200平成1  23曜日

候補者4氏で会談へ/宮古島市長選保守系選考委

 十月一日に発足する合併新市「宮古島市」の市長選に向け保守系候補者の人選作業を進める選考委員会(比嘉米三委員長)の第十回目の会合が二十二日、市内のホテルで行われ、ここ数日一部保守系で活発な水面下の調整が進められてきた野津商事社長の野津武彦氏(63)が砂川佳一県議と婦人団体の推薦を受けて選考対象となった。これまでに推薦されている三氏を含めた四人について協議が進められたが決着には至らず今後、四氏による四者会談をきょう、明日中に行い、それでまとまった場合はその人物に決定。まとまらなかった場合は二十五日予定の十一回目の選考委で決着する方針となった。

 選考対象となっているのは、平良市議会と伊良部町議会の保守系議員から推薦された前県議の坂井民二氏(55)と城辺町議会と伊良部町議会の保守系議員から推薦されている城辺町助役の下地敏彦氏(59)のほか、前回の選考委後、経済界から推薦された城辺町長の仲間克氏(66)も比嘉委員長が本人の意向を確認し選考対象になり今後、野津氏を含め四人で人選作業が進められることとなった。
 委員会後の会見で比嘉委員長は「この四人をテーブルに載せて作業を進める。四人による協議で一人に絞りきれなければ二十五日の選考委で協議し、候補者を決定する」と述べた。
 これまで委員の出席率が悪かった選考委だが今回は、仲間克城辺町長と浜川健伊良部町長、川田正一上野村長以外は全員出席し、今後の人選作業について協議した。
 人選作業は取りあえず候補となった四氏による協議となったが、それぞれ立候補の意志を示した上でさらには各団体の推薦を受けていることから話し合いで決着するかどうかは微妙な情勢だ。
 現状で分裂状態を修復するには至っておらず、さらに混迷を深める中で候補者一本化作業は二十五日の選考委まで持ち込む公算が大きい。
 これまで十回の話し合いでもまとまることができなかったことから決選投票との動きに流れることも予想される。

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「子は親を写す鏡」/ドロシー&マスコウィッツのきらきらセミナー

 子育てコンサルタントの第一人者として知られるドロシー・ロー・ノルト博士と画家のスチュワート・マスコウィッツ氏による教育講演会「子どもが育つ魔法の言葉 ドロシー&マスコウィッツのきらきらセミナー」(主催・平良市、市教育委員会)が二十一日、マティダ市民劇場で開催され、子育てに必要なことについて両氏がアドバイスした。ドロシー博士は、子供は家庭の中で親の姿を見て成長していくことから「子は親を写す鏡」であることを強調。一方的なしつけではなく「愛情を持つこと、受け入れること、感謝すること」を親自身が態度で示す必要性を訴えた。

 同セミナーは、午後二時には子供たちとの特別授業、午後六時半からは教育講演会とシンポジウムが行われた。
 教育講演会でドロシー博士は家庭が子供の成長に及ぼす影響の大きさを説明。家庭を「子供が生まれて初めて体験するコミュニティーの場」「社会や地球の一員となるための下準備の場」として位置付け、「家庭という小さなコミュニティーから人間関係が始まる。家庭で育つ中で選択することや責任を持つこと、人間としての存在の価値観を学んでいく。子供は親の姿をよく見ていることを認識してほしい」として父親、母親が持つ役割の重要さを述べた。また、父親と母親に求めれられていることについて「子供が何に興味を持ち、何を考えているか関心を持つ」「いろいろなことを話し合い、子供も家族会議の一員として認め尊重する」「言葉だけでなく、抱きしめたり体全体で愛情を表現する」「無条件に子供を受け入れる」など愛情を持って接し、受け入れていく子育てを求めた。
 ドロシー博士は最後に「子供は私たち大人の未来へのメッセンジャー。生活し学んだことを身に付け大人になる。育った家庭で何が必要か気付けば気付くほど、自分自身、素晴らしい家庭を築ける大人になる」として締めくくり、子育ては世代をつなげていくための重要なプロセスであることを訴えた。
 会場には多くの聴衆が詰め掛け、ドロシー博士の講演に聴き入った。

 写真説明・ドロシー博士の講演に聞き入る参加者たち=21日、マティダ市民劇場

子育てへの思いを語る/ドロシー博士らがシンポジウム

 二十一日に平良市マティダ市民劇場で行われた「子どもが育つ魔法の言葉 ドロシー&マスコウィッツのきらきらセミナー」のシンポジウムでは、ドロシー・ロー・ノルト博士、スチュワート・マスコウィッツ氏、平良市の伊志嶺亮市長がそれぞれの子育てにまつわるエピソードや子育てに対する思いを述べた。
 母親の影響を大きく受けたというドロシー博士は、自身が育った家庭を紹介。マスコウィッツ氏は自分自身の子育て体験について話し、「子育てで一番価値があるものは、感謝すること、愛情を持つこと、受け入れること。失敗しても子供が無事で生きているということがいかに大事かを伝え、無条件に受け入れることが大事。子育ては簡単なことではないが、ドロシー博士の講演を一つのツールとして子育てに生かしてほしい」と呼び掛けた。伊志嶺市長はこれからの宮古に大切なこととして「環境を守り、動物や植物、人を大切にする子供を育てていくことが必要。宮古島を壊さないよう、きらきらと輝いた宮古島市を子供たちに贈りたい」と話した。
 会場からは「宮古では母親だけで子育てする人が多い」としてアドバイスを求める質問があがり、ドロシー博士は「父親と母親がそろって初めて完全な子育てができる。万が一、離婚した場合でも子供にとって親であることは間違いない。コミュニケーションを取り合い、育ててほしい」と提言した。
 会場を訪れていた女性(40)は「自分に当てはまることが多く、考えさせられた。つい感情が先走って子供をしかってしまうことがあるが、ふとしたときに今回の話を思い出して考えられれば」と話した。

 写真説明・それぞれの子育てに対するエピソードや思いを語ったシンポジウム=21日、マティダ市民劇場

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平良市狩俣漁港・一部の岸壁が冠水/気象台、高潮情報を発表

 表層水温の上昇などの影響で、平良市狩俣漁港で二十二日早朝、岸壁の一部に海水が侵入し冠水した。船舶や漁具などに被害は無かった。宮古島地方気象台は、二十一日午後四時、二十一―二十五日までの大潮期間に関する「大潮による高い潮位に関する宮古島地方の潮位情報第一号」を発表した。同気象台では、宮古の海岸で平常潮位より二十aほど高い潮位を観測中。
 きょう二十三日午前八時十分の満潮時は、今年に入ってから最大の高潮となる。同気象台では、大潮期間中の満潮前後の時間帯に海岸地帯の低地では浸水・冠水の恐れがあるとして注意を呼び掛けている。
 二十一日午前六時二十分ごろ、同漁港の一部岸壁では海水の侵入が始まった。海水の上昇は続き同七時ごろには大量の海水が侵入。岸壁は長さ三十b、最大幅十bまで冠水した。同七時十五分ごろからの引き潮で、普段の岸壁光景に戻った。
 潮位が高くなる満潮時刻は、二十三日が午前八時十分、二十四日同九時、二十五日同九時五十分。

 写真説明・一部の岸壁に海水が侵入し冠水した=22日午前7時ごろ、平良市狩俣漁港

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 アララガマ魂でプレー/県中学バスケ きょうから熱戦スタート

 県中学校総合体育大会のバスケットボール競技、第四十七回県中学校バスケットボール競技大会(主催・県中学校体育連盟、県教育委員会)は二十二日、平良市総合体育館で開会式を行い、六十四チーム九百六十人の選手らが一堂に集って、互いの健闘を誓い合った。選手を代表して、宮古地区大会で男女一位となった男子・上野の小禄洋平主将と、女子・狩俣の島尻絵梨花主将が選手宣誓した。きょう二十三日から同体育館をはじめ北中、平良中、翔南高校の体育館で熱戦がスタート。宮古からは男子が上野、砂川、北、佐良浜、女子が狩俣、鏡原、下地、西辺の計八チームが出場する。(10面に関連、組み合わせ表)
 小禄君と島尻さんは「私たち選手一同は、日ごろ鍛えた粘り強さとアララガマ魂のもと、最後まであきらめないフェアプレーの精神で正々堂々とプレーする」と、緊張した面持ちで宣誓した。
 式中、大会会長を務める宮古地区中学校体育連盟の野原敏之会長は「皆さんは地区大会を見事に突破し、県大会出場を決めた。練習の成果を遺憾なく発揮してほしい」と激励。開催地の生徒代表、宮国秋絵さん(北中三年)は歓迎の言葉で「父母や地域の皆さんなど支えてくれる人たちへの感謝の気持ちをコートの上で表現してほしい」と期待した。
 今年二月の県選抜大会を制し、今大会も優勝候補に挙げられる上野が、市総合体育館の第一試合で西原(中頭)と対戦するなど、地元の声援を背に、宮古勢八チームの活躍に期待が集まる。

 写真説明・選手宣誓する小禄君(左)と島尻さん=22日、平良市総合体育館

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きょう大暑/暑さ厳しく

 きょう二十三日は二十四節気の一つ「大暑」。このころには暑さが絶頂に達し、酷暑にさいなまれる時期になることから大暑と言われる。「暑中見舞い」は大暑から立秋の前日までに出すのが正式とされており、立秋以降は残暑見舞いとなる。
 宮古島地方では恵みの雨をもたらした台風5号の暴風域から明け、最高気温三〇度を超す好天が続いている。今年に入ってからの最高気温は七日に三二・九度を記録した。宮古島地方気象台の週間天気予報によると今後も好天が続くと見られるが、フィリピンの東の海上に発生した台風7号の影響で雲が増える見込み。二十二日の最高気温は三一・二度(午後二時十七分)だった。
 平良市内の福寿保育園(仲間喜和子園長)では、園児たちが大好きな水遊びで暑さを解消。シャワーを取り付けた特設のビニールプールに入り、水しぶきをあげて水遊びに熱中し、青空の下で歓声を響かせた。

 写真説明・青空の下、水遊びを楽しむ園児たち=22日、福寿保育園

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   島クトゥバで語る戦世/ビデオ上映とシンポジウム

 「戦争と記憶 島クトゥバで語る戦世〜500人の記憶〜」上映会・シンポジウム(主催・琉球弧を記録する会、沖縄タイムス社、のーがらやー)が二十一日夕、平良市のゆいみなぁ(働く婦人の家)で開かれた。沖縄戦体験者が方言で語ったビデオ映像が上映され、会場に訪れた多数の市民らは目頭を熱くしながら改めて平和の尊さを実感した。シンポジウムでは、方言で収録された映像を高く評価し、体験者からのさらなる収録活動を期待した。
 「戦争と記憶」は、同会と沖縄タイムス社が戦後六十年事業として、県内各地の島クトゥバで戦争体験を語ってもらい、ビデオ映像と音で記録。これまでに五百人余りの体験者からの証言を記録した。宮古の証言者はミャークフツ(宮古口、宮古方言)で語った。
 シンポジウムでのパネリストは、根間ツル子さん(カンカカリャー)、下地和宏さん(城辺町教育委員会)、比嘉豊光さん(琉球弧を記録する会)の三人。三人とも戦争の体験の無い、戦後生まれと断った上で語った。司会は下地恵子さん(あんまぁじんぶんみやこ)が務めた。
 根間さんは「方言で証言する映像を見て泣いた。まだ宮古には戦争体験者がいるので、私も体験者から方言で聞きたい」と語り、戦争で亡くなった人の霊が天国へ行けるように祈っていることを話した。
 下地さんは、戦後五十年の時に、城辺町史の編さんに携わった際に戦争体験者の聞き取り調査したことに触れた上で「方言で収録された映像はすごい。表記は映像に勝てない」と評価した。
 比嘉さんは「戦争体験者の証言収録を通して方言の味わいを知った」などと述べ、今後とも証言者の収録に取り組んでいく意欲を示した。

 写真説明・左から司会の下地恵子さん、パネリストの比嘉さん、根間さん、下地和宏さん=21日、平良市のゆいみなぁ

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