200平成1  8曜日

宮古島を風暴域に巻き込む/台風9号
空・海の交通マヒ

 大型で強い台風9号は四日、宮古島地方を暴風域に巻き込んで北上を続けた。最大瞬間風速は三八・五b(平良市内で午後三時四十六分に観測)に達した。宮古島地方気象台によると、台風は一時間に約一五`の速さで北北西に進んでおり、宮古島地方は五日午前零時すぎに暴風域から抜け、同日朝には暴風警報が解除される見込み。この台風の影響で、四日の空、海の交通路線は全便が欠航した。最大延べ千四百九十一世帯が停電するなど住民生活にも影響を与えた。(p面に関連)
 宮古島地方は四日午前十一時ごろ台風の暴風域に入った。台風は四日午後三時現在、石垣島の南南東約五〇`の海上を北北西に進んでいる。位置は北緯二三度五五分、東経一二四度三〇分。中心の気圧は九五五宝魔ナ、中心付近の最大風速は四〇b、中心から半径一七〇`以内では二五b以上の暴風が吹いている。
 この台風の影響で、四日の宮古島近海は猛烈にしけ、沿岸海域では高波が見られた。池間大橋と来間大橋は閉鎖され、通行止めになった。サトウキビなど農作物の被害も出ており、キビは台風の強い風にあおられ横倒しになり、一部で折損被害も見られた。
 暴風警報が発令されているため空、海の交通路線を利用する予定だった観光客らは足止めを余儀なくされ、宮古空港などの発着施設は終日、閑散としていた。
 台風接近に伴い降水量も上昇しており、降り始めからの四日午後三時現在の雨量は▽平良市六八_▽城辺町五七_▽伊良部町五九_▽多良間村八五_―となっている。

写真説明=来間大橋の閉鎖作業を行う下地町職員ら=4日、午前11時15分ごろ

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「幻の大陸」を本土10紙が特集/全国郷土紙連合加盟新聞社

 「新しい観光像」を求めて、全国郷土紙連合に加盟する本土紙十社がそれぞれの紙面で「沖縄発エコツーリズム」と題し、宮古島と石垣島を紹介した。宮古島は「幻の大陸」と呼ばれる八重干瀬(やびじ)について解説するとともに、島に生きる人の人情にも触れ、新たな観光像には自然環境と伝統文化に「その土地に住む人の人情を加えなくてはならない」と提言している。宮古島が新聞という媒体を通し、全国各地で伝えられたことについて宮古観光協会の渡久山明事務局長は「全国各地の新聞紙面で宮古が紹介されるということは、とても大きなPR効果がある」と話し、全国郷土紙連合の取り組みを喜んでいる。

 本紙も加盟する全国郷土紙連合は今年四月下旬、加盟社で研修グループを構成し、宮古と八重山諸島で現地踏査を行った。その研修報告を同連合加盟の十紙が六月二十一日付で一斉に写真付きほぼ一nを割いて掲載した(記事の内容は各紙ほぼ同じ)。
 このうち、釧路新聞社は「沖縄 八重山、宮古諸島の魅力探訪」と大見出しを立て、宮古島の八重干瀬については「大サンゴ礁群」として紹介している。長野日報は宮古島について「サンゴ礁と人情の島」の見出しで紹介した。
 宮古島、八重干瀬に関する記事では各地で異なる呼び方だったものを平良市が「ヤビジ」と標準表記に決めたことや、八重干瀬が池間島の北方に浮かび上がることを説明。その上で透明な海水、大サンゴ礁群を強調している。
 また「海上への道」の著書で、日本民俗学の父と称される柳田国男の仮説を加えているほか、八重干瀬に案内した船の船長の人柄と人情にも触れ「新たな観光像には自然環境、伝統文化に土地の人の人情を加えなくては、と思ったものだ」とまとめている。
 最後には、「自然を守りつつ未知の体験をしたり、地球の歴史や文化を学ぶエコツーリズムの輪の広がりが、新たな観光の姿である。沖縄県民が持ち前の明るさで観光立県を目指す姿を応援したい」と記した。
 宮古島や八重干瀬のことが北は北海道釧路から、南は鹿児島県奄美まで全国各地で報じられたことについて宮古観光協会の渡久山事務局長は「このような情報の発信こそ宮古島観光の発展につながる」と話し、全国郷土紙連合の研修および同連合加盟社の報道に感謝した。
 全国郷土紙連合 全国の地方新聞の団体。地域に密着した郷土紙の特徴をアピールし、企画・広告掲載のネットワークを形成する。加盟社は▽釧路新聞社(北海道)▽北羽新報(秋田県)▽壮内日報社(山形県)▽常陽新聞新社(茨城県)▽長野日報社(長野県)▽東愛知新聞社(愛知県)▽紀伊民報社(和歌山県)▽宇部日報社(山口県)▽防長新聞社(同)▽南海日日新聞社(鹿児島県)▽宮古毎日新聞社(沖縄県)▽八重山毎日新聞社(同)―の計十二社。

写真説明=八重山、宮古諸島について特集を組んだ全国郷土紙連合加盟の各紙
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あすから「宇宙戦争」上映/3年半ぶり映画館復活

 平良市西里の旧宮古国映館でシネマパニックグループ(川上富久オーナー)の映画館「シネマパニック宮古島」(下地昌伸支配人)の営業があす六日からスタートする。三年半ぶりに宮古に映画館が復活することとなり、同日からはスティーブン・スピルバーグ監督の「宇宙戦争」が上映される。今後、全国同時上映の映画も予定されており下地支配人も宮古で映画文化を盛り上げるためにもたくさんの来場を呼び掛けている。
 上映は四回で、開始は午前十一時三十分、午後二時三十分、午後五時三十分、午後八時三十分となっている。
 映画のチケット料金は大人が千六百円、大学生・高校生が千三百円、小・中学生が千円、シニア(六十歳以上)が千円、幼児(三歳以上)七百円となっている。ただし、高校生は三人以上一緒に入場する場合は一人当たり千円となる。また、年間三千円で会員になれば大人千六百円の映画一本の料金が千円となる。休館日は毎週木曜日。
 館内には、カップホルダー付きの座席百十六席やスクリーンがすでに設置され今後、「宇宙戦争」を上映しながら八月中旬にアニメ「マダガスカル」を全国同時で上映する予定となっている。

 

宮古の「食」を紹介/沖縄命薬特集で雑誌「街ぐらし」

 各地の食文化を紹介する雑誌「街ぐらし」(エフジー武蔵)秋号22号の特集「沖縄人(うちなーんちゅ)の命薬(ぬちぐすい)」で、宮古島の食の様子が十二ページにわたって紹介されている。写真はナイスプリント寿の比嘉正実さんが担当した。公設市場や宮古そば、地元の食材をふんだんに使った料理店などが掲載されており、島の食文化を紹介している。
 「街ぐらし」は季刊誌で年四回発行している。沖縄の食を特集した「秋号22号」は全百二十ページで、沖縄本島や宮古、石垣の「食」についてさまざまな角度から取材。料理記者歴五十年、両親が沖縄出身の岸朝子さんをゲスト編集長に招き、琉球王朝時代の宮廷料理なども紹介した。
 取材は六月から約一カ月間行われ、取材クルー三人が宮古入り。地元カメラマンの比嘉さんが撮影に協力し、前浜ビーチや東平安名崎などの風景とともに宮古島を全国へPRした。編集長の濱本安都子さんは「宮古島では人と人との関係が優しいことが一番うれしかった。そばや泡盛だけでも沖縄本島、宮古、石垣で違いがある。それぞれの文化が残り、それを住んでいる人々が大切にしていることを感じた」と話し、宮古島での取材を満喫した様子だった。

写真説明=「沖縄人の命薬」特集の中で宮古島の食について紹介した「街ぐらし秋号22号」

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イラブナスビが自生/宮古固有種、絶滅心配/伊良部町

 宮古にしか自生しないイラブナスビ(ナス科)の実が、先月下旬から枝もたわわに結実。実は橙色に色付き始め、ひときわ目立つ。宮古固有種で絶滅が心配されている。
 海岸の厳しい環境で自生する常緑の小低木。茎にとげがあり、葉は広卵型、花は五弁で紫白色、実は球形で大きいもので直径一aほど。実は熟すと橙赤色。過去に伊良部島で採取された個体が鑑定され、イラブナスビと名付けられた。
 今回同島で確認されたイラブナスビの茎は四方にはうように伸び実を結んでいる。
 宮古では同島と城辺町東平安名崎、下地町の来間島で自生。しかし近年東平安名崎では確認されていない。来間島での現状は不明。伊良部島では個体数が極端に少ない。

写真説明=手の平の一円玉よりも小さいイラブナスビ=2日、伊良部町(撮影・伊良波彌記者)

 

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