200平成1  27曜日

坂井氏、中尾氏が会見/選考委執行部に猛反発

宮古島市市長選保守系

 十月一日に発足する新市「宮古島市」の市長選に向けた保守系候補者の選考委員会(比嘉米三委員長)が二十五日夜に委員十三人で会見し、候補者を城辺町助役の下地敏彦氏(59)と決定したことを受け、対象から外れた前県議の坂井民二氏(55)と城辺町長の仲間克氏(66)を推薦し、下地氏を含めたこの三人の候補対象者の調整役となっていた日本商工連盟宮古支部の中尾英筰支部長(沖縄宮古商工会議所会頭)は二十六日、市内のホテルで会見を開き、今回の決定方法と選考委執行部を批判、「このままでは選挙戦への協力は困難」との姿勢を示した。また、比嘉委員長から決定の報告を受けた下地氏は本紙の取材に対して「今後、坂井、仲間両氏と調整していくのが先決だ」と述べた。
 会見に出席した中尾氏と坂井氏ともに「決定した下地氏に異議があるわけではないが、執行部の比嘉委員長と砂川佳一県議(幹事長)の運営姿勢を不愉快に思う。仲間氏も同様の見解である」と述べた。
 中尾氏は下地氏に決定した二十五日の一連の動き、当時の状況を説明した上で「実際に三人で協議中であり、いきなり選考委で決定したと聞いてあ然とした。何のためにこの作業をやっていたのか。不愉快だ」と、今回の決定方法に不満をぶつけた。
 坂井氏も「選考委から三者で話し合えと言われその協議をやっているさなかにいきなり決定したとの報告を受けた。このままで選挙協力はできないし選考委を再度開催して筋を通すべき。現段階で立候補したいという意思は変わっていない」と述べた
 また、出張中の仲間氏は「何のために三人で話し合っていたのか選考委執行部の進め方に怒りを感じる。市長選に取り組むにあたって大同団結どころか、体制の構築は不可能」とのコメントを寄せた。
 選考委の執行部に対して中尾氏は「下地氏に決定した報告も比嘉委員長からは直接聞いていない。当初からこの選考委の協議の進め方はおかしかった。保守系の確執はこれまでよりも悪くなったと思う」と、さらに溝が深まっている状況を説明した。
 また、坂井氏は「比嘉さんが報告に来たが私は不可解な手法に納得できないし、世間に苦言を言わせてもらうと言った」と述べたことを説明した。選考委は下地氏と決定したものの、確執解消までには至っていない。選考委は下地氏と発表した時点で解散宣言をしており今後、会合が開かれる見通しはない。分裂解消の作業は今後も続く見込みとなっている。

 写真説明・決定方法をめぐり、会見で選考委執行部を批判した

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安全な街づくりに尽力/創立50周年を記念し式典、祝賀会

 宮古地区防犯協会(前川尚誼会長)の創立五十周年を記念した式典、祝賀会が二十六日、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホールで開かれた。大勢の関係者が出席し、これまで宮古の防犯活動に尽力した同協会の活躍をたたえるとともに、「自らの地域は自らで守る」という防犯思想の下、今後ますますの活躍に期待を寄せた。また、百四十三団体、個人に対し前川会長から感謝状が贈られた。
 同協会は一九五五(昭和三十)年八月に創立されて以来、宮古警察署や地元住民らと連携を図り、「犯罪のない宮古島」に向け各種防犯活動に取り組んできた。
 式典の冒頭、出席者全員で今年五月に亡くなった前会長の故平良恵慈さんの冥福を祈り、黙とうを捧げた。
 あいさつに立った前川会長はこれまで、各方面からの物心両面の支援に感謝。「皆さんの尽力のおかげでさまざまな実績を残すことができた。今後も、奉仕団体として会員が一丸となって地域の安全活動に取り組んでいく」と述べた。
 宮古警察署の伊波盛春署長は同協会の活動により、犯罪件数が減少傾向にあることを示したが、「それでも身近な犯罪は後を絶たないため、住民は治安が改善されたと感じていないと思う。今後も安全、安心な街づくりに向け頑張ってください」と激励した。
 表彰で前川会長は、防犯活動の中核として協力した団体、個人に深く感謝し、一人ひとりに感謝状を手渡した。
 歴代副会長として表彰され、受賞者を代表してあいさつした野原健さんは「今後も前川会長の指揮の下、さらなる発展、活躍を期待します」とあいさつした。また、県警本部の三浦正充本部長、県防犯協会連合会の比嘉永光会長、県宮古支庁の兼城克夫支庁長、宮古市町村会会長の伊志嶺亮平良市長も祝辞を述べた。

 写真説明・祝賀会では出席者が互いの連携を深めた

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一般会計補正予算など可決/伊良部町議会臨時会

 伊良部町の浜川健町長の解職(リコール)の是非を問う解職投票告示まであと五日。同町議会(友利浩一議長)は二十六日午前、臨時会を開き、解職投票費百十九万六千円などを盛り込んだ二○○五年度伊良部町一般会計補正予算など三議案を全会一致で可決した。
 合併反対グループ「伊良部町の自治権を守る会」会長の川満昭吉解職請求代表らが、今月一日に町選挙管理委員会(佐和田恵剛委員長)に浜川町長の解職を求める本請求書を提出したことに伴い、同選管は八月一日告示、同二十一日解職投票を決定している。
 町は解職投票の実施が決まったことを受け、解職投票費の支出を検討していた。
 同補正予算は、歳入歳出に一億七百六十万二千円をそれぞれ追加し、歳入歳出総額とも四十五億五千六百三十五万六千円とした。○五年度伊良部町介護保険特別会計補正予算では、歳入歳出に二千百九十五万円を追加し、歳入歳出の総額をそれぞれ五億五千五百万二千円とした。○五年度伊良部町健康保険特別会計補正予算では、歳入歳出にそれぞれ二百十九万九千円を追加し、歳入歳出総額を八億六千四百六十万九千円とした。各特別会計とも一般会計からの繰入金で補正した。
 この日の臨時会では、全議員十八人中、十四人が出席、四人が欠席した。
 告示に向け、合併反対グループ「伊良部町の自治権を守る会」と、浜川町長を支持する合併推進グループ「伊良部町の未来を考える会」(佐久本洋介会長)では臨戦態勢を整えている。告示と同時に、合併反対グループと合併賛成グループは、「合併の賛否」と「解職の是非」を争点に激しい舌戦を展開していくものとみられる。
 期日前投票は八月二―二十日まで。期間中の投票時間は午前八時三十分から午後八時まで。

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赤字解消に決意新た/宮古観光協会が総会

 宮古観光協会(藤村明憲会長)の二○○五年度第四十一回定期総会が二十六日午後、平良市内のホテルで開かれた。○四年度収支決算報告など六議案を承認。収支決算では百三十四万円の赤字。役員らは次年度決算に向け、赤字解消に取り組んでいく決意を新たにした。
 冒頭、藤村会長は「観光産業は好調だ。年間の入域観光客数四十五万人の達成に向け関係者らの一層の奮起に期待する」などと述べた。
 ○四年度は、観光支援調査事業などへの歳出が予想以上にあったのが赤字の要因。同事業などの実施に伴い、宮古島の観光イメージアップ、観光客の増加などの成果があった。新年度予算は、歳入歳出とも二千八百万円。
 席上、理事の一部が新たに選任された。
 新理事は次の皆さん。(敬称略)
 ▽下地昌明(多良間村長)▽山本道也(全日空宮古支店長)▽石井誠(エメラルドコーストゴルフリンク総支配人)

 写真説明・新年度収支予算などを承認した総会=26日、平良市内のホテル共和

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愛・地球博に出発/中学生二人を招待
 

 宮古ライオンズクラブ(下地秀徳会長)は、山口綾香さん(池間中一年)と、伊良部史織さん(北中二年)の二人を愛知県で開催中の「愛・地球博」に無料招待し、二十六日、宮古空港で出発式が行われた。山口さんは「良い思い出にしたい」、伊良部さんは「こんな機会はあまりないのでうれしい。楽しんできたい」と、それぞれ胸を膨らませた。
 招待は、日本全国のライオンズクラブの奉仕活動の一環で、「ライオンズクラブ子ども万博デー」として、全国から三千五百人、県内からは十二人の小中学生が参加する。宮古地区は十四人の応募があり、抽選の結果、二人が当選した。下地会長は「心に残ることがたくさんあると思う。それを礎にして、後輩に伝えてほしい」とあいさつ。同行する同クラブ会員の羽地義禎さんが「この旅を、人生の糧にして成長してほしい」と願った。山口さん、伊良部さんはきょう二十七日に万博を、あす二十八日は名古屋城などを見学して帰島する。
 同クラブでは、同万博の支援事業として、「子ども万博デー」のほか、高規格救急自動車やボランティア用ユニフォーム、点字ガイドブックなどを寄贈している。

 写真説明・伊良部さん(左から3人目)、山口さん(同4人目)が羽地さん(同2人目)と出発。下地会長(同5人目)らの激励を受けた=26日、宮古空港

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   ミャークフツ¢S国へ/下地勇さんがメジャーデビュー

 【那覇支局】宮古島出身のミャークフツ(宮古方言)シンガー下地勇さんが二十一日、三枚目のアルバムとなる「開拓者」の発売と同時に、テイチクエンタテインメント・インペリアルレコードからメジャーとしてデビューした。
 下地勇さんのメジャーデビューを記念して二十五日、那覇市内の飲食店ではミニライブが行われ、宮古出身の経営者らでつくるあららがまヒューマンネットワーク(本村浩一会長)の会員をはじめとするファンら約七十人が集い、哀愁あふれる下地勇さんの歌を聞いた。ニューアルバム「開拓者」の中から「開拓者」や「大和ぬ風」、リクエストがあった「おばぁ」など全十二曲が披露された。沖縄観光コンベンションビューローの洲鎌孝常務理事が「全国に大きく羽ばたいてほしい」と激励。下地さんは「みなさんに支えられながら頑張りたい」と感謝した。また、伊良部町出身の父と来間島出身の母を持つ、沖縄のマルチタレント川満しぇんしぇーも下地勇の友人として応援に駆けつけ、ライブを一層盛り上げた。

 写真説明・下地勇さんのメジャーデビューを記念してミニライブが行われた=25日、那覇市久米の香音

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