200平成1  28曜日

地下ダム資料館 9月に竣工 /城辺町、観光振興に期待

 城辺町福東地区に建設されている地下ダム資料館が九月に竣工する。現在、同町が入館料を含む管理運営方法についての最終検討を進めており、早ければ同月中にも供用を開始する。ただ、十月の合併まで時間が限られていることから、本格供用は宮古島市発足後になる可能性もある。「観光の目玉」として注目される同館内には地下ダムの模型や建築技術、宮古の農業などについてのデータを展示、町は「地下ダムの概要が目に見える施設」と強調し、同館完成に伴う観光振興に大きな期待を寄せている。町は近く管理条例案を町議会に提案するが、この条例が制定されるまでの間は児童生徒ら町民を対象とした無料開放も検討している。

 地下ダム資料館を柱とするコミュニティー施設は世界に誇る地下ダムを観光に活用し、地域の活性化を図ることや、地下ダムの水を利用した先進的農業の啓発を目的に建設され、各方面から「観光振興の目玉」として注目されている。
 展示される内容は▽地下ダムの模型▽宮古の水と自然▽宮古の農業▽大型地下ダム建設技術▽水の成分▽宮古島のエコエネルギー開発▽石灰岩の謎▽石灰岩と化石▽地層に触れる▽地下ダム見学―などとなっている。
 同館入り口正面に設置される地下ダムの模型は断面構造や雨水の地下浸透、スプリンクラーが畑で稼働する様子が一目で分かるもので、地下ダムの概要が理解できる。
 「宮古の農業」のエリアにはかんがい用水で栽培されるようになった亜熱帯作物を展示し、地下ダム完成前と後の農業の変化や可能性を展望。「地下ダム見学」のスペースには、水が流れ、その音が響き渡る落ち着いた空間を演出した。世界規模の地下ダム完成までの過程や宮古の生活、観光などの映像を上映するコーナーもある。
 同町は宮古島市が発足する前に同館の本格供用を開始する方針だ。同町はこれまで「宮古には地下ダムの概要を知るための目に見える施設が少なかった。そういう意味でも資料館が建設されることは大きな意義があると考える。城辺町、そして宮古島の観光振興に役立てたい」としており、同館運営による宮古全体の観光振興に期待を寄せている。

 写真説明・9月に竣工する地下ダム資料館の外観=城辺町福里

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農林水産大臣賞を受賞/全国農業コンクールで

城辺町出身の下地清吉氏(沖縄長生薬草本社)

 【那覇支局】第五十四回全国農業コンクール(主催・毎日新聞社ほか)が二十一日、岡山県で開催され、県代表の沖縄長生薬草本社社長の下地清吉氏(60)=城辺町下里添出身=が名誉賞(農林水産大臣賞)を受賞した。二十六日、県庁を訪ね、農林水産部の国吉秀治部長に報告した。
 同コンクールで「長寿県沖縄を支える薬草生産と加工販売」とのタイトルで発表した下地氏は、農業経営での成功や、地域に大きく貢献した実績などが評価された。
 下地氏は、一九六五年ごろに薬草に興味を持ち、沖縄の薬草は世界に通用するという強い信念のもと、栽培から製造加工、販売、薬膳料理や新商品の開発に取り組んだ。八〇年にウコン、クミスクチン、グワバなど十三種類をブレンドした「健康一番茶」を開発、販売し、これがヒット商品となりブレンド茶のパイオニアとなった。これまで千種類以上の薬草から八十五種類の商品を開発、販売し、現在では年間約六億六千万円を売上げる。県産薬草を重視した下地氏は、自社農場六fのほか、地元佐敷町をはじめ本島北部、宮古、石垣などに十三f、四十三戸の農家契約栽培を実施している。
 名誉ある賞を受賞した下地氏は、「多くの人の協力のおかげで賞をいただけた。今後は後輩たちを指導し薬草栽培を普及させ、沖縄農業をもっと活性化させたい」と語った。

 写真説明・農林水産大臣賞を受賞した沖縄長生薬草本社の下地社長(中央)と妻のマツ子専務(右)、新垣良夫総務部長=26日、県庁


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JT 平良原料事務所を廃止/組織再編で来年4月から

 日本たばこ産業(JT)は二〇〇六年四月から、たばこ事業の原料部門、取扱所、研究開発の組織再編を実施する。これに伴い原料部門では平良原料事務所など五カ所の原料本部・事務所の廃止を決めた。平良原料事務所には六人の職員が常駐しているが、来年四月から常駐職員は不在となる。組織再編についてJT広報部は「農家の皆さんに迷惑を掛けるようなことはない」とコメントし、職員不在でも必要に応じ対応できることを強調した。

 今回の組織再編は国内たばこ事業における厳しい市場状況に対応したものだ。昨年度に実施した廃作募集による耕作農家戸数や耕作面積の減少なども踏まえて組織再編を実施、コスト競争力の強化、組織および機能の最適化を図る方針だ。
 組織再編に伴い、原料部門では現在ある六カ所の原料本部、同本部の出先機関である四カ所の地方原料本部および原料事務所一カ所のうち、青森や新潟、鹿児島など四つの地方原料本部と、平良の原料事務所を廃止する。
 取扱所については現在ある三十三カ所の取扱所のうち十六カ所は〇六年三月末の廃止が決まっているが、さらに四カ所の取扱所を廃止することを決めた。宮古の取扱所は継続する。
 廃止が決まった平良原料事務所は一九七六年に業務をスタート。以来、常駐する職員が葉タバコの買い入れや、契約面積通りの栽培が履行されているかどうかなどのチェックを行ってきた。必要に応じて栽培指導も実施してきた。
 廃止についてJT広報部は「ご迷惑を掛けることはない。平良原料事務所が廃止になっても必要に応じて沖縄の原料本部から飛んでいく」などと話した。
 同事務所の敷地面積は千二百六十平方bで現在はJTが所有、今後の取り扱いについては「白紙の状態」(広報部)だという。
 

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日ごろの練習の成果を披露/宮古民謡保存協会 民謡コンクール

 宮古民謡保存協会(喜屋武稔会長)の第十三回民謡コンクールが二十四日、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホールで行われ、一般の部最高賞を受けた友利明子さんら五十八人が合格した。
 コンクールは小学生から中学生までがジュニアの部、高校生以上は一般の部で行われた。それぞれ新人奨励賞、優秀賞、最高賞の各部門に計六十七人が挑戦。「豊年のあやぐ」「トウガニあやぐ」「伊良部トウガニ」など課題曲を三線で演奏しながら歌い、日ごろの練習の成果を披露し審査を受けた。
 喜屋武会長は「宮古民謡を保存継承していくのがコンクールの目的。一人でも多くの愛好者が増えてほしい。最近は学校でも三線クラブがあり、民謡を学ぶ子供たちが増えていることはうれしい」と話し、今後の宮古民謡の継承発展に期待を寄せた。
 同コンクールは芸能文化の底辺拡大と発展を図るとともに、卓越した新人芸能家を見いだし郷土芸能文化に寄与することを目的に開催している。
 【ジュニア】▼新人部門=豊見山愛梨▽砂川莉緒▽池田安佳梨▽奥平春紀▽野崎優奈▽西里愛有美▽嘉手苅愛花▽天久倫太郎▽見里伊織▽惣坊正▽平良清祐▼優秀部門=下地伶奈▽下地梨加▽前里菜生▽玉城優美▽富原夏子▼最高部門=又吉香帆里▽与座美咲
 【一般】▼新人賞=砂川芳広▽仲間トヨ▽砂川弘志▽下地陽子▽渡口さなえ▽奥松千恵美▽親泊美由紀▽高武博▽照屋真裕子▽野崎徳子▽外間キク▽下地和枝▽名嘉妙子▽嵩原千春▽宮国キヨ▽池城三千雄▽勝間瑞▽島田セツ子▽露木正美▽伊佐政子▽川鍋明▽砂川ヒロ子▽松川順子▽高嶺隆▼優秀賞=仲宗根定勇▽前里栄子▽前里佳江▽伊舎堂義男▼最高賞=友利明子▽譜久山哲也▽下里綾子▽狩俣クニ子▽川上文子▽狩俣健一▽奥間多美子▽當眞昇▽松川芳信▽平良千賀子▽仲宗根玄吉▽今村重治

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おはなしにワクワク/キャラバンで公民館巡る
 

 絵本って楽しいな―。城辺町立図書館(伊志嶺洋子館長)主催の二〇〇五年度おはなしキャラバンが二十六日、砂川公民館を皮切りにスタートした。八月三十日までの期間、町内五カ所の公民館で、おはなしサークル「おっぱい」(松川久美子会長)や城辺手話の会(新城享子会長)など地域のボランティア団体が読み聞かせや紙芝居などを行い、各地域の子供たちに楽しいひとときを提供する。
 初日は、フィンガータップやブラックシアター、人形劇など盛りだくさんのおはなしが披露され、訪れた子供たちは大喜び。ボランティアメンバーの語り掛ける声に引き込まれ、読書や母親の読み聞かせとはひと味違うおはなしの世界を楽しんだ。
 同キャラバンの日程は、次の通り。時間はすべて午後六時から八時まで。
 ▽八月二日=下北公民館▽同九日=福北公民館▽同二十三日=長南公民館▽三十日=保良公民館

 写真説明・「じゅげむ」に聞き入る子供たち=26日、砂川公民館

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