200平成1  21曜日

野津武彦氏が急浮上/宮古島市長選・保守系

 十月一日に発足する新市「宮古島市」の市長選に向けて候補者の選考作業を進める保守系の人選作業で、野津商事社長の野津武彦氏'63)の名前が急浮上してきた。足踏み状態が長引く人選作業の打開策として保守系選考委(比嘉米三委員長)の一部委員と保守系有力者らがここ数日、同氏に打診、接触し調整を進めているもようだ。二十二日に行われる予定の第十回目の会合で同氏が選考のテーブルに載る見込みとなっている。
 現在、同選考委には前県議の坂井民二氏(55)が平良市議会と伊良部町議会の保守系議員から推薦され、城辺町助役の下地敏彦氏(59)が同町議会と伊良部町議会の保守系議員から推薦されている。
 また、前回の選考委後に経済界が推薦した宮古観光協会長で宮古テレビ社長の藤村明憲氏(55)と城辺町長の仲間克氏((66)のうち、藤村氏が経済界の申し入れを断ったことから二十二日予定の選考委では坂井氏、下地氏、仲間氏の三氏で協議が行われる見込みとなっていた。
 しかし、ここにきて野津氏の名前が急浮上し、ここ数日の間に各方面との調整が図られていることから野津氏を含めた四人による協議が進められる予定となっている。
 野津氏の名前が浮上したことで、選考委の協議は同氏を含めた四氏で話し合いが進む見込みだが、一本化した候補者になるには四者とも解決すべき課題が残っており、協議が長引くようであれば再度、決選投票との声が上がることも予想されている。


伊志嶺氏が8大基本政策発表/宮古島市長選

 宮古五市町村が十月一日に合併することに伴い行われる「宮古島市」の市長選への出馬を表明している現職平良市長の伊志嶺亮氏(72)は二十日、農水産業の振興と観光との連携による経済活性化と雇用拡大、地下水・自然環境の保全活用、行財政改革の積極的な推進などを柱とする八大基本政策を発表した。伊志嶺氏は「県全体で考えると、これまでは観光、基地、公共工事の3Kだったが、観光、経済活性化、環境の新たな3Kを創っていかなければならない」と述べ、観光の振興、農水産業の振興による経済活性化、環境保全を中心に取り組む考えを示した。
 宮古島マリンターミナルで行われた政策発表には、比嘉一雄後援会長や奥平一夫県議、伊志嶺氏を支持する市議らが同席した。
 基本政策のタイトルは「みゃーく大世(宣言! 島のすみずみまで豊かさと活力を」。@農水産業の振興、観光との連携による経済活性化と雇用拡大A地域拠点の整備と活力あるまちづくりA地下水を守り、海や森林など自然環境の保全・活用C下地島空港の活用と国際交流拠点の形成D全住民が「健康な百歳への挑戦」のできる環境整備E国際社会に対応した人材育成と教育環境の充実F行財政改革の積極的な推進と情報公開G男女共同参画社会の推進と平和な宮古の発信―を八本の柱とし、「住民とともに開かれた行政を進め、説明責任の果たせる市政を実現することを約束する」と決意を述べた。
 このうち行財政改革については、「市民参加による市民委員会を立ち上げ、市民との対話を重ねて進める」と強調。下地島空港は明確に軍事利用反対の堅持を強調し、周辺残地の活用として、新たにコンベンション機能を備えた国際交流センターの整備を挙げた。地下水保全に関連して、地下水に関する法整備を国に求めるとともに、環境保全条例を整備する考えを示した。

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3人けが、被害額1億2500万円

宮古支庁発表 台風5号災害速報(2報)

 県宮古支庁(兼城克夫支庁長)が二十日発表した台風5号による災害速報(第二報)によると、台風の影響で、女性三人が骨折などのけがをしていたことが分かった。また、農林水産被害額は、第一報の一億二千二百五十四万七千円から二百三十九万四千円増え、一億二千四百九十四万一千円となった。
 けがをしたのは平良市で二人、下地町で一人。平良市の女性(56)は玄関ドアに手をはさみ骨折、別の女性(53)は台風対策のため塀に上って作業中に足を滑らせて転落、左胸を打ち骨折した。
 下地町の女性(62)は、台風対策の作業中に転倒し、後頭部に裂傷を負った。
 農水産業では、下地町のサトウキビや平良市の野菜、上野村の野菜や果樹などで被害額が増えた。また、多良間村では海浜公園のシャワー室のドアの破損が見つかった。
 台風5号は十七日から十八日にかけて宮古島地方を暴風域に巻き込んだ。被害状況の確報値は一カ月以内に出される予定。

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「地水豊魂」の碑除幕/下北土地改良区

 城辺町下北土地改良区(野崎達男理事長)は二十日、一九八五年度から〇四年度まで約二十年の歳月をかけ同地区内で整備された県営土地改良ほ場整備事業、同畑地かんがい排水事業の完工を記念し、上区構造改善センターで記念碑除幕式および祝賀会を開催した。記念碑には潤い豊かな農業による生活の向上と、住民の農業魂が長く継承されることを願う「地水豊魂」の文字を彫刻。集まった理事や受益農家らが農業基盤の整備を喜ぶとともに今後ますますの農業発展に期待を込めた。

 下北地区は高台のため耕土が浅いやせ地が多く干ばつの被害を受けやすい農業地域だったことから、同地区農家にとってほ場整備、かんがい排水の両事業はかねてからの念願だったという。
 同地区のほ場整備事業は、地区面積七十六f、総事業費十億八千三百七十三万円。工期は一九八五年度から〇一年度まで。畑地かんがい排水事業は、受益戸数百十八戸、面積六十七f、総事業費六億三百八万円で、工期は〇二年度から〇四年度までの三年間だった。
 除幕式は、野崎理事長、長濱政治宮古支庁次長、根間恵勇同農業水産整備課長、仲間克城辺町長の四氏が行い、記念碑の傍らに町花木のセンダンを植樹した。野崎理事長は「下北の農地は耕土深が浅く保水力も乏しく、効率的な農業は難しかったが、長い年月と多額の事業費をかけてこのたび、ほ場とかんがい施設の整備が完成した。次の世代に誇れるものとして引き継いでいきたい」とあいさつ。また、兼城克夫宮古支庁長(長濱次長代読)は「農家の皆さんが整備された施設を効率良く活用し、もうかる農業を展開することに期待する」と祝辞を述べた。

 写真説明・記念碑を除幕した(左から)根間課長、野崎理事長、仲間町長、長濱次長=20日、上区構造改善センター前

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 浜川町長が町選管に弁明書/伊良部町長リコール問題

 合併反対グループ「伊良部町の自治権を守る会」会長の川満昭吉解職請求代表らが、同町選挙管理委員会(佐和田恵剛委員長)に浜川健町長の解職(リコール)を求める本請求書を提出したのを受け、浜川町長は二十日午後、本請求書に反論し正当性を主張する弁明書を同選管に提出した。本請求書と弁明書は、解職を問う住民投票が告示される八月一日から町選管に掲示される。投票日は同二十一日。
 浜川町長は「去年一月に実施された合併の是非を問う住民投票の結果では、合併反対が多数占めた」と述べた上で「しかし、最終的な判断を下すのは町議会。今年三月二十五日に開かれた町議会では、圧倒的多数で合併を可決した。この結果は、住民投票の結果を否定する町民の大多数の支援した結果」と、町議会の責任で決めた合併の正当性を主張した。
 浜川町長は、川満代表らが行った解職本請求については強く批判し「合併反対を理由とした、私のリコール投票はまったく意味がない。理不尽な解職請求だ」と言葉を強めて主張した。
 今月十四日に県議会が宮古五市町村合併を全会一致で可決したことについて、浜川町長は「伊良部町が合併し、宮古島市が誕生するのは間違いない」と語った。
 解職本請求書は町選管が今月一日に受理。被解職請求者の浜川町長は、地方自治法に基づいて同日から二十一日以内に町選管に弁明書を提出することになっていた。

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「わーい夏休みだ」/各校で1学期の終業式

 きょう二十一日から夏休み。宮古地区のほとんどの小、中、高校で二十日、一斉に終業式が行われ、児童生徒たちが待ちに待った夏休みに入った。終業式を終えた各校では、一学期の汚れを落とそうと教室の大掃除が行われたほか、「よいこのあゆみ」「通知表」などが手渡された。
 このうち、平良市立東小学校(仲間克枝校長)の一年二組の教室では、担任の福里やよい教諭から三十一人の児童たちに、「ラジオ体操カード」や夏休みの宿題が配布された。
 一学期の学習の様子を記録した「東っ子のあゆみ」が一人ひとりに手渡されると、受け取った児童らは「二重丸がいっぱい」などと歓声を上げた。
 また、福里教諭は児童らに「交通安全第一。夏休みを安全に過ごし、二学期に元気な顔をそろえてください」と呼び掛けた。
 狩俣亮奈ちゃんは「夏休みはお母さんと一緒に公園や海に行きたい。とっても楽しみ」と笑顔を見せた。
 二学期制を導入している伊良部町内の各校でも、二十一日から一斉に夏休みに入った。

 写真説明・「東っ子のあゆみ」を掲げて夏休みの突入を喜ぶ児童ら=20日、東小学校

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   「生の演奏はすごい」/養護学校でバイオリンコンサート

 バイオリニストの天野誠、智美夫妻は二十日、県立宮古養護学校(玉元江美子校長)でコンサートを開いた。全校児童生徒をはじめ、父兄らも参加。バイオリンとビオラが奏でる美しい調べに酔いしれていた。
 このコンサートは、東京都で本紙を購読している天野夫妻が、六月十八日付文化ページのペン遊楽「この子らと共に―養護学校に遊びに来ませんか―」を目にしたことがきっかけで実現した。
 コンサートでは「アベ・マリア」や「夢のあとに」などクラシックの名曲をはじめ、「となりのトトロ」や「ミッキーマウス」など子供たちになじみの曲も披露された。
 天野夫妻は、バイオリンとビオラの楽器の特徴を簡単に説明。一曲ごとに児童らと会話しながら、曲の紹介をするなど交流を深めた。
 バイオリンの生の演奏を耳にするのは初めてという児童生徒も多く、繊細かつ深みのある音色に驚いていた。中には、手拍子を取ったりする子供の姿も見られた。
 児童生徒らはコンサートの最後に天野夫妻に元気いっぱいの歌をプレゼントし、感謝の気持ちを表した。

 写真説明・バイオリンとビオラで美しい音色を奏でる天野夫妻=20日、宮古養護学校

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