午前十時の開会式に引き続き、同十時三十分にスタート。午後三時三十分から表彰式と懇親会が行われる予定。
 大会に先立ち九日、同協会が会見を開き、上地安増会長は「宮古もジュニアが盛り上がっている。このような機会に、宮古からも素晴らしい選手が誕生することを期待している」と大会の意義を強調。「将来は宮里藍選手のようなプロを目指せるよう、ゴルフ協会としても指導をしていきたい」と述べた。
 今大会は今月二十二、二十三の両日に糸満市の南山カントリークラブで開催される第十五回沖縄ジュニアゴルフ選手権の選考を兼ねており、中学生、高校生の部の優勝者(ベストグロス)が同大会に派遣される。会見に同席した野津武彦副会長は「宮里藍選手や諸見里しのぶ選手ら、有名な選手はこの大会から出ている」と述べ、宮古代表の活躍に期待を込めた。
 同協会ではジュニアの育成にも力を注いでおり、指導に協力している千代田カントリークラブのバックアップで大会が運営される。
 今大会には今年四月に学校単位で初めて誕生した、狩俣小学校ゴルフクラブの選手がデビュー戦を飾る。

 写真説明・全宮古ジュニアゴルフ大会について会見する上地会長(右)と野津副会長=9日、平良市の富士製菓製パン


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仲宗根氏と意見を交換/多良間村出身の映画監督

 宮古青年会議所(宮古JC、宮里敏彦理事長)は八日、平良市内の居酒屋で、多良間村出身でドキュメンタリー映画監督・テレビディレクターの仲宗根雅則氏(51)を招き、懇談会を開いた。仲宗根氏は外から見た宮古島について語り、会員らと意見を交換した。
 仲宗根氏は、観光やバカンスについて日本とイタリアの認識の違いなどを説明。宮古や沖縄に昔ながらの風景が残っていないことを指摘し「人は古いものに感動する。復活には時間もお金もかかるが取り組まなければならない。文化とはそういうもの」と語った。
 この懇談会は、海外で活躍する宮古出身者と交流を深め、会員の刺激につなげようと開かれた。仲宗根氏は里帰りで宮古を訪れていたという。
 仲宗根氏は多良間村出身。慶応義塾大学文学部卒、ロンドン国際映画学校卒。一九八六年、日本人初の「モニター賞」ドキュメンタリー部門最優秀監督賞受賞。九六年、NHK年間優秀番組賞受賞。現在はイタリア在住で、番組制作プロダクション「ミラノビュー」の代表を務める。

 写真説明・仲宗根氏(右から3人目)の意見に耳を傾けるJC会員ら=8日、平良市内の居酒屋「あぱら樹」

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神秘的な花/ドラゴンフルーツ満開

 「一夜限りの神秘的な美しさ」と言われるドラゴンフルーツの花が、今月六日の深夜から翌日にかけて、宮古各地でかれんに花を咲かせ、辺りに甘い香りを漂わせていた。
 平良市池間島の民家の庭先でも六日深夜、ドラゴンフルーツの開花が見られた。 
 六日夕暮れからつぼみがゆっくり開き、七日午前一時ごろには満開に咲き誇った。花の大きさは直径十二aほど。

 写真説明・甘い香りを漂わせて咲くドラゴンフルーツの花=7日午前1時ごろ、平良市池間島(撮影・伊良波彌記者)

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   宮古上布を体験学習/ブーンミ子ども教室

 文化庁が委託、実施している伝統文化こども事業として「ブーンミ体験子ども教室」が九日、平良市福山の苧麻村で行われた。夏休みを利用して行われた同教室には約二十人の子供たちが参加し、体験を通して宮古上布や苧麻について考えた。
 八日から五日間の日程で行われている同教室では、▽宮古上布の歴史▽苧麻収穫▽皮はぎ▽糸績み―など、糸が作られるまでの過程を子供たちに指導、最終目標として糸をつむぎ上げる。
 二日目の同日、苧麻の茎から皮はぎを体験した。参加した豊見山奈澄さん(南小三年)は「初めてやったけど楽しかった。でも指を通して皮をはぐのは難しい」と笑顔を見せた。
 同教室を開催した宮古苧麻績み(ブーンミ)保存会の下地正子会長は「伝えるだけでなく体験することが大事。親も一緒に参加して子供に伝えることを理解してもらいたい」と体験学習と伝統保存の大切さを呼び掛けた。

 写真説明・指で苧麻から皮をはぐ子供たち=9日、平良市福山の苧麻村

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