200平成1  29曜日

3年半ぶりに映画館復活/スタートは「宇宙戦争」

 宮古に島民待望の映画館が三年半ぶりに復活することとなった。宮古に唯一、残っていた宮古国映館が二〇〇二年の二月二十二日に閉館し映画ファンを悲しませたが、このほど平良市西里の旧宮古国映館にシネマパニックグループ(川上富久オーナー)が映画館「シネマパニック宮古島」(下地昌伸支配人)の営業をスタートさせることとなった。来月六日からスティーブン・スピルバーグ監督の「宇宙戦争」の上映を予定し、今後は洋画系を中心に全国同時ロードショーの作品も宮古で見ることができるようになる。
 これまで、宮古で上映される映画は全国、沖縄本島よりもかなりの時間が経過してからの上映となり、レンタルビデオなどの普及で上映までにはすでにその作品のレンタル開始の時期が近づいているなど、客足はどんどん遠のき、三年半前に島の娯楽を支えた宮古国映館を最後にすべての映画館が閉館していた。
 下地支配人は「宮古に映画がなくなって寂しい思いをしていた人たちがたくさんいると思う。小さい地域の映画館は全国的になくなる傾向だが、なくなって初めてその大切さを知る。これから洋画系を中心に全国同時上映の作品も予定しておりたくさんの人たちに見に来てほしい」と呼び掛けた。
 現在、ボランティアなどの協力を得ながら急ピッチで館内の工事が進められて、二十四日までにカップホルダー付きの座席百十六席やスクリーンが設置されている。
 映画のチケット料金は大人が千六百円、大学生・高校生が千三百円、小・中学生が千円、幼児(三歳以上)七百円、シニア(六十歳以上)千円となっている。ただし、高校生は三人以上一緒に入場する場合は一人当たり千円となる。また、年間三千円で会員になれば大人千六百円の映画一本の料金が千円となる。休館日は毎週木曜日。
 当分は「宇宙戦争」を上映し、その後は二本の映画を交互に上映し、上映終了ごとに客の入れ替えを行う。また、上映される映画は同じシネマパニック系列の石垣の映画館と宮古とで交互に上映していく予定。
 下地支配人は「一つの映画を三、四週間程度上映していく。宮古に常設の映画館があることが大切で、オーナーの川上も奄美大島で映画館がなくなってから映画館のなくなった地域に映画を呼び戻そうと頑張ってきた。今後は消防署と保健所の検査が完了し次第、あとは営業許可だけなので、島の人たちにスクリーンで見る映画の楽しさを提供したい」と述べた。
 「宇宙戦争」を上映しながら八月中旬にアニメ「マダガスカル」を全国同時で上映する予定となっている。
 

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救命浮き輪「命の輪」を設置/海難事故ゼロ目指し

 設置した救命浮き輪は、各市町村や海運、海事関係者に呼び掛けて使用しなくなった船舶用の浮き輪を活用。砂浜でも目立つように赤く色を塗り、人目につきやすい場所に設置した。前浜ビーチにはウインディまいばま前と宮古島東急リゾート側の二カ所に設置。このほか平良市のパイナガマビーチや城辺町の吉野海岸、伊良部町の渡口の浜、上野村のわいわいビーチ、多良間村の前泊海岸など各市町村のビーチのほか、平良港離島桟橋などにも設置を計画している。
 塩川支部長は「皆の協力を得て船舶の浮き輪をリサイクルし設置した。役に立てればうれしい」と話した。岡部署長は「全国でもビーチへの設置は初めて。浮き輪を使うようなことがないよう事故が起きないことが一番だが、一人でも多くおぼれずにすめば。目標は海難事故ゼロ。事故防止のための第一弾として、設置したことで事故防止への意識が高まればうれしい」と海難事故防止のための一役に期待した。
 夏休みなど海洋レジャーシーズンを迎え、海上保安協会沖縄宮古支部(塩川博司支部長)と平良海上保安署(岡部竹男署長)は二十八日、宮古郡内での海難事故を防止しようと前浜ビーチに救命浮き輪「命の輪」を設置した。各市町村のビーチにも設置する計画で、救命具としての活用で海難事故ゼロを目指す。万が一に備えた人命救助用であることから、いたずらしないよう協力を呼び掛けている。

 写真説明・海難事故ゼロを目指し救命浮き輪を設置した(左から)塩川支部長、下地信男下地町企画課長、岡部署長=28日、下地町前浜ビーチ

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戦時下の宮古を特集/「ぱいぬ島文芸」第5号発刊

 「ぱいぬ島文芸」の第五号が、このほど発刊された。発行者は、宮古出身者を中心に構成するぱいぬ島文芸クラブ(垣花富夫主宰)の編集委員会。今回は、戦後六十年にあたり、戦時下の宮古を特集した。
 特集では「仲宗根將二氏に聞く―宮古の戦時・戦後―」や、戦争体験記などを組んだ。
 郷土史家の仲宗根さんは、多分野にわたり戦時下の悲惨な状況について述べた上で、「戦争を一言で言えば、戦場だけが戦争ではない。銃後といわれる非戦闘地域も、戦場と何ら変わらない状況に追い込まれる。(二度と繰り返さないためには)この体験をいかに拡げていくかという作業が大事になる。憲法九条を改悪する動きが表面化している今日、あの教訓は活かされているのだろうかと不安になる」と、結んでいる。
 戦争体験は与座勇吉、川平フジ、久貝清次、上地照子、本村繁、森田恒勝、仲地清成の各氏がつづっている。

 写真説明・ぱいぬ島文芸を手に垣花さん(右)と神里美和子さん=28日、宮古毎日新聞社那覇支局

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清楚な花咲かす/トサカメオトランが開花

 夏の自然を彩るランの一つ、トサカメオトランが伊良部町で清楚な白い花を咲かせている。在来種で、県版レッドデータブックでは絶滅が増大している「危急種」に指定されている貴重種。
 常緑の多年草。葉は二十―五十aほど。多数の白い花が目立つ。
 同町では俗に「イラブラン」と呼ぶ。和名では「トサカ・メオトラン」と区切って読む。
 県内では、沖縄本島と離島の阿嘉島、宮古本島、伊良部島、石垣島、西表島、与那国島に分布。国内では沖縄が分布の北限。
 近年宮古本島からは確認されていない。自生地の開発や盗掘などが原因と考えられている。

 写真説明・清楚な花を咲かせたトサカメオトラン=28日、伊良部町(撮影・伊良波彌記者)

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松原さん(北中3年)大阪府知事賞/宮古地区から32人入賞

 第三回滴仙会書法展で、平良市立北中学校三年生の松原早紀子さんが中学生・小学生の部の最高賞に当たる大阪府知事賞に輝いた。このほど、兵庫県神戸市で表彰式が行われ、賞状と盾を受け取った松原さんは「驚いたが大きな賞を受賞できてうれしい。今後も精進したい」と喜びを語った。同展には全国から二千二百点の応募があり、宮古地区からは松原さんをはじめ三十二人が入賞した。
 宮古地区の生徒が大阪府知事賞を受賞するのは、昨年に続き二度目。松原さんは、五歳のころから平良市にある華畦書道塾(羽地英子師範)で書道を学び、今回は「勝利の栄冠」の書で同賞を受賞。全審査員一致で選ばれたという。講評で大重〓石会長は「難しい課題に挑み、ゆるぎない筆法で見事にまとめ上げた作品である。文句なしの第一席の秀作」と高く評価した。
 松原さんは「大きな賞をいただき、何事にも挑戦し、努力することの大切さを感じた。これからもいろいろな技法を身に付け、自分を高めていきたい」と感想を述べた。
 指導に当たった羽地師範は「部活との両立などで大変だと思うが、書に向かうときの集中力はすごい。これからも頑張ってほしい」と激励した。
 同展には、各部門に全国から二千二百点の応募があった。松原さんらの入賞作品は、今月八日から十日までの期間、兵庫県立美術館で展示された。

 宮古地区の入賞者は次の皆さん。(敬称略)
 【中学生・小学生の部】▽大阪府知事賞=松原早紀子(北中三年)▽平良市長賞=砂川智洋(下地中三年)▽平良市教育委員会賞=垣花友夏里(平良中三年)▽神戸新聞社賞=新垣志麻子(城辺中三年)▼滴仙会奨励賞▽仲間理加(西辺中一年)▽芳山幸巳(上野中三年)▼滴仙会長賞▽砂川睦子(北中三年)▽与那覇香澄(上野中三年)▽佐渡山貴大(北中二年)▽伊良部愛梨(狩俣中二年)▽友利美咲(北中一年)▽平良優(上野中一年)▽垣花英里(平良第一小六年)▽池原恭平(東小六年)▽砂川剣人(下地小五年)▼滴仙会賞▽伊礼美佳(城辺中三年)▽園田美穂(平良中三年)▽平良夏美(上野中二年)▽平良知美(平良中二年)▽砂川亜美子(久松中二年)▽上里麻菜美(狩俣中一年)▽西里樹李(上野小六年)▽上地貴大(城辺小四年)▽池間美帆(下地小四年)▽大城哲郎(平良第一小四年)▽具志堅望(下地小三年)
 【高校の部】▽滴仙準大賞=砂川倫瑠(宮古高校一年)▼滴仙会奨励賞=伊舎堂裕子(宮古高校二年)▽平良亜樹野(翔南高校二年)▽赤嶺夏希(宮古高校二年)▽池田華絵(同三年)▽国仲薫(同三年)

 写真説明(上)・各賞に入賞した宮古地区の児童生徒ら=28日、滴仙会華畦書道塾

 写真説明(下)・最高賞の大阪府知事賞を受賞した松原早紀子さん=28日、滴仙会華畦書道塾

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