十月一日に発足する新市「宮古島市」の市長選に向けた保守系候補者の選考委員会(比嘉米三委員長)が二十五日夜に委員十三人で会見し、候補者を城辺町助役の下地敏彦氏(59)と決定したことを受け、対象から外れた前県議の坂井民二氏(55)と城辺町長の仲間克氏(66)を推薦し、下地氏を含めたこの三人の候補対象者の調整役となっていた日本商工連盟宮古支部の中尾英筰支部長(沖縄宮古商工会議所会頭)は二十六日、市内のホテルで会見を開き、今回の決定方法と選考委執行部を批判、「このままでは選挙戦への協力は困難」との姿勢を示した。また、比嘉委員長から決定の報告を受けた下地氏は本紙の取材に対して「今後、坂井、仲間両氏と調整していくのが先決だ」と述べた。
会見に出席した中尾氏と坂井氏ともに「決定した下地氏に異議があるわけではないが、執行部の比嘉委員長と砂川佳一県議(幹事長)の運営姿勢を不愉快に思う。仲間氏も同様の見解である」と述べた。
中尾氏は下地氏に決定した二十五日の一連の動き、当時の状況を説明した上で「実際に三人で協議中であり、いきなり選考委で決定したと聞いてあ然とした。何のためにこの作業をやっていたのか。不愉快だ」と、今回の決定方法に不満をぶつけた。
坂井氏も「選考委から三者で話し合えと言われその協議をやっているさなかにいきなり決定したとの報告を受けた。このままで選挙協力はできないし選考委を再度開催して筋を通すべき。現段階で立候補したいという意思は変わっていない」と述べた
また、出張中の仲間氏は「何のために三人で話し合っていたのか選考委執行部の進め方に怒りを感じる。市長選に取り組むにあたって大同団結どころか、体制の構築は不可能」とのコメントを寄せた。
選考委の執行部に対して中尾氏は「下地氏に決定した報告も比嘉委員長からは直接聞いていない。当初からこの選考委の協議の進め方はおかしかった。保守系の確執はこれまでよりも悪くなったと思う」と、さらに溝が深まっている状況を説明した。
また、坂井氏は「比嘉さんが報告に来たが私は不可解な手法に納得できないし、世間に苦言を言わせてもらうと言った」と述べたことを説明した。選考委は下地氏と決定したものの、確執解消までには至っていない。選考委は下地氏と発表した時点で解散宣言をしており今後、会合が開かれる見通しはない。分裂解消の作業は今後も続く見込みとなっている。
写真説明・決定方法をめぐり、会見で選考委執行部を批判した
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